歯科へ行っても改善しない舌の痛み、口腔外科へ行くべき?
相談者:
グレースさん (48歳:女性)
投稿日時:2013-10-26 22:27:23
回答1
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2013-10-26 23:01:02
グレースさん、こんにちは。
舌の痛み、大変お困りのことと思います。
>自分で調査すると舌痛にも治療があり、薬もあるとのことですが、
舌痛とは症状であり、症状には基本的に原因が存在します。
一例をあげると、カンジタ真菌の感染であったり、ドライマウスが背景に存在していたり、亜鉛など無機質のバランス異常であったり…この他にも複数の異常が考えられます。
なお、舌痛の原因と考えられるあらゆる可能性が否定され、確たる原因が不明であるにも関わらず舌の痛みを伴う、特発性舌痛症といわれるものも存在します。
これらの舌の痛みを伴う疾患に対しては、その原因に応じた治療を行う必要があります。
たとえば、カンジダ感染が関係しているなら抗真菌薬が使用され、ドライマウスが関連しているなら、更にそのドライマウスの原因を精査の上、その治療を行う、といった感じです。
グレースさんの舌の痛みが、どういった原因に由来するものかは、この場では分かりません。
したがって、舌の痛みの原因を追究することを得意とする医療機関を受診する必要があります。
基本的には、大学病院の口腔外科になると思います。
ご参考になれば幸いです。
お大事にどうぞ。
舌の痛み、大変お困りのことと思います。
>自分で調査すると舌痛にも治療があり、薬もあるとのことですが、
舌痛とは症状であり、症状には基本的に原因が存在します。
一例をあげると、カンジタ真菌の感染であったり、ドライマウスが背景に存在していたり、亜鉛など無機質のバランス異常であったり…この他にも複数の異常が考えられます。
なお、舌痛の原因と考えられるあらゆる可能性が否定され、確たる原因が不明であるにも関わらず舌の痛みを伴う、特発性舌痛症といわれるものも存在します。
これらの舌の痛みを伴う疾患に対しては、その原因に応じた治療を行う必要があります。
たとえば、カンジダ感染が関係しているなら抗真菌薬が使用され、ドライマウスが関連しているなら、更にそのドライマウスの原因を精査の上、その治療を行う、といった感じです。
グレースさんの舌の痛みが、どういった原因に由来するものかは、この場では分かりません。
したがって、舌の痛みの原因を追究することを得意とする医療機関を受診する必要があります。
基本的には、大学病院の口腔外科になると思います。
ご参考になれば幸いです。
お大事にどうぞ。
回答2
ひぐち歯科クリニック(大阪府茨木市)の樋口です。
回答日時:2013-10-27 01:21:11
こんにちは。
舌の痛みには大きく分けて二つのタイプがあります。
一つは食事中に痛みが強くなるもの、もう一つは痛みがなくなるものです。
前者は粘膜が荒れている状態で、後者は神経に問題が生じている状態です。
粘膜が荒れる理由としてはアフタ性口内炎やカンジダ症、ドライマウス、貧血、亜鉛不足、扁平苔癬などがあります。
これらをひっくるめて舌炎といいます。
神経が問題を起こすのは舌痛症といいます。
舌の痛みには大きく分けて二つのタイプがあります。
一つは食事中に痛みが強くなるもの、もう一つは痛みがなくなるものです。
前者は粘膜が荒れている状態で、後者は神経に問題が生じている状態です。
粘膜が荒れる理由としてはアフタ性口内炎やカンジダ症、ドライマウス、貧血、亜鉛不足、扁平苔癬などがあります。
これらをひっくるめて舌炎といいます。
神経が問題を起こすのは舌痛症といいます。
相談者からの返信
回答3
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2013-10-27 22:26:12
グレースさん、あらためまして。
ほぼ解決済みの様子ですが、
>神経的な要因が確かにあります。
というのは、もしかすると若干の誤解があるかなと感じます。
【1】
私が回答1で書いた「特発性舌痛症」という病気・病名(おそらく樋口先生が回答2で書かれている「舌痛症」という表記も同一だと思われます)は、簡単にいってしまえば「原因不明の舌の痛み」です。
以前は、心因性(気にしすぎ・心の問題)の症状と考えられていた節があります。
ところが最近の研究では、痛みを伝達する神経の回路に問題が生じており、神経痛に近い症状ではないか、と考えられるようになってきています。
とはいえ、いまだはっきりとした発症メカニズムが明らかになっていないことから、「原因不明の舌の痛み」と考えられています。
【2】
一方で、症状(≠病名)としての舌痛(舌の痛み)を伴うものの中には、原因が明らかなものが複数あります。
これが、私が回答1で記している、
・カンジダ感染が関連しているケース(私見ですが、これが比較的多いと思います)
・ドライマウス
・亜鉛の欠乏
などによるものです(これ以外にも舌痛を伴う原因は、貧血など全身的なものを含めて多数存在します)。
また、前記の「特発性舌痛症」とは鑑別する必要がある、神経が関係する病気として、
・三叉神経痛
・舌咽神経痛
などがあげられます。これらの神経痛でも舌痛を伴うことがありますが、病名はあくまで「三叉神経痛」「舌咽神経痛」であり、「舌痛症」という病名にはなりません。
【3】
では、グレースさんのように、舌痛という症状(≠病名)を訴える方に対して必要なことは、前記【2】のように、はっきりとした舌痛の原因が存在しているかどうかを、しっかりとチェックすることにあります。
そして、この原因が明らかな場合は、その原因に応じた治療を行うことで、舌痛という症状は緩和されることが多いです。
一方で、舌痛の原因と考えられるあらゆる可能性が医学的に否定された場合に、初めて考えられるのが【1】の病気・病名としての舌痛症です。
舌痛症に該当する場合、前記のとおり「神経の問題」と考えられるようになりつつあるといっても、いまだはっきりとした発症メカニズムは不明なため、
「この治療さえすれば確実に治る」
といった治療法が存在していないのが現実です。
比較的効果がある治療として、抗うつ薬の服用があげられますが、個人差がある点と、どの医療機関でも処方される薬ではないという点から、舌痛症に対する決定的な治療法といえないのが実情です。
【4】
やや専門的な内容までふみこんでコメントしましたが、あえて私が上記コメントをしたのが、
>神経的な要因が確かにあります。
というのが、前記【1】or【2】のどのようなケースに該当するか、少々予測がつかないからです。
もしかするとグレースさんは、大学病院を診察さえすれば、現在の舌痛の症状に対する明確な治療が直ちに提示され、その日のうちにでも症状が劇的に改善するのでは、という期待をお持ちになられているかもしれません。
ですが、実際には、症状としての舌痛を伴う各種疾患の鑑別、病名としての舌痛症の診断およびその治療など、なかなかスムーズに進まないこともあります。
その場合、患者さんは「大学病院を受診しても治らない」という印象のみ強くしてしまい、症状がますます悪化してしまうケースが少なくありません。
そういうわけで、この症状とはちょっと粘り強く向かい合って頂き、まずは医療機関で原因をしっかりと追究することを第一に考えて頂ければと思います。
早く症状が改善されますように。お大事になされてください。
ほぼ解決済みの様子ですが、
>神経的な要因が確かにあります。
というのは、もしかすると若干の誤解があるかなと感じます。
【1】
私が回答1で書いた「特発性舌痛症」という病気・病名(おそらく樋口先生が回答2で書かれている「舌痛症」という表記も同一だと思われます)は、簡単にいってしまえば「原因不明の舌の痛み」です。
以前は、心因性(気にしすぎ・心の問題)の症状と考えられていた節があります。
ところが最近の研究では、痛みを伝達する神経の回路に問題が生じており、神経痛に近い症状ではないか、と考えられるようになってきています。
とはいえ、いまだはっきりとした発症メカニズムが明らかになっていないことから、「原因不明の舌の痛み」と考えられています。
【2】
一方で、症状(≠病名)としての舌痛(舌の痛み)を伴うものの中には、原因が明らかなものが複数あります。
これが、私が回答1で記している、
・カンジダ感染が関連しているケース(私見ですが、これが比較的多いと思います)
・ドライマウス
・亜鉛の欠乏
などによるものです(これ以外にも舌痛を伴う原因は、貧血など全身的なものを含めて多数存在します)。
また、前記の「特発性舌痛症」とは鑑別する必要がある、神経が関係する病気として、
・三叉神経痛
・舌咽神経痛
などがあげられます。これらの神経痛でも舌痛を伴うことがありますが、病名はあくまで「三叉神経痛」「舌咽神経痛」であり、「舌痛症」という病名にはなりません。
【3】
では、グレースさんのように、舌痛という症状(≠病名)を訴える方に対して必要なことは、前記【2】のように、はっきりとした舌痛の原因が存在しているかどうかを、しっかりとチェックすることにあります。
そして、この原因が明らかな場合は、その原因に応じた治療を行うことで、舌痛という症状は緩和されることが多いです。
一方で、舌痛の原因と考えられるあらゆる可能性が医学的に否定された場合に、初めて考えられるのが【1】の病気・病名としての舌痛症です。
舌痛症に該当する場合、前記のとおり「神経の問題」と考えられるようになりつつあるといっても、いまだはっきりとした発症メカニズムは不明なため、
「この治療さえすれば確実に治る」
といった治療法が存在していないのが現実です。
比較的効果がある治療として、抗うつ薬の服用があげられますが、個人差がある点と、どの医療機関でも処方される薬ではないという点から、舌痛症に対する決定的な治療法といえないのが実情です。
【4】
やや専門的な内容までふみこんでコメントしましたが、あえて私が上記コメントをしたのが、
>神経的な要因が確かにあります。
というのが、前記【1】or【2】のどのようなケースに該当するか、少々予測がつかないからです。
もしかするとグレースさんは、大学病院を診察さえすれば、現在の舌痛の症状に対する明確な治療が直ちに提示され、その日のうちにでも症状が劇的に改善するのでは、という期待をお持ちになられているかもしれません。
ですが、実際には、症状としての舌痛を伴う各種疾患の鑑別、病名としての舌痛症の診断およびその治療など、なかなかスムーズに進まないこともあります。
その場合、患者さんは「大学病院を受診しても治らない」という印象のみ強くしてしまい、症状がますます悪化してしまうケースが少なくありません。
そういうわけで、この症状とはちょっと粘り強く向かい合って頂き、まずは医療機関で原因をしっかりと追究することを第一に考えて頂ければと思います。
早く症状が改善されますように。お大事になされてください。
相談者からの返信
相談者:
グレースさん
返信日時:2013-11-01 21:30:27
原因をしっかりと追及して頂くことを重点に病院に行きます。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
タイトル | 歯科へ行っても改善しない舌の痛み、口腔外科へ行くべき? |
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質問者 | グレースさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 48歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | 舌の痛み(舌が痛い・舌痛症) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。