非抜歯矯正中、スペース確保のために神経を取り歯を削ることに不安

相談者: Mチョコさん (27歳:女性)
投稿日時:2014-05-15 14:06:18
初めましてこんにちは。
現在非抜歯矯正を始めて約2年半経ちます。

著しい程の出っ歯ではないということで非抜歯をすすめられ、そちらを選択しました。
下の歯は結構なガタガタ具合でした。


スペースを確保するため、ストリッピングで歯を削り隙間を作り、歯は並んだけどさほど出っ歯が改善されたわけではありません。
それは、初めから抜歯のようには改善されないのは承知の上でした。

しかし、やっぱりもう少し見た目的にも下げたいと思い医師と相談し、またストリッピングをするにしてももうわずかしか出来ないから出来る範囲でするか、もしくは

「上下4本4番の歯神経を取り歯を削ってスペースを確保する」

とのことでした。


ストリッピングの方法はネットでも調べたのでさほどスペースを確保できない事なども知ってはいましたが、この神経を取って歯を削りスペースを確保するというのはやり方として問題ないのでしょうか?

母は以前より歯並びがよくなったのだから、抜歯も神経を抜くのはやめた方が良いと説得させられていますが・・・。

他の先生方はどう思われるでしょうか?


毎日気になって仕方がありません。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-05-15 14:58:00
神経の抜髄が必要な程の、隣接面の削合(ストリッピング=IPR)
は避けられた方が安全だと思います。


歯の神経を取る「抜髄」という治療は、長期的な観点からは、それなりに難易度が高い治療です。
虫歯の治療や補綴的な対応で、抜髄が必要である場合以外では、行うべきではないと思います。



また、一般論ですが、天然歯は、歯冠部が広く、歯根の幅が狭い形態になっています。

そして、歯冠部の幅が、歯根部より広い形態であることで、隣接歯の歯根と歯根が、離れて存在します。
そのため、歯根を支える周囲歯槽骨量が確保されます。


ところが、過剰な歯冠部の隣接面削合を行った後に、削合したスペースが閉鎖された場合には、隣接歯(今回は、4番の近遠心の3番と5番)の歯根が、削合を行った4番歯歯根に接近して、相対的な歯根周囲の歯槽骨量が減少するという「歯根の近接化」が発生します。


もし、口元が下がるほどの隣接面削合を、4番だけに適用した場合には、著しい歯根近接が予測され、4番と3番、5番歯の予後を考えた場合、歯周病管理といった視点からも、長期的には、深刻な問題が発生することが懸念されます。



すでに、上下顎歯全般に抜髄を行わない範囲での限界まで隣接面削合を行っている以上、口元をひっこめる治療計画の変更としては、第一選択としては、小臼歯の便宜抜歯の追加が考えられます。

ただし、隣接面削合をすでに行っているということであれば、抜歯スペースの閉鎖後に、口元が引っ込みすぎる等の問題が発生する可能性もあります。


また、智歯(8番)抜歯が前提となりますが、インプラントアンカーなどの利用などにより、上下顎歯列全体の遠心移動(小臼歯非抜歯)によって、口元の突出が改善できる場合もあります。

ただし、歯列遠心移動は、最後方歯(7番)遠心に、充分な配列スペースが存在しない場合には、適用できません。

また、大幅な遠心移動後に、機能的・審美的な上下顎の歯ならびかみ合わせを確立することは、かなり難易度の高い矯正治療となるため、矯正歯科専門医でも、対応できない場合があります。



まずは、実際の状況を把握されている矯正担当医とじっくりご相談されることをお勧めします。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Mチョコさん
返信日時:2014-05-15 15:25:38
堀内 先生

ご回答ありがとうございます!


担当の先生は神経を抜いてスペースを確保するという方法は日常的に行っているみたいでした。

あまりにも簡単に出来るような事をおっしゃっていたの、私は疑問に思い不安でした。

本来なら矯正を始める前に相談すべきでしたね。。


堀内先生のご返答を見て、神経を抜いてのストリッピングはやっぱりやめようと思いました。

確かに今から抜歯しても下がり過ぎる可能性があると担当医もおっしゃっていました。
お金も払っているので満足出来なかった事が残念です。
初めから抜歯矯正をしとけば良かったのかもと毎日悔いています。


矯正は一人の歯科医だけに診てもらうのは、あまり良くなかったのでしょうね。

丁寧な説明と相談にのって頂き、本当にありがとうございました☆



タイトル 非抜歯矯正中、スペース確保のために神経を取り歯を削ることに不安
質問者 Mチョコさん
地域 非公開
年齢 27歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正の治療法
歯列矯正のトラブル
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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