右上6番の神経を抜くかどうか。抜いた場合は銀歯になるのか?

相談者: うみっふぃーさん (35歳:女性)
投稿日時:2014-12-01 15:42:21
こんにちは。
表題の件に関して、少し長文になるかと思いますが、ご相談させて下さい。


数年前に右上の第一大臼歯虫歯治療のため削って、銀の詰め物を入れていました。

それが2週間程前にぽろりと外れたので、近所の歯科で診ていただいたところ、取れた詰め物も古くなってるので新しいのを作ることになりました。
残っている歯自体は虫歯になってはいないが「だいぶ汚れている」とのことで、麻酔をして削った後、型取りをしました。

この時点で、歯の位置的に保険診療で白い詰め物を入れることはできないということと、強度的にも保険の範囲内なら銀の詰め物にしようと説明されました。



また、詰め物ができてくるまでの2週間弱、「仮留め」をしておくが、外れたら痛むと思うので外れないようにと注意を受けました。

ガムや歯磨きの仕方に気をつけて生活していたのですが、そこから数日後、ぎゅっと強く噛んだり硬いものが当たった時など、ふとした時に痛みが出ました。


そのまま、我慢はできるけど・・・という範囲の痛みが一日数回ありました。
本日、詰め物が完成したのでつけていただきに行き、仮留めを外され、痛みの確認をされたところ、我慢するのがキツイな、というレベルの痛みを感じました。
(風を当てられたり、口をゆすいだりするのが辛い程度です)




以下、担当医の先生が説明してくださったことです。

1、 2週間前の型取りの時に中を削った時にはいけると思ったけど、現状神経が炎症を起こしている。
(腫れていて、薄くだけど歯の上から透けて見えている、と表現されました。神経って目視できるんですね・・・)
神経を抜いて、がばっとかぶせにするのが一番いいかと思う。


2、 神経をできるだけ残したいのであれば、とりあえず消炎剤を塗布してセメントで固めて一週間様子を見てみる。
それで痛みが治まって炎症が治まって・・・ということであれば、神経を残して詰め物でいけるかな。
(詰め物は作り直し)


3、 それと、詰め物の場合、型取りからの1〜2週間が耐えられないというのであれば、強度は落ちるけどプラスチックをその場で入れて終わりにすることもできる。
(補足 お恥ずかしながら禁煙中でして、喫煙の代わりにガムを噛みたいという欲求が毎日かなり強く、仮留め期間がとても辛かったと申し出ました)



歯の神経を抜くということにあまりいい印象が無いため、その場で即答できず、上記2番の処置をして一週間後にまた伺うことにしました。

担当医としては、炎症が治まったら詰め物にするという方法を採ることはできるが、その処置をした場合に、今後ずっと痛みが出ないかどうかが予測できない(五分五分か、また痛んできて結局神経抜いて・・・という可能性が若干高いという口ぶりでした)



前置きが長くなりましたが、ご相談としては、

・このような状況の場合、神経を残すことに固執するよりは、「そう遠くない未来に結局抜くことになるだろう」という考え方をして次回通院時に神経を抜いてしまった方が良いか

・個人差がとてもあると思うのですが、このような歯はいったん炎症が治まり痛みがひいても、その後また痛くなってくる場合は多いのか

・上記3番の白いプラスチックの詰め物で一回で終わりにする(型取りを必要としない)という処置は、強度として可能なのでしょうか? 
また、奥の歯ですが、保険診療で認められているのでしょうか?


の3点です。



個人的には、神経を抜くこともイヤですが、神経を抜いた場合銀のカブセにするしか選択肢が無いことがネックになっています。

家系的に歯がそんなに強くないようです。
2ヶ月に一度クリーニングに通っていますが、それでも1年に数回虫歯が見つかります。
今のところ、保険外の診療は考えていません。
担当のお医者様は、きちんと説明して下さる感じの先生です。


長くなってしまって申し訳ございませんでした。
よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-12-02 15:56:21
>・このような状況の場合、神経を残すことに固執するよりは、「そう遠くない未来に結局抜くことになるだろう」という考え方をして次回通院時に神経を抜いてしまった方が良いか

個人的にはマイクロスコープを使い、詰め物を慎重に外し、神経が出ていて炎症症状が認められれば抜髄します。
しかし、神経まで達していない、または達していたとしても炎症症状がければMTAなどで覆罩を行い、様子を見ると思います。



> ・個人差がとてもあると思うのですが、このような歯はいったん炎症が治まり痛みがひいても、その後また痛くなってくる場合は多いのか

個人的にはかなりの確率で神経を残せると感じています。



> ・上記3番の白いプラスチックの詰め物で一回で終わりにする(型取りを必要としない)という処置は、強度として可能なのでしょうか?
> また、奥の歯ですが、保険診療で認められているのでしょうか?


穴の大きさにもよると思います。
虫歯が深くても面積的に小さければレジンで行けると思います。
もちろん、大臼歯部でもレジン充填健康保険でも認められています。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: うみっふぃーさん
返信日時:2014-12-02 18:34:29
櫻井先生、ご回答ありがとうございました。


神経を残せる可能性を教えて下さって希望が持てました。
MTAという材料のことなども、非常に参考になりました。

ただ、「神経を取るしかない」となった場合のことでいくつか不安が残っています。


数点、再度質問させて下さい。

今の担当医は丁寧な方なんですが、

「神経が腫れるとは当初考えて無かった。
正直、奥の歯なので若干見えづらく手探りで治療している部分もあるので、予測ができなかったのは仕方が無い」

と言われ、それはそうかも知れませんが、「奥だから見えないので手探り」ときいてしまうと、「この先生に神経を抜いてもらって大丈夫なのだろうか」と感じてしまうのも事実です。

そこで、引越し前に通っていた信頼できる先生のところへ一度伺おうかと考えています。(2時間かかるのが問題ですが・・)


歯の神経を触る場合、年末年始を跨ぐのが不安なのですが、痛みが出ていない状態ならば仮のセメントで埋めた状態で年明け位から神経の治療をすることは可能なのでしょうか(進行したりするのか)


・神経を抜いた経験が無いのですが、通常その場合「どれくらいの期間、何回くらいの通院」が必要になってくるのでしょうか


・今のところ、ほとんど痛みが無い状態なのですが、もう炎症は治まったのでしょうか。
もしくは、セメントで埋めているので刺激されず痛くないだけで、一週間後の診察時に露出されるとまた同じように痛みが出るでしょうか(出た場合は、神経を残すことは難しいでしょうか)


歯が弱い、と歯科医師に言われている割に、大きなトラブルが出たことはまだ無く、経験が無いので不安になっているのだと思います。
個人的な見解でかまいませんので、何か参考になるご意見いただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-12-03 10:09:23
MTAという材料のことなども、非常に参考になりました。

保険の範囲で使ってもらえるかどうかは解りませんので、担当の先生としっかり相談されてください。
(高価な薬剤なので保険の範囲だと採算が取れない可能性があります)


>「奥だから見えないので手探り」

裸眼で行う奥歯の治療は、ほとんどが手探りですよ。
(マイクロを使っても全てが見えているわけではありませんが)


>「この先生に神経を抜いてもらって大丈夫なのだろうか」

だとすれば、拡大鏡や顕微鏡を使って治療してくれる歯科医を探された方がよろしいのではないでしょうか?


>痛みが出ていない状態ならば仮のセメントで埋めた状態で年明け位から神経の治療をすることは可能なのでしょうか(進行したりするのか)

何とも言えません。

適切な歯髄覆罩を行えば痛みは数日で引く事が多いです(個人的には)。
逆に不適切な処置の場合、年末年始で痛みが出てもおかしくは無いと思います。



>通常その場合「どれくらいの期間、何回くらいの通院」が必要になってくるのでしょうか

ケースバイケースですし、その医院、その先生の診療スタイルによって変わってくると思います。

当院は保険診療は行わず、一人の患者さんの治療時間を60〜120分確保します。
1回の治療時間内に進められる治療工程が多いですから、通常の抜髄であれば1〜2回で終わると思います。

しかし、1回の治療時間が10〜15分程度しか確保できないシステムの場合には何回か通う必要があるように思います。


>今のところ、ほとんど痛みが無い状態なのですが、もう炎症は治まったのでしょうか。

これは実際に治療した歯科医にしか判断できないと思います。


>一週間後の診察時に露出されるとまた同じように痛みが出るでしょうか(出た場合は、神経を残すことは難しいでしょうか)

どうなんでしょう?

僕は「歯髄覆罩は一発目が勝負」と思っているので、次回来院時に歯髄が露出していたら抜髄するかもしれません。
(と言うよりも僕の治療コンセプトでは「セメントで応急処置して次回確認」と言う事はしないので、一発目が勝負なのですが…)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: うみっふぃーさん
返信日時:2014-12-03 19:28:52
桜井先生、数多くの質問に丁寧に回答いただき真にありがとうございました。


素材のこと、拡大鏡などのこと、抜髄にかかる時間や回数のことなど、非常に参考になりました。

やはりできれば神経を残したい、触られるなら信頼できる先生の所で、と感じたので、通院の負担はありますが今は歯科医院を変える方向で考えております。

自分の中で結論を出すための大きな手助けになりました。


また、完全に余談になりますが、こちらのサイトで書かれている「保険診療の限界・低すぎる診療報酬(及び技術料)」などの記事はとても興味深かったです。

これからも歯チャンネルを拝見させていただきます。


この度は本当にありがとうございました。
また何かありましたら、よろしくお願いいたします。



タイトル 右上6番の神経を抜くかどうか。抜いた場合は銀歯になるのか?
質問者 うみっふぃーさん
地域 非公開
年齢 35歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の治療法
覆髄・覆罩(覆ずい・覆とう)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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