歯周ポケット検査時の出血について悩んでいます

相談者: ぱるばるーんさん (49歳:男性)
投稿日時:2015-04-16 15:44:27
歯周ポケットからの出血について悩んでいます。

【質問】
私は歯垢がほとんどついていないのに検査のとき出血するのです。
どうしたら出血しなくなりますか。

歯周病菌は、歯垢がなくても歯ぐきの中で生きていくことが可能なのでしょうか。
何とか殺菌する方法ないでしょうか。



【説明】
3〜4ヶ月に一度かかりつけの歯科医院で歯の清掃をうけています。
私は軽度の歯周病で 歯周ポケットはすべて3ミリから4ミリです。
普段の歯磨き程度では、目で確認できるような出血は、ありませんし、歯ぐきの腫れなどもありません。歯ぐきの色はピンク色です。

生活歯は27本です。
1本インプラントがあります。
死活歯はありません。


私のかかりつけの歯科医は歯周ポケットを1本の歯に対し6カ所測定します。
舌側と頬側各(前、真ん中、後)です。
歯が27本ですので 27本x6カ所=162カ所です。
結果、その内の約30%で検査のときプローブに出血があるそうなのです。


出血があるということは、歯周病菌が活発に活動しているのだと思うのですが、不思議なことに歯垢は、少な目でほとんどついて無いらしいのでが何故か出血するのです。


普段心がけていることとして がんばって歯磨きをする。
糖質を含むも食事を少なくする。(私はBMI値21です。)
間食を控える。歯科医院での定期的な歯垢取りを行う。などです。

体質なのか、どうしても歯周ポケット検査のとき出血が改善しません。
これがいやなのです。気にしすぎでしょうか。


歯周病治療のゴール = 歯周ポケット検査で出血しない」

に設定するのは間違いですか?


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-04-16 20:44:47
出血の原因として考えられるものは二つあると思います。

一つ目 歯周ポケット検査に使うポケット探針が太いあるいは尖っているあるいは圧が強すぎる。

二つ目 歯周ポケット内に炎症が存在している。 → 感染源がある。 → 歯石が隠れている。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2015-04-17 08:35:28
こんにちは

柴田先生がおっしゃるように出血してくることは、ポケット内に感染源がまだあるのかもしれません。



>「歯周病治療のゴール = 歯周ポケット検査で出血しない」
>に設定するのは間違いですか?

概ねゴールの設定はポケット検査での出血をしないほかに、プラークコントロールが良いことと歯周ポケットが3〜4mm以下などが目標になることが多いと思います。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2015-04-17 08:56:50
ご相談ありがとうございます。

>「歯周病治療のゴール = 歯周ポケット検査で出血しないに設定」
>するのは間違いですか?


良いと思います。
ポケットの深さも一つの基準です。
ポケットは相対的な検査なので、深さ以外に絶対的なアタッチメント・ロスを計る方法もあり、長期的にはそれも判断基準に取り入れたほうが良いかもしれません。


またとても丁寧な検査を受けているようで何よりです。

後考えられることは、大臼歯には歯周病検査としてしなければならないことに、分岐部病変の検査があります。
ちょうど大臼歯の数は約30%ですからその検査結果と対応を相談してみても良いかもしれません。

歯周病の治療は突き詰めるととても難しく、治療できれいにしたつもりでも結果はきれいにしきれないことは、スウェーデンの歯周病専門医でもふつうにあることです。
かなり微妙な状態かもしれません。


>不思議なことに歯垢は、少な目でほとんどついて無いらしいのでが何故か出血するのです。


もし出血があり、軽度でも歯周病があるとすると、歯垢が一つの原因ですから、その少なめの歯垢の影響なのかもしれません。
また歯垢だけが原因ではありませんから、お話のように身体の健康や栄養やストレスなども総合的に勘案すると良いのかもしれません

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2015-04-17 13:15:25
こんにちは。

ネット相談ですから、検査結果の信憑性自体判断の難しいところなのですが、お書きになっている

・6点法の検査で
・ポケットはすべて3〜4mm
・出血は30%

が正しいとして回答しますね。



PCRプラークコントロールレコード)について記載がありませんが、通常この数値とBOP(ブリーディング オン プロービング(外部サイトhttp://www.dr-plaza.net/ha/yougo/yougo_hi_03.html))の数値は±10%ぐらいで一致している方が自然だと思います。

BOPは歯周病のリスク(今後進む危険性)を判断するにはポケット値よりも重要な数値ですので、少な目を目指すべきですので、ぱるばるーんさんはとても良いところに着目されていますね。


ただし、BOPにしてもPCRについても0%というのは理想ですが、実際にはかなり難しいですから、大体20%前後を目安に目標とすると良いと思いますよ。

20%を基準に、歯周病やむし歯のリスクが低い方なら少し緩くしても良いでしょうし、リスクが高いなら低めに目標設定をする様に、これは決まりではないのですが当院ではその様にしています。


それと歯周ポケット検査が1点法、4点法、6点法でも%の出方は変わってきてしまいますので、過去の臨床研究で一般的な4点法を基準として考えるとするなら、ぱるばるーんさんのBOPの目標値は20%よりももう少し低めでも良いかも知れません。

あと、BOPが少なくなった後は、BOPが+の部位(出血する部位)にも注目して、何年間も同じ部位が出血する様なら少し警戒が必要です。



前置きが長くなりましたが、ご質問に戻って、

>私は歯垢がほとんどついていないのに検査のとき出血するのです。
>どうしたら出血しなくなりますか。

「歯垢がほとんどついていない」というのが、PCRで例えば10%のことでしたら、BOPも10%ぐらいなら自然ということになります。
更に厳密に言うと、「検査の時の出血」にも2種類があって、ポケットの辺縁(入り口の辺り)からの出血と、ポケット底からの出血が区別されるのですが、PCRと相関が強いのはポケット辺縁からの出血で、出血指数(BI : Bleeding Index)と言います。

ただ検査法としては一般的ではありませんので、ぱるばるーんさんが気にされているのはBOPの方だと思います。



歯周病菌は、歯垢がなくても歯ぐきの中で生きていくことが可能なのでしょうか。何とか殺菌する方法ないでしょうか。

歯垢(プラーク)は300〜500種類くらいの細菌(やその代謝産物)の塊のことを言いますので、いわゆる「歯周病菌」と呼ばれているのはその中の一部の菌のことになります。

ですので歯垢がないとすれば歯周病菌もない、ということになりますが、歯周ポケットの中にも歯垢はたまりますし、おそらく歯垢はあるはず(=歯周病菌もある)です。


薬剤等での殺菌は出来ませんが、最も効果的な方法は機械的な除去になりますので、歯周ポケットの中にスケーラー等の器具を入れて擦るのが唯一で最大の方法になりますが、これはご自身では絶対にやってはいけません。危険です。

因みにテレビCMの様に、歯ブラシの毛先を歯周ポケットの中に突っ込む必要もありませんし、不適切な力の入れ方をすれば余計な歯肉退縮を引き起こす危険もあります。


現実的な方法としては、一旦ポケット内を徹底的に綺麗にしてから、入り口(歯周ポケットの外)のセルフケアを徹底的に継続していくことです。

簡単に言えば「一度しっかり歯周治療をして、その後継続的に歯磨きを頑張る。」という単純な話なのですが、保険の制度上の難しさもあって適切な歯周治療、適切なプラークコントロールの指導やトレーニングというのがなかなか広くは行われていないというのも現実の様です。



>歯垢は、少な目でほとんどついて無いらしいのでが何故か出血するのです。

こういう方は、確かにいらっしゃいます。
・・が、先にご説明した通りで、出血は減らせるなら減らした方が長期的に考えれば安心出来ますので、是非なんとかしたいところですね。

直接拝見していないので分かりませんが、ぱるばるーんさんが仮に

PCR10% BOP30% ポケット値は全て3〜4mm と仮定すると、確かにBOP値には違和感を感じます。


これに確実に影響するのはまず、不適合な修復物です。
ご自身では確認しづらいですけど、適合の悪い銀歯歯肉に近い不適合なレジンの修復物等あれば、そこにはプラークが溜まり、出血には確実につながります。

歯肉に近い修復をする際にプラークが溜まらず、出血につながらない様にするのは実はなかなかの手間で、先生や技工士さんの技量もあるでしょうが、当院の場合はマイクロスコープを使って、レジン充填でも60分以上、差し歯の場合で3時間以上ぐらいかけて作業しますが、それでも完璧にはなりません。

以上が可能性@です。
BOP+の部位と、修復歯の位置を比較すれば予想はつきやすいかも知れませんね。




可能性Aとして、歯周ポケット内に歯石が残っている可能性もあります。
3〜4mmのポケットでも歯石はあり得ますが、少しなら出血に繋がらない様な患者さんもいれば、マイクロスコープを使っても認識出来るか出来ないかぐらいのほんのわずかでも出血や歯周病の進行に繋がる様な患者さんもいらして、個人差もかなりある様な感じもします。



ほとんどは上の可能性@かAで解決するか、もしくはPCRがきちんと計測出来ていなくて・・だと思うのですが、可能性Bとして、個人的には栄養状態も注目しています。

例えば高血糖の方だとプラークの量に関わらずBOPは顕著に高くなりますが、そこまでいかなくとも糖質を多く取られる様な方もBOPが高めになる傾向を感じます。

>糖質を含むも食事を少なくする。(私はBMI値21です。)
>間食を控える。

とありますので凄いと思うのですが、例えば砂糖(直接糖)はほとんど口にしないけれど、炭水化物(関節糖)は目一杯取っている、とすれば同じ結果になると思います。

間食は取らないけれど砂糖を含んだ飲み物は沢山飲む、というのも同じです。
栄養とBOPに関してはまだ当院としても勉強を始めたばかりのところで、深く調べていけばもっと色々と指標が見つかりそうな感じもしています。



以上@〜Bで解決しない例も当院では稀にあって、おそらく何か見落としがあって、こちらの実力不足だと思うのですが、どうしても解決しない場合は短めの間隔でポケット内のクリーニングを続けて、定期的にポケット値を計測し、悪化していかないことを確認してから少しずつ間隔を延ばしていく、という対応を取っています。

あと、苦肉の策かも知れませんが一部の電動歯ブラシも研究上、PCRは手磨きと同等ながら出血指数が有意に低くなったという報告がありますので、それを現在試している患者様もいらっしゃいますね。

歯周病学会の公式見解として歯肉マッサージには意味がないということになっていますが、もしかするとほんの少しだけならあるのかも・・知れません(私見)。



PCRが良い場合のBOPというのはポケット底からの出血ですから、頻繁にクリーニングに行ったところでポケットの外だけ綺麗にしたとしても、直接的な意味はあまりない様には思います。

ただBOPが+だからと言って、歯周病が進行していく可能性というのも実はさほど高くはありません。
他にもっと正確な指標がないために、仕方なくBOPを最重要視しているという状況に近くて、歯周治療後、数年間毎回BOPが+の部位でも、その後実際に歯周病が進行していく確率というのは20%もないぐらい(BOP−だとほぼ0%)ですので、@〜Bを検討しても原因が分からなければそれほど神経質には考えなくても大丈夫だとも、個人的には思いますよ。



先ほど仮定した、

「PCR10% BOP30% ポケット値は全て3〜4mm」

からのBOPの改善というのはかなりレベルの高い治療になると思いますので、現在おかかりの医院で経過を注意深く観察していっても十分だと思いますし、どうしても気になる様でしたらより専門性の高そうな医院数軒で、PCR,BOP,ポケット値を計測してもらい、見解を聞いてみても良いかも知れません。
ますは、検査値が医院ごとでかなりバラつきも出るのではないかとも思います。

それほど心配はないかとも思いますが・・お大事にどうぞ。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ぱるばるーんさん
返信日時:2015-04-22 13:36:55
回答をいただいた先生方

どの歯科医院でも、どんなに親切な先生でも診療時間中は 時間もなく落ち着いて話しができないのが、現実と思います。
時間を作っていただき回答してもらえたことに感謝します。



渡辺先生、
これだけの文章を構成を考えて 記述していだくのにさぞかし 時間がかかったことこと推察します。
専門的内容であるのですべてを理解するのは 少し難しい所もありましたが、少しづつ調べてみます。

ありがとうございました。



タイトル 歯周ポケット検査時の出血について悩んでいます
質問者 ぱるばるーんさん
地域 非公開
年齢 49歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯茎(歯ぐき)からの出血
歯周病(歯槽膿漏)治療
歯周病その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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