インプラント、ボーンレベルとティシューレベルのメリットとデメリット

相談者: うっちぇさん (37歳:男性)
投稿日時:2015-04-19 12:02:42
こんにちは。

下顎の小臼歯ストローマンインプラントを埋めることを検討しています。
ボーンレベルにするかティシューレベルにするか迷っており、それぞれのメリット・デメリットを知りたいです。


なお、以下についてはデメリットとしてカウントしません。

審美
小臼歯なので前歯奥歯の中間にあり、審美性を全く考えないわけではありませんが、前歯ではないのでより安定して長期間使えるもの、メンテナンスし易いものが望ましい)

・オペの回数や期間
長期にわたって使うものなので、1回法か2回法か、1,2ヶ月程度の時間差は拘らないことにします。


特に知りたいのは以下になりますが、他にもメリット・デメリットがあればご教授いただけると幸いです。

1)骨吸収の量
今のボーンレベルはプラットフォームスイッチングを使っているので骨吸収量はティシューレベルと変わらないでしょうか。


2)普及率
引っ越しした場合に他院でメンテナンスを受ける可能性を考えると、より普及しているもの、今後主流になりそうなものが望ましく思います。


3)隣接している歯との隙間の大きさ
審美性は考慮しないと書きましたが、気にしないのはメタル(?)部分が見えるか見えないかという意味で、歯と歯の隙間が広くなってしまうのはあまりいい気はしません。


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2015-04-20 12:40:36
歯肉が厚いタイプか薄いタイプかによるところがあります。

厚いタイプは歯槽骨の頂上も厚みがあり、インプラント埋入後の骨の吸収も少ないのではないかといわれています。

また歯槽骨自体の幅と高さも検討要素になります。
歯肉が厚いタイプで骨が十分な量があれば、どのようなタイプのインプラントでも良いかもしれません。


歯肉が薄いタイプは、プラットフォームシフフティングを期待したボーンレベルのタイプが良いかもしれませんが、インプラント頚部の隣在歯との隙間が大きくないます。

ストロウマンアバットメントITIとの互換性があり、その点は便利ですし多く使われているメーカーです。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2015-04-21 23:26:16
ボーンレベルインプラントに関しては、正直まだまだこれからどうなるのか?と言う所なんです。

コクラン教授のリサーチによると、現時点で、テッシュレベルとボーンレベルでは然程の差が出ていない、と言う言い方で、今後のことは要観察である、と言うニュアンスでした。

つまり、もしかすると段差がある所で問題が生じる可能性に関しては否定し切れていない、と言うことだと思います。

その点、テッシュレベルインプラントは1987年市販されるまで10年の研究が為され、現在でも大きなデザインの変更がない、信頼の置けるインプラントでありデザインである、とされています。


個人的には、テッシュレベルインプラントの方がインプラント自体のマージン、プラットフォームで咬合力を受け止める構造になっていますので、より長期的予後とかには強いと考えています。

ボーンレベル始めとする2回法のインプラントは全て、中ネジ構造の部分で咬合力を受け止める構造上の欠点があり、その部分のトラブルの発生率が高い、と判明しています。


以上のような理由で、小臼歯部で極端に審美性を求めないのでしたら、テッシュレベルインプラントの方が利点が多いと私は思います。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: うっちぇさん
返信日時:2015-04-22 22:59:54
松山先生、松元先生、

お忙しい中、詳細にご説明いただきありがとうございました。
大変、参考になりました。


海外の歯チャンネルに似たようなサイトも含めて、いろいろ調べているのですが、ボーンレベルを推す人もいれば、奥歯ではティシューレベルを推す人もいて正直かなり迷っていました。


コクラン先生が2010年の6月に発表されたと思われるドキュメントを見つけ、素人ながら読んでみたのですが、ボーンレベルについてはかなり好意的な書き方をされていて、今後に期待できそうな印象を受けました(今後に期待できそう・・・つまり、もう少し様子を見ないとどうなるかはわからないということかもしれませんが)。

ティシューレベルについては、(当時で)22年以上の臨床実績云々書かれていて、こういうのを読むとやはり審美性を気にしないのならティシューレベルがいいようにも思えます。

##以下、引用##
In posterior, non-esthetic sites, tissue level implants
continue to be predominantly utilized in daily practice. In
fact, the clinical experience of more than 22 years with
two part tissue level implants has clearly demonstrated
the advantages of a restoration implant interface located
in the vicinity of the soft tissue surface. With this implant
shoulder location, restorative procedures are similar to
conventional crown and bridge prosthetics, and thus easy
to control by the clinician

この後に通常のサイズのインプラントを入れるスペースがなかったり、骨が足りない場合は、奥歯でもボーンレベルを使うケースがあると記載がありましたが、自分には(たぶん)該当しなさそうです。
長い間、乳歯のままだったので大分骨が減ってはいるようですが・・。


色々とネット上で調べていると情報が出てくるのですが、2010年のような少し古めの情報なので2015年現在ではどうなのかなど気にはなりますが、素人が無駄に時間をかけて迷い続けて、先生に面倒がられても困るので、ティシューレベルに決めようと思います。

コクラン先生の論文:
http://www.moderndentistrymedia.com/may_june2010/buser.pdf

海外の歯チャンネルっぽいサイト:
http://www.osseonews.com/bone-level-vs-tissue-level-implant/



タイトル インプラント、ボーンレベルとティシューレベルのメリットとデメリット
質問者 うっちぇさん
地域 非公開
年齢 37歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ インプラント治療法
回答者




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