結晶性ハイドロキシアパタイトの歯科材料としての有用性について

相談者: MichiYamaさん (55歳:男性)
投稿日時:2015-07-13 12:38:13
某一般化学メーカ(非歯科系化学材料)の研究員で、歯科材料については素人です。

最近、リン酸カルシウム材料分野に注目し、結晶性リン酸カルシウム系からなるフレキシブルなシートならびに 直接コーティング法の開発を進めております。

この方法では、従来に必要であった、高温での焼成プロセスが不要で、室温での製造が可能である事が特徴です。
もともと、別の工業用材料の開発を目的に検討を行なってまいりましたが、この方式が、HAP(ハイドロキシアパタイト)にも応用出来る事が判ってきました。

結晶性HAPはエナメル質及び象牙質の主成分であり、新歯科材料もしくは新しい歯科治療ビジネスへの展開も考えられます。



そこで質問です。

1. 一般的にアモルファスHAPは良く知られていますが、なぜ、このような結晶性HAPが充填材質として用いられてないのでしょうか?


2.従来のアマルガム、樹脂、セラミックスなどの材料に、置き換わる材料として、有用性・可能性があるのでしょうか?
これまでの材料と違って、本来の歯の成分と同じですから、再石化、さらに最終的に同化することにより、本当の意味で虫歯根治を可能とする革新的技術になるとも考えています。


新しい歯科材料の有用性について、歯科の先生方からの御意見・御助言頂ければ幸いです。
(本掲示板の趣旨にあっていない様でしたら、申し訳ございません。)
よろしくアドバイスの程、お願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-07-13 13:25:05
>1. 一般的にアモルファスHAPは良く知られていますが、なぜ、このような結晶性HAPが充填材質として用いられてないのでしょうか?
>2.従来のアマルガム、樹脂、セラミックスなどの材料に、置き換わる材料として、有用性・可能性があるのでしょうか?

ザックリ言えば

「成形と硬化がどのくらいの時間、精度で行えるか?」
「硬化後の機械的物性はどうなのか?」
口腔内(高湿度、暗所、閉所)と言う環境での操作性はどうか?」
再石灰化、同化が口腔内においてどのようなメカニズムで起こるのか?」
「必要とする器材、材料のコスト」

と言うあたりがキーポイントとなるのではないでしょうか。

あと、審美領域において言えば

「色調や研磨性はどうか?」

と言った所もポイントかもしれません。


僕の知り合いでHAの研究をしている人がいます。

茨城大学工学部機械工学科」「ハイドロキシアパタイト」で検索すると出ると思いますが…。

回答 回答2
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2015-07-13 20:11:29
HAの権威である、青木秀希先生(工学博士)は、「歯科インプラントを科学する」という著書の中で、HAについて、次のように述べています。

1973年に「ホットプレス装置の試作とその応用」の論文で、非結晶性HA、結晶性HA、エナメル質のHAと3種類のHAのホットプレス焼成し、圧縮強度とヌープ硬度などを測定し、発表している。

つまりこれだけ、古くから研究されてきているということです。
失礼ではありますが言外をお汲み取りください。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: MichiYamaさん
返信日時:2015-07-17 13:49:46
櫻井先生 ならびに 松山先生

お礼が遅くなりましたが、御回答有難うございました。
ハイドロキシアパタイト使った開発を引き続き、検討して行きたいと思っております。

つきましては、アドバイスをいただきましたHA専門の先生へのヒアリングも含め、前向きに進めて行きたいと思います。
情報有難うございました。 
山本拝



タイトル 結晶性ハイドロキシアパタイトの歯科材料としての有用性について
質問者 MichiYamaさん
地域 海外
年齢 55歳
性別 男性
職業 会社員(技術系)
カテゴリ 材料・機材関連
専門的な質問その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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