下顎骨における神経鞘腫についての手術法

相談者: 純愛組さん (20歳:男性)
投稿日時:2015-07-30 00:24:20
こんにちは。
先日は顎骨腫瘍の件でお世話になりました。


親知らずの抜歯で総合病院に行った際にレントゲンで下顎部で'影'が指摘されたのをきっかけに、CT→MIRで神経鞘腫と現状の画像で診断されました。

普段かかりつけていた歯医者から5年前からのレントゲンを取り寄せて、今の主治医と確認したところ5年前から画像上で腫瘍が確認でき、良性の可能性が高いと言われました。

画像所見上エナメル上皮腫や顎骨嚢胞ではないと言われました、また主治医からはエナメル上皮腫に比べ悪性化や再発率がかなり低いとの説明を受けエナメル上皮腫を想定していた私にとっては不幸中の幸いでした。



前置きが長くなって恐れ入りました。今回の手術法についてご意見を受け賜りたいと思います。
手術日まで時間があり(半年後)、主治医にセカンドオピニオンも含めてじっくり結論を出すように言われました。

MRIとCTの画像所見では腫瘍が神経に絡みついているのか神経にくっついているかは判断できなかったそうです。
つまり、手術をしてみないと分からないとのこと。


そしてここからが主治医に結論を求められました。
ケースA
腫瘍が神経に絡みついておらず、腫瘍のみを摘出できる場合
@神経は摘出せず腫瘍のみを摘出⇒感覚神経は生きるが、再発の可能性は否めない
A神経ごと腫瘍も摘出⇒再発の可能性は低いが感覚神経に麻痺が一生残る
B神経ごと腫瘍も摘出し、摘出した神経にほかの部分からの神経を移植して再建を図る(形成外科と連携)⇒移植に使った神経部分は麻痺

ケースB
腫瘍が神経に絡みついていて、神経ごと摘出する場合
A(同上)
B(同上)


ケースAならびにBで複数の選択肢を提示されました。
皆様はこの場合(AとB)にはどの選択肢を患者に薦めますでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-07-30 01:33:08
純愛組さん、こんばんは。

下顎骨内部の神経鞘腫(Schwannoma)は、珍しいケースですが、確かに無いわけではありませんね。
2013年に都内からも症例が報告されているようですし、おそらくその他にも国内でも数例はあるという事でしょう。


まず、神経鞘腫は良性の腫瘍です。
悪性に変化する事も稀ですし、脳内に生じる神経鞘腫は成長もゆっくりである事が知られています。

良性の腫瘍である事を考えると、再発したとしても生命に危機が及ぶわけではないし、成長も遅い腫瘍ですので、再発を恐れて侵襲性の高い手術を行うのはいかがなものかと私は考えます。

むしろ、痛みや近くの歯に影響が出ているようでなければ、そのまま経過を見てみるというのも選択肢のうちの1つとして含めるべきでもあると思います。


ただ、外科処置を行う1つの大きな利点というのは、摘出をして検査を行えばそれが「神経鞘腫」であったと確定診断ができるという事です。

それを行うまでは、どんな話をしても、それは憶測をもとにした話でしかありません。
経過を見るだけでは、確定診断まではたどり着けないというデメリットもあります。


可能な限り、「腫瘍のみ摘出」する方法を取って、再発した時はまたその時考えるという方法を私であれば進めると思います。

しかし、考えられる選択肢をすべて患者さんに提供してから決めていただく必要がありますので、純愛組さんが説明を受けたような選択肢ももちろん提案はさせていただくと思います。



もしも私が患者であって、神経鞘腫の摘出手術を受けるとしたら、他に聞きたい事は2つあります。

1.術者はマイクロスコープを使いますか?
2.神経を切断した場合は、修復のためにどのような処置を行いますか?

この2点を聞きたいと考えます。


再発しても仕方ないかな、と考えながらの質問ですが、正常な神経を傷つけないように、マイクロスコープを使うのと使わないのでは精度が異なってくると思います。
また、神経を切断したとしても、適切に吻合や補助器具を使ってつなげてあげるだけで、再生してくれる可能性も十分にあります。


純愛組さんの検査結果を見たわけでは無いので、あくまでも憶測に基づいた一般的な話をさせていただいています。
ですので、腫瘍の大きさや位置的な問題を追加して考えた場合は、ぜんぜん話が変わってくるかもしれませんが、ご参考になれば幸いです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 純愛組さん
返信日時:2015-07-30 02:27:49
安藤先生へ
長文でのご回答ありがとうございます。


おっしゃる通り珍しいと言われました、、。
なのでネットで症例を探しても出で来ずです、、。


詳細な大きさについては把握しておらず申し訳ないのですが、場所は大体左下GFのあたりです。
(蛇足ですが、下歯槽神経です)

手術をするなら歯茎を切除する方法も取れるが、確実性を考えて顎の裏(表現が下手で申しわけないのですが、ヒゲをそるときにうっとうしい側)を切除する方法だそうです。

まで20歳なので年齢的にも、経過観察という方法を提案したのですが、ゆっくりであるが将来的には大きくなり顎骨の骨折に至ると言われました。
また、主治医曰くセカンドオピニオンでも9割9分が手術という見解を出すだろうと言ってました。




安藤先生の御回答に質問させていただいてもよろしいでしょうか?

「1.術者はマイクロスコープを使いますか?」についてですが、
まず、これですが術者とは口腔外科の執刀医を指しますか?
それとも神経の移植手術を担当する形成外科医を指しますか?
また、先ほど調べたのですが先生がおっしゃるマイクロスコープとは「マイクロサージャリー」でしょうか?


そして
「2.神経を切断した場合は、修復のためにどのような処置を行いますか?」ですが、これは神経の移植とは別でしょうか?
(主治医は移植ありきの説明だったため)
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 純愛組さん
返信日時:2015-07-30 02:38:39
補足ですが、下歯槽神経のみならずオトガイ神経も触診されました
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2015-07-31 22:48:29
純愛組さん、こんばんは。

お話から推測すると、すでにそこそこ大きな神経鞘腫になっているのでしょうかね。
いくら文面で説明をしても、結局は実際に診ている医師と同じ量の情報を共有できるわけではありませんから、やはりあくまでも一般的な話しかできません。
百聞は一見に如かずというやつですね。

もちろん、一般の方では位置や大きさも説明しづらいでしょうし、術式となればそれこそ説明できなくて当たり前だと思います。
表現が下手なわけではないと思いますので、気になさらないでください。



さて、良性の腫瘍がどれくらいのペースで大きくなっていくのか、ある程度の平均は想像できたとしても、個人差がありますので一概には言えません。

経過観察をするとしたら、半年後にMRIを撮影して、現在のMRIと比較する。
それが一番確実です。


しかし、いずれ手術が必要になるだろうと想定されるくらいの大きさになっているのであれば、若いうちに手術を行う事は良い事でもあります。

回復力もありますし、50,60歳くらいになってから、高血圧糖尿病、ヘビースモーカーなど、手術するにあたって、マイナスな因子ばかり増える事もあり得ます。
なにより、20代と60代では体力も回復力も違いますしね。



さて、1の回答に対しては、理想的にはマイクロサージェリー(マイクロスコープを使用)が行えると良いと思います。

しかし、腫瘍の位置や角度によってそれが不可能なことも考えられます。
その場合は、倍率の高いルーペを使っていると少しは安心ですね。



2.日本では材料がなかったり、保険適応でなくて使用がそもそもできないのかもしれませんが、欧米では神経の切断部位をチューブのような材料でつなぐことで再生を促す事があります。
他に、切断された神経を吻合させることもあります。

そもそも移植が必要と断定されているのであれば、そんなことも不可能な程の大きさの腫瘍であり、話にもあがらないという可能性も否定できませんが。


あくまでも想像の話ですが、MRIに写っていた腫瘍が直径3cmだったと仮定します。
下歯槽神経を3cm切除すると、確かに移植が必要となるかもしれません。

でも、実際に手術の時に見てみると、腫瘍の直径は3cmだけれども、「腫瘍と神経が絡みついている」部位は5mm程で、あとの25mmは容易に剥がす事ができたらどうでしょう。
実際に切り離すのは5mmで済むかもしれません。

もしかしたら吻合できるかもしれませんし、チューブでつなげる事ができるかもしれません。

このようなケースを想定していれば、その処置の準備をしておくかもしれませんし、想定していなければ、その処置の準備をしていないので、処置ができない事になります。



私は日本国内では、神経吻合や移植の経験に長けている施設を知らないものですから、国内では実現できないような話をしている可能性もあります。

あくまでも、アメリカでは行っている施設が実際にあるという知識だけに基づいて今回の回答をさせていただいております。
もしも、国内では無理な事を、「可能性がある!」というような期待を持たせるような話をしてしまっているようであれば、申し訳ございません。

ご参考までに。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 純愛組さん
返信日時:2015-08-01 00:42:10
安藤先生へ
ご多忙の中、ご返信をして下さり御礼申し上げます。


安藤先生が申し上げた神経の回復を促すチューブは調べたところ日本にもあり、既に臨床で使用されているそうです。
(東洋紡という会社の「ナーブリッジ」)2015年中には顔面の神経にも使用できるようにすると2012年段階での記載があったので主治医に確認してみます。


また、「絡みついている」部位のみを切り離す方法は大変参考になりました。

最後にですが神経の吻合は和歌山県立医科大学口腔外科の藤田教授が、マイクロサージェリー下で行っているそうです。
見たところ舌神経がメインなので下歯槽神経に行っているかは不明ですが、、、。
関西圏在住なのでこちらも選択肢に入れてみます。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2015-08-08 18:26:23
純愛組さん、こんにちは。

一通り、話が終了したかのように思っていましたが、催促が押されているようですね。
他の先生からの意見もお待ちでしょうか?


良い医療機関を見つける事ができると良いですね。
セカンドオピニオンを得るのも悪い事では無いと思いますので、ご自身が納得できる場所で、納得できる治療を受けられるようにするのが良いと思います。

お大事になさってください。




タイトル 下顎骨における神経鞘腫についての手術法
質問者 純愛組さん
地域 非公開
年齢 20歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 口腔外科関連
回答者




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