日本で歯科医を目指してます

相談者: 鉄腕ボーイさん (29歳:男性)
投稿日時:2015-11-20 17:08:25
お世話になります。

はじめに、本来患者様のお悩みなどを投稿する場において私個人の問題を提起すること、大変申し訳なく思っております。

ただ、歯科医の先生方に向けた掲示板というものが他では見当たらなかったため私事で大変恐縮なのですが慎んで投稿させていただきます。


私、海外で一般歯科医として4年半働いていたのですが、日本の歯科医療水準・技術の高さを学びたく日本で歯科医になることを目指して今春より来日し、厚生労働省が定める申請書類を提出し、幸いにも書類審査とその後に受けた日本語診療能力調査にも受かり、歯科医師国家試験受験資格が相当であるとの認定書を頂きました。


本来であれば直近の国家試験を受けることが最短な道のりだったのかも知れませんが、年々難しくなっているという試験に対して自信が持てなくて来年1年を受験勉強に充てようと考えた次第なんですが、そこで質問です。

自分の計画としては、「歯科医院歯科助手として働きながら、受験勉強を遂行していく」というのがあったのですが、これは専門用語に携われる環境に身をおけば受験勉強のプラスになることと、早い段階から知識・技術を学べる(もちろん活用はできませんが)ことと思っていたのですが先生方はどのようにやってきたのでしょうか?


そもそも技術うんぬんは合格してから!
研修で学べる!
男性の助手は雇うの難しい!などなど・・・
先生方の率直なご意見をご教授いただければと思います。


単身日本に来て、相談できる歯科医の方もいなかったのでここで進路相談など本当は恥ずかしいのですが何卒よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-11-20 18:50:11
鉄腕ボーイさんの母国語は日本語ではないということで良かったですよね?

文面からは、直近の試験を受ければ良いのに・・と感じてしまいましたが、ご不安は分からなくもないです。



>「歯科医院歯科助手として働きながら、受験勉強を遂行していく」

というお考えも良いと思いますよ。
男性の歯科助手というのは確かに珍しいですが、歯学部の男性の学生アルバイト(もちろん歯科助手として)というのはあります。

あるいは、金銭的に可能でしたら歯科助手としてだと裏方の仕事なども多くなりがちでしょうし、募集している医院も限られ、給料分働かなくてはいけないし気軽に辞める訳にもいかないという責任も発生しますから・・いっそ見学を希望して、複数の医院を見るのも方法だと思いますよ。

おそらく海外でもそうだと思いますが、医院ごとでやり方や考え方は随分異なりますので、特定の医院で1年間見学(働く)よりは、複数の医院を見比べる方が面白いと思いますよ。

何よりも、4年半の臨床経験をお持ちでしたら一刻も早くライセンスを取って現場を経験するのも良いと思いますし、あと、臨床家向けのセミナーを受講しても面白いと思いますよ。

回答 回答2
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2015-11-20 19:35:43
何故、日本を選ばれたかをお訊きしたいです。

韓国などでは歯科医師は人気職業らしいのですが、日本での人気は決して高くはありませんから。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 鉄腕ボーイさん
返信日時:2015-11-20 21:58:33
渡辺先生

ご丁寧にご返答していただきありがとうございます。

私は父が日本人のハーフでして、拙いですが一応日本語が母国語と思っております。


歯学部の男性の学生アルバイト(もちろん歯科助手として)というのはあります。

これはとても参考になりましたし、勇気づけられました。
年齢が年齢なんでさすがに学生アルバイトという肩書きでは働けないでしょうけども笑
チャンスがあれば裏方の仕事から学んでいきたいです。


>いっそ見学を希望して、複数の医院を見るのも方法だと思いますよ。

この考えは無かったのでとても驚いています。
自分としては、僕のような者が医院を選んでいいものなのかって思ってしまうんですが、先生がおっしゃるように医院ごとに特色がありやはり自分にあった分野(ちなみに卒後、口腔外科歯内療法を専攻してました)
をやられてる医院を見つけるのが一番なような気もします。


>臨床家向けのセミナーを受講しても面白いと思いますよ。

確かにそうですよね。
臨床に身を置いていただけに、ブランクにものすごくあせりを感じているので受験用の知識だけじゃなく、少しでも先を見据え臨床に活かす知識というものも学んでいきたいと改めて感じました。


今回は先生の貴重なお時間を頂戴してまでお答えいただいたこと心より感謝しております。

未だに自分の中で今後の優先順位というものを確立できてないほど不安しかありませんが、必ず活かしてみせたいと思います。

本当にありがとうございました!
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 鉄腕ボーイさん
返信日時:2015-11-20 22:23:30
藤森先生

ご返答ありがとうございます。
肝心な部分が抜けておりましたね、すみませんでした。

日本語が話せるということが一番なんですが、以前働いていた医院では8割から9割の患者様が現地に住まわれてる日本人や駐在員の方たちでした。

そういった方々を治療していく中で、自分の中で物足りなさというか本当に心をつかめてるのだろうか?
(多くの患者様からは考えられないくらい丁寧だと言われていましたが・・・これはただ単に時間を存分に使えてただけだからだと思います)といった疑念が沸いてしまいまして、それならいっそ本場の先生たちの下で学んでみよう!
と思い、今日に至っております。


確かに韓国では人気だと聞きます。
他にもシンガポールとかもそうみたいですね。

ただそういったことではなく、知識・治療水準はもとよりなにより医療としてのサービス業の質を求めるとどうしても日本人の先生が持つ繊細な心遣い・ホスピタリティーを自分も身に着けたいと願ってしまう次第なんです。


そういった点では私の投稿に興味を持っていただいた藤森先生もやはり素晴らしい先生なのでしょうね。

先生の質問に長ったらしく答えてしまいましたが理由はこんな感じです。

ご返答ありがとうございました。
回答 回答3
  • 回答者
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2015-11-20 22:29:21
鉄腕ボーイさん、こんにちは。

少しドライというか、現実的な観点からのコメントをいたします。

>私は父が日本人のハーフでして、拙いですが一応日本語が母国語と思っております。

年齢的な問題、性別、更には言語的な側面からも、率直な感想として、鉄腕ボーイさんを歯科助手として採用する歯科医院は、決して多くはないと思います。

ですから、まずは実際に鉄腕ボーイさんを歯科助手として採用してくれる歯科医院があるのか、具体的に動く必要があるのではないかと思いました。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2015-11-20 22:34:36
日本での臨床を勉強するのであれば、歯科大学に留学されてはどうでしょうか?

確か書類を出して、OKであれば、臨床も可能なこともあると思います。

制度が大学毎に変わってくると思いますので、まずはどのような仕組みがあるか大学に問い合わせをされてみてはどうでしょうか?

2人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 鉄腕ボーイさん
返信日時:2015-11-20 23:53:19
>中本先生

ご返答ありがとうございます。

やはり現実的に捉えると厳しいですよね。
実はいくつか歯科医院を当たって面接まではさせていただきましたがやはり採用には至っておりません。

歯科医師になってから現場を知るより、助手の段階である程度治療の流れを経験できてるほうがいいのかなと思っていたのですが、やはり甘かったのでしょうか・・
もう少しだけ頑張ってみます。

ありがとうございました。


>加藤先生

ご返答ありがとうございます。

先生がおっしゃるように今回の計画の前に日本留学も考えていたのですが

ちゃんと資格を持った上で患者様と接する方が今後の治療に活かせるし学ぶものも多いと思い国家試験受験資格認定に照準を合わせていたので

その認定を頂いた以上、留学というよりも国家資格を目指したいと思っております。

先生方からすれば、現状を知らない甘い考えで歯がゆく感じるかもしれませんが・・
回答 回答5
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2015-11-21 09:28:13
頑張ってください。
患者さんから学ぶ事も数多いと思います。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2015-11-21 10:20:16
個人的に思ったことを書きますね。


>本当に心をつかめてるのだろうか?
>(多くの患者様からは考えられないくらい丁寧だと言われていましたが・・・
>これはただ単に時間を存分に使えてただけだからだと思います) 
>といった疑念が沸いてしまいましてそれならいっそ本場の先生たちの下で学んでみよう!

残念ながらこれは日本の一般的な保険歯医者さんで学ぶのは程遠いと思いますよ。

日本の保険診療はそれこそ「時間に追われて」いるのが現状です。

「時間をかけてじっくり患者さんと話をして」と言うのは夢のまた夢だと思います。


>多くの患者様からは考えられないくらい丁寧
>時間を存分に使えてた

これは多くの日本の保険医がうらやましいと思う環境だと思います。


>現地に住まわれてる日本人や駐在員の方たち
>が、多くの患者様からは考えられないくらい丁寧

と発言された事でお分かりになると思います。


このサイトに寄せられる相談の多くは「担当医とのコミュニケーション不足」です。


もし、鉄腕ボーイさんが「本当に心をつかめてるのだろうか?」と言う事を第一に考えて勉強したいのであれば、そう言った「患者コミュニケーション」に長けた歯科医のもとで勉強する必要があると思います。

逆に「(歯科治療の)技術を学びたい」と言う事であれば渡辺先生の書かれているように「臨床家向けのセミナーを受講」が早道だと思います。


ですから「近所の歯医者さんで歯科助手をしながら…」と言う漠然としたものではなく、しっかり目的をもって「見学したい歯科医」を捜される必要があるように思います。

具体的な方法としては

 歯科専門雑誌のセミナー広告を見る
 ネットで「歯科 セミナー」などで検索する

その中から目的とする技術、知識を持った講師の先生と連絡を取ってみる。

ではないでしょうか。


手当たり次第に探しても効率は悪いように思いますよ。

3人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2015-11-21 12:16:55
ご相談ありがとうございます。

最短距離を選ばなかったことはある意味良かったかもしれません。

日本で歯科臨床を行うことと、国家試験に合格することを分けて学べるからです。
もし仮に最短距離で忙しく一気に就職・開業した場合、せっかくの純粋なお気持ちにもかかわらず目が曇るリスクもありえるからです。

目先の国家試験については、回答者の中本先生が最強のプロですから直接会って相談することを勧めます。
問題は日本の臨床実態です。
はっきり言って玉石混交で、学ぶ対象の選択によって大きく左右されるでしょう。

研究者ならいざしらず、開業医の選択基準は有名無名・資格・設備や規模・学会活動・自費診療・広報などの表面的あるいは業界内を含む世間的評価はまず役に立ちません。
ハズレを引くことが多いでしょう。

私個人的には、基準はポリシーと実績を含む活動内容だと思っています。
ポリシーとしては、医療者として国民福祉を再優先しているかどうか、歯科医療をまず第一に科学として捉えているかどうかを見ています。

基本的に日本の研究は世界的に優れています。
例えば20世紀の研究成果は未だそれを上回る研究が世界のどこからも出てきていないことなどたくさんありますし、その後も今でも大きな成果を出し続けています。

福祉に対する人間性と科学的思考を踏まえ、かつ歴史を継承しながら世界の最先端をも取り入れる柔軟な姿勢で根拠のある歯科医療を組み立て成立させる歯科医師を私は、臨床の師匠と考えております。

たまたま2015年は”Back to the Future"の年でもありますよね^^
そういう意味では学習に最適な、まさに今からほんの数年、そしてまさに日本、を選んだことはあながち間違いではないと私個人的には思います。


なお口腔外科歯内療法を専門とされたようですが、日本の特殊性もありこれからも同じに行くかどうかの検討もありえます。

本来、歯内療法なども医療としてはそれだけで完結するわけではなく、その後を活かすも殺すも補綴処置によって初めて機能回復につながります。
またそもそもなぜ歯内療法を受けなくてはならなかったのか、という原因への医療もなくてはマッチポンプみたいなものです。

細切れの分野で専門家だけに評価されることも良いとは思いますが、臨床とは目の前の患者さんが、痛くない、よく噛める、話せる、飲み込める、歯のことを忘れられる、という機能回復に役立つ結果を出し、しかも歯だけではなく口腔と切り離せない心身の健康維持増進に役立ってこそ、歯科医療が社会から高く認知されるからです。

歯科医療とは、もしかしたら命の質に関わるとても大きな社会的な価値ある、大事な誇りの持てる仕事ではないかと思っています。

いろいろ情報を集めてみてください。
応援しています。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 鉄腕ボーイさん
返信日時:2015-11-21 16:25:40
>藤森先生

ありがとうございます。
患者様とともに成長できる歯医者になれればと思います。



>櫻井先生

ご返答ありがとうございます。

日本の歯科の現状を教えていただきありがとうございます。
保険治療の難しさの噂は聞いていたのですが
日本で開業するならば現実ときっちり向き合う必要がありそうですね。


>具体的な方法としては
>歯科専門雑誌のセミナー広告を見る
>ネットで「歯科 セミナー」などで検索する

なるほど!!こんな具体的なことまで教えていただけるとは、本当に恐縮です。
確かに今まで明確な目的無く効率の悪いやり方をしていました。
気づかせていただきありがとうございます。

早速先生がおっしゃるように行動を起こしてみたいと思います。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 鉄腕ボーイさん
返信日時:2015-11-21 16:27:50
>さがら先生

ご返答ありがとうございます。

>最短距離を選ばなかったことはある意味良かったかもしれません
>日本で歯科臨床を行うことと、国家試験に合格することを分けて学べるからです

確かに納得です。自分の何気なくとった行動に意味を持たせていただきありがとうございます。

>中本先生が最強のプロですから直接会って相談することを勧めます

最強のプロなんですね^^
ものすごく心強いです!


>基準はポリシーと実績を含む活動内容
>福祉に対する人間性と科学的思考を踏まえ、かつ歴史を継承しながら世界の最先端をも取り入れる柔軟な姿勢で根拠のある歯科医療を組み立て成立させる歯科医師を私は、臨床の師匠と考えております

おっしゃるとおりです。
勉強させてもらいました。

総合的医療という観点からの歯科医療を考えていけるように、そういった先生と出会えるように僕も必死に探してみたいと思います。


先生がおっしゃるように、口腔が秘めてる可能性は底知れないものがあると僕も信じていますし、だからこそ多少遠回りをしてでも学ぶべきものが日本にはあると信じています。

4年半の歯科治療を通して学んだことも多かったのですがこれから学ぶことの方が圧倒的に多いので今はまだ自分が選んだ道が正解か分かりませんが近い将来、日本の歯科医療・福祉に貢献できる礎を、少しづつ築けて行ければと思ってます。


相談に親身に乗っていただき誠にありがとうございました。
これからもがんばります!



タイトル 日本で歯科医を目指してます
質問者 鉄腕ボーイさん
地域 東京都下
年齢 29歳
性別 男性
職業 その他
カテゴリ その他(歯科医師関連)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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