深い虫歯で歯髄保護する薬なしでレジン充填。これは標準的な処置?

相談者: 箱庭さん (31歳:女性)
投稿日時:2015-12-19 21:44:41
奥歯を治療した際、虫歯がとても深かったので神経近くまで削ったと言われ痛み止めを処方していただきました。
治療する前は虫歯は深いけれど症状はありませんでした。

しみるので一週間後くらいに再度診察にいったときに詳しく聞いたところ、神経には近かったけれど神経を保護する薬(セメント?)は入れていないとのこと。
削ってそのままコンポジットレジンをつめてあります。

虫歯が深くても神経を保護する薬をいれて保っている歯があります。
なぜ入れなかったのかを聞いたところ

「神経が露出した場合はそのような処置を行うが、神経が出ていないのにセメントを詰めると接着が弱くなる場合があるので、神経が出ていない場合は何も行わないのが今の常識。
かなり神経に近かったので刺激で神経がダメになる可能性がないことはないけど、このまま様子を見るしかない。
保護するものは入れていないが中は無菌状態にしているので今の状態が最善。」

との説明。

調べると神経に近い場合は保護する素材を詰めると書いてあるのですが、それは昔のことなのでしょうか?
結構な刺激があるのですが、神経を保護する薬を入れないのが今の常識なのでしょうか?

また、
1.症状はないけれど虫歯が神経ぎりぎりだった歯(今回)
2.痛みはあったけれど虫歯が神経ぎりぎりだった歯(別の歯)
では処置は異なるのでしょうか?

1の場合はそのままコンポジットレジン
2の場合は保護する薬をいれたあとにコンポジットレジンが入っています

どうぞよろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-12-19 23:37:36
箱庭 さんこんにちは

>削ってそのままコンポジットレジンをつめてあります。

状況が詳しくわからないので一般的な話になります。
また個人的な意見になるかもしれませんが、私は、神経が露出していなくてかつ感染歯質が全てとりきれているのであれば担当の先生と同じくレジンのみで充填します。

神経の保護剤などのセメントを使うと接着しない部分が出てくるので入れませんね。


>調べると神経に近い場合は保護する素材を詰めると書いてあるのですが、それは昔のことなのでしょうか?

昔は接着の技術が確立されていなかったことや、マイクロスコープなどもなく感染歯質の取り残しや取りすぎなどがあったのでやもうえなかったのではないでしょうか?

もちろんいまでもそのように治療されている先生もたくさんいらっしゃいますよ。


>処置は異なるのでしょうか?

については使っている薬剤等もわかりませんから担当の先生にお聞きになられるのが良いと思います。
担当の先生はきちんと説明してくださっているように感じられます。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2015-12-20 10:17:48
>調べると神経に近い場合は保護する素材を詰めると書いてあるのですが、それは昔のことなのでしょうか?
>結構な刺激があるのですが、神経を保護する薬を入れないのが今の常識なのでしょうか?

個人的には担当の先生のおっしゃられているように「神経が出ていない場合は何も行わないのが今の常識」という意見に同意です。

ただし「強拡大ルーペかマイクロスコープ虫歯の確認をしながら削り、ラバーダムをかけて処置をする」というのが条件ではありますが…。


>1.症状はないけれど虫歯が神経ぎりぎりだった歯(今回)
>2.痛みはあったけれど虫歯が神経ぎりぎりだった歯(別の歯)
>では処置は異なるのでしょうか?

僕は露髄しなければ処置法は変えませんが…。

ただ、「神経ギリギリ」という言葉にどこまで信憑性があるか疑問ですね。

歯医者の言う「神経ギリギリ」は「その歯医者の感覚」でしかありません。
「神経まで具体的に後どれくらいでしかた?」と聞いてみてください。
おそらく答えられる歯科医はほとんどいないと思います。

強拡大ルーペやマイクロスコープを使って治療していると本当に「神経ギリギリ」を見ることができますので、具体的な距離が分かります。

一応、個人的には「乾燥していると見えないが、濡れていると歯髄が透けて赤く見えるくらいの距離」=「和紙1枚分くらいの厚み」を「神経ギリギリ」と表現しています。


なので「症状はないけれど虫歯が神経ぎりぎり」「痛みはあったけれど虫歯が神経ぎりぎり」は「歯科医の感覚」での表現ですから、実際の神経までの距離は相当違うと思いますよ。

今まで見てもらってきた歯科医が全て強拡大視野での治療を行ってきたとすれば話は別ですが…。

回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2015-12-20 12:08:11
常識云々よりも、担当医の考え方次第ではないでしょうか?
そうした考え方もあります。

また、虫歯を一気に除去するよりも、歯髄の反応を待ちながら段階的に虫歯部分を除去していく考え方もあります。

勿論、後者の方が手間暇かかります。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答4
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2015-12-20 12:31:25
象牙質まで進行した虫歯の治療についてはさまざまな考え方がありますが、一度に目視可能な虫歯を取りきってしまう方法では露髄していなければ直接接着を利用して象牙細管を完全にふさげばそれでよいと思います。

象牙細管内液中に酵素があり長期的な接着に関して問題になるともいわれているようですが、その次に存在するエナメル質の部位で完全にシーリングを行う治療法を行えば(接着です)問題ないはずです。


まあ、そんなに深く考えなくてもきちんと修復が出来ていてくっつけたセメントが長期的に崩壊しなければ大きな問題は起こらないですし、崩壊を促進するような大きな力が過剰にかかっていなかれば大きな問題にはならないと思いますし、臨床でもそういうように経験することがほとんどです。

象牙質に達するような虫歯を作らないと言うのが一番大切ですけどね。(虫歯治療と言っても人が行うことですから出来ることはしれています)


>1.症状はないけれど虫歯が神経ぎりぎりだった歯(今回)
>2.痛みはあったけれど虫歯が神経ぎりぎりだった歯(別の歯)
>では処置は異なるのでしょうか?

>1の場合はそのままコンポジットレジン
>2の場合は保護する薬をいれたあとにコンポジットレジンが入っています


担当の先生の方針は今の常識として間違ってないと思いますからご安心ください。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 箱庭さん
返信日時:2015-12-22 13:16:10
水川先生、櫻井先生、、藤森先生、船橋先生
お返事ありがとうございます。
そして遅くなってすみません。

個人の考え方、神経までの距離の判断の違いはあれど、何もしない先生が多いということで安心しました。


セメントを使うのは殺菌のための意味合いが大きいのですね。
別の先生になるのですが、温度差や噛んだ時の刺激の緩和のために入れると言われたことがあったので疑問に思っていました。
刺激の緩和のためにいれることはあまりないということでしょうか?


歯髄の反応を待ちながら段階的に虫歯部分を除去していく考え方もあります

こちらの方法は通う回数が増えてもいいということであれば保険診療でも可能なのでしょうか?
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2015-12-22 13:27:12
気になったので書いておきますが、
歯髄保存した歯はどんどん石灰化が起こり、次第に根管が細くなり次に問題が起こり抜髄する際の根管治療の難易度が極端に上がってしまうこともあります。
また、運悪く壊死しながら部分的に石灰化が起こることもあり結果抜歯を早めるリスクもある治療になります。

つまりノーリスクの治療ではありません。

基本的に残せる神経は残した方がいいのですが、固執して難しい術式で神経の保存をするや薬剤に頼り過ぎると悪い結果になることもありますので注意してください。

http://eedental.jp/ee_diary/2010/10/post-166.html

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2015-12-22 13:29:44
>>歯髄の反応を待ちながら段階的に虫歯部分を除去していく考え方もあります

>こちらの方法は通う回数が増えてもいいということであれば保険診療でも可能なのでしょうか

日本歯科保存学会のHPにある以下のページをご覧ください。

【外部リンク】保険収載医療技術AIPC(非侵襲性歯髄覆罩)のガイドライン


保険収載医療技術AIPC(非侵襲性歯髄覆罩)のガイドラインです。
このように一応保険で可能です。

ただこれを行なっている歯科医院はほとんどありません。
平成26年5月診療分で全国で1400本しか行なわれていませんので。
6万軒以上の歯科医院があってこの数ですので。

回答 回答7
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2015-12-22 14:41:36
>こちらの方法は通う回数が増えてもいいということであれば保険診療でも可能なのでしょうか

大学病院で行われた立派な治療を拝見しました。
3〜4ヶ月毎に、水酸化カルシウムを取替えて、その都度、丁寧にグラスアイオノマーセメント充填(或いは、レジン充填など)を繰り返す処置です。

おそらく、セメント充填を何度もやり直すことを、一般の医療機関が保険請求するのは無理だと思います。
ですから、『請求なし(無料)』の治療を、行っている歯科医院を探される必要はありますね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 箱庭さん
返信日時:2015-12-23 13:30:17
井野先生、柴田先生、藤森先生
お返事ありがとうございます。

保険診療でやっているところはほとんどなく探すのは難しいのですか。
大学病院であれば少しは可能性がというところでしょうか。

石灰化のために抜歯になる可能性があるのですね。
残すにあたって痛みがでる、刺激で神経がダメになることがあるという以外のリスクの説明を受けたことがありませんでした。
次回の診察のときにこの点も含めて相談してみようと思います。



タイトル 深い虫歯で歯髄保護する薬なしでレジン充填。これは標準的な処置?
質問者 箱庭さん
地域 非公開
年齢 31歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療
レジン(白いプラスチック)
覆髄・覆罩(覆ずい・覆とう)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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