虫歯を削る必要はないという記事について

相談者: 歯ぐれ刑事さん (28歳:男性)
投稿日時:2016-01-20 11:20:38
お世話になります。
ニュースサイトに以下の記事が掲載されております。

http://gigazine.net/news/20160120-goodbye-dental-drilling-and-filling/

虫歯を削る必要はないと判明、虫歯治療の根本概念が変わる可能性」というタイトルの記事が掲載されております。

この記事に対して日本のトップ歯科医の先生方はどのようにお考えでしょうか。
若しくは、学会等では既に常識となっている事実でしょうか。

お忙しいところとは思いますが、よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-01-20 11:51:31
はじめに、

>この記事に対して日本のトップ歯科医の先生方はどのようにお考えでしょうか。

日本のトップの話が聞きたければ、残念ながらこのサイトには・・・
大学の教授にでもメールした方がいいと思います。



歯科医師の意見にはなりますが、

最新の治療というより、きちんとした管理の元治療の介入をなるべく減らすというものですね。

ただ、日本では保険制度が疾病保障でありこの概念は予防的アプローチになるので日本では制度自体が変わらないと根付きにくいとは思います。
(削れば削るほど治療費が頂ける、話・説明には一切の価値を認めていないなどなど見直して欲しいのですが・・・)


また海外と違い自費治療で予防するより悪くなった際に虫歯治療保険で安く治した方がいいという考えの方が殆どだと思います。

わざわざ保険の効かない自費治療で予防をする人は殆どいません。

海外では治療費が高い(虫歯1本3〜5万、神経治療1本20〜30万)ので歯に対しての意識は、自分の財布に直結するので必然と高くなります。


結局日本人全体の意識が変わらない限り、制度自体は大きくは変わらないと思うので、書かれたような内容が希望であれば、そういったアプローチをしている自費歯科医院で個々にメンテナンスされた方がいいと思いますよ。

保険制度から、歯科が外れれば徐々にこの考え方は根付いてくると思いますが、どのぐらいの方が恩恵を受けられるのか・・・


個人的にも、そのまま置いておいた方が歯の寿命は縮めずすむと感じるケースもあります。

治療の介入のタイミングというのは非常に重要です。

ただ、制度上治療しないと費用がいただけないので、日本ではかかりつけでない限り「経過観察」という歯は非常に少なくなります。


質の悪い治療は再治療率が上がるので治療の介入回数を減らす為には治療の「質」も重要だと思います。



以上、普通の歯科医師の意見でした。

3人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-01-20 12:18:45
井野先生と同じく、普通の歯科医師ですけど・・

これはつまりまだ大きな穴のあいていないむし歯なら、フッ素プラークコントロールで制御出来る可能性がある、というお話ですよね?

今ざっと調べたところ、1974年には論文で出てますし、個人的には常識だと思ってましたが。。

ただ実際問題日本でどうかと言えば井野先生のおっしゃる通りで色々問題はあると思いますよ。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2016-01-20 12:44:14
僕もお二人の先生方と同意見です。

この記事のしめくくりにもあるように

虫歯を削ることなくオーラルケアする条件として

「初期段階の虫歯に高濃度のフッ素塗布治療を施すこと」
「正しい歯磨き方法を身につけること」
「砂糖の入ったスナック菓子や飲み物の間食を控えること」
「虫歯の経過を観察し続けること」

を挙げており、削って詰め物をして終わりという1回キリの治療ではなく、歯科医師と協力した継続的な治療が必要だそうです。


これは歯科界としては常識であり「何をいまさら…」と言う感じもしてしまいます。

ただ、現実問題としてはお二人の先生方が書かれているように「日本の(治療にしか適応されない)保険制度」の中で長年過ごしてきた日本人の意識の中に定着するかどうかは難しいところだと思います。


当院が保険医療機関を辞退して自費専門で行っている事の理由の一つがここにあります。
(当院で自費でのメインテナンスを受けていらっしゃる方はすでに実践できているように感じます)


個人的には、この記事において「クラックカリエスの発生(進行)」に対し言及されていない点は少々疑問ではありますが…。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 歯ぐれ刑事さん
返信日時:2016-01-20 13:07:14
先生方ご回答ありがとうございます。

渡辺先生の仰るように1974年には論文も発表され、日本の歯科医師の間では常識的な事項なのですね。

しかし、そんな昔からある事実に対してどうして「今」ニュース記事で話題になっているのかが理解できません。

もしくは、海外と日本の歯科事情では数十年もの格差があるのでしょうか。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2016-01-20 14:15:30
>しかし、そんな昔からある事実に対してどうして「今」ニュース記事で話題になっているのかが理解できません。

記事を書いた会社に問い合わせてみてください。

一般の人にとってはデータもあるし、読みやすい内容なのではないでしょうか。


>もしくは、海外と日本の歯科事情では数十年もの格差があるのでしょうか。

インターネットがあるので情報に差は殆どなくなったとは思いますが、全ての最新トピックスを我々一般の歯科医師が知っている訳ではありません。
 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 歯ぐれ刑事さん
返信日時:2016-01-20 14:41:14
ご返信ありがとうございます。

先生方であればこの記事をお読みになって、どのような理由を想像されたかと思いましての質問でした。

もしかしたら、素人が読んだだけでは見落としてしまうような部分に重要な内容が含まれているのではとの想像をしたのでした。

そうではないようですので、一安心致しました。

現在、ニュースサイト運営法人に直接質問していますので、回答が届き次第ご報告致します。

また、保険治療等の扱いに各国での扱いに差はあれど、歯科情報についての差は殆どないということも理解致しました。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2016-01-20 14:43:26
歯ぐれ刑事 さん、こんにちは

>もしくは、海外と日本の歯科事情では数十年もの格差があるのでしょうか。

国民性と保険制度の違いではないでしょうか。

日本ではこの考え方が患者さんに受け入れらないのではないでしょうか。
この考え方を実行すれば、患者さんにとってはお金も時間もかかるので。
さらには、生活週間の改善も要求されますから。

多くの患者さんの歯科に対する評判は、安くて早く終わるのを良しとする考えが主流ではないでしょうか。

3人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答6
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2016-01-20 15:29:01
>日本のトップ歯科医の先生方

ここで回答している先生は普通の開業医と時間に余裕のある歯科医だけですから、TOPで活躍している(どの分野の臨床で?研究で?)先生の回答を得たいならばネットでは無理だと思います。


虫歯の段階には色々あるので、エナメル質に限局した虫歯であれば治療介入しなくても経過観察でもよいと思います。

ただ、象牙質に至れば象牙細管への細菌感染がありますから、そんなに悠長なことを言っていないほうがよいように思います。


>「虫歯を削る必要はないと判明、虫歯治療の根本概念が変わる可能性」

記事を書かれた人がこういう内容について無知で、ご自身の中ではじめて理解できたのでまとめてみたということではないでしょうか?

目新しい内容がないようという印象です。

虫歯に関してはよくまとまった本として

http://www.amazon.co.jp/Dental-Caries-Disease-Clinical-Management/dp/1405138890

があります。

日本では5年遅れて訳本が出されていて、最新版はまだ日本語訳本がないはずです。

英語の文章を読む気がないと情報からどんどん遅れてしまいます。

情報の取捨選択は一般の方にとっては難しいのではないかと思います。




タイトル 虫歯を削る必要はないという記事について
質問者 歯ぐれ刑事さん
地域 非公開
年齢 28歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 専門的な質問その他
その他(その他)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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