日本歯内療法学会認定の専門医と、PESCJ認定の専門医の違い

相談者: ななっち☆さん (31歳:女性)
投稿日時:2016-01-23 07:38:34
根管治療(外傷によるもの)を自由診療で受けようと検討中ですが、歯科医選びが難航しています。

歯内療法学会認定の専門医と、PESCJ認定の専門医がいらっしゃるようですが、それぞれの違いをつかみきれず、治療に踏み切れずにいます。

また、専門医にこだわる必要があるのか? 大学病院か開業医か?というところでも迷っています。


それぞれの特徴、メリット・デメリットなど教えていただけないでしょうか?
また、上記以外の認定の専門医などがいらっしゃるようでしたら、そちらの特徴についても教えていただけたら幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-01-23 10:03:35
歯内療法学会認定の専門医と、PESCJ認定の専門医がいらっしゃるようですが、それぞれの違いをつかみきれず


簡単に言えば

日本歯内療法学会 は日本歯科医学会の認める専門分科会です。
(公に認められた学会と言う事)

PESCJはいわば個人のグループです。


PESCJの先生のほとんどが歯内療法学会に所属されていますし、歯内療法学会の認定医、専門医の先生も多いと思います。


そうですね…

例えは悪いかもしれませんが、

歯内療法学会=大学
PESCJ=大学の中のサークル

と言う感じでしょうか?


>専門医にこだわる必要があるのか? 

歯内療法学会にしてもPESCJにしても一般医に比べ、歯内療法に関しては得意とされているでしょうから、こだわられても良いように思います。



大学病院か開業医か?

これはいろいろな考え方があります。

大学病院でも開業医でも素晴らしい先生はいらっしゃいます。

ただ、大学の先生の場合、実際の臨床だけでなく、教育や研究も求められますので、純粋に「ウデ」だけを追求することができません。

開業医の場合は個人の責任において「ウデ」だけを追求する事が出来ますので、「腕の良い先生」に当たる可能性は高いように思います(あくまでも私見です)。


>メリット・デメリットなど教えていただけないでしょうか?

大学病院の場合、選定医療用にはなる可能性がありますが、多くは保険で賄われるはずですので、「安価に済む」とは思います。

逆にデメリットとしては大学病院の場合は「教育」も含まれますので学生や研修医の「見学」をされる場合があります。


>上記以外の認定の専門医などがいらっしゃるようでしたら、そちらの特徴についても教えていただけたら幸いです。

歯内療法分野に限って言えば日本歯科医学会から認められている団体は日本歯内療法学会、日本歯科保存学会だけですから、それ以外の認定や専門医と言ったものはPESCJと同様に「サークルの中の認定」と言う事になります。


日本歯科保存学会は「保存修復」「歯内療法」「歯周療法」と言う3つの分野から構成されているので、特に「歯内療法」にこだわるのであれば「日本歯内療法学会」の方が「より特化している」と言えるかもしれません。

イタリアン全般」と言うスタイルと「パスタ専門」「ピザ専門」と言う感じの違いでしょうか。
そう考えるとPESCJは「こだわりの生麺パスタ専門」と言う感じでしょうかね?

5人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-01-24 07:33:07
歯内療法学会の末席に座らせてもらっておりPESCJの先生も何名かの先生にはお世話になっております^^;

まず、『歯内療法専門医』とは「矯正専門医」、など国が認める専門医ではありません、各団体、グループが認めたものだと思ってください。

* https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E5%B0%82%E9%96%80%E5%8C%BB


また、世界的に有名なブキャナン先生もおっしゃられていましたが、

「専門医と言っても誰もが有能な専門医ではない」

同じライセンスを持っていても人の技術というものは差が出てしまうものです。



>歯内療法学会

昔からある2000人近い先生が所属する団体になります。

今年からルールが厳しくなりましたが、専門医・指導医といっても顕微鏡やラバーダムなしの先生もおられます。

今までは5年以上会に所属して、専門医の先生から推薦状を頂き症例の提出・診査と筆記試験だけでした。


個人的な感想では、会の先生は安易なインプラントより「自分の歯の保存」をと考えられている先生が多い気がします。
(因みにインプラントに比べ、歯内療法の方が手間はメチャかかりますが、治療費は1/20ぐらいしか頂けません 儲からなくても患者さんの為にと思う熱い先生が多いです)

今のような歯内療法ブームになる前の前からある学術団体です。
(会の重鎮の先生に聞くと今のブームは第3次エンドブームだとか)

一般開業医、大学の先生が所属しており、歯内療法だけを専門に開業している先生はあまりいません。

ただ、保険治療で根管治療をしてくれる先生が多いと思います。


歯内療法学会としては同じ治療ができるようなガイドラインや教育プログラムなど色々やっています。



>PESCJ

できて10年たたない数十人のグループになります。
(数ある歯内療法グループの1つのようなものです)

私も講演など聞かせて頂いていますが、最新のトピックスを織り交ぜた歯内療法グループです。

アメリカで歯内療法専門医のライセンスを取った先生が海外(アメリカ)と同じカリキュラムで1年間ミッチリ勉強した先生たちを専門医として認めています。

顕微鏡もラバーダムもマストアイテムで治療を行ってくれますので、そういった道具を重視する患者さんにはいいと思います。

また歯内療法だけの専門歯科として開業している先生も数名おられます。

殆ど先生は保険医だと思いますが、治療は自費治療になるかもしれません。


*今の所保険医療機関での自費根管治療はルール上かなり黒よりのグレーゾーンになりますので混合診療と判断されるかもしれません。 

**初診から全ての治療を自費治療で保険を一切つかわなければOKとも技官の先生に聞きましたが・・・ 原則保険医は保険治療でできる範囲の治療は保険治療での治療が義務付けられています。


PESCJを卒業した先生も知っていますがかなりの英語論文を読まされるそうで相当シンドイらしいです。

どちらが「専門医」という名を取りにくいかと言えば、私はPESCJだと思います。


ただ、大学に10年以上残っている歯内療法科の先生と話すと、

「1年学んだ先生が専門医って?」

ともおっしゃられていましたので・・・

まぁ色々な意見・考えはあります^^;
 


10万近くする自費の根管治療で確実に「ラバーダム」、「顕微鏡」を使ってもらいたいと思われればPESCJの先生の方がいいかもしれません。

逆に保険治療を希望しているんであれば、歯内療法学会の専門医の先生がいいかもしれませんが、はやり保険治療なのでできることに限界はあります。
(1万と10万ではかけられる時間も限りがあります)



個人的には

1、歯内療法だけを専門で行っている歯科医院(今の所自費治療専門しかありません)

2、学術団体の専門医、頑張っているグループの専門医

などがいいと思います。


後、どこにも所属していない自称専門医、昨今のブームに乗るような歯内療法外来などもありますので、治療を受けるならその辺りは多少気にされてもいいかもしれません。

逆に専門医とは言っていない先生でも歯内療法が非常に上手な先生もたくさんおられます。
(ただ、一般の方はかなり見つけにくいと思います)


「専門医」とは名称の1つにしかすぎませんが、

もし専門医にかかられるのであれば、一度受診して、話を聞いてこの先生にやってもらってダメなら・・・
と思える先生に治療をしてもらうのがベターだと思います。

また、かかりつけの先生に相談してかかりつけの先生が信頼出来る歯内療法だけ専門医を紹介してもらってもいいかもしれません。
(ただしこの場合被せ物などはかかりつけとなります)


根管治療は非常に難しく手間のかかる治療の代名詞です。

また、歯を長持ちさせる為には非常に大切な基礎工事になりますので、しっかり治療されておいた方がいいと思います。
(個人的にはセラミックに万単位で費用を出すぐらいなら根管治療に費用を支払った方がいいと思います)


歯内療法にも色々な学閥・学派・派閥がありどれがいいのか私にはわかりません(笑)

1つ言えるのは、人が人を治す。

結局、信用できそうな「人」を探すのがいいと思います。



おだいじに

5人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ななっち☆さん
返信日時:2016-01-25 12:15:26
櫻井先生、井野先生、ご回答ありがとうございます。
とても嬉しいです。


もう一つ質問があります。
それはキャリア(経歴・臨床経験等)についてです。

今、PESCJ認定医と、日本歯内療法学会認定専門医の、お二人に候補を絞っています。

PESCJ認定専門医は、最新の治療が受けられるところが安心ですが、キャリアが長くないところが不安です。

もう一人の日本歯内療法学会認定専門医は、輝かしい経歴をお持ちで、長年蓄積した知識は申し分なく、開業もしており、実際の臨床件数もかなり積んでいらっしゃるようです。
「もしかしたらPESCJほどは最新の治療を取り込んでいないかも…」という点が不安材料です。
マイクロスコープラバーダムは取り込んでいらっしゃるようです)


ちなみに、少ししかお話ししたことがありませんが、お二人ともとても印象のよい先生です。

最新の治療法か、キャリアか、とても悩んでいます。
根管治療においては、どちらが重要なのでしょうか?
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2016-01-25 12:33:20
こんにちは。

根管治療においては、どちらが重要なのでしょうか?

個人的にはお人柄だと思います。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2016-01-25 13:37:33
日本歯内療法学会専門医でマイクロ、ラバーも使われていて、キャリアも十分でお人柄も良さそうなのであれば、これ以上の先生はいないような気がしますが…(^^;)

最新とキャリアのどちらを重視するかと言われれば、僕ならキャリアを優先します。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ななっち☆さん
返信日時:2016-01-30 06:57:03
山田先生、田尾先生、ご回答ありがとうございます。

ここで専門家の先生方のお話を聞けて、実際に治療していただく予定の先生方も、キャリアの差はあれど良い先生に巡り会えたようで、自分はラッキーです。


また、「人が人を治す」という言葉をヒントに、自分自身の内心にも気が付くことができました。

私は、失敗という負のイメージにとらわれ過ぎて、不安や疑心暗鬼でいっぱいになっていたようです。

歯は一生ものだから失敗したくないという強い思いが、自分自身を追い詰めて、心まで病んでしまっていたのかもしれません。


今は負のイメージを捨て、自分を信じ、自分が選んだ先生を信じ、根管治療が無事成功に終わることを信じたいと思います。


回答していただいた全ての先生、回答支持の先生も含め、皆さまどうもありがとうございました。^^



タイトル 日本歯内療法学会認定の専門医と、PESCJ認定の専門医の違い
質問者 ななっち☆さん
地域 非公開
年齢 31歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の専門医
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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