子供の根尖病巣。硫酸カルシウムを使用することについて
相談者:
Chessさん (10歳:女性)
投稿日時:2016-02-04 10:47:31
回答1
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2016-02-04 12:50:22
こんにちは、
>硫酸カルシウムはアメリカでは使われているが
たぶん骨補填剤として入れるのでしょうね。
アメリカで使われていると言ってもアメリカはと広いですし、3億人もいるので誰かは使用しているでしょうね^^;
私は知る限りになりますが、骨補填剤を入れる派と入れない派はあると思います。
因みに私は入れません。
むしろ入れる必要はないと思っています。
感染源さえ取れれば入れなくても無くなった骨は自分の骨で満たされるのでわざわざ感染の恐れのある人工材料は使用しません。
因みに骨を入れた方が治るのか?という論文がありますが、
「骨を入れても入れなくても術後の成功率に大きな差はない」
という結果です。
つまり入れても入れなくても成功率に差がなければわざわざ外科をしてまで異物を入れる必要はないと私は思っています。
去年当院にも骨補填剤を入れた患者さんが転院してきましたが、治っておらず歯茎から膿は出ているのですが、レントゲン上骨補填剤を入れた為にレントゲン所見上では治った像をしており、診断に困ったケースがありました。
医療は全てがうまく行く訳ではありません。
また生涯一人の先生にみてもらうという患者さんも少数です。
であれば次の先生が治療がしやすい、診断に困らないような配慮をおこなった治療というのがベターだと思っています。
ただ、これは私の考えであり、歯内療法は色々な学派、考えがありますので担当の先生にお願いするのであればよく話し合って入れる・入れない決められた方がいいですよ。
おだいじに
>硫酸カルシウムはアメリカでは使われているが
たぶん骨補填剤として入れるのでしょうね。
アメリカで使われていると言ってもアメリカはと広いですし、3億人もいるので誰かは使用しているでしょうね^^;
私は知る限りになりますが、骨補填剤を入れる派と入れない派はあると思います。
因みに私は入れません。
むしろ入れる必要はないと思っています。
感染源さえ取れれば入れなくても無くなった骨は自分の骨で満たされるのでわざわざ感染の恐れのある人工材料は使用しません。
因みに骨を入れた方が治るのか?という論文がありますが、
「骨を入れても入れなくても術後の成功率に大きな差はない」
という結果です。
つまり入れても入れなくても成功率に差がなければわざわざ外科をしてまで異物を入れる必要はないと私は思っています。
去年当院にも骨補填剤を入れた患者さんが転院してきましたが、治っておらず歯茎から膿は出ているのですが、レントゲン上骨補填剤を入れた為にレントゲン所見上では治った像をしており、診断に困ったケースがありました。
医療は全てがうまく行く訳ではありません。
また生涯一人の先生にみてもらうという患者さんも少数です。
であれば次の先生が治療がしやすい、診断に困らないような配慮をおこなった治療というのがベターだと思っています。
ただ、これは私の考えであり、歯内療法は色々な学派、考えがありますので担当の先生にお願いするのであればよく話し合って入れる・入れない決められた方がいいですよ。
おだいじに
相談者からの返信
相談者:
Chessさん
返信日時:2016-02-04 15:17:58
回答2
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2016-02-04 15:50:01
こんにちは。
>子供の未完成根管の根管治療する場合は水酸化カルシウムを長期間使用することで根の先が形成されるのを期待できると拝見した事があるのですが
個人的には経験はありませんが、そのように言われています。
>硫酸カルシウムを入れ、ガタパーチャで根管治療すると治癒すると言われています。
私も硫酸カルシウムを入れたことはありませんが根管充填はガタパーチャで行います。
>子供の未完成根管の根管治療する場合は水酸化カルシウムを長期間使用することで根の先が形成されるのを期待できると拝見した事があるのですが
個人的には経験はありませんが、そのように言われています。
>硫酸カルシウムを入れ、ガタパーチャで根管治療すると治癒すると言われています。
私も硫酸カルシウムを入れたことはありませんが根管充填はガタパーチャで行います。
回答3
ニコ小児歯科医院(札幌市北区)の堀です。
回答日時:2016-02-04 16:48:06
>子供の未完成根管の根管治療する場合は水酸化カルシウムを長期間使用することで根の先が形成されるのを期待できると拝見した事があるのですが、子供にとってはガタパーチャを使用するよりいいのでしょうか?
基本的には大人も子どもも最終的にはガッターパーチャーなどで根の先をしっかりと封鎖することが望まれます(乳歯は除く)。
そのため、根管治療の際には根の先をガッターパーチャーがしっかりとはまる形に整える作業を行います。
しかしながら歯根未完成の永久歯の場合、根の先が開いているために「しっかりはまるための形作り」ができないことがあります。
そういったときに水酸化カルシウムを長期間用いて根の先が完成、あるいは閉じるのを待ちます。
その場合、根の先が閉じた後に改めて根管形成を行い、ガッターパーチャーで根管充填することになります。
基本的には大人も子どもも最終的にはガッターパーチャーなどで根の先をしっかりと封鎖することが望まれます(乳歯は除く)。
そのため、根管治療の際には根の先をガッターパーチャーがしっかりとはまる形に整える作業を行います。
しかしながら歯根未完成の永久歯の場合、根の先が開いているために「しっかりはまるための形作り」ができないことがあります。
そういったときに水酸化カルシウムを長期間用いて根の先が完成、あるいは閉じるのを待ちます。
その場合、根の先が閉じた後に改めて根管形成を行い、ガッターパーチャーで根管充填することになります。
相談者からの返信
相談者:
Chessさん
返信日時:2016-02-04 18:14:37
回答4
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2016-02-04 23:54:07
>病巣が治癒 する前にガタパーチャで根管治療してもいいでしょうか
先生の判断になります。
私は病変の縮小傾向が出てきたら根充して経過観察します。
ただ根未完成歯は歯の先が出来上がっていないので、ガッタパチャー(ゴム)を根の先で止める方法がありません。
根の先に人工物が止まる形態を作ってから入れた方が理想です。
>水酸化カルシウムを長期間用いて根が閉じていくのですね^ ^
>その間に病巣は治癒しますでしょうか
うまく行く場合は病変(膿)も無くなります。
>子供の未完成根管の根管治療する場合は水酸化カルシウムを長期間使用することで根の先が形成されるのを期待できると拝見した事があるのですが、子供にとってはガタパーチャを使用するよりいいのでしょうか?
掘先生がおっしゃるような流れが教科書的な治療法です。
「アペキシフィケーション」と言います。
参考:アペキシフィケーション
>子供の未完成根管の根管治療する場合
私の数少ない経験ですが、その他に開いた根の先にMTAを入れる「MTA根管充填法」があります。
sannkou :http://eedental.jp/ee_diary/2014/11/post-1068.html
顕微鏡下でMTAを緊密に詰めた方がいいと思います(私見)
MTAの種類によっては歯が少しグレーに変色するものもありますが、最大のメリットはMTAの硬組織誘導能で根の先を閉じ埋める方法になります。
その他、偶然今日ブログにしたものですが、「バスクラリゼーション」という超超マニアックな方法もあります。
参考:http://eedental.jp/ee_diary/2016/02/post-1322.html
アメリカ歯内療法学会のちょっと前に熱かったトピックスで、まだまだ一般には普及していない方法になりますが、日本でもマニアックな歯内療法専門医の間で知られ始めています(まったく一般的ではありません^^;)
すみません、私は小児治療をしていないのですがたまたまやったケースを紹介させてもらいました。
お子さんのことで不安でしょうが、
「根未完成歯」の場合現在の一般的な方法は「アペキシフィケーション」だと思います。
おだいじに
先生の判断になります。
私は病変の縮小傾向が出てきたら根充して経過観察します。
ただ根未完成歯は歯の先が出来上がっていないので、ガッタパチャー(ゴム)を根の先で止める方法がありません。
根の先に人工物が止まる形態を作ってから入れた方が理想です。
>水酸化カルシウムを長期間用いて根が閉じていくのですね^ ^
>その間に病巣は治癒しますでしょうか
うまく行く場合は病変(膿)も無くなります。
>子供の未完成根管の根管治療する場合は水酸化カルシウムを長期間使用することで根の先が形成されるのを期待できると拝見した事があるのですが、子供にとってはガタパーチャを使用するよりいいのでしょうか?
掘先生がおっしゃるような流れが教科書的な治療法です。
「アペキシフィケーション」と言います。
参考:アペキシフィケーション
>子供の未完成根管の根管治療する場合
私の数少ない経験ですが、その他に開いた根の先にMTAを入れる「MTA根管充填法」があります。
sannkou :http://eedental.jp/ee_diary/2014/11/post-1068.html
顕微鏡下でMTAを緊密に詰めた方がいいと思います(私見)
MTAの種類によっては歯が少しグレーに変色するものもありますが、最大のメリットはMTAの硬組織誘導能で根の先を閉じ埋める方法になります。
その他、偶然今日ブログにしたものですが、「バスクラリゼーション」という超超マニアックな方法もあります。
参考:http://eedental.jp/ee_diary/2016/02/post-1322.html
アメリカ歯内療法学会のちょっと前に熱かったトピックスで、まだまだ一般には普及していない方法になりますが、日本でもマニアックな歯内療法専門医の間で知られ始めています(まったく一般的ではありません^^;)
すみません、私は小児治療をしていないのですがたまたまやったケースを紹介させてもらいました。
お子さんのことで不安でしょうが、
「根未完成歯」の場合現在の一般的な方法は「アペキシフィケーション」だと思います。
おだいじに
相談者からの返信
相談者:
Chessさん
返信日時:2016-02-05 10:28:04
井野先生
ご回答ありがとうございます。
バスクラリぜーションのブログ拝見しました。
そのお子様の歯髄を残す事ができるなんてお母様もお子様も幸せですね。
うちの場合は抜髄して歯髄しまってるので歯髄が残る可能性はないということでしょうか。
水酸化カルシウムで様子をみることで歯髄再生可能性は数パーセントでもあるのでしょうか。
顕微鏡下でMTAを厳密につめる方法は、根の先を閉じ埋める事ができるのですね。
それをすると大人の歯と同じように根の先が形成されていくという意味でしょうか。
閉じこめると根の形成は止まってしまいますか。
形成されていくのならばその方法もいいなと思ってます。
以前MTAについて歯チャンネルで拝見したところ、固まると除去できないとのことでちょっと怖い気もしますが^^;
ご回答ありがとうございます。
バスクラリぜーションのブログ拝見しました。
そのお子様の歯髄を残す事ができるなんてお母様もお子様も幸せですね。
うちの場合は抜髄して歯髄しまってるので歯髄が残る可能性はないということでしょうか。
水酸化カルシウムで様子をみることで歯髄再生可能性は数パーセントでもあるのでしょうか。
顕微鏡下でMTAを厳密につめる方法は、根の先を閉じ埋める事ができるのですね。
それをすると大人の歯と同じように根の先が形成されていくという意味でしょうか。
閉じこめると根の形成は止まってしまいますか。
形成されていくのならばその方法もいいなと思ってます。
以前MTAについて歯チャンネルで拝見したところ、固まると除去できないとのことでちょっと怖い気もしますが^^;
回答5
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2016-02-05 11:21:17
>水酸化カルシウムで様子をみることで歯髄再生可能性は数パーセントでもあるのでしょうか。
残念ですが・・・
出血の中にグロースファクター(歯を作る細胞など)があるのですが、今回のように神経を取ってしまった根管内には起こらない現象かと推測されます。
ただ、根尖部にはマラッセの残存上皮などの細胞があるので、水酸化Caなどを使用することにより根尖部の閉鎖は起こるかもしれませんが、病変があり長期経過しているようだとその細胞も死んでいるかもしれません。
すみません、小児やっていないのでそこまで詳しくはありません^^;
>それをすると大人の歯と同じように根の先が形成されていくという意味でしょうか。
どうなんでしょうかね。
大人と同じ治癒というより、MTAの周りにセメント、骨細胞などが付着し閉鎖するイメージですね。
ガッタパチャーよりMTAの方が自分の細胞で自然な治癒形態が生まれます。
根尖から多少MTAが出てもガッタパチャーとは違い生体親和性が高い為か、吸収してしまいます。
>以前MTAについて歯チャンネルで拝見したところ、固まると除去できないとのことでちょっと怖い気もしますが^^;
というより、たぶんお子さんの歯の難易度は高いので、今回の治療でダメなら・・・ ぐらいの状態だと思いますよ。(実際見ていないので推測ですが)
材料などを一般の方が考えるより、先生の説明を聞いてこの先生にやってもらってダメだったらしょうがないと思える先生にしてもらった方が後悔は少ないと思いますよ。
おだいじに
残念ですが・・・
出血の中にグロースファクター(歯を作る細胞など)があるのですが、今回のように神経を取ってしまった根管内には起こらない現象かと推測されます。
ただ、根尖部にはマラッセの残存上皮などの細胞があるので、水酸化Caなどを使用することにより根尖部の閉鎖は起こるかもしれませんが、病変があり長期経過しているようだとその細胞も死んでいるかもしれません。
すみません、小児やっていないのでそこまで詳しくはありません^^;
>それをすると大人の歯と同じように根の先が形成されていくという意味でしょうか。
どうなんでしょうかね。
大人と同じ治癒というより、MTAの周りにセメント、骨細胞などが付着し閉鎖するイメージですね。
ガッタパチャーよりMTAの方が自分の細胞で自然な治癒形態が生まれます。
根尖から多少MTAが出てもガッタパチャーとは違い生体親和性が高い為か、吸収してしまいます。
>以前MTAについて歯チャンネルで拝見したところ、固まると除去できないとのことでちょっと怖い気もしますが^^;
というより、たぶんお子さんの歯の難易度は高いので、今回の治療でダメなら・・・ ぐらいの状態だと思いますよ。(実際見ていないので推測ですが)
材料などを一般の方が考えるより、先生の説明を聞いてこの先生にやってもらってダメだったらしょうがないと思える先生にしてもらった方が後悔は少ないと思いますよ。
おだいじに
相談者からの返信
相談者:
Chessさん
返信日時:2016-02-05 12:52:18
井野先生
山田先生
堀先生
先生方のご回答大変参考になりました。
ありがとうございました。
山田先生
堀先生
先生方のご回答大変参考になりました。
ありがとうございました。
タイトル | 子供の根尖病巣。硫酸カルシウムを使用することについて |
---|---|
質問者 | Chessさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 10歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
根管治療その他 小児歯科治療 根管治療関連 歯科治療用の薬 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。