唾液は歯周病菌を殺しますか?ノンクラスプデンチャー否定論

相談者: 仮歯中さん (30歳:男性)
投稿日時:2016-02-27 18:51:07
ノンクラスプデンチャーは、クラスプの代わりに樹脂を鈎歯の付け根にかけるから鈎歯の歯周病の元になるとの事ですが、樹脂が鈎歯の付け根を覆うならそこには食べかすが付く量も減るからあまり変わらない気がします。

ノンクラスプデンチャーで残存歯がダメになるのは、ノンクラスプデンチャーがほとんど柔らかい素材であり、たわみで鈎歯を揺らしたり引っ張ったりするからじゃないでしょうか?

あるいは元々、ダメになりかかってるとか。

それとも本当に、付け根を樹脂が覆うのが原因なのでしょうか?
唾液には殺菌効果があるらしいですが、歯周病菌も殺しますか?

よろしくお願い申し上げます。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2016-02-27 20:59:43
こんにちは。

食べかすが歯周病の原因になるというのは間違っていませんが、もっとも問題になるのは樹脂につきやすいカビ(真菌)だといわれています。

また歯周病を進行させるものは食べかすのような大きな物質ではなく、バイオフィルムという目に見えない細菌と細菌が出す物質が複雑に絡み合ったものだといわれています。

バイオフィルムは固体の表面にはどこにでもついて成熟するものです。
例えば台所の流しの隅や風呂場の掃除が行き届かない角を想像されれば、イメージがわきやすいのではないでしょうか?


そのベトベトというかドロドロ状の固着したものからは様々な毒素が出ていますから、それと身体の免疫機能が反応を起こして歯の支えを痛めてしまうのです。
そういうバイオフィルムはもちろん義歯にもつきます。


樹脂は吸水性や溶解性があり構造も電荷も金属とは異なりますから、細菌の温床になりやすいので、定期的に義歯洗浄剤で殺菌したほうがよいと思います。

お口の中を綺麗にすると同時に、義歯もきちんと洗浄するようにされればよいですね。
真菌に効果のある義歯洗浄剤は薬局でも、歯科医院でも販売されていると思います。


唾液には殺菌効果があるらしいですが、歯周病菌も殺しますか?

遊離歯周病菌は殺します。
ただし、一旦バイオフィルムが形成されるとバイオフィルムの中にまでは唾液の成分が浸透しないため、唾液の殺菌力は期待できなくなってしまうので、常に義歯もお口の中もツルツルに磨かれた清潔な状態であることが望まれます。


>他人の唾液で歯周病が移るのはなぜ?

その人の唾液が汚染されているからでしょうね。

綺麗な口の人の唾液ならば逆に元気になるんじゃないでしょうか?

汚い口の人の唾液には細菌が大量にいるでしょうから、自分自身の唾液の殺菌力や免疫力を上回る量で悪質の細菌や微生物が入ると処理し切れなくて感染するのは、風邪やインフルエンザの感染とよく似ていますね。

バイオフィルムで検索されてはいかがでしょう?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 仮歯中さん
返信日時:2016-02-27 21:59:31
ありがとうございます。

以上の歯周病のお話はノンクラスプデンチャーだけの問題でしょうか?
普通の義歯もそうだとして、度合いはノンクラスプデンチャーの方が増すのでしょうか?

カビが問題なら、常に清潔にしてれば樹脂が鈎歯を覆ってても問題ないような気もします。
回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2016-02-27 23:02:32
清潔にされていたら支障ないはずです。

そのために義歯洗浄剤が開発されて販売されています。

吸水性があると素材に洗浄剤の成分が染み込んで、匂いや刺激があり使用が嫌だという方も時々おられます。

自費の素材であれば吸水性が少ないものもあるようです。

上手に利用されればよいと思います。


歯を失って義歯が必要になるような方は、口腔清掃状態が悪い場合が多々ありますから、定期的に義歯の適合を見てもらったり口腔清掃状態をチェックしてもらうことを習慣付けられることも大切だと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 仮歯中さん
返信日時:2016-02-27 23:39:46
ありがとうございます。
どうやら、清掃をきちっとしてれば問題なさそうですね。

たしかに、ノンクラスプデンチャーだからどうこうじゃなく、もともと口内の清掃ができない人(私)だからダメになるのであって、その人は普通の義歯でもダメなのだろうと思ってました。
気をつけます。

他の先生で「そうじゃなく、ノンクラスプデンチャー独自の問題だ」という意見がありましたら教えて下さい。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2016-02-28 08:17:47
西山です

ノンクラスプデンチャーで残存歯がダメになるのは、ノンクラスプデンチャーがほとんど柔らかい素材であり、たわみで鈎歯を揺らしたり引っ張ったりするからじゃないでしょうか?

正確にはノンメタルクラスプデンチャーといいます.
クラスプという構造物は一般的には金属(メタル)で作製されますが,これに樹脂を用いたのがノンメタルクラスプということになります.

したがって,義歯の設計の基本はメタルクラスプを用いた場合と同じはずなのですが,メタルを用いないものというイメージが先行してしまい,義歯の安定を作り出すための設計がおろそかになっている義歯が見受けられます.この場合は義歯自体の動きが大きくなるので,鈎歯(支台歯)への負担が大きくなってしまいます.

歯肉を覆うことがよろしくないという考えは以前からありましたが,覆われた部分の清掃や定期的なメインテナンスのほうが影響が大きいという報告もあります.
また,歯肉を覆う際に,歯肉の辺縁に直接構造物が触れないように隙間を開けることをしないと,機械的な刺激によって歯肉が腫れ,見かけ上ポケットが深くなるために歯垢が付きやすくなることも考えられます.

参考にしてみてください.

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 仮歯中さん
返信日時:2016-02-28 09:53:03
西山先生、ありがとうございます!

さすがというか、なんというか…
非常にわかりやすいです。

確かに、ノンメタルクラスプデンチャーフレキシブルデンチャーは似て非なるもので、フレキシブルデンチャーはダメ、クラスプがノンメタルでも義歯自体にたわみがなければ○との論文をどこかで読んだ気がします。

鈎歯の徹底的清掃は多かれ少なかれ通常の義歯でも必要になりますので、ノンメタルクラスプデンチャー独特の問題は付け根の物理的摩擦という事ですね?
気づきませんでした。
ありがとうございます!


ノンメタルの本来の設計がそこに隙間があるものなのか、密着してるものなのか、私は知らないのですが、空いてるのが本来なのでしょうか?

金属床などで補強、鈎歯部分の樹脂の歯肉辺縁の物理的摩擦を解消
以上で機能的に保険義歯に近づけますでしょうか?

他のトピックで「バネにあたる部分が歯の根元部分を覆いかぶさるので一番歯周病で問題になる部分の清掃性が悪くなります。」とおっしゃってた水川先生や、他の先生のご意見もいただけると幸いです。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 仮歯中さん
返信日時:2016-02-29 01:32:56
http://www.oita-dental-a.or.jp/qa/qa07.html

こちらに歯の周囲や義歯床下粘膜への自浄作用とありますが、ノンクラスプデンチャーの場合、これが鈎歯の歯茎にも影響するとの事でしょうか?
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2016-02-29 12:39:51
仮歯中さん、こんにちは。

ノンメタルクラスプデンチャーフレキシブルデンチャーの害(問題点)については、私の知る限りでは、系統だった研究が皆無だということが問題なのでしょう。

つまり、医学的には「よくわかっていない」ということです。
よくわからないから、いろいろな意見が出るのでしょう。

ゴールデンスタンダードとなる、よく研究された治療法に比べ、よくわかっていない未知の治療法を選択するだけの利点を感じるなら使用しても良いのではないでしょうか。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 仮歯中さん
返信日時:2016-02-29 14:09:52
小牧様どうもありがとうございます。
やはり今の時点で確証を得るのは難しいようですね。
オウンリスクで考えます。

ありがとうございました。



タイトル 唾液は歯周病菌を殺しますか?ノンクラスプデンチャー否定論
質問者 仮歯中さん
地域 非公開
年齢 30歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 部分入れ歯 その他
回答者




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