15歳、矯正予定。顎関節円板の転位は治せますか?

相談者: めこさん (15歳:女性)
投稿日時:2016-02-15 11:18:48
15才の娘が矯正歯科顎関節のMRIを撮りました。
MRI検査で顎関節の関節円板が転位していた場合は、スプリント療法で転位を治せますか?


顎関節を重視する矯正歯科の先生は、スプリントで顎関節をいい位置に戻した状態で矯正治療を行う方がいい。と仰います。

なるほどと思ったのですが、転位した関節円板はスプリントを使っても戻せないとも仰います。

MRIを撮ったのは現在の円板の位置を確認し、将来的に悪くならないかを確認していくだけだそうです。
スプリントの目的は関節頭をいい位置に戻すだけのようです。


他の医院でスプリントを使って前方転位した円板が戻ったという治療例も見たのですが、実際にはスプリントで、転位した顎関節円板の位置は戻せないのでしょうか?
よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-02-15 15:02:44
その後の経過はどのように進みましたか。

前回の回答でお返事が見られませんでした。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-02-15 21:07:23
西山です

転位してから時間が経過している関節円板については,保存的治療でもとの位置に戻すのは困難だと思います.
手術ならできると思いますが・・・

ただ,関節雑音がない人でも,30〜35%に関節円板の転位が存在するといわれています.
また,円板転位による関節雑音がある場合でも,その後に悪化(痛みや開口障害)するのは10%程度とも言われています.

一般的には,そのままで普通に生活することが多いですね.

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めこさん
返信日時:2016-02-15 22:59:34
松山先生

前回はありがとうございました。
その後矯正について色々と悩み、まだ治療が開始できていないためご報告ができず申し訳ありませんでした。

顎関節歯列矯正について真剣に考えていますのでまたご指導よろしくお願いします。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めこさん
返信日時:2016-02-15 23:35:39
西山先生

ご回答ありがとうございます。

パノラマで、右の関節頭が左に比べ細く映っていたので念のためにMRIを撮りました。
口を閉じている時に関節円板が前方に転位していて、口を開けた時には円板が戻るようですが、今のところ雑音も痛みも開口障害もありません。またいつ頃から円板が転位したのかも不明です。

確かめるすべはありませんが、もし円板が転位したのが最近(ここ1〜2年?)であれば、スプリントで復位は可能でしょうか?


近々矯正を始める予定でいますが、このような関節の状態で、スプリント治療をせず、今の顎関節の位置で咬み合わせを作ってしまっても将来的に問題は出ないでしょうか?

その後に悪化するのは10%程度であれば、今症状がないのにスプリント治療をすることはオーバートリートメントであるように思いますが、矯正治療が終了した後で顎関節障害が出たら怖いので悩んでいます。
アドバイスよろしくお願いします。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2016-02-16 08:01:15
西山です

>今のところ雑音も痛みも開口障害もありません。
>またいつ頃から円板が転位したのかも不明です。

一般的に、円板転位のタイミングを確定することは困難です。
また、前述したように、痛みも開口障害もないのであれば、一般的には予後はよいと思います。


>もし円板が転位したのが最近(ここ1〜2年?)であれば、スプリントで復位は可能でしょうか?

難しいと思います。
1〜2週間ならわかりませんが。


>その後に悪化するのは10%程度であれば、今症状がないのにスプリント治療をすることはオーバートリートメントであるように思いますが、矯正治療が終了した後で顎関節障害が出たら怖いので悩んでいます。

個人的にはオーバートリートメントになると考えます。
スプリントといっても、下顎を前に出して固定するようなタイプを使うことになりますし、15歳という成長中の年齢であることを考えるとなおさらです。

矯正治療後に顎関節症を発症する方は時々います。
ただ、円板転位があるとリスクが高まるという根拠はないと思います。

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回答 回答4
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-02-16 09:25:36
>右の関節頭が左に比べ細く映っていたので

この様な場合は、関節頭部の垂直的成長も足りなく、恐らく下顎は右に変位して正中線は右にずれているはずです。
歯並びの土台からバランスが取れていないという表現にすると判りやすいと思うのですが、矯正治療は難しくなると思います。


診なければ判りませんが、このような場合では、抜歯矯正はできるだけ避けた方が良いと思います。
いったん叢生を改善するとある程度下顎変位が正されますので、そこで歯列の再評価を行って矯正治療の方針を立てなおして治療します。

この様な事により円板転位が治る時もありますが、この例では難しいかもしれません。
円板転位を戻すことを視野に入れた、治療方針は良いことです。

回答 回答5
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2016-02-16 10:19:39
「いつ転位したのか(ずっと以前かもしれませんね)?」「何故、転位したのか(その原因・理由は?)?」をお考えになり、転位を治す必要性を担当医と話し合われる方がよいと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めこさん
返信日時:2016-02-16 10:59:23
西山先生
ありがとうございます。
やはりスプリントを使っても円板の復位は望めないのですね。

>スプリントといっても、下顎を前に出して固定するようなタイプを使うことになりますし、15歳という成長中の年齢であることを考えるとなおさらです。

スプリントが下顎を前に出すタイプであるとは知りませんでした。
それではスプリントで関節頭を関節窩から引っ張るような力をかけるという意味でしょうか? 

矯正医から、下顎を前方に誘導する機能的な矯正装置は顎に負担がかかるのでNG(娘は下顎が後退気味です)だが、スプリントは顎関節を本来のいい位置に戻すと言われたので、私はてっきりスプリントで、ずれている関節を関節窩にぴったりとはまり込ませる(引っ張るとは逆で押し込む)ようなイメージを持っていました。

スプリントは成長期の15才には使わない方がよいでしょうか? 
よろしければ理由を教えてください。
よろしくお願いします。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めこさん
返信日時:2016-02-16 11:20:26
松山先生
ありがとうございます。

口は真っ直ぐに開閉するのですが、ご指摘のとおり、噛みこむと下顎が右にずれ、正中線も2mmほどずれています。

下顎のずれのせいかと心配していましたが、正面のセファロ分析により骨格の側方偏位はないことがわかりましたので歯の移動で正中を合わせる予定にしています。

関節頭の変形はそのまま放置でも大丈夫でしょうか?
円板転位を戻すことを視野に入れた治療とはどのようなものでしょうか?



藤森先生
ありがとうございます。

いつ? なぜ? を考えてみると、13才直前から半年間、機能的矯正装置で下顎の前方誘導を行いました。
その時の検査では下顎が右にずれているということで、右側がより成長するように装置を作りました。
もしかしたらそれが原因で右の関節頭が変形したのでしょうか? 

関節円板がずれてしまったのも機能的矯正を行った(関節頭を半年間引っ張った)せいでしょうか?
回答 回答6
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-02-16 11:28:59
>円板転位を戻すことを視野に入れた治療とはどのようなものでしょうか?

下顎偏移を正すように矯正治療を治療を行うと、戻ることがあるという意味です

回答 回答7
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2016-02-16 13:42:25
13歳頃には、既に成長発育に左右差が認められていた可能性も考えられます。
もしかすると、それらを補うために顎関節構造を変形させたのかもしれないですね。

ある特定の部位の構造のみでなく、その周辺とのバランスをも考え合わせる必要がある場合もあると思います。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2016-02-16 16:20:08
西山です

>>円板転位を戻すことを視野に入れた治療とはどのようなものでしょうか?
>下顎偏移を正すように矯正治療を治療を行うと、戻ることがあるという意味です

これを目的とした矯正治療はオーバートリートメントだと思います。
矯正治療で転位円板をもとに戻すという方針には根拠がありませんし、矯正治療にかかる時間、費用、患者の苦痛と比較すると、成功率が不確定すぎて利害のバランスが悪すぎると考えます。

関節円板の転位にはあまりこだわらず、本来の目的を目標にして矯正治療を行うのが良いと考えます。


ちなみに、パノラマで左右の下顎頭の幅が異なることは、いろんな理由で生じます。
撮影時の頭の傾きによっても、そのように見えてしまうこともあります。
また、パノラマ上の下顎頭は真横から見た様子ではありません。

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回答 回答9
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-02-17 12:45:39
色々な意見があるのですが、次のような論文がありますので参考にしてください。


復位性関節円板転位症例の歯科矯正学的咬合再構築
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacd1999/23/1/23_1_12/_pdf


復位性関節円板前方転位症例へのスプリント療法矯正治療の併用療

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacd1999/21/1/21_1_69/_pdf


矯正学的な咬合再構築における現状と問題点
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacd1999/26/3/26_3_310/_pdf


回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2016-02-17 20:56:01
西山です

最初の2論文(症例報告)の2症例はいずれも円板転位は改善していませんね.
3つ目の論文(症例報告)の2症例につては,1つ目はやや円板が整位しているようにも見えますが,2つ目はもともと転位と言えない症例だと思われます.

だとすると,やはり円板整位を目的として矯正治療を行うのは,オーバートリートメントではないでしょうか.

咬みあわせを整える,顔貌を整える,ということを目的とし,結果として転位円板が整位したらもうけものという程度で考えたほうがよいと思います.

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回答 回答11
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2016-02-18 10:20:07
しつこいようですが、、

もし仮に、健常と思われる位置(?)から転位したとすれば、その理由を考えることが抜けていますね。

噛み合わせが悪いから転位したのですか?たぶん違うと思いますよ。でしたら、何故、矯正治療の前にスプリント治療を行うのでしょうかね。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めこさん
返信日時:2016-02-23 10:21:53
先生方
色々アドバイスいただきありがとうございます。
論文も拝読させていただきましたが、MRIの読影は素人には超難関でどこが円板なのか全くわかりませんでした…。


先日意を決して、大学病院口腔外科を受診してきました。
MRIを見ていただいたところ、左の顎関節は正常、一方右の顎関節は閉口時に円板が前にずれているが、開口にしたがってすぐに戻るので動きもあるし心配ないでしょうとのことでした。

治療としては特にない。理由はスプリントを使っても円板の復位は難しいし、今症状がないので復位にこだわる必要もないとの説明は、西山先生からいただいたアドバイスと同じだなぁと思って拝聴してきました。
触診後、左側の筋肉が固いのでいつも左側で噛む癖を治し左右同時にバランスよく噛むこと、顎の運動をすることをご指導いただきました。



娘の場合は右の口腔内の発育が左に比べ遅いこともあり、今後矯正は絶対した方がいいが、矯正の先生の中でも、顎関節にこだわり必ずスプリント療法後に矯正をされる先生もいる一方で、今症状がなければ重視しない先生もいるという前提を話されました。

その上で、スプリントまでする必要もないと思うが、歯並びを変えると必ず顎の位置にも影響するので、今後顎関節についてもしっかりみてもらった方がいいと言われました。


確かにその通りなのですが、今後かかろうと思っている後者(顎関節を重視しない)の先生は顎関節には無関心なので、今の顎関節の位置で歯を並べて終了ということになります。
今後顎関節も総合的に診ていただけることはない感じなのでやはり心配です…。



タイトル 15歳、矯正予定。顎関節円板の転位は治せますか?
質問者 めこさん
地域 非公開
年齢 15歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正の治療法
小児矯正(子供の矯正)
顎関節症
その他(写真あり)
回答者




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