研修終了後の歯科医師。抜去歯での抜髄練習と実際の臨床の違い

相談者: ミタさん (30歳:男性)
投稿日時:2016-04-17 01:15:05
今、研修医終了後の歯科医師です。
抜髄のための練習方法について質問させていただきたく投稿しました。
歯科関係者が質問して良いのか少し戸惑いましたがよろしくお願いいたします。

去年から抜去歯を使い練習をしています。
抜去歯では十分に開拡できるようになってきました。
しかし、実際の口腔内だといまいちしっかり開けきれません。
なんとか歯髄腔に到達し少しずつ広げて抜髄は出来てはいるのですが、レントゲンで確認すると歯髄腔とは違った方向にバーを進めていることが多く見られます。
(特に小臼歯
後一歩でパーフォレーションしていたであろう症例もありました。
(根管内ではなく根管口部で)

抜去歯での練習と口腔内での実践における違いはどういったところにあるのでしょうか?
また、そのギャップ差を埋めるために普段どのように練習していけば良いでしょうか?

また、もしパーフォレーションした場合はMTAなどが効果的だそうですが小さな穿孔で出血のない場合・止血できた場合はレジンでも問題ないのでしょうか?

ご多忙のところ申し訳ございませんがご教授宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-04-17 08:01:16
>抜去歯での練習と口腔内での実践における違いはどういったところにあるのでしょうか?

ファントームを用いて練習しているのならともかく、歯を手に持っての練習なのでしたら、根の方向性を読む感覚に差異が生じるかもしれません。


>ギャップ差を埋めるために普段どのように練習していけば良いでしょうか?

闇雲に練習するのではなく、時間と費用をかけ、系統立てされた実習付きのエンドのセミナーに参加してみてはいかがでしょう。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-04-17 11:22:50
ルーペ等の拡大装置は使用しておりますか?

もし、裸眼でされているとすれば、拡大装置の使用をお勧めいたします。


個人的にはMTAだろうとコンポジットであろうと裸眼ではパーフォレージョンリペアは不可能だと思います。
(できていると思い込むのは簡単ですが、危険だと思います)

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回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2016-04-17 15:05:52
人の口の中のほうが器具の挿入方向や動かせる範囲が限定されるので難しいに決まってますよ。

とりあえずたくさん抜去歯で練習して各々の歯種の髄腔の基本的な形や立体的な位置関係をイメージできるようにしたほうがよろしいかと思います。

それに関して拡大装置とくに顕微鏡をつかうと(特に最初のうちは)方向性や距離感がまったくわからなくなり、パーホレーションのリスクが格段にあがりますので私ならお勧めしません。
(パーホレーションしてしまった後なら使ったほうがよいかもしれません)

あと上の小臼歯は結構難しいことありますよ。

根管口はここにあるはずだとあまり細かい部分に集中しすぎず、あやしいと思ったら少し離れて全体像を見るように心掛けるとリスクを減らせると思います。

根管口を見つける細かいテクニック等は書籍がたくさん出てますのでそれで勉強してください


>小さな穿孔で出血のない場合・止血できた場合はレジンでも問題ないのでしょうか?

どうでしょうかね。
私はやったことないです。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2016-04-18 08:08:43
やみくもに抜去歯で練習しても、効果は薄いと思います。

歯牙解剖を徹底的な学んでいますか?
それと開腔時に指導医に付き添ってもらってください。
ラバーは忘れずに!

あと、一回のアポで、根尖まで器具を届かそうとせずに、初回は根管孔の明示まで、と割り切ると心の余裕が生まれます。

以上は経験からでした。

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回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2016-04-18 08:41:34
大野先生が書かれているように解剖は大変重要です。

パーホレーションに結びつくことはあまりないですが、下顎の前歯小臼歯に2根管があるのをCTを撮ってみてはじめて知った なんていうレベルだと非常によろしくないですね。

自分で言っておいてなんですが、臨床ですぐに役立つテクニックにばかり目を向けていて大学で学んだ基本的なことをおろそかにすると、いつまでたっても上達しないなんてこともありえます。

新しいことばかりに目を向けるのではなくて、過去に学んだことももう一度復習しなおしてみると、そのほうが近道だったなんてことも多々あると思いますよ。

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回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2016-04-18 09:03:37
とりあえず、抜去歯を石膏にうめて、根の形や方向がわからないようにして、それをミラーテクニックを使って抜髄してみ!

あと、慣れてないんなら、タービンなんか使わんと 5倍速でやるべきです。 
もしくは、 エナメルをタービンで開拡しておいて、象牙質の開拡はコントラにカーバイドバーつけて練習してごらん。

実際の臨床では、周囲の協力を得て、時間をかけて5症例くらいを完璧に仕上げてみてください。


スピード重視で洗い治療を1000症例やるよりも、無制限に時間をかけて完璧な治療を5症例目指すだけで 臨床はガラっとかわります

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回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2016-04-18 10:52:32
ミタさん、こんにちは

大野先生の補足ですが、ラバーは必ず必要ですが、露髄するまではラバーそしないで行った方が良いと思います。
ラバーをすぐに装着できるように準備しておき、露髄が確認できたら、口を閉じないようにその場ですぐに装着する。

特に転移歯や、捻転歯、修復によって形が変わっている歯、う蝕が大きく元の形をとどめていない歯には気をつけてください。

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回答 回答8
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2016-04-18 12:20:00
普段ラバーダムを装着されてなかった先生が、初めて使われた際に失敗しやすいことが、まさに歯軸の見誤りだと思います。
小牧先生の案に賛成します。


抜去歯を手に持って行う場合と、実際に口腔内で行う場合との差異は、後者はどうしても若干近心からのアプローチになることだと思います。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2016-04-18 16:28:49
参考までにですが、最近ではシンプルマネキンに着く模型の中にはEMRが反応する模型もできてきました。

3Dプリンターでこう言った透明歯牙模型も発売されています。

こう言ったものを使用して練習されるのも良いかもしれません。

ただ、間違った方法や知識でやっても意味がありませんから歯内療法の実習付きのセミナーなどを受講されてるのが近道かなと思います。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ミタさん
返信日時:2016-04-20 01:31:08
返信が遅くなりまして申し訳ございません。
こんなに多くの先生方からアドバイスを頂け光栄に思います。


小林先生
ファントムを使わずに石膏に抜去歯を埋めて練習しています。
>闇雲に練習するのではなく、時間と費用をかけ、
>系統立てされた実習付きのエンドのセミナーに参加してみてはいかがでしょう。

エンドのセミナーのイメージがマイクロスコープを使っているものしかないと思っていましたが、実際に調べてみたところ初歩的な内容のものもあったのでそういったものから参加していこうと思います。


櫻井先生
今現在、練習用ということで安物のルーペを使って練習しています。
高級品を使ったほうが同じ倍率でも見え方が全く違うということで近々高いものを買おうと思っております。


森川先生
>根管口はここにあるはずだとあまり細かい部分に集中しすぎず、あやしいと思ったら少し離れて全体像を見るように心掛けるとリスクを減らせると思います

ここにあるはずだと思い込んで削っていき実際はもっと近心にあったというのが多くあります。
その状態を歯冠方向からミラーで見てみると遠心に振れて削れていました。
途中で一旦全体を見れればより早く確実に根管にたどり着けていたと思います。
大学の教科書や根管治療の書籍を読んで学んでみようと思います。


大野先生
もう一度基本的なところから学んでいこうと思います。
「心の余裕」大事ですよね。
良くない状態のときは大体何かに追われて焦っているような状態になっています。


タカタ先生
いま練習中の歯が全部きれいにまっすぐ石膏に埋めている状態です。
次、埋める時は少しずらして埋めていくようにしてみます。

>無制限に時間をかけて完璧な治療を5症例目指すだけで臨床はガラっとかわります

完璧な症例を5症例を目標に頑張っていきます。


小牧先生
>特に転移歯や、捻転歯、修復によって形が変わっている歯、う蝕が大きく元の形をとどめていない歯には気をつけてください。
>こういう歯は方向性がわかりにくくなります。

ありがとうございます。
気をつけていきます。
ラバーも途中から付けていくようにしていきます。


藤森先生
>抜去歯を手に持って行う場合と、実際に口腔内で行う場合との差異は、後者はどうしても若干近心からのアプローチになることだと思います。

近心からアプローチして遠心に多く削りすぎてしまう。
このパターンが多く感じます。


水川先生
>間違った方法や知識でやっても意味がありませんから歯内療法の実習付きのセミナーなどを受講されてるのが近道かなと思います。

正しい方法でやっていかないと上達の方向も間違っていくかもしれないですね。
基礎的なセミナーから参加していくようにしていきます。


お忙しいところ多くの先生方にご回答いただき有難うございました。
これからも良い歯科医師になれるようにしっかりと技術を身につけていきたいと思います。
この度はありがとうございました。
回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2016-04-20 08:51:23
だれも答えていないみたいなので、追加で書きます。

>小さな穿孔で出血のない場合・止血できた場合はレジンでも問題ないのでしょうか?

レジンでもOKみたいですね。
探してみたら文献にありました。

ただMTAのほうが簡単みたいです。

あと、スーパーボンドが現状ではもっとも一般的だと思いますよ。
保険でもできますしね。

回答 回答11
  • 回答者
回答日時:2016-04-20 09:08:10
>小さな穿孔で出血のない場合・止血できた場合はレジンでも問題ないのでしょうか?

専門分野なのでここだけ回答してきます。

予後を良くしようと思えば、パフォレーションの封鎖はMTAがベストです。

理由はMTAに
・硬組織誘導性のあること、
セメント質様新生硬組織形成が見られること、
・生体親和性が高いこと(細胞毒性が低い)、
・親水性であること、封鎖性が高いこと、
・硬化時に膨張すること、
・血液を介してでも硬化し薬効を示すこと、
・抗菌性を示すこと
など

他の材料ではないメリットが多いです。

ただ、海外では極々一般的に行われているMTAによるパフォのリペアも日本では薬事上MTAのパフォのリペアには使えませんので、使用するのであれば患者さんの了承を得る必要があります。

ただ、その場合一連の治療(根管治療からクラウンまで)は全て自費治療になることも合わせて説明する必要があります。


森川先生がおっしゃるように保険治療を希望された場合、スーパーボンド、グラスアイオノマーセメント、レジンが一般的ですが、これらの材料は確実にドライの状態で使用しないと、歯質にはくっ付きませんので、拡大鏡などで患部をよく見る必要はあると思います。

エンドの専門医からすればパフォのリペアはMTA以外にないという所まで信頼度が高い材料です。

https://www.youtube.com/watch?v=iyGgeZPVvgk

個人的に知る限りですが、MTAの登場でそれまで考えられていたパフォリペアの概念が変わった薬でもあります。

1人の専門家がこの回答を支持しています  



タイトル 研修終了後の歯科医師。抜去歯での抜髄練習と実際の臨床の違い
質問者 ミタさん
地域 非公開
年齢 30歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療その他
その他(歯科医師関連)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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