9歳児、日本で口唇裂の手術と矯正予定。カナダとの往復による被曝

相談者: ビッキーさん (46歳:女性)
投稿日時:2016-06-04 04:08:01
顎裂の女児(9歳)です。
口唇裂で生まれました。

現在、右上1番目の永久歯が垂直に生えています。

東京大学病院の診断を受けたところ、腸骨を移植し、その後矯正治療に入ると言われました。
口腔外科矯正歯科、形成外科、小児科がチームを組んでくださるそうです。

質問は、

「移植手術(矯正歯科の先生の意見を考慮した上で成される)の後、矯正のベースまでやってもらって、その後転院できるかどうか」

です。

なぜかと言いますと、現在カナダに住んでおり、将来的にもずっとこちらにいる予定だからです。

カナダの歯科医院でも見てもらいましたが、大病院の7専門科がチームを組んで当たるということで、保険が利かないために金銭的に不可能でした。

日本では、育成医療を使わせていただけるため、是非ともお願いしたかったのですが、

「矯正開始後、最低半年間は毎月1回、その後は半年に1回、全て永久歯が生え変わった12,13歳ごろにまた2年間ほど毎月1回、来るように」

と言われました。

そこで気になるのは飛行機での被曝量です。
(航空代はなんとか捻出します)

調べたところ、一般成人でならその往復回数でも年間被曝量の限度より下回るのですが、アメリカの原子力科学者の意見では子供の場合、成人の20倍の影響を受けるとあり、そうすると年間で世界基準の約4〜5倍の数値の放射線を受ける年が3年ほどあることになってしまいます。

そこで、考えたのが、もし、

「移植、形成外科手術、矯正のベース」→日本。
「チェック アップ メンテナンス」→カナダ。

ということが可能ですと、手術までは育成医療が効き、被曝の心配も排除できます。
(矯正費用だけなら海外で別途かかっても構いません)

矯正には様々な流派があって、転院が芳しくないことはわかっています。
実際に担当の矯正歯科の先生にも「カナダで転院できるか」と伺ったところ、知り合いもいないので基本的にはできないと思うと言われました。

歯科の先生は「歯を治すこと」のスペシャリストでいらっしゃるので、歯のことのみ考えられるのは当然です。
なので愚かな質問をしているのは本当に承知の上なのですが、まだ被曝線量も無視しきれません。
被曝量が上がるといっても外部被曝だし、2人に1人はガンになる時代なんだから、そんなこと言ってたらキリがないよ、という気持ちもあります。

でも、一方で、矯正治療が主に外見の問題を克服するためのものならば、周囲にはそういったことに対して寛容で理解のある環境が整っているので、今回日本のお医者様方に提案していただいた治療はあきらめ、自分のあるがままの姿を受け入れる方向に持って行こうかとも思います。
(多民族の国なのでそんな贅沢な医療を受けられない国から来た子供達も多く、また宗教的側面からか?差別という行為を忌む空気が強い)

もしくは、例えば大人になるまでは治療せず、本人が心も体も成人したときに本人の意思でインプラントで対応する...といったようなことも可能でしょうか。

決定するのは私たち自身の責任です。

が、歯医者さんサイドからは「治療するに越したことはない」
放射線専門家からは「被曝しないに越したことはない」

で、全くもってその通りなので、迷いに迷っています。
なにかアドバイスがありましたら、よろしくご教授願います。







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回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2016-06-04 11:30:53
こんにちは。

複雑な要素が多くて大変ですね。

基本的には条件が難しければ難しいほど1箇所のチームでしっかりホローまでしてもらうことが望ましいと思います。

一番の理由は責任の所在があいまいになるからです。

何らかのトラブルやクレームが発生した場合、相談先がより複雑化してどうにもならなくなり解決先を見つけられなくなる可能性が高くなるからです。


唇裂と顎裂があったのであればお子さんが成人され顔貌について気にされるようになるまでの長期にわたって細かな修正が必要になることも予想されると思います。
可能性を閉じてしまわれないように賢明な判断が必要になるでしょう。

飛行機による被爆に関しては癌との関連を考えられていると思いますが必ず癌になるというものではないと思います。
それに比べ、見ればわかるというのは時として辛い場合があると思います。
カナダが定住先ということでしたらカナダで医療チームにかかられるという選択肢もあるのではないかと思います。


>例えば大人になるまでは治療せず、本人が心も体も成人したときに本人の意思でインプラントで対応する...といったようなことも可能でしょうか。

担当医はどういわれていますか?
一般的に考えれば顎骨のない部位にインプラントは埋入出来ません。

回答 回答2
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2016-06-04 18:31:18
ビッキーさん、こんにちわ。

口唇口蓋裂のチーム医療は、様々な科の先生たちが関わって治療を行います。
いつどんな治療を行うのか、また再手術を行うのかは、主となる口腔外科医や形成外科医が決めることが多いと思います。
そのため、それぞれが連携をとれていないと治療は難しいと思います。


どのような意味の「チェック アップ メンテナンス」かはわかりませんが、定期的に口腔外科や形成外科を受診することは、治療の介入時期を探るのに必要だと思います。

矯正治療の場合、治療を開始したらおおよそ1か月ごとの通院になります。
口腔内の状況や装置の状態を確認したり、場合によっては矯正歯科医から口腔外科医などに治療の問い合わせをすることもあるかもしれません。
日本の矯正歯科医とカナダの矯正歯科医が連携をとれれば可能かもしれませんが、現実的には難しいと思います。

また、年齢的にできる治療とできない治療がありますので、本当に治療を行わないのであれば、そういったことも調べておいた方が良いと思います。


個人的には、定住地で治療を行うのが良いと思います。


ちょっとした疑問ですが、日本に現住していない人でも、育成医療は使えるのでしょうか…。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ビッキーさん
返信日時:2016-06-05 00:57:47
Dr.ふなちゃん先生。
さっそくのご回答ありがとうございます。
時差のためお礼が遅れ申し訳ありません。

そうなんですよね...見れば分かる、というのは、特に年頃の女の子には辛いと思います。
カナダでの治療は、保険が効かず実費払いのため、おそらく数千万円は行くと思われ(盲腸の手術、二泊三日入院で200万円程度)、現実面として金銭的に厳しい状況です。

担当医の先生のお話では、「今、自分の歯を使えるうちに、またタイミング的にも今がいい!」ということで、インプラントの話も出してみたのですが、論外の選択肢のようでした。
そりゃそうですよね(^^;;
私も放射線量のことがなければ全くもって先生方に同意です。

飛行機の放射線の影響も、子供についての情報が限られていて「数倍の影響」「大人の20倍」だのの言葉が踊るんですが、具体的にそれだけ多数回飛行機に乗った子供たちが大人になった時のデータがありません。
気にしていてはキリがない。
ただアメリカのNFLのCONCUSSION問題のように、後から「実はヤバかったのでした」と言われたら取り返しがつかない。
と。
そこに戻ってまた泥沼にはまります。

でも、現実的に考えると、今の先生方に治療していただくことが優先かな、と思いました、転院は責任の所在があいまいとなり、全てが無に帰しそうですね!!

回答、ありがとうございました!!!
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ビッキーさん
返信日時:2016-06-05 01:03:46
伊藤雅大先生、おはようございます。
ご回答ありがとうございます。

やはり、各専門科同士の緻密な連携が重要なのですね。
それは感じておりました。
今、お願いしているどの科の先生もプロ意識が高く、連携の雰囲気も非常によく、信頼ができて申し分ないのです!!!
ああ、飛行機め!!

育成医療の件なのですが、ご指摘されて、まだ育成医療課自体に聞いていないことに気づきました(゚o゚;;!
カナダの方では保険が使えるかどうか、あちこちで聞きまわっていたのですが、日本の育成医療が海外の病院で使えるのかどうか確認していませんでした。
使えないもの、と、思い込んでいて。
バカすぎですね、私!!!

さっそく日本の育成医療の方に連絡してみたいと思います。

ご指摘、ご回答ありがとうございました!!!!!
回答 回答3
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2016-06-06 08:45:33
育成医療(現在では自立支援)は、海外の病院では使用できないと思います。

また、日本では口唇口蓋裂矯正治療保険で治療を行うことができますが、全ての矯正歯科で治療できるわけではないですし(自立支援認定の病院・歯科医院のみ)、さらに保険を使用して海外での矯正治療はおそらく難しいと思います。


言葉が足らなかったようですが、疑問に思ったのは
「日本に住んでいない人が、日本の保険(自立支援含む)を使用して日本で治療を行うことができるのか」
ということです。


治療については、治療できる環境であるならば、治療してあげたほうが良いと思います。
成長によって、審美的な顔の見た目だけでなく、咬合咀嚼嚥下・発音などが変化することが多いです。
また、心理的なことも可能性として否定できません。

ちなみにインプラントは骨のないところに入れることはできませんし、かみ合わせが良くない状況では治療自体困難になる可能性もあります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ビッキーさん
返信日時:2016-06-06 09:06:41
伊藤雅大先生。

早とちり、失礼しました。

私の場合は転居届を出さずに、健康保険や税金の支払いも続けていますので問題ないのかと?
状況をお話ししている病院の方も、特に何も異論なく育成で処理してくださいました。

転居届を出して保険料を払っていなければダメなのかもしれません。

インプラントに関しては、「骨を失った方(多分、高齢の方向け)でも骨を移植しインプラントできる!」ということを謳っている病院のサイトをいくつか見つけましたので、今のタイミングを延ばしても、将来やる気になった時に「骨移植、インプラント」ができるのかと思い、それらの病院にコンタクトをしたのですが「成人以外は対応してない」ということで、それ以上のことは聞けませんでした。
そこでこちらで質問させていただきました。

素人の理解では「ただ単に歯並びだけならば、大人になってからでもなんとかできる可能性はあるが、顎の成長バランス、咀嚼、コンプレックスなどを考慮すると、やはり今なのかな。。。」という感じです。

たびたびのご回答ありがとうございました!



タイトル 9歳児、日本で口唇裂の手術と矯正予定。カナダとの往復による被曝
質問者 ビッキーさん
地域 非公開
年齢 46歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯の異常・トラブルその他
小児矯正(子供の矯正)
小児歯科治療
口腔外科関連
カナダ
子供の歯列矯正
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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