自由研究「口腔内細菌の成長に対するphの影響の検討」へのアドバイス
相談者:
nozoさん (18歳:女性)
投稿日時:2016-06-15 02:10:11
初めまして。
私は昨年、学校で行われている「自主探求」という取り組みで、虫歯予防のことについて調べました。
今年も同じテーマでさらに深く進めていきたいと考えています。
しかし、ここからどう深く研究を進めていけばいいのか分からず、アドバイスをもらいに質問させていただきました。
また、実験方法ものせましたので、そちらのアドバイスももらいたいです。
できることでしたらコンテストなどに応募したいと考えています。なので専門的な難しい話になってきてもかまいません。
あと、私の環境について
・研究期間は3ヶ月以内に収めたいです。
・高専に通っていて、細菌などを扱う先生の協力を得ることができます。
・親が歯科衛生士をやっています。
まず、去年の研究まとめを簡単に。
《研究動機》
私は昔からよく虫歯になることが多々あります。
だから甘いものを控えるようにしたり、歯磨きもしっかりするように心がけているのですが、どうしても虫歯になってしまいます。
だから、どうすれば虫歯にならないようになるのか調べたいと思いました。
まず、虫歯ができる仕組みについて学びました。
ミュータンス菌がプラークから酸をつくりだし、その酸の影響によって歯が溶け、虫歯になる。また、ph5.5で脱灰が起きる。
虫歯には、酸にさらされる時間が影響している。
これらのことから、phが5.5より高い環境をなんとかしてつくれれば、虫歯になることはないんじゃないか。
また、それができるなら歯磨きなんていらなくなるんじゃないか。(極論)と思いこの研究をしました。
(歯磨きがいらないなんてことは思ってないです。)
まず考えたのは、菌の増殖を抑えることは考えずに、酸をなんとかする方法です。
《実験1》
食事後の飲み物による口腔内のpHの変化を調べる。
ある、一定の食事をした後、ph(2.2 4.0 6.3 7.7)の飲み物を飲んで口腔内のphを5分おきに測定しました。
思い通りの結果がでませんでした。
次に考えたのは菌を殺す。
または、繁殖を抑える方法です。
phがどうなれば繁殖を抑えられるのか。また、phの違いによって変化はないのか。
《実験2》
pHが異なる環境での虫歯菌の成長の違いを確認する。
※培地として、ヒツジ血液培地とLB培地を使いました。
※菌液とは歯垢を綿棒でとり、蒸留水に入れたものです。5人分用意しました。
@pHが2 ,4, 6, 8,のヒツジ血液液体培地を作成する。(pHの調節には乳酸と水酸化ナトリウムを用いる)
A液体培地2mlに原液の菌液2を加える。
Bこの菌液を寒天培地にまく。
C37度に温度を保ちながら4日放置する。様子を記録する。
(pH2, 4, 6, 8の条件でのコロニー数の変化を見ています)
D2日たったAの液体培地を寒天培地にまく。4日放置し様子を記録する。
E液体培地を遠心分離器(3500回転/分 を5分)にかけ、沈殿物を取り出す。
沈殿物を4等分する。そこに@のpH2, 4, 6, 8 をそれぞれ0.5ml加える。
F各pHの条件で2日間菌を増殖させEの液体培地を寒天培地にまく。
G再び37度に温度を保ちながら4日放置する。様子を記録する。(pHの変化によるコロニー数の変化を見ています)
pH2, 4, 6, 8の条件でのコロニー数の変化からpH8の時を境に一気に菌が増殖しているのが分かった。
他のpHではあまり差が見られなかった。
このことから、もし増殖したのが虫歯に関係する菌ならば、pHの高い食事をしても虫歯菌により口腔内のpHが下がる可能性が考えられる。
pHの変化によるコロニー数の変化から口腔内細菌はpHが2〜8の間では生存することができ、特にpH8の時に活発に増殖することが分かった。
pH2の時は他のpHと比べ口腔内の細菌が活動しにくい環境だということができると思う。
一度pH8の環境に長時間いると他のpHの環境に変わっても口腔内細菌は活発に活動し続けることが分かった。(pH2の場合を除く)
おまけとして、
実験3,オーラルケア商品の効果を調べる
※実験2と同じ菌液を使用する。
@【何も塗らない、10%スクロース液、歯磨き粉、洗口液、キシリトールガム】
を培地に塗る。
上記の5項目で比較し検証する。
A菌液を塗る。
B37度に温度を保ちながら2日放置し様子を記録する。
何も塗らなかった培地に比べ、オーラルケア商品のほうが菌の増殖が多かった。
特に増殖の多かった歯磨き粉、キシリトールガムに関しては、水と混ぜたときにうまく成分が混じらなかったためだと考えられる。
特にガムに関しては、ガムに含まれるキシリトールの量が約20%と少なかったことが考えられる。
砂糖は微生物の能力を低下させる特性があることから、似たような現象ががスクロース液で起き、あまり菌が増殖しなかったと考えられる。
というかんじで、去年は研究しました。
去年の問題点として、
・人により菌の成長にばらつきが出たため傾向がはっきりと出なかったこと。
・今回培養することができた菌の種類の特定まではできなかったこと。
・測定不能という結果が多く出てしまったこと。
が挙げられます。
今年の研究として現段階で私が考えていることとしては、実験1に関しては、もっと数をこないしたいと考えています。
ミュータンス菌だけを使って実験2,3をもう一度やりたいです。
しかし、ミュータンス菌だけをとるのはどうすればいいのか?
今の段階だとこれくらいしか思いつかなく、去年の研究を発展することができていないと思います。
ご意見よろしくお願いします。
不自由な日本語の文で申し訳ありません。
私は昨年、学校で行われている「自主探求」という取り組みで、虫歯予防のことについて調べました。
今年も同じテーマでさらに深く進めていきたいと考えています。
しかし、ここからどう深く研究を進めていけばいいのか分からず、アドバイスをもらいに質問させていただきました。
また、実験方法ものせましたので、そちらのアドバイスももらいたいです。
できることでしたらコンテストなどに応募したいと考えています。なので専門的な難しい話になってきてもかまいません。
あと、私の環境について
・研究期間は3ヶ月以内に収めたいです。
・高専に通っていて、細菌などを扱う先生の協力を得ることができます。
・親が歯科衛生士をやっています。
まず、去年の研究まとめを簡単に。
《研究動機》
私は昔からよく虫歯になることが多々あります。
だから甘いものを控えるようにしたり、歯磨きもしっかりするように心がけているのですが、どうしても虫歯になってしまいます。
だから、どうすれば虫歯にならないようになるのか調べたいと思いました。
まず、虫歯ができる仕組みについて学びました。
ミュータンス菌がプラークから酸をつくりだし、その酸の影響によって歯が溶け、虫歯になる。また、ph5.5で脱灰が起きる。
虫歯には、酸にさらされる時間が影響している。
これらのことから、phが5.5より高い環境をなんとかしてつくれれば、虫歯になることはないんじゃないか。
また、それができるなら歯磨きなんていらなくなるんじゃないか。(極論)と思いこの研究をしました。
(歯磨きがいらないなんてことは思ってないです。)
まず考えたのは、菌の増殖を抑えることは考えずに、酸をなんとかする方法です。
《実験1》
食事後の飲み物による口腔内のpHの変化を調べる。
ある、一定の食事をした後、ph(2.2 4.0 6.3 7.7)の飲み物を飲んで口腔内のphを5分おきに測定しました。
思い通りの結果がでませんでした。
次に考えたのは菌を殺す。
または、繁殖を抑える方法です。
phがどうなれば繁殖を抑えられるのか。また、phの違いによって変化はないのか。
《実験2》
pHが異なる環境での虫歯菌の成長の違いを確認する。
※培地として、ヒツジ血液培地とLB培地を使いました。
※菌液とは歯垢を綿棒でとり、蒸留水に入れたものです。5人分用意しました。
@pHが2 ,4, 6, 8,のヒツジ血液液体培地を作成する。(pHの調節には乳酸と水酸化ナトリウムを用いる)
A液体培地2mlに原液の菌液2を加える。
Bこの菌液を寒天培地にまく。
C37度に温度を保ちながら4日放置する。様子を記録する。
(pH2, 4, 6, 8の条件でのコロニー数の変化を見ています)
D2日たったAの液体培地を寒天培地にまく。4日放置し様子を記録する。
E液体培地を遠心分離器(3500回転/分 を5分)にかけ、沈殿物を取り出す。
沈殿物を4等分する。そこに@のpH2, 4, 6, 8 をそれぞれ0.5ml加える。
F各pHの条件で2日間菌を増殖させEの液体培地を寒天培地にまく。
G再び37度に温度を保ちながら4日放置する。様子を記録する。(pHの変化によるコロニー数の変化を見ています)
pH2, 4, 6, 8の条件でのコロニー数の変化からpH8の時を境に一気に菌が増殖しているのが分かった。
他のpHではあまり差が見られなかった。
このことから、もし増殖したのが虫歯に関係する菌ならば、pHの高い食事をしても虫歯菌により口腔内のpHが下がる可能性が考えられる。
pHの変化によるコロニー数の変化から口腔内細菌はpHが2〜8の間では生存することができ、特にpH8の時に活発に増殖することが分かった。
pH2の時は他のpHと比べ口腔内の細菌が活動しにくい環境だということができると思う。
一度pH8の環境に長時間いると他のpHの環境に変わっても口腔内細菌は活発に活動し続けることが分かった。(pH2の場合を除く)
おまけとして、
実験3,オーラルケア商品の効果を調べる
※実験2と同じ菌液を使用する。
@【何も塗らない、10%スクロース液、歯磨き粉、洗口液、キシリトールガム】
を培地に塗る。
上記の5項目で比較し検証する。
A菌液を塗る。
B37度に温度を保ちながら2日放置し様子を記録する。
何も塗らなかった培地に比べ、オーラルケア商品のほうが菌の増殖が多かった。
特に増殖の多かった歯磨き粉、キシリトールガムに関しては、水と混ぜたときにうまく成分が混じらなかったためだと考えられる。
特にガムに関しては、ガムに含まれるキシリトールの量が約20%と少なかったことが考えられる。
砂糖は微生物の能力を低下させる特性があることから、似たような現象ががスクロース液で起き、あまり菌が増殖しなかったと考えられる。
というかんじで、去年は研究しました。
去年の問題点として、
・人により菌の成長にばらつきが出たため傾向がはっきりと出なかったこと。
・今回培養することができた菌の種類の特定まではできなかったこと。
・測定不能という結果が多く出てしまったこと。
が挙げられます。
今年の研究として現段階で私が考えていることとしては、実験1に関しては、もっと数をこないしたいと考えています。
ミュータンス菌だけを使って実験2,3をもう一度やりたいです。
しかし、ミュータンス菌だけをとるのはどうすればいいのか?
今の段階だとこれくらいしか思いつかなく、去年の研究を発展することができていないと思います。
ご意見よろしくお願いします。
不自由な日本語の文で申し訳ありません。
回答1
小林歯科クリニック(渋谷区神宮前)の小林です。
回答日時:2016-06-15 08:50:20
>ここからどう深く研究を進めていけばいいのか分からず、アドバイスをもらいに質問させていただきました。
「できることでしたらコンテストなどに応募したいと考えています」と考えるくらいなのでしたら、担任の先生に相談しながら進めてみてはいかがでしょう。
「できることでしたらコンテストなどに応募したいと考えています」と考えるくらいなのでしたら、担任の先生に相談しながら進めてみてはいかがでしょう。
回答2
杉原歯科クリニック(杉並区・上高井戸)の杉原です。
回答日時:2016-06-15 12:47:57
>ミュータンス菌だけをとるのはどうすればいいのか?
口腔内細菌から分離培養するのは至難の技です。
実験に使用される標準のミュータンス菌があるのですが、大学などでなければ入手は困難です。
入手できてもラボがなければ管理できません。
学校に細菌を専門に扱う先生がいれば相談してみて下さい。
ご参考まで・・・
口腔内細菌から分離培養するのは至難の技です。
実験に使用される標準のミュータンス菌があるのですが、大学などでなければ入手は困難です。
入手できてもラボがなければ管理できません。
学校に細菌を専門に扱う先生がいれば相談してみて下さい。
ご参考まで・・・
回答3
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2016-06-15 14:17:53
>ある、一定の食事をした後、ph(2.2 4.0 6.3 7.7)の飲み物を飲んで口腔内のphを5分おきに測定しました。
>思い通りの結果がでませんでした。
すぐpHが戻ってしまうんですよね?
唾液には緩衝作用があるのでそうなるはずです。
では何故むし歯ができるのか?
それはプラークの外と内でpHが異なるからと考えられます。
ですのでin vitroでミュータンス菌に有効なもののほとんどすべてが臨床的には効果が出ていないわけです。
思い通りの結果が出ない場合の考察、重要ですよ。
>思い通りの結果がでませんでした。
すぐpHが戻ってしまうんですよね?
唾液には緩衝作用があるのでそうなるはずです。
では何故むし歯ができるのか?
それはプラークの外と内でpHが異なるからと考えられます。
ですのでin vitroでミュータンス菌に有効なもののほとんどすべてが臨床的には効果が出ていないわけです。
思い通りの結果が出ない場合の考察、重要ですよ。
タイトル | 自由研究「口腔内細菌の成長に対するphの影響の検討」へのアドバイス |
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質問者 | nozoさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 18歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | その他(その他) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。