奥歯のブリッジをすると、連鎖的に歯が抜ける率は高まるのでしょうか?
相談者:
H.M.さん (63歳:女性)
投稿日時:2016-10-24 09:53:25
こんにちは。
初めてご相談させていただきます。
私は歯周病で長年クリニックに通院しているのですが、4日前に右下6番の歯がぐらついているので抜歯することになりました。
先生からは
「5番と7番のブリッジが良いと思います」
ということで、今週その予約が入っています(まだ削ってはいません)。
ただ、ブリッジについては何も知らず、自分で色々調べてみたのですが、「8年間の耐久性が50%」と拝見しました。
これは両サイドの歯に強い負担がかかり新たな抜歯が増えることを防ぐためにブリッジを撤去せざるを得なくなる率も含まれているとのことでした。
もし今後、「週1度のプラークコントロールをして頂き、自分で丁寧なブラッシングを行い、食生活を野菜中心にし、就寝時にマウスピースをつけるような生活」をしたとしても、かかる負担は数倍になるため歯槽骨が吸収して、ブリッジを撤去せざるを得なくなってしまう確率というのは変わることがないのでしょうか?
また次々にブリッジを行うことで、抜歯の連鎖が起こらないかということも危惧しています。
その他に右上7番の歯もぐらついており、インプラントを選択すべきなのか本当に悩んでいます。
何かご助言をいただけましたら幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します。
初めてご相談させていただきます。
私は歯周病で長年クリニックに通院しているのですが、4日前に右下6番の歯がぐらついているので抜歯することになりました。
先生からは
「5番と7番のブリッジが良いと思います」
ということで、今週その予約が入っています(まだ削ってはいません)。
ただ、ブリッジについては何も知らず、自分で色々調べてみたのですが、「8年間の耐久性が50%」と拝見しました。
これは両サイドの歯に強い負担がかかり新たな抜歯が増えることを防ぐためにブリッジを撤去せざるを得なくなる率も含まれているとのことでした。
もし今後、「週1度のプラークコントロールをして頂き、自分で丁寧なブラッシングを行い、食生活を野菜中心にし、就寝時にマウスピースをつけるような生活」をしたとしても、かかる負担は数倍になるため歯槽骨が吸収して、ブリッジを撤去せざるを得なくなってしまう確率というのは変わることがないのでしょうか?
また次々にブリッジを行うことで、抜歯の連鎖が起こらないかということも危惧しています。
その他に右上7番の歯もぐらついており、インプラントを選択すべきなのか本当に悩んでいます。
何かご助言をいただけましたら幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します。
回答1
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2016-10-24 10:13:35
実際に拝見していないので何とも言えませんが、個人的には1歯欠損の場合、両隣の歯が健康な状態であれば、第一選択に考えるのはインプラントです。
しっかりした技術できちんとメインテナンスされていればブリッジでも長く持つケースはあります。
しかし、削ってしまった歯は元に戻すことはできません。
個人的にはそこにインプラントの価値があるように思います。
ただ、
>右上7番の歯もぐらついており
という事であれば、総合的にお口の中の状態を改善する必要があるかもしれません。
歯周病(プラークコントロール)に問題があるのか、力のコントロールに問題があるのか、栄養に問題があるのか…。
いずれにしてもブリッジにするかどうかは慎重に考えられたほうがよろしいかと思います。
しっかりした技術できちんとメインテナンスされていればブリッジでも長く持つケースはあります。
しかし、削ってしまった歯は元に戻すことはできません。
個人的にはそこにインプラントの価値があるように思います。
ただ、
>右上7番の歯もぐらついており
という事であれば、総合的にお口の中の状態を改善する必要があるかもしれません。
歯周病(プラークコントロール)に問題があるのか、力のコントロールに問題があるのか、栄養に問題があるのか…。
いずれにしてもブリッジにするかどうかは慎重に考えられたほうがよろしいかと思います。
相談者からの返信
相談者:
H.M.さん
返信日時:2016-10-24 11:08:58
先生、お忙しい中ご回答くださり誠にありがとうございます。
やはり1歯欠損の場合はインプラントのほうがメリットが大きいのですね・・・。
ただ、もし今後さらに抜歯の数が増えた場合の、費用のことなどが気になっています。
もし宜しければブリッジについて、もう少しお伺いさせていただければと思うのですが。
ブリッジを少しでも長く持たせるためには、接合部の丁寧な掃除は一番重要だと思うのですが、
両サイドの健康な歯を守るための方法としては(歯周病菌の除去は前提として)、「噛む力を抑える」という手段しかないのでしょうか?
また後ほど、骨移植などを行ったとしても経年に応じてインプラントを選択することは非常に難しくなるのでしょうか?
やはり1歯欠損の場合はインプラントのほうがメリットが大きいのですね・・・。
ただ、もし今後さらに抜歯の数が増えた場合の、費用のことなどが気になっています。
もし宜しければブリッジについて、もう少しお伺いさせていただければと思うのですが。
ブリッジを少しでも長く持たせるためには、接合部の丁寧な掃除は一番重要だと思うのですが、
両サイドの健康な歯を守るための方法としては(歯周病菌の除去は前提として)、「噛む力を抑える」という手段しかないのでしょうか?
また後ほど、骨移植などを行ったとしても経年に応じてインプラントを選択することは非常に難しくなるのでしょうか?
回答2
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2016-10-24 11:25:11
>ブリッジを少しでも長く持たせるためには、接合部の丁寧な掃除は一番重要だと思うのですが、
いいえ違います。
一番重要なのは「歯科医の腕」「歯科技工士の腕」です。
身も蓋もない言い方で申し訳ないのですが、どんなに丁寧にブラッシングしても、一生懸命メインテナンスに通われても「ブリッジの出来」そのものが悪ければ残念ながら長くはもちません。
なので、一番重要なのは「信頼できる歯科医を探すこと」です。
その次に重要なのが「プラークコントロール」、「力のコントロール」「栄養のコントロール」になると思います。
>「噛む力を抑える」という手段しかないのでしょうか?
どのような意味で「噛む力を抑える」と書かれているのか…
「硬いものを咬まない」とか「気を付けて咬む」などの「力の大きさ」そのものが問題なのではありません。
結論から言うと「不必要な歯の接触を避ける」ということになります。
>また後ほど、骨移植などを行ったとしても経年に応じてインプラントを選択することは非常に難しくなるのでしょうか?
ブリッジを先にするのであれば、あまり意味はないように思います。
回答1でも書いたようにインプラントにする最大のメリットは「両隣の歯を削らないことに意味がある」と考えますので。
(まあ、「ブリッジで失敗したから、力の分散を考えてインプラントにする」ということはありますが…)
いいえ違います。
一番重要なのは「歯科医の腕」「歯科技工士の腕」です。
身も蓋もない言い方で申し訳ないのですが、どんなに丁寧にブラッシングしても、一生懸命メインテナンスに通われても「ブリッジの出来」そのものが悪ければ残念ながら長くはもちません。
なので、一番重要なのは「信頼できる歯科医を探すこと」です。
その次に重要なのが「プラークコントロール」、「力のコントロール」「栄養のコントロール」になると思います。
>「噛む力を抑える」という手段しかないのでしょうか?
どのような意味で「噛む力を抑える」と書かれているのか…
「硬いものを咬まない」とか「気を付けて咬む」などの「力の大きさ」そのものが問題なのではありません。
結論から言うと「不必要な歯の接触を避ける」ということになります。
>また後ほど、骨移植などを行ったとしても経年に応じてインプラントを選択することは非常に難しくなるのでしょうか?
ブリッジを先にするのであれば、あまり意味はないように思います。
回答1でも書いたようにインプラントにする最大のメリットは「両隣の歯を削らないことに意味がある」と考えますので。
(まあ、「ブリッジで失敗したから、力の分散を考えてインプラントにする」ということはありますが…)
相談者からの返信
相談者:
H.M.さん
返信日時:2016-10-24 13:08:23
先生、大変ご丁寧な回答を頂き、本当にありがとうございます。
また、不勉強であるまま誤った知識を述べてしまい、大変失礼いたしました。
「両サイドの歯を守る(歯槽骨の吸収を抑える)」ためには、咬む力の大きさが直接関わっているのではなく、「歯と歯の接触自体が問題」になっていることは、ご指摘いただくまで、全く存じておりませんでした。
ある歯科のホームページで、「過度の咬合力によって歯周組織に損傷が起き、歯がその咬合の圧力から逃れる方法として歯槽骨の吸収という形をとる」と記されていたのですが、ブリッジの接触自体が悪化の原因になる理由としては、
・ブリッジの原理から、軽い接触でも健康歯にかかる圧力が倍増するため
・歯周病によって破壊が起こっている組織には、通常の圧力でも大きく影響するため
などによるのではないか?という素人考えに至りました。
(こちらも誤っておりましたら、申し訳ございません・・・)
そうであるならば、極端な考えかもしれないのですが、ブリッジを装着して食事回数が増えごとに健康歯に悪影響がいくらか及ぶことになる、という解釈をしても間違いではないのでしょうか?
また、「ブリッジの耐久性と医師・技工士の方の技量の関係性」についても、大変勉強になりました。
お教えいただき、感謝しております。
家族とも相談しましたが、今のクリニックは5年以上通院しているのに、本当に適切な治療を行ってくれているのかわからない、と言われ転院することも考えています。
インプラントに関しては、ブリッジの失敗を理由に後から行うのは、賢い選択とは言えないのだと言うことですね。
また、不勉強であるまま誤った知識を述べてしまい、大変失礼いたしました。
「両サイドの歯を守る(歯槽骨の吸収を抑える)」ためには、咬む力の大きさが直接関わっているのではなく、「歯と歯の接触自体が問題」になっていることは、ご指摘いただくまで、全く存じておりませんでした。
ある歯科のホームページで、「過度の咬合力によって歯周組織に損傷が起き、歯がその咬合の圧力から逃れる方法として歯槽骨の吸収という形をとる」と記されていたのですが、ブリッジの接触自体が悪化の原因になる理由としては、
・ブリッジの原理から、軽い接触でも健康歯にかかる圧力が倍増するため
・歯周病によって破壊が起こっている組織には、通常の圧力でも大きく影響するため
などによるのではないか?という素人考えに至りました。
(こちらも誤っておりましたら、申し訳ございません・・・)
そうであるならば、極端な考えかもしれないのですが、ブリッジを装着して食事回数が増えごとに健康歯に悪影響がいくらか及ぶことになる、という解釈をしても間違いではないのでしょうか?
また、「ブリッジの耐久性と医師・技工士の方の技量の関係性」についても、大変勉強になりました。
お教えいただき、感謝しております。
家族とも相談しましたが、今のクリニックは5年以上通院しているのに、本当に適切な治療を行ってくれているのかわからない、と言われ転院することも考えています。
インプラントに関しては、ブリッジの失敗を理由に後から行うのは、賢い選択とは言えないのだと言うことですね。
回答3
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2016-10-24 15:06:41
>・ブリッジの原理から、軽い接触でも健康歯にかかる圧力が倍増するため
>・歯周病によって破壊が起こっている組織には、通常の圧力でも大きく影響するため
ほぼほぼその通りです。
「歯の軽い接触は健全歯にも悪いが、ブリッジだとなお悪い」と思われてください。
>ブリッジを装着して食事回数が増えごとに健康歯に悪影響がいくらか及ぶことになる、という解釈をしても間違いではないのでしょうか?
食事の回数ではありません。
「不必要な歯の接触の持続」
です。
参考:TCH、歯列接触癖
>インプラントに関しては、ブリッジの失敗を理由に後から行うのは、賢い選択とは言えない
そう思います。
>・歯周病によって破壊が起こっている組織には、通常の圧力でも大きく影響するため
ほぼほぼその通りです。
「歯の軽い接触は健全歯にも悪いが、ブリッジだとなお悪い」と思われてください。
>ブリッジを装着して食事回数が増えごとに健康歯に悪影響がいくらか及ぶことになる、という解釈をしても間違いではないのでしょうか?
食事の回数ではありません。
「不必要な歯の接触の持続」
です。
参考:TCH、歯列接触癖
>インプラントに関しては、ブリッジの失敗を理由に後から行うのは、賢い選択とは言えない
そう思います。
相談者からの返信
相談者:
H.M.さん
返信日時:2016-10-24 15:28:29
櫻井先生、ご回答誠にありがとうございます。
参照サイトのほうも拝見させていただきました。
本当に何から何まで知らないことだらけでした。
お教えいただき、大変助かりました。
歯とはそれほど繊細なものだったのですね。
ブリッジの件に関しては、先生のお話を元に、今日家族と話し合いよく考えて決断したいと思っています。
本当にお忙しい中、ご親切にありがとうございました。
参照サイトのほうも拝見させていただきました。
本当に何から何まで知らないことだらけでした。
お教えいただき、大変助かりました。
歯とはそれほど繊細なものだったのですね。
ブリッジの件に関しては、先生のお話を元に、今日家族と話し合いよく考えて決断したいと思っています。
本当にお忙しい中、ご親切にありがとうございました。
タイトル | 奥歯のブリッジをすると、連鎖的に歯が抜ける率は高まるのでしょうか? |
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質問者 | H.M.さん |
地域 | 京都 |
年齢 | 63歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 主婦 |
カテゴリ |
歯周病で抜けた・抜く予定 抜歯:6番(第一大臼歯) インプラント治療法 ブリッジ治療法 |
回答者 |
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- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。