右1番を破折で抜歯、骨が無くインプラントが難しい場合
相談者:
なぎこさん (51歳:女性)
投稿日時:2016-10-21 01:14:09
こんにちは。
前歯インプラントの審美性ついてのご相談です。
2年前に転倒し、左前歯1、2番を脱臼しました。
その時、左右1番と右2番の差し歯も衝撃で動き、固定させて治しました。
最近、差し歯を変えようと歯医者さんに行き、差し歯をはずしたところ、右1番が破折骨折してることがわかり、抜歯と言われました。
今日抜歯したのですが、インプラントを即日埋入する予定が、前歯1番の骨が全く無いとのことで、インプラントは入れられず、そのまま3カ月ほど骨が形成するまで経過観察となりました。
今日の診断では、審美的にもブリッジを勧められています。
ブリッジはメンテナンスや口臭が気になりやりたくないと思っています。
これから歯茎がどんどん下がり歯が長くなると言われ、インプラントにすると、より審美的にも悪くなる可能性があるし、時間も一年かかると。
今日の段階で既に歯が長く見え、左右差が気になります。
今の状態で、骨や歯茎の再生し綺麗にインプラントを入れることは難しいのでしょうか。
ネットでソケットプリザベーションという骨の再生法も見ました。
抜歯してしまったので、既に遅いのでしょうか。
抜歯したままで、ただ経過を見るのが不安でなりません。
何かアドバイスをいただけると助かります。
どうぞ宜しくお願いいたします。
前歯インプラントの審美性ついてのご相談です。
2年前に転倒し、左前歯1、2番を脱臼しました。
その時、左右1番と右2番の差し歯も衝撃で動き、固定させて治しました。
最近、差し歯を変えようと歯医者さんに行き、差し歯をはずしたところ、右1番が破折骨折してることがわかり、抜歯と言われました。
今日抜歯したのですが、インプラントを即日埋入する予定が、前歯1番の骨が全く無いとのことで、インプラントは入れられず、そのまま3カ月ほど骨が形成するまで経過観察となりました。
今日の診断では、審美的にもブリッジを勧められています。
ブリッジはメンテナンスや口臭が気になりやりたくないと思っています。
これから歯茎がどんどん下がり歯が長くなると言われ、インプラントにすると、より審美的にも悪くなる可能性があるし、時間も一年かかると。
今日の段階で既に歯が長く見え、左右差が気になります。
今の状態で、骨や歯茎の再生し綺麗にインプラントを入れることは難しいのでしょうか。
ネットでソケットプリザベーションという骨の再生法も見ました。
抜歯してしまったので、既に遅いのでしょうか。
抜歯したままで、ただ経過を見るのが不安でなりません。
何かアドバイスをいただけると助かります。
どうぞ宜しくお願いいたします。
回答1
回答日時:2016-10-21 02:30:17
こんばんは。
見えるところかも知れませんので、難しいところですね。
逆に笑った時に歯肉が見える方、見えない方がいらっしゃいますが、もしも見えないタイプなら審美面は割り切られるとスッキリ方針が決められる場合がありますね。
さて、文面からの想像ではありますが、おそらくブリッジを第一選択として考えられた方が良さそうには思います。
>ブリッジはメンテナンスや口臭が気になりやりたくないと思っています。
メインテナンスはブリッジでもインプラントでも何も入れてない方でも、歯を長く持たせたくない方以外は必要です。
口臭についても適切な治療が受けられるのならこれらの治療法の選択肢ぐらいで大差は出ないと思いますよ。
>今の状態で、骨や歯茎の再生し綺麗にインプラントを入れることは難しいのでしょうか。
かなり難しいと思います。
>ネットでソケットプリザベーションという骨の再生法も見ました。
>抜歯してしまったので、既に遅いのでしょうか。
遅いのと、当然抜歯時にも検討した結果出来なかったのだろうと思われます。
今からするならGBR(造骨手術)ですが、前述した通り、成功させること自体が相当難しいのと、それが何十年も持つのかどうか、保証は出来ないと捉えておかれていいと思います。
ショックだとは思うのですが、一番無難で確実なのは、抜歯後歯肉の自然な形態変化を時間をかけて見極めて、落ち着いた形態に合わせてブリッジを作ることだと思いますよ。
どうしても受け入れられない場合は、上に書いたリスクを受け入れて、少しチャレンジングな要素が入ってきますから、担当医の先生とは予後や保証についてよくよく相談して十分理解・納得した上で(おそらく手術から)始める様にして下さいね。
お大事にしてください。
見えるところかも知れませんので、難しいところですね。
逆に笑った時に歯肉が見える方、見えない方がいらっしゃいますが、もしも見えないタイプなら審美面は割り切られるとスッキリ方針が決められる場合がありますね。
さて、文面からの想像ではありますが、おそらくブリッジを第一選択として考えられた方が良さそうには思います。
>ブリッジはメンテナンスや口臭が気になりやりたくないと思っています。
メインテナンスはブリッジでもインプラントでも何も入れてない方でも、歯を長く持たせたくない方以外は必要です。
口臭についても適切な治療が受けられるのならこれらの治療法の選択肢ぐらいで大差は出ないと思いますよ。
>今の状態で、骨や歯茎の再生し綺麗にインプラントを入れることは難しいのでしょうか。
かなり難しいと思います。
>ネットでソケットプリザベーションという骨の再生法も見ました。
>抜歯してしまったので、既に遅いのでしょうか。
遅いのと、当然抜歯時にも検討した結果出来なかったのだろうと思われます。
今からするならGBR(造骨手術)ですが、前述した通り、成功させること自体が相当難しいのと、それが何十年も持つのかどうか、保証は出来ないと捉えておかれていいと思います。
ショックだとは思うのですが、一番無難で確実なのは、抜歯後歯肉の自然な形態変化を時間をかけて見極めて、落ち着いた形態に合わせてブリッジを作ることだと思いますよ。
どうしても受け入れられない場合は、上に書いたリスクを受け入れて、少しチャレンジングな要素が入ってきますから、担当医の先生とは予後や保証についてよくよく相談して十分理解・納得した上で(おそらく手術から)始める様にして下さいね。
お大事にしてください。
相談者からの返信
相談者:
なぎこさん
返信日時:2016-10-22 00:40:24
回答2
回答日時:2016-10-22 02:55:42
>抜歯の後ブリッジにすると骨の吸収が進むということですが、それで両脇の歯も将来的にはグラグラして抜けてきたりするのでしょうか。
ブリッジにしたから骨の吸収が進むということはないと思いますよ。
少なくともブリッジにしたせいで両脇の歯が将来的にグラグラしてくる、ということはありません。
インプラントを入れた場合と入れていない場合での骨吸収の進み方については違いが少しだけあるかも知れません。
(従来は同じとも言われていましたがインプラントが入っている場合の方が進行が遅いかもとも言われたり、比較も難しいですから正確なところはまだよく分からないのかも知れません)
それとGBRで造った骨と本来の骨が全く同じものとは考えにくいですから、「骨を失った」→「GBRして解決」 と安易には考えられないように思いますよ。
自然にそうなったものと、人工的にそうしたものとは同等には考えられないと思います。
余計に分かりづらくなるかも知れませんが、そもそものお話として、歯根の周囲の骨(歯槽骨)とその下の顎の骨(顎骨)とは由来も働きも違います。
意訳をすると、歯槽骨は歯根が自分で自分のために作った、自分(歯)を支えるための骨であるのに対して、顎骨は腕や足と同じように身体の形を維持する身体の骨という様なイメージです。
歯根がなくなれば歯槽骨は本来の意味で言えば消えてなくなるのが自然ですから、今回歯根破折によって歯根と歯槽骨を一度失ってしまった以上、そこに歯槽骨みたいなものを造って、新しく骨を作り続ける様な能力はないチタンの棒(インプラント)とともに長期に渡ってそれを維持するということは、そんなに簡単な話ではない様な・・というのが個人的なイメージです。
理屈としては歯槽骨を真の意味で再生したい場合は歯根を先に再生なり移植なりをする必要があるはずです。
・・が、自分としては審美領域のGBRの長期症例を持っておりませんのであくまでも想像の話です。
それでも審美性のためにリスクを取ると言うこと自体は否定することではないと思いますし、なぎこさんの実際の状態だったり、主治医の先生が長期症例も持っておられるとか、非常に勉強されていて自信があるというようなことなら一概にダメではないとも思います。
よく検討なさって下さいね。
ブリッジにしたから骨の吸収が進むということはないと思いますよ。
少なくともブリッジにしたせいで両脇の歯が将来的にグラグラしてくる、ということはありません。
インプラントを入れた場合と入れていない場合での骨吸収の進み方については違いが少しだけあるかも知れません。
(従来は同じとも言われていましたがインプラントが入っている場合の方が進行が遅いかもとも言われたり、比較も難しいですから正確なところはまだよく分からないのかも知れません)
それとGBRで造った骨と本来の骨が全く同じものとは考えにくいですから、「骨を失った」→「GBRして解決」 と安易には考えられないように思いますよ。
自然にそうなったものと、人工的にそうしたものとは同等には考えられないと思います。
余計に分かりづらくなるかも知れませんが、そもそものお話として、歯根の周囲の骨(歯槽骨)とその下の顎の骨(顎骨)とは由来も働きも違います。
意訳をすると、歯槽骨は歯根が自分で自分のために作った、自分(歯)を支えるための骨であるのに対して、顎骨は腕や足と同じように身体の形を維持する身体の骨という様なイメージです。
歯根がなくなれば歯槽骨は本来の意味で言えば消えてなくなるのが自然ですから、今回歯根破折によって歯根と歯槽骨を一度失ってしまった以上、そこに歯槽骨みたいなものを造って、新しく骨を作り続ける様な能力はないチタンの棒(インプラント)とともに長期に渡ってそれを維持するということは、そんなに簡単な話ではない様な・・というのが個人的なイメージです。
理屈としては歯槽骨を真の意味で再生したい場合は歯根を先に再生なり移植なりをする必要があるはずです。
・・が、自分としては審美領域のGBRの長期症例を持っておりませんのであくまでも想像の話です。
それでも審美性のためにリスクを取ると言うこと自体は否定することではないと思いますし、なぎこさんの実際の状態だったり、主治医の先生が長期症例も持っておられるとか、非常に勉強されていて自信があるというようなことなら一概にダメではないとも思います。
よく検討なさって下さいね。
相談者からの返信
相談者:
なぎこさん
返信日時:2016-10-22 14:55:41
回答3
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-10-22 16:05:28
水を差すようなコメントで、申し訳ないのですが、今の先生ではちと無理なような気がします。
私がこのサイトで何回も表明しているのですが、上顎前歯部(小臼歯)の歯根破折は、唇側(頬側)の骨が急速に吸収するので、インプラントを視野に入れるなら、早期抜歯、必要ならソケットプリザベーション、それでも足りなければその後の造骨処置が必要になりますと言い続けています。
早期の頃はソケットプリザベーションさえ、見られなかったものです。
ですから、”差し歯も衝撃で動き、固定させて”という時点で、歯根破折の可能性があること、そして上記のようなことを、一気に説明しておくのが常です。
したがって、即時埋入は、造骨処置を伴うことになるのが通常で、それなりの準備が必要です。
手術は大掛かりになります。
そのような流れがないまま、開けてみて即時埋入できませんは、なにおかいわんやです。
それからGBRですが、Rはregeneration 再生で、骨造りに他ならず、骨に種類があるわけではありません。
あなたのような例によく私が勧めて説明するのは、一旦へこんだ部分に造骨処置をしてみたらいかがですか、首尾よくいったら、インプラントをしてもよいし、都合でブリッジにしても、審美的に有利になりますとの内容です。
造骨は、自家骨採取がベストですが、術野が二か所になることから、現在βーTCPとBMP併用などが進んできています。
ただし十分な量を早期に得るのは、難しいものではあります。
私がこのサイトで何回も表明しているのですが、上顎前歯部(小臼歯)の歯根破折は、唇側(頬側)の骨が急速に吸収するので、インプラントを視野に入れるなら、早期抜歯、必要ならソケットプリザベーション、それでも足りなければその後の造骨処置が必要になりますと言い続けています。
早期の頃はソケットプリザベーションさえ、見られなかったものです。
ですから、”差し歯も衝撃で動き、固定させて”という時点で、歯根破折の可能性があること、そして上記のようなことを、一気に説明しておくのが常です。
したがって、即時埋入は、造骨処置を伴うことになるのが通常で、それなりの準備が必要です。
手術は大掛かりになります。
そのような流れがないまま、開けてみて即時埋入できませんは、なにおかいわんやです。
それからGBRですが、Rはregeneration 再生で、骨造りに他ならず、骨に種類があるわけではありません。
あなたのような例によく私が勧めて説明するのは、一旦へこんだ部分に造骨処置をしてみたらいかがですか、首尾よくいったら、インプラントをしてもよいし、都合でブリッジにしても、審美的に有利になりますとの内容です。
造骨は、自家骨採取がベストですが、術野が二か所になることから、現在βーTCPとBMP併用などが進んできています。
ただし十分な量を早期に得るのは、難しいものではあります。
相談者からの返信
相談者:
なぎこさん
返信日時:2016-10-23 00:54:14
松山先生
ご丁寧なアドバイスをいただき、ありがとうございます。
造骨処置というのは、GBRとは違うのでしょうか。
主治医の先生は抜歯後の骨の形成次第ということでしたので、判断が先になるというニュアンスでした。
抜歯の際の説明は、骨の状態は開けてみないとわからない。
骨がなければ即日埋入はできないとの説明でした。
また、ソケットプリザバーションの可能性についても、抜歯の翌日にTELで聞いてみたのですが、確実性が薄く費用もかかるので導入してないそうです。
この質問をして、主治医の先生は気分を害されたようで、あまり話せず、とにかく抜歯後の経過を見ないと何ともわからないし、方法は色々ある。と淡々と答えられてしまいました。
今週の診察の時にどのような事を相談すべきなのでしょうか。
抜歯後の早い対応によっては何か変わるのでしょうか。
あまり色々言うと、先生との距離感が難しくなりそうで悩ましいです。
ご丁寧なアドバイスをいただき、ありがとうございます。
造骨処置というのは、GBRとは違うのでしょうか。
主治医の先生は抜歯後の骨の形成次第ということでしたので、判断が先になるというニュアンスでした。
抜歯の際の説明は、骨の状態は開けてみないとわからない。
骨がなければ即日埋入はできないとの説明でした。
また、ソケットプリザバーションの可能性についても、抜歯の翌日にTELで聞いてみたのですが、確実性が薄く費用もかかるので導入してないそうです。
この質問をして、主治医の先生は気分を害されたようで、あまり話せず、とにかく抜歯後の経過を見ないと何ともわからないし、方法は色々ある。と淡々と答えられてしまいました。
今週の診察の時にどのような事を相談すべきなのでしょうか。
抜歯後の早い対応によっては何か変わるのでしょうか。
あまり色々言うと、先生との距離感が難しくなりそうで悩ましいです。
回答4
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-10-23 11:29:55
造骨処置というのは、GBRほぼ同じと考えてよいでしょう。
”骨の状態は開けてみないとわからない”は、確かにそのような面はあるのですが、上述のとおり唇側の骨吸収は放置機関が長いほど進んでしまいます。
予想できることですし、CTでもある程度予測できます。
”確実性が薄く費用もかかるので導入してないそうです”
そんなことはないですよ。
これに関する論文はある程度出ていますし、前歯部に限らず臼歯部にも行いますが、しておいて良かったと思うことが、ほとんどです。
それほど大げさなことではありません。
以上のようなことから、経験不足、知識不足、インプラントに対する
常日頃の準備がない(簡単なソケットプリザベーションすらしてない)などから、今の先生ではちと無理なような気がしますよいうことです。
インプラントは抜歯の時から始まりますとずーっと以前から表明しています。
本格的な造骨は手術的に大変なので、トンネル法などのマイナー方法を行っています。
前述の通り十分な量と短期で得るのは、困難です。
”骨の状態は開けてみないとわからない”は、確かにそのような面はあるのですが、上述のとおり唇側の骨吸収は放置機関が長いほど進んでしまいます。
予想できることですし、CTでもある程度予測できます。
”確実性が薄く費用もかかるので導入してないそうです”
そんなことはないですよ。
これに関する論文はある程度出ていますし、前歯部に限らず臼歯部にも行いますが、しておいて良かったと思うことが、ほとんどです。
それほど大げさなことではありません。
以上のようなことから、経験不足、知識不足、インプラントに対する
常日頃の準備がない(簡単なソケットプリザベーションすらしてない)などから、今の先生ではちと無理なような気がしますよいうことです。
インプラントは抜歯の時から始まりますとずーっと以前から表明しています。
本格的な造骨は手術的に大変なので、トンネル法などのマイナー方法を行っています。
前述の通り十分な量と短期で得るのは、困難です。
相談者からの返信
相談者:
なぎこさん
返信日時:2016-10-23 21:48:00
タイトル | 右1番を破折で抜歯、骨が無くインプラントが難しい場合 |
---|---|
質問者 | なぎこさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 51歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯のひび割れ、破折で抜く予定 抜歯:1番(中切歯) インプラント治療法 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。