左下7番、抜歯後にインプラントをやるべきかどうか迷っている
相談者:
ライムギパンさん (75歳:男性)
投稿日時:2017-02-06 14:56:57
長い説明で恐縮ですがよろしくお願いいたします。
@:下顎左側の一番奥の歯(7番)にひびが入っていることが原因で、大規模歯科病院で抜歯しました。
現在75歳、歯を抜いたのは初めてです。
他の歯は修理していますが健全で歯槽膿漏は軽微です。
その病院で抜歯した部位へのインプラントの相談をしたところ
「状況からみて食べるのに支障はなさそうだから、インプラントはせずに抜いたままの方がいいですよ」
と診断されて治療終了となりました。
A:4ヶ月後近郊の歯科医院で口腔定期メンテナンスを受けた折に、奥歯のことを相談したところ
「放っておくと上歯が下がってくるから、インプラントした方が良いですよ」
とのお話があり、私も全部の歯があるほうが良いと思ってインプラントする計画にしました。
現在はインプラントの事前メンテで、全部の歯の細かなチェック&修理と歯石除去治療を行っている段階です。
B:そして、先週、別の総合病院でドック検査を受けた折に歯のことについて、そこの歯科専門医から
「一番奥の下歯に限ってのことですが、インプラントは5〜6年で歯周病によるトラブルが多発するという事実が判明したので、奥歯欠損が1本だけなら当院ではやらない方針に統一しています。
診断した結果貴方の場合も当院ならやりません。
そのまま自然の方がいいですよ」
と言われました。
その病院のインプラント実績は、3000本を越えているとのお話しでした。
尚、ドック検査で骨粗鬆症と診断されて
「骨を増強する薬を処方すると歯の治療に悪影響する恐れもあるから、カルフィーナ(カルシウムが骨に吸収されやすくする薬)にしましょう」
とおっしゃられて現在それを服用しております。
C:現在、食事時に左側で噛むと若干物足りなさを感じますが、だんだん慣れてきました、歯とはぐきの痛みはありません。
D:このようないきさつがございまして、頭の中が混乱して、インプラントを実行するのが良のか、やめるほうが良いのか迷っております。
@:下顎左側の一番奥の歯(7番)にひびが入っていることが原因で、大規模歯科病院で抜歯しました。
現在75歳、歯を抜いたのは初めてです。
他の歯は修理していますが健全で歯槽膿漏は軽微です。
その病院で抜歯した部位へのインプラントの相談をしたところ
「状況からみて食べるのに支障はなさそうだから、インプラントはせずに抜いたままの方がいいですよ」
と診断されて治療終了となりました。
A:4ヶ月後近郊の歯科医院で口腔定期メンテナンスを受けた折に、奥歯のことを相談したところ
「放っておくと上歯が下がってくるから、インプラントした方が良いですよ」
とのお話があり、私も全部の歯があるほうが良いと思ってインプラントする計画にしました。
現在はインプラントの事前メンテで、全部の歯の細かなチェック&修理と歯石除去治療を行っている段階です。
B:そして、先週、別の総合病院でドック検査を受けた折に歯のことについて、そこの歯科専門医から
「一番奥の下歯に限ってのことですが、インプラントは5〜6年で歯周病によるトラブルが多発するという事実が判明したので、奥歯欠損が1本だけなら当院ではやらない方針に統一しています。
診断した結果貴方の場合も当院ならやりません。
そのまま自然の方がいいですよ」
と言われました。
その病院のインプラント実績は、3000本を越えているとのお話しでした。
尚、ドック検査で骨粗鬆症と診断されて
「骨を増強する薬を処方すると歯の治療に悪影響する恐れもあるから、カルフィーナ(カルシウムが骨に吸収されやすくする薬)にしましょう」
とおっしゃられて現在それを服用しております。
C:現在、食事時に左側で噛むと若干物足りなさを感じますが、だんだん慣れてきました、歯とはぐきの痛みはありません。
D:このようないきさつがございまして、頭の中が混乱して、インプラントを実行するのが良のか、やめるほうが良いのか迷っております。
回答1
歯科医師の松山です。
回答日時:2017-02-06 18:13:46
”歯科専門医から、一番奥の下歯に限ってのことですがインプラントは5〜6年で歯周病によるトラブルが多発するという事実が判明した”
歯周病ではなくて、インプラント周囲炎を意味するものと思うのですが、さらに言わせてもらうと、周囲炎というよりは、咬合圧負担過重によるインプラント周囲の骨吸収ではないかと、思います。
その結果、インプラント周囲炎になるものと推量します。
下顎7番部の歯槽堤は抜歯後の吸収量が意外と大きいことが、個人差はあるといえ、多いものです。
さらには、最後臼歯は、咬合圧負担が一番多くかかりますから、上記のようなことになりがちです。
だからこそ、インプラントフィクチャー(骨の中に入る部分)は、サイズのしっかりしたものを、埋入するべきなものなのです。
ところが、他院で入れられたインプラント、学会誌でのケースプレゼンテーションなどを見ると、比較的サイズの小さなものがほとんどであることが実情です。
以上のようなことを、踏まえてしっかりしたサイズのインプラントを埋入しても、噛みしめ癖があり、しかも咬合力が強い人では、インプラント周囲の骨吸収をきたして、インプラント周囲炎などという前に動揺をきたして、撤去せざるを得ないことがあります。
結論的には、噛みしめ癖がなく、歯槽堤がしっかりしていて、なるべくサイズのしっかりしたものを埋入してくれるところなら、良いかもしれません。
私事になりますが、下顎7番の喪失は、意外にもかみ合わせの変化をきたすことが多いものですから、上に述べた失敗につながる恐れをきたさないようにしながら、インプラント埋入を勧める、立場を採っています。
ただし、最終的にはご本人がきめることですから、未だ知りたいことが、ありましたら記入を続けると、良いと思います。
歯周病ではなくて、インプラント周囲炎を意味するものと思うのですが、さらに言わせてもらうと、周囲炎というよりは、咬合圧負担過重によるインプラント周囲の骨吸収ではないかと、思います。
その結果、インプラント周囲炎になるものと推量します。
下顎7番部の歯槽堤は抜歯後の吸収量が意外と大きいことが、個人差はあるといえ、多いものです。
さらには、最後臼歯は、咬合圧負担が一番多くかかりますから、上記のようなことになりがちです。
だからこそ、インプラントフィクチャー(骨の中に入る部分)は、サイズのしっかりしたものを、埋入するべきなものなのです。
ところが、他院で入れられたインプラント、学会誌でのケースプレゼンテーションなどを見ると、比較的サイズの小さなものがほとんどであることが実情です。
以上のようなことを、踏まえてしっかりしたサイズのインプラントを埋入しても、噛みしめ癖があり、しかも咬合力が強い人では、インプラント周囲の骨吸収をきたして、インプラント周囲炎などという前に動揺をきたして、撤去せざるを得ないことがあります。
結論的には、噛みしめ癖がなく、歯槽堤がしっかりしていて、なるべくサイズのしっかりしたものを埋入してくれるところなら、良いかもしれません。
私事になりますが、下顎7番の喪失は、意外にもかみ合わせの変化をきたすことが多いものですから、上に述べた失敗につながる恐れをきたさないようにしながら、インプラント埋入を勧める、立場を採っています。
ただし、最終的にはご本人がきめることですから、未だ知りたいことが、ありましたら記入を続けると、良いと思います。
相談者からの返信
相談者:
ライムギパンさん
返信日時:2017-02-08 12:46:29
回答2
歯科医師の松山です。
回答日時:2017-02-08 15:25:05
「正常なインプラントが行われていても患者側の個人差によってダメになることもある」ということでしょうか。
その通りです。
”もしそのような理由でインプラントがダメになった後の処置”
この場合の撤去は比較的らくで、インプラントはねじ込みですから逆回転で外します。
その後は患者さんの意向次第です。
撤去後に傷がどうなるかという心配をする人がいますが、普通の抜歯と同じ感じです。
その通りです。
”もしそのような理由でインプラントがダメになった後の処置”
この場合の撤去は比較的らくで、インプラントはねじ込みですから逆回転で外します。
その後は患者さんの意向次第です。
撤去後に傷がどうなるかという心配をする人がいますが、普通の抜歯と同じ感じです。
回答3
東京医科歯科大学顎関節治療部(文京区湯島)の西山です。
回答日時:2017-02-08 18:26:34
西山です
歯を失って,その部分を補うかどうかということですが・・・
抜歯をして歯を失った状態は,極端に言うと病気ではなくで「歯がない」という状態です.
したがって,「歯がない」ということでどの程度生活が障害されているのかが,その部分を補うか否かの基準の一つになります.
咬みあう相手がいないと相手の歯が伸びで来る可能性は無いとは言えませんが,歯周病が軽度であればそんなに急激に変化が起こるわけではありません.
変な話,75歳という年齢を考えるとあまり影響はないかもしれません.
もし方針を決めきれないのであれば,定期的にチェックを受けながら経過観察してもらうというのも一つの方針ではないでしょうか.
ちなみに私が担当だとしたら,その方針をまずは提案すると思います.
歯を失って,その部分を補うかどうかということですが・・・
抜歯をして歯を失った状態は,極端に言うと病気ではなくで「歯がない」という状態です.
したがって,「歯がない」ということでどの程度生活が障害されているのかが,その部分を補うか否かの基準の一つになります.
咬みあう相手がいないと相手の歯が伸びで来る可能性は無いとは言えませんが,歯周病が軽度であればそんなに急激に変化が起こるわけではありません.
変な話,75歳という年齢を考えるとあまり影響はないかもしれません.
もし方針を決めきれないのであれば,定期的にチェックを受けながら経過観察してもらうというのも一つの方針ではないでしょうか.
ちなみに私が担当だとしたら,その方針をまずは提案すると思います.
相談者からの返信
相談者:
ライムギパンさん
返信日時:2017-02-09 00:37:12
松山先生、西山先生、お忙しい中ご回答ありがとうございます。
良いことだけでなく、リスクについても具体的にお教えいただいて大変勉強になりました。
お陰さまで自分が考えねばならないポイントが見えてきました。
現在は抜歯した後の陥没部が完全に盛り上がっておらず、柔らかいので食事の時はそこで噛まないように注意しております。
あと少しで歯茎が平らになると思いますので、その時点で食事にどの程度支障があるのかを把握してもう一度考えたいと存じます。
ともあれ今は歯茎の健康を守るため、教えられた手入れ方法を実行して頑張っています。
素晴らしい掲示板の運営をされている方々へ、厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
良いことだけでなく、リスクについても具体的にお教えいただいて大変勉強になりました。
お陰さまで自分が考えねばならないポイントが見えてきました。
現在は抜歯した後の陥没部が完全に盛り上がっておらず、柔らかいので食事の時はそこで噛まないように注意しております。
あと少しで歯茎が平らになると思いますので、その時点で食事にどの程度支障があるのかを把握してもう一度考えたいと存じます。
ともあれ今は歯茎の健康を守るため、教えられた手入れ方法を実行して頑張っています。
素晴らしい掲示板の運営をされている方々へ、厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
タイトル | 左下7番、抜歯後にインプラントをやるべきかどうか迷っている |
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質問者 | ライムギパンさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 75歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
抜歯:7番(第二大臼歯) インプラントその他 補綴関連 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。