[写真あり] クラウン装着の段階で痛みがなければ根管治療はもう不要ですか

相談者: N.A.Oさん (36歳:男性)
投稿日時:2017-04-25 14:26:54
虫歯治療では歯の痛みが取れず、神経を抜いたら痛みがなくなりました。

クラウンを被せる段階ですが、痛みがなくなれば、これ以上根管治療は必要ないのでしょうか?
それとも顕微鏡などで診断した方がいいのでしょうか?

そこの医院には顕微鏡の設備はございません。
よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2017-04-25 15:33:56
>痛みがなくなれば、これ以上根管治療は必要ないのでしょうか?

んんんん…
実際に拝見していないので何とも言えませんが、現段階では「とりあえず治療完了」と言う事になるかと思います。

ただし、今回の治療が不適切だった場合、数か月から数年後にレントゲンなどで透過像が確認されたり、痛みや腫れが出てしまったりすれば、再根管治療が必要となるかと思います。


>それとも顕微鏡などで診断した方がいいのでしょうか?

よほどめちゃくちゃな治療であれば別ですが、顕微鏡を用いても現時点では確認できないような気がします。
(顕微鏡でもバイキンは見えませんからね)

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2017-04-25 17:32:19
櫻井先生の回答に補足しますが、根管治療の目的は細菌の除去と再感染の防止で、成否の確認方法が自覚症状の有無とレントゲンエックス線写真)上での透過像(根の先に見える黒い影)の消失(元が大きければ完全になくなるのに年単位でかかる場合もあるので縮小傾向が確認できれば良しとしますが、今回は経緯的に根管治療前には影自体がなかった状態を想像します)です。

となると、痛みがなくなったので「とりあえず成功」の判断は間違いとは言えないと思いますし、より慎重に進めたい場合は、クラウンの型とりをする前に数ヶ月程度(当院の場合は通常3ヶ月)待ってCTかデンタルレントゲン写真を撮影して根の先に透過像が出来てきてないことまで確認ができればほぼ確実だと思いますよ。


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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: N.A.Oさん
返信日時:2017-04-25 19:05:00
櫻井先生

回答いただき、ありがとうございます。
不安が軽減いたしました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: N.A.Oさん
返信日時:2017-04-25 19:13:00
渡辺先生

回答いただき、ありがとうございます。
今は大丈夫でも後日透過像がでてきて治療が必要な場合もあるのですね。

その場合の原因の可能性は何が考えられますでしょうか?
よろしくお願いいたします。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2017-04-25 19:27:38
>その場合の原因の可能性は何が考えられますでしょうか?

最初の根管治療細菌感染させてしまったことが原因となることが多いと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: N.A.Oさん
返信日時:2017-04-25 22:19:21
櫻井先生

回答いただき、ありがとうございます。

最初の治療後すぐには細菌感染しているかどうかは分らない。
数か月以上経たないと。
ということでしょうか?

その場合、細菌感染が治療で感染してしまったのか、自然経年的なものなのかは判別できませんか?

よろしくお願いいたします。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2017-04-25 22:36:32
先にも書いたように、理屈として@感染除去(消毒)と、A再感染予防(蓋)がしっかりと出来れば治療は成功します。

失敗するとしたら@感染が除去しきれてない あるいは治療中の感染、が多いと思いますが、A蓋が不十分 あるいはあとから蓋が壊れた(大きいむし歯歯根の破折) が考えられます。



一応便宜上 感染 とか 感染除去とかという言葉を使っていますが、そもそも完璧に細菌数をゼロにすることは不可能です。

身体の免疫応答上、許容範囲にまで細菌数を減らして押さえ込むというのが現実的目標です。

消毒して蓋まで出来れば、およそ3ヶ月で殆ど判断は出来ますが、稀に時間差で変化が出る(多くは治癒方向ですが)こともあるので、研究論文では治療終了後4年で成功率の測定をしていたりしますね。

個人差、個歯差? はかなりあると思います。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2017-04-25 22:39:29
>顕微鏡などで診断した方がいいのでしょうか?

顕微鏡で診断するには根管治療をすべてやり直さないとできないと思います。
他の歯科医院レントゲンを撮ればはっきりする問題点もあると思います。

しかしながらレントゲンでは判断できない問題点も数多くあります。


>今は大丈夫でも後日透過像がでてきて治療が必要な場合もあるのですね。

抜髄の成功率は90%前後とされていると思います。
これは日本の成績ではなくて世界的な研究結果です。
ですから再治療は当然あり得ると思います。


>最初の治療後すぐには細菌感染しているかどうかは分らない。数か月以上経たないと。ということでしょうか?

はいそう思います。


>細菌感染が治療で感染してしまったのか、自然経年的なものなのかは判別できませんか?

上のクラウンが外れず且つ適合がよく、内部に虫歯の取り残しがなければ根管治療時かコアを入れたり作ったりするときの可能性が高いと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: N.A.Oさん
返信日時:2017-04-26 00:50:54
渡辺先生、柴田先生

回答いただき、ありがとうございます。
また、詳しくご説明いただき感謝いたします。

>顕微鏡で診断するには根管治療をすべてやり直さないとできないと思います。

どおしてでしょうか?
今までの治療が無駄になるということでしょうか。

よろしくお願いいたします。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2017-04-26 10:11:04
図解しますね。

左から

 根管治療終了時点(つまり、現在のN.A.O さんの状態)

この時点で、仮に細菌感染を起こしてしまったとします。


左から2番目

 細菌感染は根管充填材に沿って根っこの方に向かって広がっていきます。
 (ごく稀に象牙質方向に広がる事もありますが、本当にごく稀です)
 しかし、神経は取りきれている(はず)ので、自覚症状はでません。

左から3番目
 
 細菌が根っこから飛び出し、骨に波及します
 痛みが出る場合もありますし、出ない場合もあります。
 この時点で初めてレントゲンで確認できるようになります。
 (初期の場合は判定できない場合もあります)

左から4番目

 骨の中で感染はさらに広がります
 こうなるとレントゲンで判断できるようになります
 また、噛んだ時に痛みを感じたり、膿が出たりします

一番左の状態から3番目、4番目になるには数カ月から数年かかります。
場合によっては自覚症状のないまま4番よりももっと大きな病気になって初めて気がつくという事もあります。


最初の根管治療で細菌感染(細菌の取り残し)が無ければこのような流れにはなりません。
(だから、一番最初の治療が大切なのです)

画像1画像1

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: N.A.Oさん
返信日時:2017-04-26 13:43:40
櫻井先生

図解まで添付してくださり、
とてもわかりやすく解説いただき誠にありがとうございます。

最初の治療で感染が残っているのかいないのかが分るには時間が経過しないと分らないのですね。
複雑で重要ですね。。


今回このような症状になったのは、以前の虫歯の治療のさいに被せたクラウン銀歯)と歯の密着があまり良くなく、銀歯と歯の間が虫歯になり痛みが出て神経を抜くことになりました。
セラミックに比べ銀歯は密着が良くないと聞きます。
 銀歯は寿命やなどはあるのか?歯茎が黒ずんでくる?


他の奥歯はほとんど銀歯が被せてあります。
セラミックに交換するか悩んでおります。
※ただ、全部セラミックにしますと100万近くになります。。

奥歯のため銀歯は見た目が良くない。
などのデメリットは感じておりません。

健康な歯と歯茎を保つためにどのような選択肢があるかご教授いただければと思います。

よろしくお願いいたします。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2017-04-26 14:39:29
銀歯は寿命やなどはあるのか?

無いですよ。

銀歯も金歯セラミックスも、クラウンそのものには寿命はありません。

しかし、精度が悪ければやがて虫歯ができてしまいます。

精度の良い銀歯もあれば、精度の悪い銀歯もあります。
保険の材料だと精度よく作るのはやや難しいかもしれません)

逆に精度の悪い金歯もセラミックスもあります。
保険外の場合、保険のものよりはよくなる傾向にはあると思います)

結局は「歯科医の腕、技工士の腕」が良ければ銀歯でもなんでも、精度良く作ることができますし、その逆もしかりです。


歯茎が黒ずんでくる?

これは金属の性質上、多少仕方のないところかもしれません。
ただ、これは「見た目の問題」であって、虫歯になる、ならないには関係はありません。


>健康な歯と歯茎を保つためにどのような選択肢があるか

最終的には

 1 腕の良い歯科医、歯科技工士に治療を任せる
 2 セルフケアをしっかり行う
 3 定期的にメインテナンスに通う
 4 「力のコントロール」「栄養のコントロール」に配慮する

ではないでしょうか。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: N.A.Oさん
返信日時:2017-04-26 18:55:41
櫻井先生

お忙しい中、回答いただきまして誠にありがとうございます。

既存の銀歯はケアしながらこのまま使用し、定期的にメンテナンスをしていきたいと思います。


最後に一つ質問があります。
定期メンテナンス(レントゲンなど)で虫歯は発見できるのでしょうか?

今回の治療の時、最初に行った医院では「虫歯はない。」
と言われ、痛みがあったので、他の医院に行って、「虫歯があります。」と言われ、治療した次第です。

医師のスキルによってレントゲンで虫歯を見極めれる医師とそうでない医師がいらっしゃるということでしょうか。
※一般的にレントゲンで虫歯は分かりますか?

よろしくお願いいたします。
回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2017-04-26 19:30:56
>定期メンテナンス(レントゲンなど)で虫歯は発見できるのでしょうか?

発見できる場合とそうでない場合があります。


>※一般的にレントゲンで虫歯は分かりますか?

残念ながら金属の中までは見えません。
金属がない所であれば発見できる可能性はあります。


>医師のスキルによってレントゲンで虫歯を見極めれる医師と
そうでない医師がいらっしゃるということでしょうか。

これも歯科医によって違います。

一口に「虫歯」と言っても「削るべき虫歯」と「削らずに経過観察すべき虫歯」があります。
また、その判断基準は歯科医によって異なります。

仮に虫歯の段階が10段階あるとしましょう。

A歯科医はレベル3で削ると判断するとします。
B歯科医はレベル5で削ると判断するとします。

仮にレベル4の虫歯があったとすれば、A歯科医は「削る」と判断するでしょうし、B歯科医は「削らない」と判断するでしょう。
(これは歯科医の知識、経験、技術によって変わります)

また、経過観察をしていて「半年でレベル3がレベル4になった」とすれば、「これは進行の速い虫歯だから削る」となるでしょうし「5年経てもレベル4のまま」だとすれば「今後も経過観察をする」となるでしょう。

このように虫歯の判断と言うのは総合的に考える必要があるので

「信頼できる歯科医」に「定期的にチェックしてもらう」

のがベストだと考えます。

(さらに欲を言えば、「口腔内写真」や「マイクロ動画」などで客観的な記録を残しておいてくれるとなお良いかと思います)

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2017-04-26 20:15:31
>>顕微鏡で診断するには根管治療をすべてやり直さないとできないと思います。

>どおしてでしょうか?今までの治療が無駄になるということでしょうか。

顕微鏡は裸眼プラスミラーで見える範囲しか見えません。
メタルコアレジンコアファイバーコアを外して初めて根管充填材の一番上が見えてきます。

レントゲンでいくらぴったりの根管充填であっても扁平な根管の場合根管充填材の周りにびっしりと取り残しの歯髄組織があることはたまにあります。

こんな状態だと予後不良が想像されますが、それ以外は根管充填材を全部外さないと評価はできないと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: N.A.Oさん
返信日時:2017-04-26 22:32:40
櫻井先生、柴田先生、渡辺先生

この度は詳しく分かりやすくご解説いただき、誠にありがとうございます。

素人には難しい問題です。。
信頼できる先生を見つけお任せし、定期的に通いメンテナンスする以外なさそうですね!

ありがとうございました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: N.A.Oさん
返信日時:2017-04-26 22:53:16
櫻井先生、柴田先生、渡辺先生

この度は詳しく分かりやすくご解説いただき、
誠にありがとうございます。

素人には難しい問題です。。
信頼できる先生を見つけお任せし、
定期的に通いメンテナンスする以外なさそうですね!

ありがとうございました。



タイトル [写真あり] クラウン装着の段階で痛みがなければ根管治療はもう不要ですか
質問者 N.A.Oさん
地域 海外
年齢 36歳
性別 男性
職業 会社員(管理職)
カテゴリ 根管治療中の痛み
根管治療その他
クラウン(差し歯・被せ)その他
根管治療関連
その他(写真あり)
回答者




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  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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