親知らず抜歯による神経損傷や炎症について
相談者:
ばっしー!さん (23歳:男性)
投稿日時:2017-06-28 23:44:08
お読みになっていただきありがとうございます。
一週間前に左側上下の親知らずを抜歯(下は横向き、上は歯茎の中に完全に埋伏)していただいたのですが、いまだに側頭部から口蓋部の圧迫感があり、口を開けづらい開口障害があります。
2つ質問させていただきたいです。
1〕事前に知らされていた親知らず抜歯の危険性では、下顎の下顎神経や下歯槽神経、オトガイ神経などの話は伺いましたが、調べるうちに、上顎にも様々な神経があると知りました。
そして、上の親知らず抜歯時にそれらの神経を傷つけてしまって、咬筋や外側翼突筋などに影響が出てしまっているのではないかと感じました。
そういった可能性はありますでしょうか?
2〕親知らず抜歯後の開口障害は炎症性のものが考えられると伺いましたが、開口訓練を早めに行うべきだと言う意見を多々目にします。
これはかえって炎症を酷くしてしまったりはしませんか?
安静にするべきなのか、リハビリをするべきなのか教えていただきたいです。
一週間前に左側上下の親知らずを抜歯(下は横向き、上は歯茎の中に完全に埋伏)していただいたのですが、いまだに側頭部から口蓋部の圧迫感があり、口を開けづらい開口障害があります。
2つ質問させていただきたいです。
1〕事前に知らされていた親知らず抜歯の危険性では、下顎の下顎神経や下歯槽神経、オトガイ神経などの話は伺いましたが、調べるうちに、上顎にも様々な神経があると知りました。
そして、上の親知らず抜歯時にそれらの神経を傷つけてしまって、咬筋や外側翼突筋などに影響が出てしまっているのではないかと感じました。
そういった可能性はありますでしょうか?
2〕親知らず抜歯後の開口障害は炎症性のものが考えられると伺いましたが、開口訓練を早めに行うべきだと言う意見を多々目にします。
これはかえって炎症を酷くしてしまったりはしませんか?
安静にするべきなのか、リハビリをするべきなのか教えていただきたいです。
[過去のご相談]
回答1
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2017-06-29 02:01:39
ばっしー!さん、こんにちは。
抜歯後の状況、ご心配なことと思います。
【ご質問1について】
>上顎にも様々な神経があると知りました。
>そして、上の親知らず抜歯時にそれらの神経を傷つけてしまって、咬筋や外側翼突筋などに影響が出てしまっているのではないかと感じました。
確かに、上顎にも複数の神経が走行しているのですが、(上顎の埋伏した親知らずの状態にもよりますが)解剖学的にこれらの神経を損傷することは稀です。
また、口の開け閉めに関与する咀嚼筋(咬筋、側頭筋、外側および内側翼突筋)の運動を支配する神経は、下顎神経です。
したがって、上顎の抜歯で神経を損傷し、これらの筋の障害が出ることはありません。
【ご質問2について】
>開口訓練を早めに行うべきだと言う意見を多々目にします。
>これはかえって炎症を酷くしてしまったりはしませんか?
抜歯、特に今回のように上下の親知らずを同時に抜歯をした場合には、体の生理的な防御反応として必ず炎症反応が生じます。
そして、その炎症反応がピークの段階(およそ抜歯後1、2日〜数日程度)は、お書きの通り、無理に開口訓練を行うと、かえって炎症を増悪させることもありますので、安静にしておくことが望ましいです。
しかし、その時期を過ぎると、今度は積極的に開口訓練を行わないと、まずます口は開きづらくなります。
開口障害がある時に開口訓練を行うと、はじめは結構痛いため、本当に(訓練を)行っていいのかと不安になりますが、然るべき時期に適切な開口訓練を行うと、徐々に痛みも軽減され口も開くようになってきます。
ただ、具体的な判断(開口訓練を行った方がいいのか、もう少し安静にしていた方がいいのか)は、実際に抜歯を担当された先生が、ばっしー!さんの状況を確認された上で決められる内容です。
したがって、この点は自己判断をせずに、必ず担当の先生の判断を仰いて下さい。
最後に、ご質問の内容をうかがう限りの個人的感想ですが、
>左側上下の親知らずを抜歯(下は横向き、上は歯茎の中に完全に埋伏)していただいた
という抜歯状況を推測する限り、それなりの炎症反応は出るかなと考えます。
現在、抜歯後1週間ということですが、これから毎日少しずつでも症状が緩和・改善方向に向かうのであれば、順調な治癒過程にあるのではないかとも考えます。
お大事になされてください。
抜歯後の状況、ご心配なことと思います。
【ご質問1について】
>上顎にも様々な神経があると知りました。
>そして、上の親知らず抜歯時にそれらの神経を傷つけてしまって、咬筋や外側翼突筋などに影響が出てしまっているのではないかと感じました。
確かに、上顎にも複数の神経が走行しているのですが、(上顎の埋伏した親知らずの状態にもよりますが)解剖学的にこれらの神経を損傷することは稀です。
また、口の開け閉めに関与する咀嚼筋(咬筋、側頭筋、外側および内側翼突筋)の運動を支配する神経は、下顎神経です。
したがって、上顎の抜歯で神経を損傷し、これらの筋の障害が出ることはありません。
【ご質問2について】
>開口訓練を早めに行うべきだと言う意見を多々目にします。
>これはかえって炎症を酷くしてしまったりはしませんか?
抜歯、特に今回のように上下の親知らずを同時に抜歯をした場合には、体の生理的な防御反応として必ず炎症反応が生じます。
そして、その炎症反応がピークの段階(およそ抜歯後1、2日〜数日程度)は、お書きの通り、無理に開口訓練を行うと、かえって炎症を増悪させることもありますので、安静にしておくことが望ましいです。
しかし、その時期を過ぎると、今度は積極的に開口訓練を行わないと、まずます口は開きづらくなります。
開口障害がある時に開口訓練を行うと、はじめは結構痛いため、本当に(訓練を)行っていいのかと不安になりますが、然るべき時期に適切な開口訓練を行うと、徐々に痛みも軽減され口も開くようになってきます。
ただ、具体的な判断(開口訓練を行った方がいいのか、もう少し安静にしていた方がいいのか)は、実際に抜歯を担当された先生が、ばっしー!さんの状況を確認された上で決められる内容です。
したがって、この点は自己判断をせずに、必ず担当の先生の判断を仰いて下さい。
最後に、ご質問の内容をうかがう限りの個人的感想ですが、
>左側上下の親知らずを抜歯(下は横向き、上は歯茎の中に完全に埋伏)していただいた
という抜歯状況を推測する限り、それなりの炎症反応は出るかなと考えます。
現在、抜歯後1週間ということですが、これから毎日少しずつでも症状が緩和・改善方向に向かうのであれば、順調な治癒過程にあるのではないかとも考えます。
お大事になされてください。
相談者からの返信
相談者:
ばっしー!さん
返信日時:2017-06-29 14:59:59
中本先生、お返事ありがとうございます。
支配神経なども教えていただき大変安心できました。
また、開口訓練や腫れの状態の推測まで、具体的なお話をお聞き出来て嬉しく思います。
中本先生のおっしゃる通り、これからの事は主治医の方とご相談していきたいと思います。
セカンドオピニオンとして大変ありがたく受け止めたいと思います。
支配神経なども教えていただき大変安心できました。
また、開口訓練や腫れの状態の推測まで、具体的なお話をお聞き出来て嬉しく思います。
中本先生のおっしゃる通り、これからの事は主治医の方とご相談していきたいと思います。
セカンドオピニオンとして大変ありがたく受け止めたいと思います。
タイトル | 親知らず抜歯による神経損傷や炎症について |
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質問者 | ばっしー!さん |
地域 | 千葉 |
年齢 | 23歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 大学生・短大生・専門学生 |
カテゴリ |
抜歯後の痛み・異常・トラブル 抜歯:8番(第三大臼歯、親知らず) 親知らず抜歯後の後遺症・トラブル 親知らず抜歯後の腫れ・痛み(ドライソケット) |
回答者 |
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- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。