入れ歯(義歯、総義歯や部分床義歯)での疼痛発現メカニズム

相談者: Kenrickさん (45歳:男性)
投稿日時:2017-07-05 07:16:59
おはようございます。
はじめてご相談させていただきます。
どうぞ宜しくお願いします。

入れ歯義歯総義歯部分床義歯)での疼痛発現メカニズムに関して。

知人に上下顎総義歯や上顎前歯残根上義歯(上顎前歯部残根上義歯 欠損部位15から反対側23までの1床8歯欠損、残根部位)におります。
クラスプ部位は忘れました。この義歯は下顎前歯部突き上げあり、オクルーザルストップあります。


1.なぜ義歯(入れ歯)疼痛が発現するのですか?
入れ歯による疼痛発現の生理学的メカニズムを教えてください。


2.どの知覚神経(求心経路など)からの疼痛発現が多いのか?
疼痛改善には疼痛発現多い求心経路の義歯粘膜面を一層リリーフすればいいのでは?


3.被圧変位量の差による疼痛発現が多い等いわれます。
(粘膜部位(粘膜負担)と残根部位(歯根膜負担)の差、つまり粘膜の沈下量と歯根膜の沈下量がこう合時に違う)など→ダイナミック印象(機能印象や咬合圧印象などを行う)により改善を狙うなど言われますが意味があるのですか?
このダイナミック印象の生理学的疼痛改善メカニズムは?


4.義歯の疼痛改善生理学的メカニズム(疼痛改善神経筋機構など医学的に)を教えてください。


5.頬棚などの圧力負担区域などは疼痛発現生じにくいとよく言われますがなぜですか?
疼痛発現起きにくい理由を生理学的にお願します。



ご多忙中恐縮ですがお手隙の際にでもご回答いただけますと幸甚です。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2017-07-05 18:35:15
なんだか専門的な相談用語がたくさん出てきていますが、歯科関係者の方ですか?

基礎的な問題でわからないことがあれば大学の先生のセミナーを受講されるとよいでしょう。

生理学的な疼痛発現の説明についてお知りになりたい場合は生理の先生にお尋ねになるとよいでしょう。目を輝かせて教えてくれるかもしれませんし、高額な本を紹介してくれるかもしれませんし、文献目録を紹介してくれるかもしれません。


1.入れ歯の痛みは粘膜が擦れて炎症を起こして痛む場合と神経の出口を圧迫して痛む場合と残根があるならばその周囲組織が炎症を起こして痛む場合があると思います。

それを生理学的メカニズムというかどうかですが、いわないでしょうね。


2.義歯が痛いという場合、多くのケースがかみ合わせの調整が下手すぎると思います。

力の問題でよい方向に力が掛かるように義歯の設計がされていないので擦れて痛むことが多いでしょう。

粘膜は何度も何度も擦れて傷つかないとあまり痛みを感じないつくりになっていると思いますが、義歯を利用することで何度も擦れれば炎症細胞が出て集まってきますから、そこにケミカルメディエーターが発生すれば生体は無視することは出来ませんから、感覚は鋭敏になる痛みの回路が出来て痛がるでしょう。
はずせば痛くないのが普通だと思います。

義歯をはずして機能圧をかけていないのに痛いという場合はもっと高次の問題を引き起こしている可能性があるでしょうから、別の方法での治療が必要になるでしょう。

最初は義歯のせいだったかも知れないが、もう義歯のせいという段階を過ぎてしまったという場合もあるでしょう。


義歯の粘膜を一層リリーフすることはよく行われます。
つまり部分的に圧負担をなくすことを行うわけです。

神経の出口の場合必須ですし、粘膜面が一部圧負担できない状態の場合そうされますね。
例えば骨が尖っていて粘膜の非圧縮性が局所的に期待出来ない場合などですね。

全部をリリーフすると義歯の維持安定圧負担に問題を生じますから、リリーフは必要な部位のみ最小限でというのが原則でしょう。



3.機能印象咬合圧印象はとても大切な治療手技だと思います。
ただ、概形印象が下手な段階でそんなことをいってもしょうがないので、まず患者さんの粘膜面をくまなく触ってみて有効に使える義歯粘膜面形態を把握することが大切でしょう。

触診は有効ですが、触診できないような安い手袋を使っている段階で期待薄ということになってしまうかもしれませんから、義歯が上手い先生は患者さんの旧義歯をみてどこが悪いかおおよその見当をつけて印象を開始されます。


粘膜部分と残根部分の圧縮量の違いですが粘膜支持にするのか?どこに支持を求めたいのか?によって設計が異なってきます。

機能印象は患者の粘膜面に機能時の形態を印記するために行いますし、咬合圧印象は患者の咬合時の粘膜面を印記する際に行います。それぞれ意味があって行います。


義歯は単に入っていればよいというものではないので機能してナンボのものですからそれを印象面に印記して粘膜面を作り上げていくことは有効です。



4.単に擦れて痛むことがほとんどでしょう。
下手な歯科医は痛む義歯の粘膜面を削りますが、上手い歯科医は咬合を調整しますね。

機能圧が粘膜を何度も何度も擦るのですから咬合調整が上手くないと駄目です。
それ以前に咬合平面を間違っていたらいくら微調整しても駄目です。
生理学的なことを考える以前の問題ですね。



5.機能によって動きにくい部位だから擦れないからです。
また圧負担に向いた粘膜の厚みが期待できます。
生理学的に考える必要はなくもっと単純です。


臨床経験が浅くわかっていない人が小難しい話に置き換えて話すと誰もわからないということになります。
義歯を成功させるためには患者さんをよく観察することが必要で視診触診聴診が必要です。
咬合は音をきけばわかります。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2017-07-05 20:42:05
西山です

義歯性疼痛のメカニズムは「侵害受容性疼痛」です.
関連神経は三叉神経です.

義歯床が接する粘膜に対して,侵害刺激となる圧が加わるとそれが三叉神経を介して伝達されて「痛み」として認識されます.

圧が侵害刺激になるか否かは,部位によって異なってきます.
厚みが薄い粘膜であれば,侵害刺激の閾値は低い可能性があります.


また,侵害刺激の持続によって傷が生じた場合は炎症反応によって末梢神経が刺激されて疼痛閾値が低下します.
それによって侵害刺激以下の圧であっても痛みが生じることになります.

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Kenrickさん
返信日時:2017-07-06 00:07:46
船橋先生、西山先生、お忙しい中ご丁寧にどうもありがとうございました。



タイトル 入れ歯(義歯、総義歯や部分床義歯)での疼痛発現メカニズム
質問者 Kenrickさん
地域 兵庫
年齢 45歳
性別 男性
職業 専門職(医師・弁護士・会計士)
カテゴリ 部分入れ歯のトラブル
歯茎の異常・トラブルその他
粘膜の病気・異常
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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