虫歯治療後の知覚過敏・咬合痛と歯肉炎について

相談者: ぽー1さん (39歳:女性)
投稿日時:2017-11-13 23:56:49
こんにちは。
2年ほど前に治療した左上6番について、虫歯だとのことで、セレックにて治療をしました。

しばらくすると、10年以上前に右治療済みの左下6番のハイブリットセラミックにひびが入っているので、こちらも取り換えた方が良いと言われ、セラミックにて再治療しました。

すると左上6番について、歯間が痛くなり、固いものを食べる時だけ痛みが出るようになりました。
詰め物で窮屈な感じでした。


診察で申し出ましたが、何も悪いところはないと言われ、念のため虫歯の取り漏れがないか確認するとのことで、セラミックを外して仮歯に戻し、様子を見るように言われましたが、改善することはありませんでした。

むしろ知覚過敏や痛みについては、5番に近い一部分だけが痛かったのが、7番に近い部分も痛みや知覚過敏を感じるようになってしまいました。
歯の内側は全体的に歯肉炎を起こしています。

更には、左下6番についても、5番に近い部分に痛みを感じ、歯間については歯肉炎を起こしてしまいました。

原因は不明だが、噛みしめによる歯根膜炎ではないかとのことで様子を見ることになりました。
様子を見ていた間は、何度か仮歯部分の高さ調整を何度か行いましたが、改善しませんでした。


その後妊娠をしましたが、そのまま様子を見るように言われましたので、10か月ほど経ち、先日産後に再診して、症状に変わりなくむしろ痛みが増していることを伝えたところ、歯根膜炎であるとは思うが、長い期間治らないのであれば、神経を取るしかないとのことでした。

神経を取ることに抵抗があることを伝えたところ、咬合紙にて確認したのち、突然左上6番の歯について、内側の山の部分を一部削られてしまいました。

同意がなくショックでしたので、どのくらい削ったのか確認したところ、当たりが強いと思われる部分を0.6ミリほど削りましたので、再度様子を見てくださいとのことでした。

原因もはっきりとわからないままに、突然天然歯部分を削られてしまったため、ショックを受けています。
舌で触ると、尖っていた部分がなくなっているのがわかります。


1.上記症状について、歯根膜炎と考えるのは問題ないのでしょうか。
症状は悪化しているように思いますが、様子を見るしか手段はないのでしょうか。

2.レントゲンによる診断ではわからないとのことで撮っていませんが、わからないものなのでしょうか。
歯肉炎から歯槽膿漏になるのではないかと不安です。

3.神経を抜くという方法を取るのは、やむを得ないことなのでしょうか。
虫歯の治療をしたばかりの時は痛みがなかったのに、原因がわからないまま抜髄することに抵抗を感じています。

4.噛み合わせを落としましたとのことで、咬合紙6枚分の0.6ミリも削ったと言われましたが、こんなに削ることはあり得るのでしょうか。

噛み合わせとは、もっと少なく削るものだと思っていましたし、少しでも歯を残したいので、とてもショックです。

低いようなら、噛み合わせを高くすることは可能ですと言われましたが、セラミックを詰める時に再度戻すことは可能なのでしょうか。

セレック以外の補綴であれば可能ですか?
それとも、レジンなどで別途張り付けるのでしょうか。

また、食べた時の痛みは少しおさまりましたが、歯肉炎はひどくなったように感じます。

噛み合わせがさらにおかしくなってしまったのでしょうか。
それにより、顎関節症などになってしまうのではないかと心配しています。

5.くいしばりについて、ナイトガードは意味がないし、噛み合わせが狂うので必要がないと言われていますが、なくても問題ないのでしょうか。
あった方が、痛みを抑えることができるように思うのですが・・・。

以上、長文となりましたが、ご教示のほどよろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2017-11-14 08:25:42
ご相談ありがとうございます。

>1.上記症状について、歯根膜炎と考えるのは問題ないのでしょうか。

ありえます。


>症状は悪化しているように思いますが、様子を見るしか手段はないのでしょうか。

手をこまねいては悪化を止められない可能性はあります。


>2.レントゲンによる診断ではわからないとのことで撮っていませんが、わからないものなのでしょうか。

レントゲンに限らず、検査とは全て、わかることと分からないことがあります。
もし、良く分からないことで困ってしまった状況ならば、見落としのないように全ての検査を総合的にすると安心できます。


歯肉炎から歯槽膿漏になるのではないかと不安です。

歯肉炎の治療をすれば治ります。


>3.神経を抜くという方法を取るのは、やむを得ないことなのでしょうか。

歯髄炎を起こして、歯の寿命が縮まる危険が増したり、日常生活に支障がある場合はやむをえません。

しかし、ただの神経ではありません、本当の名前は歯髄ですが、とても重要な内臓です。
髄という言葉は、一般的にも真髄とか骨髄とか、極め付けに使う言葉から見ても重要性がわかると思います。


虫歯の治療をしたばかりの時は痛みがなかったのに、原因がわからないまま抜髄することに抵抗を感じています。

痛みの原因が歯髄炎と確定した時に、それにより痛みを止めることができ、かつ、健康に役立つ歯の延命ができる場合のみ抜髄をするべきです。

そもそも原因が見えない暗闇で、やみくもに行動すること自体危険ですが、歯髄に罪がないかもしれない中で、理由がないけれど抜髄してみよう、とは科学的な医療と説明はしづらい行動です。


>4.噛み合わせを落としましたとのことで、咬合紙6枚分の0.6ミリも削ったと言われましたが、こんなに削ることはあり得るのでしょうか。

かなりの量です。


>噛み合わせとは、もっと少なく削るものだと思っていましたし、少しでも歯を残したいので、とてもショックです。

歯の構造は体の中でも特別です。
とても微細に、精密に、いえ超精密にできています。
 
できれば30ミクロン位、つまり0.03ミリの精度で足し引きしたいくらい繊細です。
実は、それを越える異常があると体は壊れてしまうからです。

咬合紙も厚みがいろいろあり、そのお話だと0.1ミリの厚みのようですが、通常は0.03ミリちょっとくらいがあり、もっと薄いものもあり、金属フォイルで0.008ミリの精度の道具は精密治療には必須です。

しかし、口の中で咬合紙をカチカチ噛んで、0.03ミリの精度の調整をすることは不可能に近いことです。
できるだけ、口の中では調整せずに済むように、あらかじめ精密に作ることが体を壊さない真の予防と言えます。

もともと、自然で健康は歯とは、何千万年もの進化で完成された遺伝子情報により、超精密に作り上げられた完璧な体であったのです。
それを高々100年の科学の力では完全に再現できません。

さらにその程度の科学さえ使わない、ヤマカンや思い込みでの治療は原始時代の世界の話かもしれません。

本当の歯科医療は、気が狂うくらいに、細かい仕事だと知っていただきたいと思います。


>低いようなら、噛み合わせを高くすることは可能ですと言われましたが、セラミックを詰める時に再度戻すことは可能なのでしょうか。

詰める方法が適切かどうかは別として、高くすることは可能です。
しかし、戻す基準が必要ですから、治療前の精密な検査データが必要です。


セレック以外の補綴であれば可能ですか?

セレックは最新の科学とも言えます。
現代科学の年数に比べてもつい最近の科学です。
最新が最善とも限りません。

別の方法もあります。


>それとも、レジンなどで別途張り付けるのでしょうか。

一時的には可能なこともあります。


>また、食べた時の痛みは少しおさまりましたが、歯肉炎はひどくなったように感じます。噛み合わせがさらにおかしくなってしまったのでしょうか。

原因を良く調べましょう。
歯肉炎の治療方法はあるからです。


>それにより、顎関節症などになってしまうのではないかと心配しています。

治らずに悪化しているならば、何が起きてもおかしくありません。
座して待つことなく、積極的に予防していただきましょう。


>5.くいしばりについて、ナイトガードは意味がないし、噛み合わせが狂うので必要がないと言われていますが、なくても問題ないのでしょうか。

リスクが高いと評価されていますから、ない方が問題ないはずです。


>あった方が、痛みを抑えることができるように思うのですが・・・。

自己診断は危険です。
何故なのか、根拠がありますから、迷わずに済むように説明を受けましょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ぽー1さん
返信日時:2017-11-15 05:10:03
さがら先生

早速のご回答、誠にありがとうございました。
丁寧なご回答をいただき、大変良くわかりました。

将来的にも一本でも多くの歯を残していきたいと思っていますので、今回、そのために何度も現在のクリニックに通い続けましたが、これ以上の改善はないと思いますので・・・。

いただいた回答を拝見する限りショックは大きいですが、そのおかげでこちらで他の先生方にも相談するきっかけとなれたと前向きに考えて、早速きちんとした検査を受け、原因を突き止めたうえで適切な処置と予防を行いたいと思います。

なお、恐縮ですが、追加にて3点質問させていただけますでしょうか。

1.歯を削ってしまったところは、当然のことながら元には戻らないと思いますが、通常0.6ミリであれば、エナメル質のみ削られたという理解でよろしかったでしょうか。

2.もともと食いしばりや歯ぎしりがあるように自覚しているのですが、その場合、自然にすり減ってしまった歯をさらに今回0.6ミリ削ったことで、象牙質にまで達してしまっている可能性はあるのでしょうか。

象牙質まで達してしまうと、虫歯になりやすくなったり、今以上に痛みがでてくるのではないかと心配しています。

3.セレックセラミックを詰めるとなると、削る量が多くなるとこちらの投稿で読んだことがあるのですが、歯を失わないようにするという観点で考えた場合、金など、別のものを選択した方が良いのでしょうか。

再度起こる虫歯や、詰め物の寿命により再治療の必要が起こる場合、一回一回の治療で削らず治療した方が、最終的な抜歯までの時間を稼げると思うのですが・・。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2017-11-15 08:44:36
ご返信ありがとうございます。

>1.歯を削ってしまったところは、当然のことながら元には戻らないと思いますが、通常0.6ミリであれば、エナメル質のみ削られたという理解でよろしかったでしょうか。

咬合で大事な部分は遺伝子情報の設計により極めて丈夫に守られています。
つまり、最も重要な部分の厚みは2.5mmあります。

したがって、もしそこであればご指摘の通りです。


>2.もともと食いしばりや歯ぎしりがあるように自覚しているのですが、その場合、自然にすり減ってしまった歯をさらに今回0.6ミリ削ったことで、象牙質にまで達してしまっている可能性はあるのでしょうか。

十分ありえます。
だから、初めの検査が大事なのです。
人により丈夫さの設計が遺伝子情報で全く違うこともあるからです。

エナメル質の硬さや出来上がりと萠出後の成熟さも人により異なるから検査が必要です。

それにより予防計画も異なります。


>象牙質まで達してしまうと、虫歯になりやすくなったり、今以上に痛みがでてくるのではないかと心配しています。

その通りです。
削ってからは戻せません。
だから、検査と診断が重要なのです。


>3.セレックセラミックを詰めるとなると、削る量が多くなるとこちらの投稿で読んだことがあるのですが、歯を失わないようにするという観点で考えた場合、金など、別のものを選択した方が良いのでしょうか。

そういう場合が少なくありません。


>再度起こる虫歯や、詰め物の寿命により再治療の必要が起こる場合、一回一回の治療で削らず治療した方が、最終的な抜歯までの時間を稼げると思うのですが・・。

必要な場合に削らないことも、それさえ場合によってはリスクです。

再度起こる虫歯が前提とは危険な考えです。
虫歯を根絶することは治療前の大前提だからです。

大事なことは、一生歯を残す目的の軸がぶれない計画をすることです。
抜歯を最終的なゴールとすること自体後ろ向きです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ぽー1さん
返信日時:2017-11-16 03:43:28
さがら先生

非常に丁寧なご回答ありがとうございました。

痛みについては、まずは原因を探ったうえで適切な処置を行いたいともいます。

また、今後はこれ以上の新たな虫歯や再治療、また歯周病にならずに一生今ある歯をできる限り残したいと思いますので、予防に向けて計画と行動をしたい思います。

この度は迅速なご回答をいただき、誠にありがとうございました。
大変助かりました。



タイトル 虫歯治療後の知覚過敏・咬合痛と歯肉炎について
質問者 ぽー1さん
地域 非公開
年齢 39歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ むし歯 治療後の痛み
歯茎(歯ぐき)の痛み
歯茎(歯ぐき)の腫れ
知覚過敏
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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