肉眼で治療時間が長いORマイクロスコープ使用で治療時間が短い

相談者: ふじころさん (29歳:女性)
投稿日時:2017-11-28 13:58:09
隣接面に小さな虫歯があります。

・治療に15分〜20分しかかけてくれないが、保険診療でもマイクロスコープを使用する医院

・1時間ほどかけて診てくれるが、最新機器の設備はない医院


質問1
どちらの方が丁寧な治療(削りすぎない)、虫歯の取り残しのない治療を行ってくれるでしょうか?
医師の虫歯に対する考え方や、腕前はまったく同じとします。

肉眼で「治療時間」をどんなにかけても「ルーペやマイクロスコープを使用」した治療には及ばないのか気になります。


質問2
保険診療の虫歯治療では、患者一人に対して治療時間何分以内でないといけない、という明確な決まりはあるのでしょうか?


質問3
小さな虫歯の場合、15分ほどで処置できるのは普通のことですか?


補足として、

一つ目のマイクロスコープを使用する医院は、予約をとる段階で保険の治療は20分の枠、など決まっています。
もし削ってみて虫歯が大きかった場合、次回に持ち越されるのならまだ良いですが、時間内に終わるよう焦って治療されるのは嫌だなと感じています。

おそらく保険診療を行う歯科医院の所要時間の平均か、少し短めに設定されている(予約が詰め込まれている)と思いますが、保険診療でもマイクロスコープを使うという謳い文句に魅力を感じています。


二つ目の医院は、医療従事者の知人から紹介された医院で、歯科衛生士はおらずクリーニングから治療まで全て先生一人でされてるそうです。

診療時間はたっぷり取ってもらえ、違うお客さんとの間を行ったり来たりという慌ただしい事もないそうですし、利益重視というよりは歯を診るのが好き、という印象でした。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2017-11-28 14:24:51
まず、個人的には「マイクロスコープを使う」は、「どこまで使うか?」によって変わってくると思います。

「マイクロスコープを覗きながら治療する」のか「マイクロはチェックだけに使用する」なのか。と言うことです。
(個人的には15分で「覗きながら治療する」のは神業だと思います)


>質問1
>どちらの方が丁寧な治療(削りすぎない)、虫歯の取り残しのない治療を行ってくれるでしょうか?

全くわかりません。
「マイクロスコープを最初から最後まで覗きっぱなしで治療する」僕としては「そんな短時間では治療できない」ですし「時間をかけても拡大視野での治療とは差が出てしまう」と思います。



>質問2
保険診療の虫歯治療では、患者一人に対して治療時間何分以内でないといけない、という明確な決まりはあるのでしょうか?

明確な決まりはありません。

ただ、保険診療は昭和36年に施行されてから「一人でも多くの患者を治しましょう」と言う基本コンセプトは変わっていません。
患者さんの数をこなせばこなすほど診療報酬が多くなるシステムとなっておりますので、医院経営を考えると、おのずと患者さん一人にかけられる時間は決まってきます。
(医院経営はその地域の家賃や人件費などに影響を受けますので、都市部より地方の方が時間的な余裕は出るかと思います)



>質問3
>小さな虫歯の場合、15分ほどで処置できるのは普通のことですか?

15分で終わる場合もあるかもしれません。
それは「削ってみないとわからない」です。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2017-11-28 16:39:57
どちらが良いか?のご質問に対してはどっちもどっちだし、実態はそれだけの情報では推し量ることは出来ないでしょうね。


保険診療の虫歯治療では、患者一人に対して治療時間何分以内でないといけない、という明確な決まりはあるのでしょうか?

保険診療で決められているのは使用できる材料と行った処置に対する診療報酬です。
一般的な表現をすれば「材料費」と「販売価格」が決められているということになるので、他の人件費や設備等の経費と合わせてかけられる時間も必然的に決まって来ると考えて良いかと思いますよ。

最新の設備や人材、立地条件や建築等にお金をかけていれば診療にかける時間は短くなるでしょうし、それらにお金をかけなければ診療にかける時間は長く取れると、ある程度は考えられるでしょうね。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2017-11-28 17:17:28
櫻井先生、ご回答ありがとうございます。


質問2と3については、とても勉強になりました。
ありがとうございました。



質問1についてなのですが。
では「肉眼で治療時間が長い医院」と「マイクロスコープをチェックだけに使うが治療時間が短い医院」とでは大きく差が出ますでしょうか?


>「時間をかけても拡大視野での治療とは差が出てしまう」と思います。

との事ですが、やはりチェックだけでもマイクロスコープを使う方が、肉眼のみの治療と比べて虫歯の取り残しなど大きく変わるものなのでしょうか?


おそらく、保険診療でのマイクロスコープの使用については、「保険診療ではマイクロスコープを使わない、と決めていない」だけであって、必要に応じて使う、もしくは「マイクロはチェックだけに使用する」のだと思います。
必要なければ全く使わないかもしれません。。

しっかり時間をかけてもらえることが「確実」な医院と、肉眼でできる範囲まで治療するが、削ってみて必要になったときにマイクロスコープを「使える環境にある」医院、どちらの方が安心でしょうか?


宜しくお願い致します。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2017-11-28 17:29:27
渡辺先生、ご回答ありがとうございます。


30分や1時間と予約の時間枠はどこも似たり寄ったりな印象だったので、決まりがあるのかなと思っていました。
「当院は何分制です」というような医院は、あくまでその医院による回転率からの独自の設定だったのですね。

非常にわかりやすく納得できました。
ありがとうございました。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2017-11-28 19:13:39
以下、あくまでも個人的な意見です。

>「肉眼で治療時間が長い医院」と「マイクロスコープをチェックだけに使うが治療時間が短い医院」とでは大きく差が出ますでしょうか?

正直な話「必要な時だけマイクロを使う」「マイクロはチェックだけ」ではマイクロ治療の技術は上達しないように感じています。


だとすれば、

>しっかり時間をかけてもらえることが「確実」な医院と、肉眼でできる範囲まで治療するが、削ってみて必要になったときにマイクロスコープを「使える環境にある」医院、どちらの方が安心でしょうか?

個人的には前者でしょうか。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2017-11-28 21:06:57
櫻井先生、再度の質問にもご丁寧に回答いただき、ありがとうございます。


マイクロ治療の技術がないなら「しっかり時間をかけてもらえる医院」がいいのではないかというご意見ですが、逆に言うと、マイクロ治療の技術があるようなら「マイクロスコープをチェックだけに使うが治療時間が短い医院」が有利ということでしょうか??

技術的には、自由診療ではダイレクトボンディングなどを積極的にされていて、日本顕微鏡歯科学会にも名前が挙がっていたので、一定基準以上の技術に期待して見つけた医院でした。


櫻井先生のご回答を見てから気になって、一つ目の医院に先ほど電話で保険診療でのマイクロスコープの使用範囲について質問してみました。

「チェックだけ、などの制限はなく、治療に必要であれば保険診療でもマイクロスコープを覗きながら治療します」

と返答を頂きました。
ただしやはり「保険診療は20分」と決まっているそうなので、素人の私でもその時間で「覗きながら治療」は出来るのかな??と思ってしまいます。


電話だけでは実際どのようにマイクロが使われるのか不明なので、思い切って初診の予約をとろうと思います。
(マイクロ治療の技術があるなら、「マイクロスコープをチェックだけに使うが治療時間が短い医院」の方が有利、という前提での話になりますが)

一度診察をしていただいて、マイクロスコープを有意義に使っていただけないように感じたら、もう一方の医院に行く事を検討しようと思います。
先生のご助言、感謝致します。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2017-11-29 09:28:39
>一度診察をしていただいて、マイクロスコープを有意義に使っていただけないように感じたら、もう一方の医院に行く事を検討しようと思います。

そうですね。
それがよろしいように思います。


>治療に必要であれば保険診療でもマイクロスコープを覗きながら治療します

個人的には「ほとんどすべての治療に必要」と感じています。
(高倍率ルーペで代用する場合もありますが)

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回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2017-11-29 11:16:02
一応保険診療中心の歯科医です。
一応保険でもマイクロスコープ使ってます。
必要とあれば保険自費に関わらず使います。


>「チェックだけ、などの制限はなく、治療に必要であれば保険診療でもマイクロスコープを覗きながら治療します」と返答を頂きました

保険ではマイクロスコープを使わないと決めている歯科医もいると思います。
つまり自費診療しか使わないということですね。

また20分という縛りは保険診療であれば致し方ないと思います。
たとえマイクロスコープを使わなくてもそれだけの時間しか一人当たりの患者さんに割り当てられない状況は大いにあると思います。

1時間に3人8時間働いて24人衛生士さん担当部分を入れても平均的な数の患者さんが来院されていると思います。
一人あたり15分という歯科医院もあると思いますね。

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回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2017-11-29 11:20:54
ふじころさん、こんにちは

ほぼ解決しているようですが、追加で。

研究ではマイクロスコープの使用の有無で、成功率にほとんどん差はありません。
何を使うかよりも誰がするかの方が重要だと思います。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2017-12-04 14:22:49
櫻井先生、ご返信ありがとうございました。
御礼が遅くなってしまい申し訳ありません。


本日初診に行ってきました。
予約時には20分と言われていましたが、たまたま余裕がある時間帯だったのか、1時間近くかけてしっかり診ていただけました。

初めてマイクロスコープで撮った動画をモニターで見せて頂いたのですが、ものすごく分かりやすくて驚きました。


隣接面虫歯を指摘された別の医院では、

「この歯の間がうっすら黒くなっているので、虫歯ができています」

という説明だけだったのですが、今回の医院では動画で視覚的に理解しながら説明を聞けたので、治療のイメージもしやすかったです。

しかも、拡大した映像を見ると、黒っぽくなった部分に亀裂が入っているように見られ、おそらく食いしばりによりヒビが入ったところに虫歯ができてしまったのでは、というお話でした。

毎日神経質なくらい歯磨きをがんばってたのに何故虫歯が?と不安に思っていたので、亀裂が原因だったとわかりすんなり納得できました。
(食いしばりについても、亀裂が入るほどとは思ってなかったですが少し自覚はありました)


肉眼でのチェックだけだと、削ってみて初めて亀裂がある事に気づいて、当初の予定よりも深く削ることになった…という事になったかもしれないので、まずは心の準備ができたことも良かったと思います。

マイクロスコープを覗きながら治療してもらえるのが一番ですが、チェックだけに使うにしても、肉眼よりも多くの情報を得られるのだなと感じました。

新しい質問がございまして、下に投稿しますので、そちらにも返答いただけると大変ありがたいです。




柴田先生、ご回答ありがとうございます。
御礼が遅くなってしまい申し訳ありません。

保険ではマイクロスコープを使わないと決めている歯科医もいると思います。
>つまり自費診療しか使わないということですね。

最初に行った、虫歯を発見してもらった医院がそのようでした。

3人分の(3倍の)料金を払うから、60分みてくださいと言いたいところですが、そういう報酬の取り方はできないのですね。
自由診療だと、3倍では済まず10〜20倍以上の費用がかかってくるので、歯医者さんに限らず患者さんが多い病院に行くといつも思ってしまいます。。



小牧先生、ご回答ありがとうございます。
御礼が遅くなってしまい申し訳ありません。

成功率というのは、虫歯の取り残しや二次カリエスの発生率などでしょうか?
差はないというご意見、参考にさせていただきます。
ありがとうございます。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2017-12-04 15:29:11
今回の質問は保険診療が前提として質問させていただいてたのですが、診察の結果、保険診療か自由診療かで悩むことになりました。

新しい質問にもご返信いただけると嬉しく思います。


上5番と6番の6番側の隣接面から根っこに向かって亀裂が入り虫歯になっているようです。
6番には7番に近い咬合面に子どもの頃治療したアマルガム充填があります。


・自由診療にて、亀裂に沿って虫歯を除去し、できるだけ小さい範囲だけで済むことを優先してダイレクトボンディングで詰める。
(咬合面から削って、ほとんどの隣接面と辺縁隆線を残す)

・もし虫歯が中で広範囲になっている場合は、隣のアマルガム充填も除去して詰め物を一つに繋げる。ダイレクトボンディングでは強度が心配なので、この場合は被せ物になる。

・保険診療だと隣接面・辺縁隆線は削ってしまって銀の詰め物になる。



質問1
自由診療の場合、食いしばりで亀裂が入るような歯に、ダイレクトボンディングで強度は大丈夫でしょうか?

健全な歯で咬み合わせの力を負担できるよう調整してもらえるようですが、欠けてしまった例もやはりあるそうです。
再治療が必要なほど欠ける可能性は何%くらいあると考えられるでしょうか?

(ちなみに、隣の未治療の5番にも小さな欠けがあるようでした。
食いしばりについて相談する時間は今回なかったのですが、マウスピースやその他方法で改善できるよう努力するつもりです)



質問2
ダイレクトボンディングで治療し、もし持ちが良くなく後後インレークラウンになるなら、現段階でインレーかクラウンにしてしまう方がいいでしょうか?

現在ではなく生涯で健康な歯を多く残すことを優先したいです。
もし数年以内に再治療を行うことになっても、すぐ削ってしまうより1度ダイレクトボンディングをする価値はありますか?
それとも、同じ歯を何度も治療することは、歯の寿命を縮めることになるのでしょうか?



質問3
ダイレクトボンディングが適応にならなかった場合、インレーかクラウンで最適な材料は何になりますか?
審美的な色合いは気にしませんが、できれば金属は避けたいです。



質問4
最初に行った方の医院では(亀裂が入っていると分かる前です)、
入り口をごく小さく掘っていき、マイクロスコープを使って内部だけを削っていくという方法も提案されました。

調べてみるとおそらくトンネリング(トンネル法)と言われるものだと思うのですが、亀裂があってもトンネリングは有効ですか?

トンネリングで調べたところ、デメリットとして虫歯の取り残しが挙げられていました。
デメリットが周知されているということは医師も細心の注意を払って治療してくださると思うのですが、それでも取り残す可能性は高い、と考えられますか?
取り残した虫歯が進行してしまう可能性は、一般的にまたは経験として、何%くらいと考えられるでしょうか?



質問5
・小さい範囲で削ってダイレクトボンディング
・トンネリング法でダイレクトボンディング
・インレーまたはクラウン
・保険の治療によるインレーまたはクラウン

この4つの方法で、先生方ならどれを選択されますか?


現時点では、一番切削量が少なそうなトンネリング法にしようかなと思っていますが、適応になるのか、また質問4のような不安も大きいです。

よろしくお願いいたします。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2017-12-04 17:11:00
質問が多いですね…(^_^;)

>質問1
自由診療の場合、食いしばりで亀裂が入るような歯に、ダイレクトボンディングで強度は大丈夫でしょうか?
>再治療が必要なほど欠ける可能性は何%くらいあると考えられるでしょうか?

自費保険にかかわらず、ご自身の「力のコントロール次第」でしょうか。


>(ちなみに、隣の未治療の5番にも小さな欠けがあるようでした。
>食いしばりについて相談する時間は今回なかったのですが、マウスピースやその他方法で改善できるよう努力するつもりです)

食いしばりではなくTCH是正に取り組まれることをお勧めいたします。


>質問2
>ダイレクトボンディングで治療し、もし持ちが良くなく後後インレークラウンになるなら、現段階でインレーかクラウンにしてしまう方がいいでしょうか?
>現在ではなく生涯で健康な歯を多く残すことを優先したいです。

これは考え方次第ですね。

歯の治療は「回数券」です。

「ダイレクトで小さく削って治す」は「1枚づつ使う」イメージでしょうか。
治療が不完全で力のコントロールも不十分だとたとえ1枚づつ使ったとしても、使う回数が多ければ早期に回数券は使い切ってしまう(抜歯になる)でしょう。

「クラウンにする」は「一気に5枚の回数券を使う」です。
全周を削ってクラウンにする事は治療としては高い精度を求めやすいですし、力に対しての抵抗力もレジンに比べ丈夫なので長く使う事は可能かもしれませんが、「最初に払う代償は大きい」と思います。


>もし数年以内に再治療を行うことになっても、すぐ削ってしまうより1度ダイレクトボンディングをする価値はありますか?
>それとも、同じ歯を何度も治療することは、歯の寿命を縮めることになるのでしょうか?

上述した通りです。
ダイレクトにするのであれば「治療回数を減らす」事が重要です(それはご自身の力のコントロール次第です)。


>質問3
>ダイレクトボンディングが適応にならなかった場合、インレーかクラウンで最適な材料は何になりますか?
審美的な色合いは気にしませんが、できれば金属は避けたいです。

個人的には二ケイ酸リチウム系のセラミックスを勧めます。


>質問4
>最初に行った方の医院では(亀裂が入っていると分かる前です)、
>入り口をごく小さく掘っていき、マイクロスコープを使って内部だけを削っていくという方法も提案されました。
>調べてみるとおそらくトンネリング(トンネル法)と言われるものだと思うのですが、亀裂があってもトンネリングは有効ですか?

やってみてですね。
僕も辺縁隆線の亀裂が小さければできるだけトンネリングを考えますが、実際には形成中に辺縁隆線が崩れてしまうことが多いので、ラバーウェッジに治療法を変更することになります。

>デメリットが周知されているということは医師も細心の注意を払って治療してくださると思うのですが、それでも取り残す可能性は高い、と考えられますか?

マイクロを使って形成すれば取り残しの可能性は最小限になると思います。


>取り残した虫歯が進行してしまう可能性は、一般的にまたは経験として、何%くらいと考えられるでしょうか?

取り残しが多ければ進行しますよ。


>質問5
>・小さい範囲で削ってダイレクトボンディング
>・トンネリング法でダイレクトボンディング
>・インレーまたはクラウン
>・保険の治療によるインレーまたはクラウン
>この4つの方法で、先生方ならどれを選択されますか?

僕は小さな虫歯であれば最初からインレーやクラウンにしようとは思いません。
ただ、トンネリングで行けるかどうかは「削ってみて」から考えます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2017-12-06 14:41:50
櫻井先生、ご回答ありがとうございます。
お忙しい中丁寧にご返信いただき、本当に感謝しております。


>>取り残した虫歯が進行してしまう可能性は、一般的にまたは経験として、何%くらいと考えられるでしょうか?
>取り残しが多ければ進行しますよ。

質問の仕方にミスがありました。
トンネリングの成功率としては一般的にまたは経験として、何%くらいですか?という意味でした。申し訳ありません。

「マイクロを使って形成すれば取り残しの可能性は最小限になると思います」とご回答いただきましたが、マイクロと検知液などを使って1時間ほどかけてもらえれば、100%とは言わないまでもそれに近い確率で取り残しは起きないでしょうか?

(もしくは保険の治療で削ったときの虫歯の取り残し無しが100%、と仮定した場合、トンネリングによる取り残しの割合はどのくらいでしょうか?)

何度も質問してしまい申し訳ありません。


また、「ラバーウェッジ」とは、調べてみても明確なことがわからなかったのですが、隣接面を残して辺縁隆線ダイレクトボンディングで形成する方法でしょうか?



食いしばりとTCHは同義語で考えておりました。
詳しく調べて「力のコントロール」ができるように、積極的にトレーニングしていこうと思います!

回数券のお話の例、非常に分かりやすく、参考になりました。
ありがとうございます。
回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2017-12-06 16:59:16
トンネリングの成功率としては一般的にまたは経験として、何%くらいですか?

以下、僕の臨床経験ですが、隣接面カリエスの治療で「ダイレクトで行けるだろう」と思うのは全体の80%くらい。

しかし、実際に削ってみて予想以上に虫歯が大きく「インレークラウンになってしまうケース」は20%くらいはあるように思います。

また「トンネリングで行けるだろう」と思いながら形成して、辺縁隆線が崩れてしまうパターンが70%くらいですので、「ダイレクトでトンネリングで行けるケース」自体が全体の10%以下ではないでしょうか。
(実際はもっと少ないかもしれません)

予後としては5年経過くらいではほぼ100%問題となっていません。

つまり、「トンネリングで行けたケース」は「いければ予後は良いが、行けるケースは極端に少ない」と言う事になるでしょうか。



>マイクロと検知液などを使って1時間ほどかけてもらえれば、100%とは言わないまでもそれに近い確率で取り残しは起きないでしょうか?

個人的にはそう思いますね。

「裸眼」で「短時間」であっても大きめに削れば取り残しは少なくなると思います。


>、「ラバーウェッジ」とは、調べてみても明確なことがわからなかったのですが、隣接面を残して辺縁隆線をダイレクトボンディングで形成する方法でしょうか?

違いますね…。
言葉で説明するのは難しいので(歯科医師向けセミナーのスライドですが)参考にされてみてください。

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回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2017-12-06 23:48:33
判断材料を求めておられるのでしょうが、この辺りのご質問になってくると担当医の先生に直接相談して、その先生の勧める方法を選ぶのが一番だと思いますよ。

ただひとこと、「これが先生の歯だったらどうしますか?」で決めればいいと思います。(信用出来そうな先生なら)

先生の技量、知識、経験値等で良くも悪くも基準は大きく変わりますし、正解はないと思います。



あと悩まれている患者さんでありがちな、無意味(場合によっては逆効果)な基準として、「歯を削る量が少ない=良い治療」というのがあります。

マイクロスコープ等使って細心の注意を払いながらの治療・・という前提ではあるのですが、常に「必要十分」は削るべきだと思います。
トンネル形成には自分はこだわりませんし、ほぼやらないですね。
(綺麗な形で作りやすいというメリットはありますがただそれだけで、デメリットの方が自分の場合は大きく感じるので)



私もファーストチョイスとしてはレジン充填(自分もラバーウェッジテクニック、ではあるのですがこの方法だけにこだわる必要はないかも)ですが、一定の条件をクリア出来ない場合、逆にほぼ全て〜全て被せる方法を勧めることが多いですね。

自分も歯科医師向けセミナーで説明するためにそういうスライドを作ったことがあるのですが、完全にランダムに、メタルインレーの写真ばかりを大量に選択して、その中から@レジン充填でも長持ちするだろうと判断出来る大きさ、A歯軋りかみ合わせ等によってケースバイケース、Bレジン充填NG に自分の基準で分けてみたところ、ほぼ3等分でした。

(自分の中ではインレーの安全な適用範囲はレジンと一致するので、つまり自分だったら他の先生が行うメタルインレーの半分ぐらいはレジン充填で済ませるが、残り半分は逆に全体を被せてしまう、という意味になります)


歯質をなるだけ削らないことが重要なのではなく、その歯が長持ちすることの方が大切ですからね。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2017-12-08 14:56:46
櫻井先生、ご回答ありがとうございます。


先生の臨床経験としてのご回答、大変参考になりました。
担当医の場合とはもちろん違うと思いますが、「予後としてはほぼ100%問題となっていません」との回答に、ものすごく安心しました。

むしろ、トンネリングが適応となるケースは稀である事に驚きました。
(トンネリングが無理になるという想定は全然されてない感じだったので)

今回もし適応にならなかったとしても、予後に過剰な不安をもたないように、先生を信頼したいと思います。


「ラバーウェッジ」についての画像も参考にさせていただきます。ありがとうございました。




渡辺先生、ご回答ありがとうございます。

「これが先生の歯だったらどうしますか?」と聞いてみようと思います。
トンネリングの方だと麻酔を使わない治療である事も大きなメリットだと仰られ、自信がおありのようでした。
費用的に負担が大きいなら、保険でもいいですよ、という感じでした。


>(綺麗な形で作りやすいというメリットはありますがただそれだけで、デメリットの方が自分の場合は大きく感じるので)

デメリットとはどのようなものでしょうか?

最小限に削って、費用をかけてダイレクトボンディングをして頂いても、虫歯の取り残しが起これば結局抜髄抜歯になる可能性が高くなるし、保険でやっておけば良かったと後悔するのでは…というのが一番大きな悩みでした。

そこでトンネリングの取り残しの可能性について、上のように質問させていただいたのですが、それ以外にもデメリットがあるのでしょうか?
自費でもトンネリングは止めて、普通に削って充填してくださいとお願いするべきですか?)


レジン充填が無理な場合は、次の選択肢がインレーではなくクラウンになる理由がよくわかりました。
2件目の担当医の先生もそのようにおっしゃってたのですが、クラウンの治療経験が私自身にない事もありかなり手遅れな虫歯の場合にするものだという印象があったので、納得できました。


ちなみに、万一虫歯の取り残しが起こってしまったら、どのくらいで症状が出るものですか?
ダイレクトボンディングの保証期間は2年だそうですが、2年で激痛などの症状は出るでしょうか?
それとも取り残した量によってはもっと年数をかけて進行していくものですか?
回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2017-12-11 16:51:11
>万一虫歯の取り残しが起こってしまったら、どのくらいで症状が出るものですか?
ダイレクトボンディングの保証期間は2年だそうですが、2年で激痛などの症状は出るでしょうか?
>それとも取り残した量によってはもっと年数をかけて進行していくものですか?

取り残しの量によって変わると思います。

それでも通常、2年で痛みが出るほどにはならないと思いますよ。

取り残しを減らす(無くす)のであれば「大きめに削る」ようになると思います。


マイクロを使う上で最大のメリットは「取り残しが無く、しかも最小限の削り(渡辺先生の書かれた「必要十分の削り」)で済ませることができる」です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2017-12-13 13:23:09
櫻井先生、ご回答ありがとうございます。

もし取り残しが起こってしまっても、2年では症状がでない(取り残しには気付けない)のですね。

マイクロのメリットは「取り残しが無い」であるのに、「トンネリング(マイクロを使用)のデメリットは虫歯の取り残しがおこること」と歯チャンネルの過去の質問などで見ましたので、矛盾しているなと感じ、取り残しについて過敏になっておりました。

参考にさせて頂きます。
ご返事に感謝致します。



渡辺先生
上のご回答の中で述べられていた「トンネリングのデメリット」について、また教えていただけると有難いです。

よろしくお願い致します。
回答 回答11
  • 回答者
回答日時:2017-12-13 16:14:59
図1
トンネル形成での見落とし
通常の形成は切削量が多いが、見落としは少ない


図2
この四角は真っ黒でしょうか?

パソコン、スマホの画面解像度にもよりますが、拡大すると真っ黒ではないことがわかると思います。
これが「マイクロ(拡大装置)のメリットです」


なので、

>矛盾しているなと

「拡大して見える」と言う事と「物の陰になってしまっては拡大しても見えない」と言う事の違いをご理解いただきたいと思います。

画像1画像1 画像2画像2

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2017-12-17 23:59:37
櫻井先生、ご回答ありがとうございます。

なるほど!!!
図で教えていただけて、矛盾について理解ができました。
わざわざ図を用意していただき、感謝申し上げます。


櫻井先生は適応になるのであれば積極的にトンネリングを行うように感じましたが、渡辺先生は「ほぼやらない」というご回答でしたし、この辺りはその医師の「得意・不得意」な治療の違いという事なのかな?と思いました。

「トンネリングでいきましょう」と言ってくださっている担当医に対して、「不安なのでもう少し大きく削る方法でやってください」と希望を言うのは、失礼にあたるのでしょうか…
「物の陰になってしまっては拡大しても見えない」部分は、どういう風にチェックしながら治療を進めるのか、、不安は消えないので、治療前に担当医にもう一度説明を聞きに行ってみようと思います。


こちらで沢山意見を頂きとても勉強になりました。
ありがとうございました。
回答 回答12
  • 回答者
回答日時:2017-12-18 09:49:29
>「トンネリングでいきましょう」と言ってくださっている担当医に対して、「不安なのでもう少し大きく削る方法でやってください」と希望を言うのは、失礼にあたるのでしょうか…

担当の先生のキャラ次第ですね。

「トンネリングは難しい方法と聞きました。
 削っていて無理だという事であれば、多少大きくなっても構いません」

くらいな対応がよろしいのではないでしょうか。




タイトル 肉眼で治療時間が長いORマイクロスコープ使用で治療時間が短い
質問者 ふじころさん
地域 非公開
年齢 29歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療
その他(歯科治療関連)
その他(写真あり)
マイクロスコープ
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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