小さな虫歯(C1)の治療についての歯科医の判断の違い

相談者: ロバートsさん (32歳:男性)
投稿日時:2018-03-12 19:46:10
健診に行く歯科を変えたところ、小さな虫歯を削られてしまったことについて質問します。


以前、年1回ほどの頻度で歯科検診を受けており、奥歯の上側の溝の黒い筋が気になると聞いたところ、日頃のケアもしっかりできているようだし、これはまだ様子見で大丈夫、と言われました。
何年かそのような状態が続きました。

引っ越しををして、3年ほど歯医者に行くことを怠っていたのですが、行くようにしなければと近所の歯科を探して健診をお願いしました。
(もちろん、歯磨きなどは以前と変わらずしていたつもりです。)

歯の全体のレントゲンを撮り、医師はそれと私の口の中をぱぱっと見た感じで、

「小さい虫歯が4つあるね。
いわゆるC1虫歯ってやつなんだけどね。
麻酔もいらなくてすぐ終わるから、今日はまず1本処置しよう。」

と言って、あっというまに黒い筋のあった1本を削ってコンポジットレジンを詰めてしまいました。


私はこれまで歯を削って治療したことがなく、できることなら進行の様子を見ながら継続的にお付き合いできればと思っていたので、また以前通っていた歯科ではもっとじっくり話をしながら診てくれていたので、あっという間に削られてしまったことがショックでした。

こんなにスパッと削る方針を立てるのは、経験豊かな医師ならできるということなのでしょうか。
それとも、この歯科は軽い虫歯でも削る方針ということでしょうか。
一応、ホームページにはMI治療、予防歯科ということは掲げてあったのですが。


今回の虫歯については数年放置していたことで状況が変化したのかもしれないと思いますが、ここは削る方針の歯科で、今後も健診の度にできかけのような虫歯を次々削られるのではないかと心配です。

他の歯科をあたった方がよいのでしょうか。
そうではなくとも、次回(次の虫歯の治療を予約済みです)、前の歯科ではこういう風に言われていて本当に削る必要はあるのか、と聞いてみることは意味があるでしょうか。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2018-03-12 22:34:51
こんにちは。

C1への治療介入時期については歯科医の見解が分れますので、初診や転院されると削って治療されやすいでしょう。

経過観察を経ずC病名がつくからです。

治療介入時期を遅らせてもらいたいというご希望があれば、積極的にお伝えになった方がよいでしょう。


黒変している溝では虫歯が思わぬ進行をしている場合もありますから、削って確認しなければ虫歯の深さがわからないので経過観察をすることにリスクもあるのですが、ご希望があれば定期的に経過を追ってくれるでしょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ロバートsさん
返信日時:2018-03-12 23:28:42
船橋先生

ご回答をありがとうございます。
お返事をいただき大変心強く思います。

やはり、あまり病院をころころ変えるのはよくないですよね…。
もう少し話しをしながら様子をみたいと思います。


素人がインターネットを眺めると、C1は削らない、歯は削ったらおしまい、といった情報が溢れていますが、やはりそういうものでしょうか。

最近そういう考えが広まってきた、といいますが、現在の多くの歯科医はそのような方向性を理解したうえでC1を削るかどうかの判断をしていると考えてよろしいですか。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2018-03-13 07:46:18
ご相談ありがとうございます。

>こんなにスパッと削る方針を立てるのは、経験豊かな医師ならできるということなのでしょうか。

それは特に検査もしなかったのであれば、診断基準は初めから方針が決まっていたか、経験を基準としている歯科医師とも言えます。

つまり、どの患者さんへも同じ方針であったか、経験という誰にも真似できない名人芸という、歯科医師側の都合で決まったということかもしれません。

別の考えでは、患者さんはお一人ずつで違いがあるはずだから、検査してみないと診断できないという歯科医院もあります。



>この歯科は軽い虫歯でも削る方針ということでしょうか。

そう考えると自然かもしれません。


>一応、ホームページにはMI治療、予防歯科ということは掲げてあったのですが。

昔からの言葉に、「羊頭狗肉」があり、お客を呼び寄せる商売の手段があります。


>今回の虫歯については数年放置していたことで状況が変化したのかもしれないと思いますが、

まず検査・診断が必要です。
処置はそのあとの順番です。


>ここは削る方針の歯科で、今後も健診の度にできかけのような虫歯を次々削られるのではないかと心配です。

もう着々とそのレールに乗っているようです。


>他の歯科をあたった方がよいのでしょうか。

歯は削らないですめば一生楽に残せます。
一生の選択はご自身にしかできません。


>そうではなくとも、次回(次の虫歯の治療を予約済みです)、

そこの方針は揺るぎないようです。


>聞いてみることは意味があるでしょうか。

聞いてみても又あっという間に削られるかもしれません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ロバートsさん
返信日時:2018-03-13 19:21:24
さがら先生

ご回答をありがとうございます。
さがら先生は過去のご回答から、極力削らない方針をお持ちの先生とお見受けしていましたので、ご意見を伺いたいと思っていました。


やはり、検査というのはレントゲンや口内を一瞥しただけでは分からない部分もあるということでしょうかね。
今回、この点が最もひっかかっていました。

少し遠くに、「C1は削らない」「対話第一」と書いてある歯科を見つけましたので、セカンドオピニオンを取ってみようかと思います。
結局同じことになるかもしれませんが、今の所では削られることは明白な雰囲気でしたので…。


船橋先生、さがら先生とも、大変参考になるご回答をいただきありがとうございました。
納得のいく治療が受けられるよう努力してみようと思います。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2018-03-14 08:02:09
ご返信ありがとうございます。

>やはり、検査というのはレントゲンや口内を一瞥しただけでは分からない部分もあるということでしょうかね。

その通りです。

人間の体、特に口に関してはとても複雑で精密にできていますし、又お一人ずつで全く違います。
一つや二つの検査で全て分かってしまえば、我々も楽ができます。
ましてや、一瞥しただけでわかれば、黙って座ればピタリと当たる、魔法使いになれた気分です。


例えば、目で見て調べると歯や歯肉の色がわかりますが、歯の中や歯肉の中の歯根の状態や骨・顎は見えません。
それを補うのがレントゲンであり、中身が透過して見えますが、反面、色は見えないし、立体感も分かりません。
両方の検査を合わせればそれぞれの欠点を補って、より総合的・立体的に見えてくることがあります。


実は虫歯の原因は複雑であり、その二つだけではわからないことを調べてさらに重ねることで、病態診断がつき、治療計画や予防方針がたち、将来の予測がだんだん見えてくることになります。

いわば複雑で精密な人間を描いた、巨大なジグソーパズルを想像して見てください。
私たちにとって、初めて診る患者さんはピースが一つもない真っ白い状態です。

ピースが増えれば増えるほど、その人となりが見えてきますよね。
でも一つや二つのピースではあまり分かりませんよね。
歯科医師が勝手な色に染めてもその人にはなりませんよね。


検査とは視覚化できることなのです。
いわばその人のプロファイリングをしておくことなのです。
きっと他の人と全く同じではない真実がよく見えてくるでしょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ロバートsさん
返信日時:2018-03-18 00:42:57
さがら先生

大変丁寧なご説明をありがとうございます。
歯科医の先生方がどのように診てくださっているのか、一端ではあると思いますがよく分かりました。


きのう、最初とは別の歯科へ行ったところ、1本だけ要観察の歯があるがすぐには問題ない、他には見当たらないと言われました。
診ていただく時間も方法もずっと丁寧に感じ、今後はそちらに通うことにしました。

先生のアドバイスがなければ、どこの歯医者も同じともやもやしながら通っていたかもしれません。
助けていただいて本当にありがとうございました。
先生の治療方針や丁寧なご説明が広く知られることを願っています。



タイトル 小さな虫歯(C1)の治療についての歯科医の判断の違い
質問者 ロバートsさん
地域 非公開
年齢 32歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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