インプラント素材と歯肉退縮を防ぐ術式について
相談者:
きどみーこさん (26歳:女性)
投稿日時:2018-04-13 16:39:39
右上二番の神経を抜いて差し歯にした後、歯根破折が起こりインプラントを計画しています。
歯肉退縮の懸念があることを担当医師に伝えるとソケットシールドという術式を勧められました。
新しい技術のようでインターネット上にあまり情報がなく予後が気になります。
担当の先生はデメリットとして感染のおそれがある事を上げておられました。
感染が起きた場合再度インプラントを埋入するのは非常に難しい事なのでしょうか?
また歯肉退縮を防ぐ方法は他にないのでしょうか?
先生方にソケットシールドの有効性についてご意見が伺えれば幸いです。
併せてお聞きしたいのですが、ジルコニア製のインプラント体も歯肉退縮が起きた際に審美的に違和感が出づらいという情報を目にしました。
しかし担当医師は、取り扱いがあるにも関わらずあまり勧めないとのことでした。
理由を伺いましたが明確な回答はありませんでした。
先生方はインプラント体の素材はジルコニアよりチタンを患者さんに推奨しますか?
お忙しいところ恐縮ですが、一つでもアドバイスがこざいましたらよろしくお願い致します。
歯肉退縮の懸念があることを担当医師に伝えるとソケットシールドという術式を勧められました。
新しい技術のようでインターネット上にあまり情報がなく予後が気になります。
担当の先生はデメリットとして感染のおそれがある事を上げておられました。
感染が起きた場合再度インプラントを埋入するのは非常に難しい事なのでしょうか?
また歯肉退縮を防ぐ方法は他にないのでしょうか?
先生方にソケットシールドの有効性についてご意見が伺えれば幸いです。
併せてお聞きしたいのですが、ジルコニア製のインプラント体も歯肉退縮が起きた際に審美的に違和感が出づらいという情報を目にしました。
しかし担当医師は、取り扱いがあるにも関わらずあまり勧めないとのことでした。
理由を伺いましたが明確な回答はありませんでした。
先生方はインプラント体の素材はジルコニアよりチタンを患者さんに推奨しますか?
お忙しいところ恐縮ですが、一つでもアドバイスがこざいましたらよろしくお願い致します。
回答1
松元教貢歯科医院(大田区山王)の松元です。
回答日時:2018-04-16 11:16:25
最近広まりつつある治療術式のご質問だ、と思われます。
残念ですが、ここで聴かれても明確な答えを書ける方はおられない、と思います。
10年位の時間が経てば、症例が沢山集まって、評価が定まるでしょう。
それまでは、施術されるDRの考え方次第、と言うのが現実です。
書かれているように、利点と欠点の報告も聴いています。
利点聴けば良いのかな、と思いますが、欠点、トラブルの起きた症例報告見せられると、こりゃ大変だ、とも思います。
いつものことですが、患者さんは医療に100%を求められますが、それは実現不可能なんです。
どんなに頑張っても、100%はないんです。
そして、どの患者さんでトラブルが起こるのかは、DRにも分かりません。
神様にしか分からない、と言えるでしょう。
ソケットシールドに関しては、流行と言う感じもしますので、今後どうなるのか業界でも見続けている、と言うのが正確だと思います。
それで、良いデータ5年経過とかで成功率95%以上、とかなら定着するのではないでしょうか。
ここで断って置きたいのは、100%ではない、と言うことです。
5%以下、もっと下がるかも知れませんが、トラブルは起こることがある、と言うことです。
もっと言うなら、インプラント治療自体現在でも97%以上の生着率、歯科治療すらどれ位なの?と言うことです。
話題が違ってしまうんですが、保険治療で行われる根管治療は40%以上がやり直しになってると言う事実、被せモノ、ブリッジも10年以上も経てばかなりの確率でやり直しになる、支えの歯が駄目になって行くと言う事実を知って、冷静に比較検討されると良いと思います。
でも、よくよく考えて下さい。
世の中、何ごとも100%はないですよね。
色々わき道に逸れましたが、最終判断はそのDRを信じ切れるか、治療方法の好みとして自分は受け容れられるのか、だと思います。
ジルコニアインプラントに関しても、データが揃ってませんから、明言出来る方はいないと思います。
余程金属アレルギーとかで心配で、チタン使って欲しくない、と言う患者さんのご要望で使う、と言うモノなのでは、と思います。
最後に、審美的部位へのインプラント治療は、非常に難易度が高く、配慮しなければならないこと、それに応じてしなければならない処置、が色々と沢山ありますので、DR選択は慎重に為されることを強くお勧めします。
症例の正確な診断、それに対して如何に処置をするのか、がDRごとで全く違い、手術術式、侵襲性の程度の差、治癒期間の差、予後の安定性に相当の差が出ますので。
2番側切歯とのことですから、歯根が小さくて、症例としては難しい可能性が高いのでは、と思われます。
トラブルが起きてしまったら、リカバリーはどんな症例でもさらに難しくなります。
歯肉退縮を防ぐ方法は、現時点では骨と歯茎を良い条件に整えること、としか分かっていません。
その一つのアイディアとして、ご質問のソケットシールドがある、と言うことです。
審美部位へのインプラントの長期予後報告に関しては、10年以上の報告はまだまだ本当に少なく、ようやく出始めている、と言うのが現実です。
その裏にどれだけのトラブルが起きていて、どうリカバリーされて、それが落ち着いているのか、に関しての報告も、完全に揃っているとは言い難い状況、なんです。
昔これが良いと信じられていたことが、長い時間の中で疑問視され、改善改良が続いている、と言うことです。
長くなってしまいましたが、本当の所はこうだろうと言うことを、個人的責任で述べさせていただきました。
残念ですが、ここで聴かれても明確な答えを書ける方はおられない、と思います。
10年位の時間が経てば、症例が沢山集まって、評価が定まるでしょう。
それまでは、施術されるDRの考え方次第、と言うのが現実です。
書かれているように、利点と欠点の報告も聴いています。
利点聴けば良いのかな、と思いますが、欠点、トラブルの起きた症例報告見せられると、こりゃ大変だ、とも思います。
いつものことですが、患者さんは医療に100%を求められますが、それは実現不可能なんです。
どんなに頑張っても、100%はないんです。
そして、どの患者さんでトラブルが起こるのかは、DRにも分かりません。
神様にしか分からない、と言えるでしょう。
ソケットシールドに関しては、流行と言う感じもしますので、今後どうなるのか業界でも見続けている、と言うのが正確だと思います。
それで、良いデータ5年経過とかで成功率95%以上、とかなら定着するのではないでしょうか。
ここで断って置きたいのは、100%ではない、と言うことです。
5%以下、もっと下がるかも知れませんが、トラブルは起こることがある、と言うことです。
もっと言うなら、インプラント治療自体現在でも97%以上の生着率、歯科治療すらどれ位なの?と言うことです。
話題が違ってしまうんですが、保険治療で行われる根管治療は40%以上がやり直しになってると言う事実、被せモノ、ブリッジも10年以上も経てばかなりの確率でやり直しになる、支えの歯が駄目になって行くと言う事実を知って、冷静に比較検討されると良いと思います。
でも、よくよく考えて下さい。
世の中、何ごとも100%はないですよね。
色々わき道に逸れましたが、最終判断はそのDRを信じ切れるか、治療方法の好みとして自分は受け容れられるのか、だと思います。
ジルコニアインプラントに関しても、データが揃ってませんから、明言出来る方はいないと思います。
余程金属アレルギーとかで心配で、チタン使って欲しくない、と言う患者さんのご要望で使う、と言うモノなのでは、と思います。
最後に、審美的部位へのインプラント治療は、非常に難易度が高く、配慮しなければならないこと、それに応じてしなければならない処置、が色々と沢山ありますので、DR選択は慎重に為されることを強くお勧めします。
症例の正確な診断、それに対して如何に処置をするのか、がDRごとで全く違い、手術術式、侵襲性の程度の差、治癒期間の差、予後の安定性に相当の差が出ますので。
2番側切歯とのことですから、歯根が小さくて、症例としては難しい可能性が高いのでは、と思われます。
トラブルが起きてしまったら、リカバリーはどんな症例でもさらに難しくなります。
歯肉退縮を防ぐ方法は、現時点では骨と歯茎を良い条件に整えること、としか分かっていません。
その一つのアイディアとして、ご質問のソケットシールドがある、と言うことです。
審美部位へのインプラントの長期予後報告に関しては、10年以上の報告はまだまだ本当に少なく、ようやく出始めている、と言うのが現実です。
その裏にどれだけのトラブルが起きていて、どうリカバリーされて、それが落ち着いているのか、に関しての報告も、完全に揃っているとは言い難い状況、なんです。
昔これが良いと信じられていたことが、長い時間の中で疑問視され、改善改良が続いている、と言うことです。
長くなってしまいましたが、本当の所はこうだろうと言うことを、個人的責任で述べさせていただきました。
相談者からの返信
相談者:
きどみーこさん
返信日時:2018-04-16 11:40:59
非常に納得出来る有意義なアドバイスを頂き感謝いたします。
選択肢が大変多い中で迷いが生じていましたが、100%は無いという事を肝に命じることも必要だと感じました。
リスクがある事を理解した上で医師との信頼関係が大事になってきますね。
やり直しが難しい治療にはなるでしょうから担当医師に対しての要求を断捨離して良い結果を導き出せればとおもいます。
お忙しいところご回答を頂き、松元教貢先生に重ねて御礼申し上げます。
多くの歯科医師の先生方のご意見を伺う機会はこの場の他に思い当たりませんので、大変恐縮ですが引き続きアドバイスをして頂ける先生をお待ちしております。
もしソケットシールドを手がけておられる先生、ジルコニアインプラントを取り扱っておられる先生がいらっしゃいましたらコメントをいただけると幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
選択肢が大変多い中で迷いが生じていましたが、100%は無いという事を肝に命じることも必要だと感じました。
リスクがある事を理解した上で医師との信頼関係が大事になってきますね。
やり直しが難しい治療にはなるでしょうから担当医師に対しての要求を断捨離して良い結果を導き出せればとおもいます。
お忙しいところご回答を頂き、松元教貢先生に重ねて御礼申し上げます。
多くの歯科医師の先生方のご意見を伺う機会はこの場の他に思い当たりませんので、大変恐縮ですが引き続きアドバイスをして頂ける先生をお待ちしております。
もしソケットシールドを手がけておられる先生、ジルコニアインプラントを取り扱っておられる先生がいらっしゃいましたらコメントをいただけると幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
回答2
回答日時:2018-04-24 14:17:03
ひとつひとつのご質問に対しては、松元先生が漏れなく正確にお答えくださっていると思います。
個人的には、その先生のご経験や知識の中でしか予後は予測出来ないと思うので、心配であれば過去の類似の症例の写真を見せて頂くとか(この場合、前歯にインプラントを埋入して、出来るだけ長期間経ったものとの比較が見たいですね。
それと出来れば同じ女性で、歯肉の薄そうな症例が理想です)、先生自身の歯だったらこの場合どうするか?とか、そういう相談の仕方をしてはいかがでしょうか?
因みにもし自分であれば極力シンプルに、一般的な方法を優先はすると思います。
個人的には、その先生のご経験や知識の中でしか予後は予測出来ないと思うので、心配であれば過去の類似の症例の写真を見せて頂くとか(この場合、前歯にインプラントを埋入して、出来るだけ長期間経ったものとの比較が見たいですね。
それと出来れば同じ女性で、歯肉の薄そうな症例が理想です)、先生自身の歯だったらこの場合どうするか?とか、そういう相談の仕方をしてはいかがでしょうか?
因みにもし自分であれば極力シンプルに、一般的な方法を優先はすると思います。
相談者からの返信
相談者:
きどみーこさん
返信日時:2018-04-28 16:03:55
渡辺徹也先生 ご回答いただきありがとうございます。
自分が不安に思っている理由が漠然としていたのですが、先生のご回答を読ませて頂き一つ判明いたしました。
担当医師の手がけた症例でソケットシールドが少ない(二回ご経験があるとの事でしたが、目でみて確認できる写真等のデータが提示されていない)点が不安だったのだと思います。
担当医師としても最善の提案をして頂いたのだとは思っていますが。
新しい方法を用いて施術して頂いたら良い結果が伴うはずだと手放しで期待していたのですが、もう少し冷静になってみます。
やはり私の歯に近い状態の患者さんを施術なさった経験が多いほど安心出来るにはちがいないので、セカンドオピニオンも視野に入れて考えたいと思います。
渡辺先生にはお忙しいところご回答いただき重ねて御礼申し上げます。
自分が不安に思っている理由が漠然としていたのですが、先生のご回答を読ませて頂き一つ判明いたしました。
担当医師の手がけた症例でソケットシールドが少ない(二回ご経験があるとの事でしたが、目でみて確認できる写真等のデータが提示されていない)点が不安だったのだと思います。
担当医師としても最善の提案をして頂いたのだとは思っていますが。
新しい方法を用いて施術して頂いたら良い結果が伴うはずだと手放しで期待していたのですが、もう少し冷静になってみます。
やはり私の歯に近い状態の患者さんを施術なさった経験が多いほど安心出来るにはちがいないので、セカンドオピニオンも視野に入れて考えたいと思います。
渡辺先生にはお忙しいところご回答いただき重ねて御礼申し上げます。
タイトル | インプラント素材と歯肉退縮を防ぐ術式について |
---|---|
質問者 | きどみーこさん |
地域 | 神奈川 |
年齢 | 26歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 会社員(事務系) |
カテゴリ |
インプラント治療法 インプラントその他 インプラント関連 材料・機材関連 歯茎が下がった(歯肉退縮) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。