歯根治療中に歯が全体的に移動するような痛みがあった場合

相談者: 歯科医難民さん (45歳:女性)
投稿日時:2018-05-09 21:11:18
こんにちは。
できるだけまとめたつもりですが長くなり申し訳ありません。
何か思い当たる点やアドバイスがございましたらご教授いただけますようよろしくお願いいたします。


[概要]
歯根治療中に歯が全体的に少し移動するようなケースはありますか。
その場合原因には何が考えられますでしょうか。
またこのような症状があった場合に治療方針で注意すべきことはありますか。


[詳細1]
上下とも14本あるうち上左7と上右6の歯根治療中です。
左7は歯冠がほぼなく一部が左6に接触しています。
頬側にフィステルができ、根が腐ってしまっていた歯です。

右6は歯冠が破損し右7と舌側に斜めに半分以上残っており右5との間には空間があります。


2本の歯の治療を同時に行うトラブル等で時間がかかっており、治療開始から4か月かかっています。

先日左7と左6の間(舌側)に堅いものが当たってしまい、それ以来左7の当たった部分とその対角線上がかなり痛むようになりました。
また封をしてもらっても薬が漏れて膿のようなものも出ている味が時々しました。


1週間して左7のあたりでミシミシピキピキという音が聞こえるようになり、2日程すると左7が左6をぐいぐい押してくるような痛みがありました。

しばらくすると左6のあたりでミシっという感覚があり、さらに2日後には前歯が右側に押される感覚があり、最終的に右6が右7を押し右7が右上の顎の骨の端をぐいぐい押している感じとミシミシ音がありました。

一晩右6と左7が押し合っているような感じがあってその後押し合うような痛みが少しずつひいていき、右の顎端の痛みは強く残りました。
その後右に押していく感覚より弱い痛みで3日程かけて少し左に戻るような痛みがありました。


一連の間にそれぞれの箇所に痛みが出てからは
・左7単独の痛み
・左7の歯の根元が歯と喉の間をほじくっているような痛み
・左7と左6が押し合う痛み
・右6と右7が押し合う痛み
・右顎端の痛み
・ヒビ経過観察中の右2と神経なし右3のあたりの軽い痛みが強さは強弱しながらありました。


17時前後と23時前後に痛みが強くなる傾向がありました。
脂汗が出る痛みが出るようになってからは痛み止めを飲んでやりすごしました。
歯の痛みとともに近い場所で頭痛もありました。

また元々右6が高めで右7はかなり低くてかなり口をゆがめて意識しないと噛めなかったのですが、右顎に痛みが発生してからは右7のほうが高くがっちり噛んでいる感覚がありました。



[詳細2](休み明けの診療内容等)
GW明けに左7を確認してもらうと中が少し欠けているということでそこを平らにし、左6に接触していた左7の残存歯冠も削るという診断でした。

その処置から1日たってまた右6と右7が押し合う痛みがかなり強くなった後、右顎端の痛みがかなり軽くなりました。
今は頭痛と左7単独の痛みは強いですが押し合うような痛みはほぼ感じないです。
右7も痛む前よりは高い気がしますが普通にしているとほぼ当たりません。


左7に堅いものが当たってから左側でミシミシ音がするまでは1週間、ミシミシ音がし始めてから右顎が押されるまで更に1週間、そこから現在まで半週間という時間経過です。

掛り付け医が長期休み中だったので痛みに我慢できず休日診療の医院などで見てもらったのですが、1人の医師は顎関節症が出てきているのかもしれないとおっしゃいました。

確かに右側は治療開始後噛むと痛みの出る右6を少し低くしてからからカクカクいうようになっていました。
もう1人の医師は歯がそんな風に動くわけがないから気のせいとオブラートに包んでおっしゃいました。
こちらのドクターは補綴の専門家です。

どちらもレントゲンでは破折しておらず悪さをしているようにも見えないから左を今すぐ抜歯する必要はないとの診断で安心しましたが、痛みや原因については解決しませんでした。



[その他気になる症状]

・神経をとっている右6がたたくと痛む
・口を開けたと6番の側あたりの頬に針で刺したような痛みが走ることがある(左右とも)
・嚥下するとき喉の左側に痛みが走ることがある
・左側の耳に少し違和感がある(痛くはないが鼓膜が少しだけ破れた時に似ている)
・(前述あり)顎を動かすとカクカクいう。特に右


[質問]
・歯の隙間ができている時期が長いとこのような歯の移動が起こったりするのでしょうか。

・左の歯が起点になっている場合どのような原因が考えられるのでしょう。
2回歯冠が破断した歯でもろくなっている可能性があるため、根幹破折していないかは専門医に診ていただこうと思い、かかり付け医にも了解を貰っています。

・このような移動が起こる可能性がある場合、詰め物をしてから移動が起こり歯根が割れてしまったり、詰め物がはまらなくなってしまったりはしないのでしょうか。
左を詰めて安定してから右を詰めたほうがいいとか、まずは仮歯で様子を見て安定してからしっかりかぶせたほうがいいなどありましたら教えてください。

・かかりつけ医は歯根治療をすれば顎関節症も治ってくるとの診断ですが、休日診療をしてくださった医師は並行して専門家に見せたほうがいいとの診断でした。


こちらについてもご意見をお聞かせください。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2018-05-10 08:16:19
ご相談ありがとうございます。

歯根治療中に歯が全体的に少し移動するようなケースはありますか。

ありえます。

根の治療している歯だけを大事にするのか、それともその歯も全体をも大事にするのか、によって違いが出るからです。


>その場合原因には何が考えられますでしょうか。

噛み合わせ咬合)の異常です。


>またこのような症状があった場合に治療方針で注意すべきことはありますか。

あります。
いきなり治療方針を選ぶ前に、現状をよく検査して、そのデータの記録により診断する段取りが適切です。


>・歯の隙間ができている時期が長いとこのような歯の移動が起こったりするのでしょうか。

ありえます。

もしかすると他の歯も治療をくり返したり、隙間などの咬合を適切にする治療を省いたり、すぐ仮歯を作らずに簡単な蓋をしたりしなかったり、イタズラに長引かせたりしたことがあれば、そういう総合的な関連もあり得ます。


>・左の歯が起点になっている場合どのような原因が考えられるのでしょう。

その歯の大事な咬合の役目を失っている可能性がありえます。


>・このような移動が起こる可能性がある場合、詰め物をしてから移動が起こり歯根が割れてしまったり、詰め物がはまらなくなってしまったりはしないのでしょうか。

とりわけ大きな要因となりえます。
これは日本補綴歯科学会の定説です。


>左を詰めて安定してから右を詰めたほうがいいとか、

過去もこれからも、部分的なことをくりかえすことは悪化を意味します。


>まずは仮歯で様子を見て安定してからしっかりかぶせたほうがいいなどありましたら教えてください。

それはいい考えです。

ただし、様子見とは偶然や幸運を期待して放置する今は楽をしたい場合と、検査診断して根本的な治療したその後に治ることを確認するという本当の様子見もあります。
前者は悪化することが少なくありません。


>・かかりつけ医は歯根治療をすれば顎関節症も治ってくるとの診断ですが、

そういう理論はありえません。
きっと大事な話を聞き漏らしています。


>休日診療をしてくださった医師は並行して専門家に見せたほうがいいとの診断でした。

それもありえます。

回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2018-05-10 10:02:06
こんにちは。

不調が続く原因が長期に渡る根管治療であるならば、保険医での治療を断念し自費専門の歯内療法の専門家に短期間でしっかり確実に治療をしてもらう方向に舵を切られてはいかがでしょうか?

費用は全く違ってきますが(1根管数万円でしょう)いたずらに治療が長引き様々な不調を併発されるよりは得策かと思います。

人生のどこで何に費用をかけるのか?についてはご自身が決定することができるので、長引く治療が不調の原因だと察しておられるならば投資を検討されてもよいのではないかと思います。


40代は様々な不調に見舞われ始める時期でしょう。
お口のバランス全体を修正してもらう事に価値を実感され始める時期にもなっているのかもしれませんが、診察したり検査を伴わなければ確かな事は言えません。

専門家は色々な分野でいますが、まずは根管治療をできるだけ早期に成功させてもらえる可能性が高い歯内療法の専門家できちんとした治療を受けられ歯並び噛み合わせという事も、その後見てみらう必要があるお口の中なのではないかなと想像します。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2018-05-10 18:09:42
噛み合わせ位置が、その時々で微妙に変化する方はいらっしゃいます。
体調の具合によって変化するようですから、その都度、噛み合わせ調整することは避けられた方が宜しいように思います。

また、根管治療中などで、噛み合わせの歯との間や隣りの歯との間にスペースがあれば、歯は移動します。
仮歯を有効に利用されたり、なるべく早めに根管治療を終了するなどされたら良いと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 歯科医難民さん
返信日時:2018-05-10 22:30:57
先生方
お忙しい中読みにくい長文にもかかわらずお返事ありがとうございます。

初めてのことで連投出来るかわからないので、1通の返信で失礼いたします。
以下、各ご回答への返信と質問になります。
ご確認いただけますと幸いです。


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さがら先生

まずはあり得る動きと痛みとのご意見で自分がおかしくなったわけではないと安心しました。

各学会などでかなり著名な先生にそんな動きをするわけがないと言われ動揺していました。
その先生も在籍していらっしゃる日本補綴歯科学会の定説ということですので、私の説明や態度に問題があったのだと思います。


今のかかりつけ医はは2本の同時治療に至った原因の医師ではありません。
こういうイレギュラーは絶対駄目と言いながら治療を進めてくださいました。
ただ治療終了毎に仮歯を作るのではなく平らに蓋をする治療でした。


>>・かかりつけ医は歯根治療をすれば顎関節症も治ってくるとの診断ですが、>そういう理論はありえません。
>きっと大事な話を聞き漏らしています。

正確には「イレギュラーな状態を戻していっている最中なのだから色々起こるけどちゃんと治るから」という言い方で具体的な内容ではなかったです。
きちんと今後の計画を確認したほうがいいのだとは思いますが、医師もお忙しい中でどのように伺えばいいのか分からなくなります。

次回予約を取る時に今後の進め方について時間をとっていただけないか相談してみます。



>>左を詰めて安定してから右を詰めたほうがいいとか、過去もこれからも、部分的なことをくりかえすことは悪化を意味します。
>
>>まずは仮歯で様子を見て安定してからしっかりかぶせたほうがいいなどありましたら教えてください。
>
>それはいい考えです。
>ただし、様子見とは偶然や幸運を期待して放置する今は楽をしたい場合と、検査診断して根本的な治療したその後に治ることを確認するという本当の様子見もあります。
>前者は悪化することが少なくありません。

申し訳ありません。
ここが少しわからなかったのですが、前後と合わせると、咬合の専門医に詳細を診察していただいたうえでご意見を聞き、治療方針を立て咬合の改善の後に根管治療を進めたほうがよいということでしょうか。

もしよろしければ噛み砕いて教えていただけますと幸いです。



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船橋先生

>まずは根管治療をできるだけ早期に成功させてもらえる可能性が高い歯内療法の専門家できちんとした治療を受けられ歯並び噛み合わせという事もその後見てみらう必要がある

率直なご意見ありがとうございます。
専門医の先生に診ていただくことも検討いたします。

実際もうずっとHPなど色々見ていますがどの医師にお願いするのがいいのかわからなくなっています。


根管治療に特化した医師(根管治療だけを行っている医師)より根管治療と咬合のどちらも見ている医師のほうがよろしいでしょうか。
もしよろしければご意見をお聞かせください。

また「歯内療法の専門家」のような今回の状況に適した医師を見つけるためのキーワードが他にもありましたら是非ご教授ください。



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藤森先生

>噛み合わせ調整することは避けられた方が宜しいように思います。
>根管治療中などで、噛み合わせの歯との間や隣りの歯との間にスペースがあれば、歯は移動します。
>仮歯を有効に利用されたり、なるべく早めに根管治療を終了するなどされたら良いと思います。

ご意見ありがとうございます。
勉強になります。

右の治療をし根充→左の治療、根が細く複雑で時間がかかる→右が炎症し見てもらえず転院という経緯があり時間がかかっておりましたが、まずは専門医を探すにも治療方針が決まるにも時間がかかると思いますので、かかりつけ医に仮歯についての相談をしたいと思います。



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先生方、お忙しい中本当にありがとうございました。
出来ましたら上記内容についてもう少しご教授ください。
よろしくお願いいたします。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2018-05-11 08:08:53
ご返信ありがとうございます。

咬合の専門医に詳細を診察していただいたうえでご意見を聞き、
治療方針を立て咬合の改善の後に根管治療を進めたほうがよいということでしょうか。

人間の体とは複雑に絡み合って健康を維持しています。
部分的な切り貼りではうまくいかないと言うことです。


まず診察があり、現状分析のために検査し、その結果を見て総合的に病態診断し、治療計画や再発予防計画を立てるプロセスが重要です。

つまり、全体を見えるマップを作り、治癒というゴールへの道を描き、まるであみだくじのような岐路を迷わず辿るように、治療計画を立てることです。

診察・検査・診断とは見えないことをお互いに見えるようにする、見える化、とか、視覚化、と言われている唯一の科学的なプロセスです。


例えば足元も行く末も見えない暗いジャングルを一人で歩けば、後ろからも樹上からも狙われて手足どころか命さえも無くすかもしれません。
歯科医院とは、希望の光を灯し、暗黒の迷路をも迷わず道案内できる健康ガイドの専門家とも言えます。
命を託すなら、プロにするのか、手近で手っ取り早く・簡単で・楽して・安い、素人にするのか、です。

さらに歯の治療には、良くなることだけではなく、必ずリスクと欠点が伴いますから、これ以上悪化しない用心を同時に盛り込まなければなりません。

これが本当の予防医療です。
予防を歯磨きだと思っているととんでもない間違いです。
そんな簡単に考えると人体や社会は複雑なので、突然落とし穴にはまって後悔の連続となるからです。


したがって、右や左をバラバラに治療したり、根管治療だけを先にして咬合を後回しにしたり、では木を見て森を見ずとなることは自明の理だということです。




タイトル 歯根治療中に歯が全体的に移動するような痛みがあった場合
質問者 歯科医難民さん
地域 非公開
年齢 45歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療その他
噛み合わせに関するトラブル
顎関節症
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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