根管治療の再治療をするかどうかの判断
相談者:
歯無しのごんべさん (33歳:男性)
投稿日時:2018-05-08 00:19:23
こんにちは。
小さいころから歯のケアを怠っており、神経の無い歯が何本もあります。
抜歯の可能性まで示唆されたこともあります(結局、そのときは抜かずにすみました)。
全て保険での治療です。
これまでの反省から歯の寿命を考えて、歯のケアをしっかりすることは当然のこと、今後治療の必要があれば自費を中心としたもの(ラバーダム、マイクロスコープなどを使用した精密根管治療、ファイバーコア、セラミックなど)と考えています。
そんな中、根管治療済の左上1番2番、右上2番3番について以前より血が出たりしみて痛いなどの不快症状があったため、自費で口腔内全体の精密検査(CT、拡大レントゲン、噛み合わせ等)を受けたところ、右下6番、左下6番の神経の無い歯も被せものの不適合を指摘されました。
その際、
「どれも根管再治療が絶対に必要な状態というわけではないが、1つの歯を最初から最後まで責任を持って治療を行いたいので、被せものをやり直すなら同時に根管再治療をお薦めしたい。
ただ、決めていただくのは患者さんなので、無理強いはしない。」
とのアドバイスを受けました。
保険診療(金属コアなど)に不安を感じていたことから精密根管治療もセットでお願いし、現在、左上1番の歯を根管再治療(精密治療)中です。
しかし今更、根管再治療のデメリット、難しさ(根管が複雑化する、歯が薄くなるなど)についてネットで見る機会があり、またぞろ不安になって、他の歯は被せものを変えるだけにするべきか悩んでいるところです。
前置きが長くなりましてすみません。
精密根管治療を行っている先生にお聞きしたいのですが、他院での保険での根管治療後の歯の根っこについて特に大きな問題を抱えている状態でなくても、被せものをやり直すことを機会に、歯の寿命を考えて精密な根管再治療をお薦めすることはありますか。
あるいはお薦めしないといったことはありますか。
ケースバイケースだと言われてしまうかもしれませんが…。
素人考えでは、薬の充填をきちんとやり直せる、土台の金属を取り除ける、といったところでしょうか。
なお、炎症も若干見られるとのことでしたが、根管治療を行った歯は必ず多かれ少なかれ炎症を起こしているとも説明を受けました。
まとまりがない文章で申し訳ありませんが、アドバイスをいただけると助かります。よろしくお願いします。
小さいころから歯のケアを怠っており、神経の無い歯が何本もあります。
抜歯の可能性まで示唆されたこともあります(結局、そのときは抜かずにすみました)。
全て保険での治療です。
これまでの反省から歯の寿命を考えて、歯のケアをしっかりすることは当然のこと、今後治療の必要があれば自費を中心としたもの(ラバーダム、マイクロスコープなどを使用した精密根管治療、ファイバーコア、セラミックなど)と考えています。
そんな中、根管治療済の左上1番2番、右上2番3番について以前より血が出たりしみて痛いなどの不快症状があったため、自費で口腔内全体の精密検査(CT、拡大レントゲン、噛み合わせ等)を受けたところ、右下6番、左下6番の神経の無い歯も被せものの不適合を指摘されました。
その際、
「どれも根管再治療が絶対に必要な状態というわけではないが、1つの歯を最初から最後まで責任を持って治療を行いたいので、被せものをやり直すなら同時に根管再治療をお薦めしたい。
ただ、決めていただくのは患者さんなので、無理強いはしない。」
とのアドバイスを受けました。
保険診療(金属コアなど)に不安を感じていたことから精密根管治療もセットでお願いし、現在、左上1番の歯を根管再治療(精密治療)中です。
しかし今更、根管再治療のデメリット、難しさ(根管が複雑化する、歯が薄くなるなど)についてネットで見る機会があり、またぞろ不安になって、他の歯は被せものを変えるだけにするべきか悩んでいるところです。
前置きが長くなりましてすみません。
精密根管治療を行っている先生にお聞きしたいのですが、他院での保険での根管治療後の歯の根っこについて特に大きな問題を抱えている状態でなくても、被せものをやり直すことを機会に、歯の寿命を考えて精密な根管再治療をお薦めすることはありますか。
あるいはお薦めしないといったことはありますか。
ケースバイケースだと言われてしまうかもしれませんが…。
素人考えでは、薬の充填をきちんとやり直せる、土台の金属を取り除ける、といったところでしょうか。
なお、炎症も若干見られるとのことでしたが、根管治療を行った歯は必ず多かれ少なかれ炎症を起こしているとも説明を受けました。
まとまりがない文章で申し訳ありませんが、アドバイスをいただけると助かります。よろしくお願いします。
回答1
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2018-05-08 11:53:23
そうですね…
ホントに「ケースバイケース」です。
僕の場合はCT撮影を行ったうえで「透過像の大きさはどうか?」「何年前の治療か?」「その後の経過はどうか?」「コア除去の難易度はどうか?」「根充材の入り具合はどうか?」など、患者さんと相談しながら決めます。
相談の結果、根管には手を付けず、クラウンのやり直しだけをしても全く問題なく経過していることも多々ありますが、5年くらいたってから透過像が大きくなっていたことも数ケースですが経験しています。
ホントに「ケースバイケース」です。
僕の場合はCT撮影を行ったうえで「透過像の大きさはどうか?」「何年前の治療か?」「その後の経過はどうか?」「コア除去の難易度はどうか?」「根充材の入り具合はどうか?」など、患者さんと相談しながら決めます。
相談の結果、根管には手を付けず、クラウンのやり直しだけをしても全く問題なく経過していることも多々ありますが、5年くらいたってから透過像が大きくなっていたことも数ケースですが経験しています。
回答2
顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2018-05-08 13:33:55
櫻井先生の回答に付け加えるとすれば、外せそうなメタルコアやレジンコアを外して顕微鏡下で根管充填の状態を確認する方法です。
いくらレントゲンできちんと充填されているような状態でも、イスムスやフィンの部分の清掃がちゃんとなされていないことはありえると思います。
また根管充填材の周囲が汚染されていることも結構あると思います。
いくらレントゲンできちんと充填されているような状態でも、イスムスやフィンの部分の清掃がちゃんとなされていないことはありえると思います。
また根管充填材の周囲が汚染されていることも結構あると思います。
回答3
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2018-05-08 13:43:29
回答4
はただデンタルクリニック(渋谷区本町)の畑田です。
回答日時:2018-05-08 15:00:25
歯無しのごんべさん、こんにちは
私も櫻井先生が回答しているようにケースバイケースだと思いますが。
結局、究極の課題は「問題があっても一生特に問題なく使い続けることができれば良し」ということだと思います。
すなわち、エックス線的に根尖に透過像があっても問題がなければ一生治療の必要はないこともありますし
数年でいろいろと症状が出てきてしまう場合もあります。
ただ、その予測というのはつきません。
もちろん、治療を行うことによるリスクというものも付きまといます。
最終的には治療を行うか行わないかはすべて説明を受けて患者さん自身が選択するしかないように思います。
教科書的にはエックス線で異常があればそれを治療するのが歯科医師の責務だとは思いますが・・・
参考になれば幸いです。
私も櫻井先生が回答しているようにケースバイケースだと思いますが。
結局、究極の課題は「問題があっても一生特に問題なく使い続けることができれば良し」ということだと思います。
すなわち、エックス線的に根尖に透過像があっても問題がなければ一生治療の必要はないこともありますし
数年でいろいろと症状が出てきてしまう場合もあります。
ただ、その予測というのはつきません。
もちろん、治療を行うことによるリスクというものも付きまといます。
最終的には治療を行うか行わないかはすべて説明を受けて患者さん自身が選択するしかないように思います。
教科書的にはエックス線で異常があればそれを治療するのが歯科医師の責務だとは思いますが・・・
参考になれば幸いです。
回答5
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2018-05-08 16:28:34
『エックス線で異常がある』との判断は出来ても、『エックス線で異常がない→だから大丈夫』との判断は出来ないと思いますよ。
回答6
相談者からの返信
相談者:
歯無しのごんべさん
返信日時:2018-05-12 03:35:29
こんにちは。
先生方、ご回答ありがとうございます。
返事が遅くなり大変申し訳ございません。
櫻井先生
ご回答ありがとうございます。
やはりケースバイケースなんですね。
今回治療をお願いした先生も、別の神経の無い歯については
、「コアの金属が大きいのと歯にひびが入っている可能性があるので、再治療はリスクが高い。
さわらない方をいい」
と説明してくれています。
左上1番2番、右上2番3番、右下6番、左下6番については、メリット、デメリットを総合的に判断して再治療を進めてくれたのかもしれません。
悩んでても仕方ないので、そのへんのことをもう一度きちんと相談したいと思います。
ちなみに左上1番2番、右上2番3番は15年ほど前の治療でした。
柴田先生
ご回答ありがとうございます。
根管治療の跡は、レントゲンで見ただけでは詳細は分からないということですね。
被せもののを取ってコアを取らないと分からないと。
だからこそ、今回の先生も再治療を薦めてくれたのかもしれませんね。
今回、メタルコアを外してみてどのような状態だったのか聞いてみたいと思います。
藤森先生
ご回答ありがとうございます。
やはり保険診療での根管治療は、精密根管治療を行っている先生からは特にいろいろと不安があるということですね。
畑田先生
ご回答ありがとうございます。
エックス線的に問題があっても大丈夫な場合もあるんですね。
当然ですが、最後は患者の自己責任なんですね。
今後、他の歯を再治療するかしないかは、後悔しないように選択したいと思います。
ただ、どちらを選んでもその選択がよかったかは普通は誰にも分からないのだろうから(再治療を選んで10年持ったとして、治療を受けなかった場合は5年しか持たなかったかもしれないし、20年持ったかもしれない)、選んだあとは悩まないでおこうと思います。
先生方のご回答、大変参考になりました。
ありがとうございました。
ちなみに、審美的には(メタルフリーにも)メタルコアは外す方がいいんですよね〜…それは悩みます。
そういえば、今回の先生はメタルコアを外すときにはラバーダム未使用、マイクロスコープも使ってないように思いました…おそらく充填剤を取り除く段階からは使ってくれるのだと思います。
「なるべく歯を削らないように」と言ってくれて、被せものを外すところから入れるともう3回も作業してそれでもまだコア除去が終わってないので、丁寧にはやってくれてはいると思います。
が、マイクロスコープを使っていないのはちょっと残念な気になってしまいました。
ケースによってはあんまりラバーダムやマイクロスコープ関係ないんでしょうかね。
ここの先生方はメタルコア除去のときは使われているんでしょうか。
先生方、ご回答ありがとうございます。
返事が遅くなり大変申し訳ございません。
櫻井先生
ご回答ありがとうございます。
やはりケースバイケースなんですね。
今回治療をお願いした先生も、別の神経の無い歯については
、「コアの金属が大きいのと歯にひびが入っている可能性があるので、再治療はリスクが高い。
さわらない方をいい」
と説明してくれています。
左上1番2番、右上2番3番、右下6番、左下6番については、メリット、デメリットを総合的に判断して再治療を進めてくれたのかもしれません。
悩んでても仕方ないので、そのへんのことをもう一度きちんと相談したいと思います。
ちなみに左上1番2番、右上2番3番は15年ほど前の治療でした。
柴田先生
ご回答ありがとうございます。
根管治療の跡は、レントゲンで見ただけでは詳細は分からないということですね。
被せもののを取ってコアを取らないと分からないと。
だからこそ、今回の先生も再治療を薦めてくれたのかもしれませんね。
今回、メタルコアを外してみてどのような状態だったのか聞いてみたいと思います。
藤森先生
ご回答ありがとうございます。
やはり保険診療での根管治療は、精密根管治療を行っている先生からは特にいろいろと不安があるということですね。
畑田先生
ご回答ありがとうございます。
エックス線的に問題があっても大丈夫な場合もあるんですね。
当然ですが、最後は患者の自己責任なんですね。
今後、他の歯を再治療するかしないかは、後悔しないように選択したいと思います。
ただ、どちらを選んでもその選択がよかったかは普通は誰にも分からないのだろうから(再治療を選んで10年持ったとして、治療を受けなかった場合は5年しか持たなかったかもしれないし、20年持ったかもしれない)、選んだあとは悩まないでおこうと思います。
先生方のご回答、大変参考になりました。
ありがとうございました。
ちなみに、審美的には(メタルフリーにも)メタルコアは外す方がいいんですよね〜…それは悩みます。
そういえば、今回の先生はメタルコアを外すときにはラバーダム未使用、マイクロスコープも使ってないように思いました…おそらく充填剤を取り除く段階からは使ってくれるのだと思います。
「なるべく歯を削らないように」と言ってくれて、被せものを外すところから入れるともう3回も作業してそれでもまだコア除去が終わってないので、丁寧にはやってくれてはいると思います。
が、マイクロスコープを使っていないのはちょっと残念な気になってしまいました。
ケースによってはあんまりラバーダムやマイクロスコープ関係ないんでしょうかね。
ここの先生方はメタルコア除去のときは使われているんでしょうか。
回答7
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2018-05-12 09:31:40
>ちなみに左上1番2番、右上2番3番は15年ほど前の治療でした。
15年前の治療でレントゲン(CT)で透過像の大きさがあまり変わらない(大きくなっていない)場合は経過観察をすることもあると思います。
(「瘢痕治癒」と言って、レントゲン的には病変に見えることがあります)
また、前歯部であれば、メタルコアを外すときにリスクが大きいと判断されれば「外科的歯内療法」で対応することも考えて、あえて外さない場合もあります。
(臼歯部の外科的歯内療法に比べ、前歯部は比較的容易)
いずれにしても安心のためには担当の先生からしっかり説明を受けられるとよろしいかと思います。
>ケースによってはあんまりラバーダムやマイクロスコープ関係ないんでしょうかね。
ラバーダムは物理的にかけられない場合もあるので何とも言えませんが、マイクロスコープに関してはケースバイケースもありますが「習熟度」の違いによるところが大きいと思います。
>ここの先生方はメタルコア除去のときは使われているんでしょうか。
僕はラバーダムは物理的に使えないことが多いので何とも言えませんが、マイクロスコープは100%使います。
15年前の治療でレントゲン(CT)で透過像の大きさがあまり変わらない(大きくなっていない)場合は経過観察をすることもあると思います。
(「瘢痕治癒」と言って、レントゲン的には病変に見えることがあります)
また、前歯部であれば、メタルコアを外すときにリスクが大きいと判断されれば「外科的歯内療法」で対応することも考えて、あえて外さない場合もあります。
(臼歯部の外科的歯内療法に比べ、前歯部は比較的容易)
いずれにしても安心のためには担当の先生からしっかり説明を受けられるとよろしいかと思います。
>ケースによってはあんまりラバーダムやマイクロスコープ関係ないんでしょうかね。
ラバーダムは物理的にかけられない場合もあるので何とも言えませんが、マイクロスコープに関してはケースバイケースもありますが「習熟度」の違いによるところが大きいと思います。
>ここの先生方はメタルコア除去のときは使われているんでしょうか。
僕はラバーダムは物理的に使えないことが多いので何とも言えませんが、マイクロスコープは100%使います。
回答8
はただデンタルクリニック(渋谷区本町)の畑田です。
回答日時:2018-05-12 09:35:26
>ケースによってはあんまりラバーダムやマイクロスコープ関係ないんでしょうかね。
>ここの先生方はメタルコア除去のときは使われているんでしょうか。
メタルコアの除去の際には最初はマイクロは使いませんが、細かい部分の除去が必要になった場合には使う場合もあります。
>ここの先生方はメタルコア除去のときは使われているんでしょうか。
メタルコアの除去の際には最初はマイクロは使いませんが、細かい部分の除去が必要になった場合には使う場合もあります。
タイトル | 根管治療の再治療をするかどうかの判断 |
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質問者 | 歯無しのごんべさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 33歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
根管治療の失敗・再治療 クラウンの作り直し・再治療 |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。