噛み合わせと歯軋り用のハードスプリントの関係

相談者: レオンベルガー2さん (50歳:女性)
投稿日時:2018-08-15 15:01:33
お世話になります。

就寝中の食いしばりと歯軋りの為に、就寝中のみハードスプリントを装着しています。

四ヶ月程前に新しいスプリントを装着したところ、下顎が右前方位に誘導されたようで起床後に舌尖が前歯の間から出るような感じになりました。

同時に会話や食事中に左下4.7.8番、右下1番が早期接触するようになりました。
「す」や「い」を発音する時にカツカツあたります。

2日間装着し、前歯も痛かったので古いスプリントに戻しましたが四ヶ月たった現在も早期接触が元に戻りません。
会話や食事の時に下顎が右にずれます。

昼間は安静空隙を心がけていますが、唾液を飲む時にも下顎が右にずれ臼歯がずれるので飲み込みに力が必要で過緊張になります。
開口訓練をして意識すると正常な咬合に誘導できます。

以前から若干、左の咬合が高く噛みやすかったので左の口筋が右に比べ発達しています。
下顎が右にずれるようになってから左の頬粘膜を左下7.8あたりで噛み込むようになりました。


質問です。

@2日程で顎位、筋位、舌位がずれる事はありますか?

Aスプリントを変えた日に頚椎の為に枕を低くしました。
今までに比べ横向き寝が多くなり仰向きの時に食いしばりが酷くなったようで頭痛で目が覚めますが、枕を低くすると下顎は後方になるのでは?と思うのですが今回の症状と関係ありますか?

B早期接触している歯牙にクラックが入りしみるようになりました。
このままだとスプリントの調整が上手くいく前に破折しそうです。
咬合性外傷の様な歯根膜の痛みもあります。

早期接触部分の咬合調整をしてもらう方がいいでしょうか?
ただ、咬合調整しても他の部分があたってきそうな気がして心配です。

よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2018-08-16 10:21:37
ご相談ありがとうございます。

>@2日程で顎位、筋位、舌位がずれる事はありますか?

日数には個人差があると思いますが、スプリントにより顎位に異常が出て困ることはすでに1972年に証明されています。

顎位は1959年に筋肉位とも表現されていますから、筋肉に変化が出ることは考えられます。

舌は解剖学的に下顎骨と連動しますからもともとありえます。


>A枕を低くすると下顎は後方になるのでは?

その通りです。


>今回の症状と関係ありますか?

それはここでは分かりません。


>B早期接触している歯牙にクラックが入りしみるようになりました。

ありえます。
1991年に研究発表されています。


>このままだとスプリントの調整が上手くいく前に破折しそうです。

ありえます。
特に無髄歯の場合はリスクが高まります。


咬合性外傷の様な歯根膜の痛みもあります。

ありえます。
1987年に研究発表が出ています。


>早期接触部分の咬合調整をしてもらう方がいいでしょうか?

それが原因ならば治療が必要です。

ただし、早期接触があるかどうか、それがどの歯にあるのか、それが咬合調整という治療方法で治せるのかどうか、すべて検査と診断が必要です。


正しい知識が必要ですが、その検査とは赤い紙をカチカチ噛んで調べる方法ではありません。
それは不正確でもっとも不適切と20世紀に日本補綴歯科学会でも証明されているからです。


>咬合調整しても他の部分があたってきそうな気がして心配です。

赤い紙をカチカチ噛んで、という方法ではそのような泥沼に陥ることは20世紀にはすでに定説となっています。

日本補綴歯科学会では、早期接触は難しい病態なので、検査として種々の基本検査のあとに追加精密検査を推奨しています。


ちなみに、早期接触の治療としては、高い部分をちょっと削るだけですむ場合と、他の低い部分を高くする場合と、2つに分かれ道があり全く正反対となります。

つまり、マイナスするかプラスするか、正反対です。

それが検査と診断で判明します。
その分かれ道を間違えると、悪化が加速する負の連鎖となりえます。


また顎位も各種咬合検査により病態診断可能です。
咬合とは、咀嚼や会話と嚥下など人間が正常に生活するために極めて重要な機能です。
歯科医院の真の役割は、その3つの機能回復である、と国連のWHOからもガイドラインが出ているほどです。

その理由は、咬合や咀嚼が高齢者の、寝たきり、嚥下異常による誤嚥性肺炎による第三位の死亡原因の肺炎、認知症、がんなどを予防する効果が高い複数の論文が出ています。

それくらい重要な検査なので、高齢者の大問題を予防するために、最近は咬合検査が咀嚼機能検査とともに歯科保険に急遽導入されたくらいです。


よろしいでしょうか?

高齢者の身体の問題に対して、なぜ医科の検査ではなく、なぜ歯科の検査が急いで保険に入れられたかわかりましたでしょうか。

歯は毎日の暮らしに、すなわち健康に直結するからです。
もともと、歯は活き活き生きる生命に直結しているからです。
なぜならば動物は食べて生きるからですが、人間はその中でも最高の高等動物です。

つまり、ただ長生きするだけではなく、活き活きと楽しく、人間としての尊厳を失わない健康を取り戻すことが歯科医療の本質だからです。


歯科医院は歯の専門家であり、根拠のある科学的な治療をする場所です。
闇雲に思いつきで対策をくりかえすと危険です。

またよく理解できるリスクも含めた説明と、納得の自己選択ができる、インフォームドコンセント(法律で義務です)の医療を提供する場所です。

よく相談しましょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: レオンベルガー2さん
返信日時:2018-08-16 10:46:47
さがら先生、ご回答ありがとうございます。

現在、大学病院補綴科を受診していますが、咬合調整咬合紙によって行う様です。
担当医も咬合調整によって良くなるか悪化するか分からないと言っているので不安です。

基本検査と追加精密検査とは具体的にどの様な検査でしょうか?

よろしくお願いします。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2018-08-16 11:26:08
ご返信ありがとうございます。

今までは、とりあえずやってみて運よく当たればラッキーという方法でしたが、それでは運や名医にしか治せないことになります。

したがって、誰でも一定の治療効果が出ることが科学的な医療である、との考えで現代の歯科大学では、医学部と同じ考えの教育をされているのが検査です。


>基本検査

まず初めは診察です。

また通常の問診票記入により、現在お困りのこと、今までのお困りのこと、お体の異常や治療と投薬などの病歴とその全ての薬剤名(お口への副作用を全部調べます)などは最低限必須です。


それから、顔貌写真、口腔内の高画質カラー撮影(強拡大できるほど)、パノラマレントゲン撮影、歯周病基本検査、精度の高い石膏基本模型の型取り、です。
全身との関わりも調べます。


という、ごく簡単であり、かつ保険が全部適応されるルーティーン・ワークという、ごく基本的な標準検査です。


これらにより予備診断を行い、取りこぼしのないように全ての異常所見のリストアップを総合的に行います。

全体を大きな視野から見るスクリーニングです。
ここはサットンの法則に従い、また医学用語では鳥の目、虫の眼と言います。


>追加精密検査とは具体的にどの様な検査でしょうか?

追加検査は複雑で精密微妙で難しく、時間や回数や苦痛など心身へ多少のご負担がかかります。
保険もごく一部に適応されますが、殆どは先進医療ともいえ全く認められていません。


全部通して40種類以上あり、到底ここで書きあげることはできませんが、予備診断により、原因の容疑というか仮設を立てたことに対して、主に消去法により絞り込みをしていきます。

それはオッカムの剃刀とヒッカムの格言の理論に従います。


今回の場合は、おそらく歯と筋肉に関する各種咬合検査とお困り度合いと生活調査と症型分類、そして一歩踏み込んで咀嚼機能検査と、咬合の異常を表現する相関関係が証明された聴力測定検査も加えるかもしれません。

なお咬合異常の一部について言えば、咬合干渉がありそれにはCBTとMMRという検査になります。
それぞれの説明は時間がかかり、又理解が重要なので全部パンフレットを用意してあります。

検査にも治療にも、長時間とたくさんの通院が必要になり、費用もかかります。
できればお近くで通院に便利な場所が理想的です。


なお前回の回答にも少々追加してあります。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2018-08-16 15:09:51
オクルーザルスプリントによる変化は各自様々なはずです。
割合からすればたいして変化の認められない方が多いと思います。

術者によっては、そのケースを『左の顎関節が動きやすくなった』と解釈するかもしれませんが、実際に診ないと判らないと思います。

枕を低くすると必ずしも下顎が後方になるとは限らないと思います。
他の要因もありますから。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: レオンベルガー2さん
返信日時:2018-08-16 17:27:43
さがら先生、詳細なご回答ありがとうございます。

本日、補綴科を受診し機械を使った精密検査ができないか相談して来ました。(基本検査については済んでいます。)
担当医曰く、精密検査は数値が分かるだけで最終的には術者による、との事で行っていないようでした。

10年前に顎関節症3bでスプリントを作製した時、闇雲な調整で耳管開放症になりました。

当時はどこを受診しても因果関係が無いと言われましたが、先生は咬合高径が聴覚路に影響を及ぼす事があるとお考えでしょうか?
今も顎関節の調子が悪いと耳管が開放します。(聴覚は正常です。めまいはあります。)

高齢者のオーラルフレイルは深刻な問題になっていますが、実は私も就寝中の食いしばりが酷かった翌日は嚥下がしずらく誤嚥しそうになります。息も苦しくなります。

舌骨筋群の関係でしょうか?
また、鼻に食べ物が入りそうになります。
口蓋の緊張でしょうか?

色々と分からない事ばかりですがよろしくお願いします。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: レオンベルガー2さん
返信日時:2018-08-16 17:41:39
藤森先生、ご回答ありがとうございます。

現在のスプリント顎関節症3b(右)の経過もあり若干、右が高く作製されています。
側方運動は左に行き辛いです。(臼歯がブロックされている感じ。)
毎朝、スプリントをはずした後のバイトが違っているので担当医もどう調整していいか困惑しています。

枕を低くしたのは、食いしばりからくる後頭部の緊張で舌咽神経痛かと思われる位の後頭神経痛になり、神経ブロックも全く効かず枕を低くしたら緩和されたのですが、バイトが狂ってしまいました。

他の要因もあるとの事ですが、どの様な要因が考えられますでしょうか?
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2018-08-16 18:05:29
左側が主咀嚼側ですよね?
それで、右を高く(スプリントの厚みを厚く)されたのですか?
そして、側方運動は左に行き辛いのですか?

各人の頚椎湾曲の程度は重要かもしれないですね。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2018-08-20 09:39:04
ご質問ありがとうございます。

>機械を使った精密検査ができないか

機械を使わない検査も複数あります。


>精密検査は数値が分かるだけで

それを使わなくて良いと個人的に判断するのか、学会で推奨している標準であると採用するのか、別れます。

つまり、世間でも「あくまでも個人の感想です」って、テレビのコマーシャルでもよく見ますけれど、医学的にも信頼性にはレベルが設定されていて、個人的な意見の根拠は高くない段階です。

また、他人にはわかりずらい症状が数字で表現できることは貴重な資料となり、治療後に同じ検査をして数字の変化で治ったかどうかを、誰が見ても目で見えるようにする使い方もあります。

これを視覚化と言います。


>最終的には術者による、

その通りです。


咬合高径が聴覚路に影響を及ぼす事があるとお考えでしょうか?

咬合とは、咬合高径だけではありませんが、聴覚との関連を当時日本で二台しか輸入されていない大学の脳磁波計測器を用いた研究では、難聴・めまい・自閉館・耳鳴り、などと歯列における咬合の問題と相関関係があったという報告があります。


>高齢者のオーラルフレイルは深刻な問題になっていますが、

その通りであり、歯科保険に咬合の検査が急遽入れられたことは、政府も予防に必死となったことを意味しています。


>舌骨筋群の関係でしょうか?

下顎が後退していればそれらの関係も出るでしょうが今回は前方にずれたということなので、気道に関するのであれば内舌筋の問題です。


>軟口蓋の緊張でしょうか?

嚥下がうまくいかない場合は、嚥下の第一段階である口腔内の咀嚼機能の中の食塊形成能力によることが大きいと言われていて、咀嚼機能検査が導入されました。

回答 回答6
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2018-08-20 10:38:59
こんにちは。

ハードタイプのスプリントが入っているということは、顎関節症の診断があるのでしょうか?
大学病院での治療中ということですから、すでにMRIやCT検査が行われていて、筋電位計測や顎機能検査も受けておられるのでしょうか?

大学病院の治療の場合、臨床・研究・教育が3本柱になっていますから、担当になった先生によって大きく治療法が異なってしまう場合もありますので、ご不安になられた場合は総合窓口にご相談さえるか、上の先生(指導医)に治療を一度チェックしてもらいたいことをお申し出頂くことが必要になるでしょう。

担当になった先生も、勉強になるのできっと喜ばれるのではないかと思います。
治療時間は余裕があると思われますから、しっかり現症の変化についてお伝えになり考えてもらうとよいでしょう。


>@2日程で顎位、筋位、舌位がずれる事はありますか?

筋肉が緊張するには十分な時間だと思います。
何か変化があったのであれば、緊張している部位に変化があった可能性があると思います。

>Aスプリントを変えた日に頚椎の為に枕を低くしました。
>今までに比べ横向き寝が多くなり仰向きの時に食いしばりが酷くなったようで頭痛で目が覚めますが、枕を低くすると下顎は後方になるのでは?と思うのですが今回の症状と関係ありますか?


あれもやってこれもやったでは何が原因になったのかがわかりにくくなりますから、次回何か変える場合は、1個だけ変えられるほうがよいと思います。

頚椎の為に枕を変えて横向き寝が多くなったのでは、逆に左右バランスが悪くなるので歯にとってはマイナスでしょう。

仰向けの際、食いしばりが酷くなったのは枕を元に戻せばどうでしょうか?
枕と気道の関係は補綴で発表がされていますので、大いに関係します。

また枕との関係と同じように姿勢と気道は関係しますし、舌の位置も関係します。
一般に顎をあげると気道は開きますが、下顎と舌に関連する筋肉の伸びが悪ければ舌が後方に引かれますから、気道を塞ぐことに鳴ります。

熟睡すると筋肉は脱力しますから、簡単に後方に引かれた状態になります。
睡眠障害がおき酸素濃度が下がるので緊張が起きます。

こういう人には、スリープスプリントのほうがよい場合もあるでしょう。(強制的に下顎を前に引き固定させるスプリントです)

睡眠時のことは歯科の診療室内では確認できませんから、内科との連携が必要になったり研究用の専用の機械を使って記録をとることが必要になるでしょうが、患者さんからの情報は重要なヒントになるのでしっかり担当医にお伝えになるとよいでしょう。


>B早期接触している歯牙にクラックが入りしみるようになりました。
>このままだとスプリントの調整が上手くいく前に破折しそうです。
咬合性外傷の様な歯根膜の痛みもあります。
>早期接触部分の咬合調整をしてもらう方がいいでしょうか?
>ただ、咬合調整しても他の部分があたってきそうな気がして心配です。

筋肉が異常に緊張している状態で後戻りできない調整を行うと厄介になるので、スプリント療法を先行することになると思いますが、やむおえないと判断されれば回避的に調整されるでしょう。
担当医にその点もご相談ください。

しっかり考えてもらい勉強してもらい、それを治療に反映してもらえるところが大学病院を受診されるメリットだと思います。

機械も使用しようと思えば豊富にあるはずですから、機械の取り扱いに習熟した先生に教えてもらったりお願いして利用できるはずです。
よい治療を受けれるように、しっかり担当の先生に情報をお伝えしよく考えてもらうとよいと思います。




タイトル 噛み合わせと歯軋り用のハードスプリントの関係
質問者 レオンベルガー2さん
地域 非公開
年齢 50歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 噛み合わせに関するトラブル
歯軋り(歯ぎしり)
歯軋り用マウスピース・ナイトガード
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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