[写真あり] 下顎前突。不正咬合の診断と手術について
相談者:
マンボウ12345さん (29歳:女性)
投稿日時:2018-08-20 23:01:58
セファロのプロフィログラムに関して質問です。
外科矯正をするための資料をとりました。
先生からは下顎前突、上顎はほぼ平均値と言われました。
わたしの横顔は平坦なので、上顎後退なのではないかと思ったのと、十年以上前ですが別の歯科に上顎後退と言われたことがあります(資料はとっていなかったような気がします)。
上顎後退ではないのですか?と聞きましたら、それはないと言われました。
平坦な横顔は、数値だけみれば下顎のせい、ということでしょうか?
また、プロフィログラムをみると、確かに下顎がでていますが、それとともに歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えます。
これは、鼻の下が長い、歯茎が長い、ということでしょうか?
ルフォーで改善されるのか、はたまたルフォーまでしなくても矯正で改善されるのでしょうか?
はたまた、ルフォーや矯正ではどうしようもないですか?
なぜこのような差がでるのかがわかりません。
さらに、プロフィログラムの平均枠より顔の終わり(鼻とは逆の方)が前にありますが、ずれて測定されてしまっているのでしょうか?
お手数ですがご回答いただければ幸いです。
画像1 画像2
外科矯正をするための資料をとりました。
先生からは下顎前突、上顎はほぼ平均値と言われました。
わたしの横顔は平坦なので、上顎後退なのではないかと思ったのと、十年以上前ですが別の歯科に上顎後退と言われたことがあります(資料はとっていなかったような気がします)。
上顎後退ではないのですか?と聞きましたら、それはないと言われました。
平坦な横顔は、数値だけみれば下顎のせい、ということでしょうか?
また、プロフィログラムをみると、確かに下顎がでていますが、それとともに歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えます。
これは、鼻の下が長い、歯茎が長い、ということでしょうか?
ルフォーで改善されるのか、はたまたルフォーまでしなくても矯正で改善されるのでしょうか?
はたまた、ルフォーや矯正ではどうしようもないですか?
なぜこのような差がでるのかがわかりません。
さらに、プロフィログラムの平均枠より顔の終わり(鼻とは逆の方)が前にありますが、ずれて測定されてしまっているのでしょうか?
お手数ですがご回答いただければ幸いです。
画像1 画像2
回答1
月島矯正歯科(中央区月島)の今村です。
回答日時:2018-08-21 00:21:18
セファロの解釈ということになります。
なかなか解釈に苦しむこともあります。
トレースを信用するなら、上顎骨までは平均と同じであり、下顎骨のみ大きいという解釈ができます。
そして、その補償として上顎の前歯が唇側に傾斜しているととれます。
そうとらえれば、下顎骨を10ミリ程度下げ、上顎前歯もそれに見合ったほど舌側に傾斜させるのが標準値に近づける方法ということになります。
一方、SN平面を無視してS点(左上の点)を中心に10度程度時計回りに回転させて、下顎で合わせれば、当然ではありますが標準値に対して上顎が後退した格好になります。
これであれば、上顎が後退していますから、こちらを前方に出して、その分、前歯部を舌側に傾斜させるという治療方針になるでしょうか。
つまり、基準を動かせば見方も変わってくるということで、そこのところでどこで折り合いをつけるかということも必要になってきます。大切なのは、上下のバランスですから、これが取れるところを治療のゴールとするべきでしょう。
なかなかこの状態で外科的アプローチをとるところまでは思い至らないのではないかと思います。
美容整形の範疇に入るでしょう。
そうなってくると、術者のセンスも加味されるものと思います。
手術の仕方で、結果はかなり違ってきますから、よくご相談いただいてお決めになったほうがよろしいでしょう。
細かい疑問の点(歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えます)なども含めてよくお聞きいただければと思います。
なかなか解釈に苦しむこともあります。
トレースを信用するなら、上顎骨までは平均と同じであり、下顎骨のみ大きいという解釈ができます。
そして、その補償として上顎の前歯が唇側に傾斜しているととれます。
そうとらえれば、下顎骨を10ミリ程度下げ、上顎前歯もそれに見合ったほど舌側に傾斜させるのが標準値に近づける方法ということになります。
一方、SN平面を無視してS点(左上の点)を中心に10度程度時計回りに回転させて、下顎で合わせれば、当然ではありますが標準値に対して上顎が後退した格好になります。
これであれば、上顎が後退していますから、こちらを前方に出して、その分、前歯部を舌側に傾斜させるという治療方針になるでしょうか。
つまり、基準を動かせば見方も変わってくるということで、そこのところでどこで折り合いをつけるかということも必要になってきます。大切なのは、上下のバランスですから、これが取れるところを治療のゴールとするべきでしょう。
なかなかこの状態で外科的アプローチをとるところまでは思い至らないのではないかと思います。
美容整形の範疇に入るでしょう。
そうなってくると、術者のセンスも加味されるものと思います。
手術の仕方で、結果はかなり違ってきますから、よくご相談いただいてお決めになったほうがよろしいでしょう。
細かい疑問の点(歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えます)なども含めてよくお聞きいただければと思います。
相談者からの返信
相談者:
マンボウ12345さん
返信日時:2018-08-21 10:52:07
先生、お忙しい中ご丁寧なご回答有り難うございます。
>トレースを信用するなら、上顎骨までは平均と同じであり、下顎骨のみ大きいという解釈ができます。
SNB角が平均78.9に対し、私は84.5あるので、上顎後退どころか、少し大きいのかもしれません。
そして、ANBはマイナス0.9のため、下顎前突は確実です。
>そして、その補償として上顎の前歯が唇側に傾斜しているととれます。
仰る通りで、上顎前歯は唇側傾斜が強いと言われました。
確かに出っ歯です。
下の前歯は舌側傾斜しています。
>そうとらえれば、下顎骨を10ミリ程度下げ、上顎前歯もそれに見合ったほど舌側に傾斜させるのが標準値に近づける方法ということになります。
下顎骨だけを1cmも下げるとなると、一般的にみてかなりの量になるのでしょうか。
上顎はその場合、外科手術はせず、矯正だけで舌側に傾斜させる、という意味でしょうか。
>一方、SN平面を無視してS点(左上の点)を中心に10度程度時計回りに回転させて、下顎で合わせれば、当然ではありますが標準値に対して上顎が後退した格好になります。
>これであれば、上顎が後退していますから、こちらを前方に出して、その分、前歯部を舌側に傾斜させるという治療方針になるでしょうか。
この場合、上顎のみ前方に出す手術、下顎は手術なしという意味でしょうか。
>なかなかこの状態で外科的アプローチをとるところまでは思い至らないのではないかと思います。
先生からは、プロフィログラムに斜線をひかれ、ほらこんなに出てるでしょ、と言われました。
下顎を1センチも下げなければならないとなると、出すぎているように思うのですが…
>細かい疑問の点(歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えます)なども含めてよくお聞きいただければと思います。
聞きたいのですが、先生がすぐに話を切り上げてしまいます。
とても腕のよい先生らしく、患者さんは 冷たいけれど腕はよい といっていますし、もう検査もろもろで7万くらい払ったので今さら病院を変えるのは厳しいです。(まだ保険切り替え前)
歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えるのですが、ここはどこの部分を指しているのでしょうか?
図の長さを測ってみたところ、基準枠は0.9で、私は1.1でした。
傾斜角度はわかりません。
主治医に聞けばよいのですが、なかなか聞けません。
この部分がなにを指しているのか調べても出てこないのです…。
お手数ですが、ご回答いただけると幸いです。
>トレースを信用するなら、上顎骨までは平均と同じであり、下顎骨のみ大きいという解釈ができます。
SNB角が平均78.9に対し、私は84.5あるので、上顎後退どころか、少し大きいのかもしれません。
そして、ANBはマイナス0.9のため、下顎前突は確実です。
>そして、その補償として上顎の前歯が唇側に傾斜しているととれます。
仰る通りで、上顎前歯は唇側傾斜が強いと言われました。
確かに出っ歯です。
下の前歯は舌側傾斜しています。
>そうとらえれば、下顎骨を10ミリ程度下げ、上顎前歯もそれに見合ったほど舌側に傾斜させるのが標準値に近づける方法ということになります。
下顎骨だけを1cmも下げるとなると、一般的にみてかなりの量になるのでしょうか。
上顎はその場合、外科手術はせず、矯正だけで舌側に傾斜させる、という意味でしょうか。
>一方、SN平面を無視してS点(左上の点)を中心に10度程度時計回りに回転させて、下顎で合わせれば、当然ではありますが標準値に対して上顎が後退した格好になります。
>これであれば、上顎が後退していますから、こちらを前方に出して、その分、前歯部を舌側に傾斜させるという治療方針になるでしょうか。
この場合、上顎のみ前方に出す手術、下顎は手術なしという意味でしょうか。
>なかなかこの状態で外科的アプローチをとるところまでは思い至らないのではないかと思います。
先生からは、プロフィログラムに斜線をひかれ、ほらこんなに出てるでしょ、と言われました。
下顎を1センチも下げなければならないとなると、出すぎているように思うのですが…
>細かい疑問の点(歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えます)なども含めてよくお聞きいただければと思います。
聞きたいのですが、先生がすぐに話を切り上げてしまいます。
とても腕のよい先生らしく、患者さんは 冷たいけれど腕はよい といっていますし、もう検査もろもろで7万くらい払ったので今さら病院を変えるのは厳しいです。(まだ保険切り替え前)
歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えるのですが、ここはどこの部分を指しているのでしょうか?
図の長さを測ってみたところ、基準枠は0.9で、私は1.1でした。
傾斜角度はわかりません。
主治医に聞けばよいのですが、なかなか聞けません。
この部分がなにを指しているのか調べても出てこないのです…。
お手数ですが、ご回答いただけると幸いです。
回答2
月島矯正歯科(中央区月島)の今村です。
回答日時:2018-08-21 16:27:13
>下顎前突は確実です。
下顎前突というのは、下顎が突出しているという症状で、セファロのデータから導き出される結果としては、骨格性V級と呼ぶものです。
これは、上顎と下顎の前後的な関係として捉える見方です。
>外科手術はせず、矯正だけで舌側に傾斜させる、という意味でしょうか。
おおむねそういうことです。
通常の反対咬合の場合は、上顎の前歯が唇側に傾斜していますので、これを抜歯などをして舌側に傾斜させてから手術を行います。
1センチというのはかなりの量にはなるのですが、実際には、上下の歯列が最もよく噛む位置に下げるということで必ずしもセファロでぴったりの位置までさげるというわけではありませんが。
>この場合、上顎のみ前方に出す手術、下顎は手術なしという意味でしょうか
わたしはそのような手術をしたことがありませんので、実際がどうなのか定かではないのですが、上顎が後退しているという事であれば、上顎を前方に出すという方針は立つでしょう。
ただ、実際には上顎を出すより下顎を下げる方が一般的なため、それでも下顎を下げるという選択をすることの方が多いかもしれません。
>冷たいけれど腕はよい
こういうタイプの先生がいいという方と、苦手という方がいるように思います。
長い付き合いですので、先生との相性も大切にした方がいいでしょう。
>歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えるのですが、
ここはどこの部分を指しているのでしょうか?
どこのところでしょうか。
セファロの計測ポイントを引用します。
プロフィログラムはS−N−Or−ANS−A−Is−Ii−B−Pog−Gn−Me−Go−Ar−Coを順に結んでいくものです。これでちょっと考えてみていただければと思います。
そもそも、というところに立ち戻るのですが、手術をしたいのでしょうか、したくないのでしょうか。
担当の先生は手術ありきで説明をされておりますが、そもそも反対咬合でもないものを手術をするということに、違和感を感じるところです。
患者さんの強いご希望があるのであれば、納得できるところです。
仮にそうでなく、単に担当される先生の意見であり、それに対して納得されていないのであれば、7万円は忘れてセカンドオピニオンをお受けになることも考えた方がいいように思います。
画像1
下顎前突というのは、下顎が突出しているという症状で、セファロのデータから導き出される結果としては、骨格性V級と呼ぶものです。
これは、上顎と下顎の前後的な関係として捉える見方です。
>外科手術はせず、矯正だけで舌側に傾斜させる、という意味でしょうか。
おおむねそういうことです。
通常の反対咬合の場合は、上顎の前歯が唇側に傾斜していますので、これを抜歯などをして舌側に傾斜させてから手術を行います。
1センチというのはかなりの量にはなるのですが、実際には、上下の歯列が最もよく噛む位置に下げるということで必ずしもセファロでぴったりの位置までさげるというわけではありませんが。
>この場合、上顎のみ前方に出す手術、下顎は手術なしという意味でしょうか
わたしはそのような手術をしたことがありませんので、実際がどうなのか定かではないのですが、上顎が後退しているという事であれば、上顎を前方に出すという方針は立つでしょう。
ただ、実際には上顎を出すより下顎を下げる方が一般的なため、それでも下顎を下げるという選択をすることの方が多いかもしれません。
>冷たいけれど腕はよい
こういうタイプの先生がいいという方と、苦手という方がいるように思います。
長い付き合いですので、先生との相性も大切にした方がいいでしょう。
>歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えるのですが、
ここはどこの部分を指しているのでしょうか?
どこのところでしょうか。
セファロの計測ポイントを引用します。
プロフィログラムはS−N−Or−ANS−A−Is−Ii−B−Pog−Gn−Me−Go−Ar−Coを順に結んでいくものです。これでちょっと考えてみていただければと思います。
そもそも、というところに立ち戻るのですが、手術をしたいのでしょうか、したくないのでしょうか。
担当の先生は手術ありきで説明をされておりますが、そもそも反対咬合でもないものを手術をするということに、違和感を感じるところです。
患者さんの強いご希望があるのであれば、納得できるところです。
仮にそうでなく、単に担当される先生の意見であり、それに対して納得されていないのであれば、7万円は忘れてセカンドオピニオンをお受けになることも考えた方がいいように思います。
画像1
相談者からの返信
相談者:
マンボウ12345さん
返信日時:2018-08-22 08:17:50
月島先生
ご丁寧なご回答有り難うございます。
資料までご用意してくださり、恐縮です。
>歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えるのですが、ここはどこの部分を指しているのでしょうか?
ANS−Aの長さです。
これはやはり図を見る限り、鼻の下から口唇までの長さを指すということになりますでしょうか?
A-Prの位置関係は矯正でどうにかなると予測がつきますが、ANS−Aの長さはルフォーでしかどうにもならないのでしょうか。
>そもそも、というところに立ち戻るのですが、手術をしたいのでしょうか、したくないのでしょうか。
私は以前一度矯正治療をしました。
それから月日が経つにつれ、顎が鳴るようになり、顎の左側へのずれがさらに顕著になっていったため、相談したところ、外科矯正の適応と判断されました。
反対交合ではないのに横顔が受け口なのも気になるので、手術は怖いですが受けようと思っています。
ご丁寧なご回答有り難うございます。
資料までご用意してくださり、恐縮です。
>歯の生える位置というか、その前の部分?が、平均値の枠より かなり長く見えるのですが、ここはどこの部分を指しているのでしょうか?
ANS−Aの長さです。
これはやはり図を見る限り、鼻の下から口唇までの長さを指すということになりますでしょうか?
A-Prの位置関係は矯正でどうにかなると予測がつきますが、ANS−Aの長さはルフォーでしかどうにもならないのでしょうか。
>そもそも、というところに立ち戻るのですが、手術をしたいのでしょうか、したくないのでしょうか。
私は以前一度矯正治療をしました。
それから月日が経つにつれ、顎が鳴るようになり、顎の左側へのずれがさらに顕著になっていったため、相談したところ、外科矯正の適応と判断されました。
反対交合ではないのに横顔が受け口なのも気になるので、手術は怖いですが受けようと思っています。
回答3
月島矯正歯科(中央区月島)の今村です。
回答日時:2018-08-22 17:35:21
>手術は怖いですが受けようと思っています。
そうですか。
それならば、担当されている先生の説明もただ一方的ではないということになりますね。
>ANS−Aの長さです。
A点は、水平的に見た上顎骨の前方限界ということで設定されている点で、あまり上下的な指標としては用いられるものではありません。
そのため、ANS−Aというものの標準値はないといっていいでしょう。あるのは、ANSとPNSを結んだ線から上顎中切歯までの高さです。
お考えのような、この長さが鼻の下から口唇までではないということでもあります。
セファロ分析は、主に硬組織を対象にするもので、軟組織の評価をほとんどしないといってもいいでしょう。
ひとつには、軟組織がレントゲン上に映りにくく、そのため評価がしずらいという点が上げられます。その代わりというわけではありませんが、硬組織を動かせば、軟組織も同じように動いてくるものという前提で治療の方針を立てるということになります。
>顎の左側へのずれがさらに顕著
単純に下顎骨の左右差があるということであれば、左右のセットバック量を変えるという方法がとられるでしょう。
一方、上顎にも変形が及んでいるということになったときに、上顎のほうも手術をしましょうという話になるように思います。
はじめは手術をすることに対する不満かと考えておりましたが、手術方法の選択、特に上顎骨の扱いをどうするかという点のようですね。
前にも書きましたように、従来から、下顎をセットバックする治療法が一般的で、上顎を動かすという治療は近年増えているとは思いますが、まだまだそう多くはないのではないかと思います。
できれば、上顎も下顎も症例数の多いところでご相談いただくのが公平な見方ができるように思います。
とはいっても、どこが上顎をたくさん切っているのかについては、私も不勉強でよく存じません。
とりあえず、大学などでご相談いただくのがよろしいようにも思います。
また、口腔外科よりは形成外科の方が症例数は多いのかもしれないと思うところでもあります。
そうですか。
それならば、担当されている先生の説明もただ一方的ではないということになりますね。
>ANS−Aの長さです。
A点は、水平的に見た上顎骨の前方限界ということで設定されている点で、あまり上下的な指標としては用いられるものではありません。
そのため、ANS−Aというものの標準値はないといっていいでしょう。あるのは、ANSとPNSを結んだ線から上顎中切歯までの高さです。
お考えのような、この長さが鼻の下から口唇までではないということでもあります。
セファロ分析は、主に硬組織を対象にするもので、軟組織の評価をほとんどしないといってもいいでしょう。
ひとつには、軟組織がレントゲン上に映りにくく、そのため評価がしずらいという点が上げられます。その代わりというわけではありませんが、硬組織を動かせば、軟組織も同じように動いてくるものという前提で治療の方針を立てるということになります。
>顎の左側へのずれがさらに顕著
単純に下顎骨の左右差があるということであれば、左右のセットバック量を変えるという方法がとられるでしょう。
一方、上顎にも変形が及んでいるということになったときに、上顎のほうも手術をしましょうという話になるように思います。
はじめは手術をすることに対する不満かと考えておりましたが、手術方法の選択、特に上顎骨の扱いをどうするかという点のようですね。
前にも書きましたように、従来から、下顎をセットバックする治療法が一般的で、上顎を動かすという治療は近年増えているとは思いますが、まだまだそう多くはないのではないかと思います。
できれば、上顎も下顎も症例数の多いところでご相談いただくのが公平な見方ができるように思います。
とはいっても、どこが上顎をたくさん切っているのかについては、私も不勉強でよく存じません。
とりあえず、大学などでご相談いただくのがよろしいようにも思います。
また、口腔外科よりは形成外科の方が症例数は多いのかもしれないと思うところでもあります。
相談者からの返信
相談者:
マンボウ12345さん
返信日時:2018-08-22 20:47:23
先生、とてもわかりやすいご説明を有り難うございます。
>お考えのような、この長さが鼻の下から口唇までではないということでもあります。
有り難うございます。疑問が解決しスッキリしました。
>単純に下顎骨の左右差があるということであれば、左右のセットバック量を変えるという方法がとられるでしょう。一方、上顎にも変形が及んでいるということになったときに、上顎のほうも手術をしましょうという話になるように思います。
見た目では上顎の歯茎の見えかたが左右異なるため、上顎も歪んでいる可能性がかなり高いです。
正確にどの程度歪んでいるのかは、次回の診察でわかるようですが、矯正の先生からは上顎の手術も勧められました。
私は 両顎手術は片顎に比べ術後が大変であること、鼻の変形の恐れ、視神経が近いことなど、リスクが多いので出来れば避けたいと思っていることを伝えました。
外科医は、
「上顎をやらなくてもそれなりに非対称は改善する 矯正の工夫でだいぶよくなる人もいる。
こちらは矯正歯科医のオーダー通りに切ることになるから、矯正歯科の先生に聞いてみてね。」
と言ってくれました。
そのことを矯正歯科医に伝えると
「歯列で傾きを治そうとすると噛めなくなる・歯が伸びてくる。
非対称の原因の割合が例えば上顎2下顎8だったら上顎の手術はしなくてもいいんじゃないか、と僕も言うが、上顎8の下顎2だったら勧めざるを得ない。
しかし、絶対にやりなさいとは言わない。」
と言われました。
その割合が、次回の診察でわかるようです。
その話をされたときにはもう質問できる時間はなく、診察は終わりました。
私は外科医に下顎だけでそれなりによくなるよー、とあっさり言われたので、面食らった気持ちでした。
歯列をある程度斜めにして下顎を手術で合わせるのは非現実的なのでしょうか?
私は外科医の先生はそういう意味で下顎だけでもそれなりによくなるよー、と仰ってくださったのだと思ったのですが…。
>特に上顎骨の扱いをどうするかという点のようですね。
本当に、そこで悩んでおります。
>できれば、上顎も下顎も症例数の多いところでご相談いただくのが公平な見方ができるように思います。
外科医の先生は名医で有名な先生らしく、顎変形症手術はしょっちゅうされていて上下ももちろんよくやられるそうです。
矯正の先生はこの名医の先生と提携しているので、この矯正歯科にしました。
矯正歯科の先生も顎変形症を沢山扱ってきたそうです。
長々とご相談して申し訳ありませんが
、ご回答いただければ幸いです。
>お考えのような、この長さが鼻の下から口唇までではないということでもあります。
有り難うございます。疑問が解決しスッキリしました。
>単純に下顎骨の左右差があるということであれば、左右のセットバック量を変えるという方法がとられるでしょう。一方、上顎にも変形が及んでいるということになったときに、上顎のほうも手術をしましょうという話になるように思います。
見た目では上顎の歯茎の見えかたが左右異なるため、上顎も歪んでいる可能性がかなり高いです。
正確にどの程度歪んでいるのかは、次回の診察でわかるようですが、矯正の先生からは上顎の手術も勧められました。
私は 両顎手術は片顎に比べ術後が大変であること、鼻の変形の恐れ、視神経が近いことなど、リスクが多いので出来れば避けたいと思っていることを伝えました。
外科医は、
「上顎をやらなくてもそれなりに非対称は改善する 矯正の工夫でだいぶよくなる人もいる。
こちらは矯正歯科医のオーダー通りに切ることになるから、矯正歯科の先生に聞いてみてね。」
と言ってくれました。
そのことを矯正歯科医に伝えると
「歯列で傾きを治そうとすると噛めなくなる・歯が伸びてくる。
非対称の原因の割合が例えば上顎2下顎8だったら上顎の手術はしなくてもいいんじゃないか、と僕も言うが、上顎8の下顎2だったら勧めざるを得ない。
しかし、絶対にやりなさいとは言わない。」
と言われました。
その割合が、次回の診察でわかるようです。
その話をされたときにはもう質問できる時間はなく、診察は終わりました。
私は外科医に下顎だけでそれなりによくなるよー、とあっさり言われたので、面食らった気持ちでした。
歯列をある程度斜めにして下顎を手術で合わせるのは非現実的なのでしょうか?
私は外科医の先生はそういう意味で下顎だけでもそれなりによくなるよー、と仰ってくださったのだと思ったのですが…。
>特に上顎骨の扱いをどうするかという点のようですね。
本当に、そこで悩んでおります。
>できれば、上顎も下顎も症例数の多いところでご相談いただくのが公平な見方ができるように思います。
外科医の先生は名医で有名な先生らしく、顎変形症手術はしょっちゅうされていて上下ももちろんよくやられるそうです。
矯正の先生はこの名医の先生と提携しているので、この矯正歯科にしました。
矯正歯科の先生も顎変形症を沢山扱ってきたそうです。
長々とご相談して申し訳ありませんが
、ご回答いただければ幸いです。
回答4
月島矯正歯科(中央区月島)の今村です。
回答日時:2018-08-23 14:22:51
>見た目では上顎の歯茎の見えかたが左右異なるため、上顎も歪んでいる可能性がかなり高いです。
なるほど、話の関係がだんだんわかってきました。
左右差があるため、矯正の先生は上顎も切りたいけれども患者さんがそれを避けたいと考えているということですね。
咬合平面に左右差がある場合の分析は、ラテラルセファロより、PAセファロでも見るところでしょうね。
今頃は、そのトレースをしているのかもしれません。
上顎の咬合平面を変えるというのは難しいもので、そのため矯正科の先生としては手術をしてほしいという希望なのでしょう。
手術なしでこれを行うことを考えれば、インプラントを用いて高いほうを圧下させるということが考えられますが、顎関節症状がどうなるかという心配はあります。
単純に低いほうを挺出させるということは、保定の考え方からして、安定しないと考えられます。
また、術前に提出させようとしても、咬合力があるためできないといっても過言ではありません。
どうするかということは、3者で話をすり合わせる必要はあるでしょう。
口腔外科の先生いかんのようにも思いますが。
なるほど、話の関係がだんだんわかってきました。
左右差があるため、矯正の先生は上顎も切りたいけれども患者さんがそれを避けたいと考えているということですね。
咬合平面に左右差がある場合の分析は、ラテラルセファロより、PAセファロでも見るところでしょうね。
今頃は、そのトレースをしているのかもしれません。
上顎の咬合平面を変えるというのは難しいもので、そのため矯正科の先生としては手術をしてほしいという希望なのでしょう。
手術なしでこれを行うことを考えれば、インプラントを用いて高いほうを圧下させるということが考えられますが、顎関節症状がどうなるかという心配はあります。
単純に低いほうを挺出させるということは、保定の考え方からして、安定しないと考えられます。
また、術前に提出させようとしても、咬合力があるためできないといっても過言ではありません。
どうするかということは、3者で話をすり合わせる必要はあるでしょう。
口腔外科の先生いかんのようにも思いますが。
相談者からの返信
相談者:
マンボウ12345さん
返信日時:2018-08-23 21:47:15
先生、ご回答有り難うございます。
>左右差があるため、矯正の先生は上顎も切りたいけれども患者さんがそれを避けたいと考えているということですね。
仰る通りです。
>咬合平面に左右差がある場合の分析は、ラテラルセファロより、PAセファロでも見るところでしょうね。今頃は、そのトレースをしているのかもしれません。
そのような方法があるのですね。
矯正の先生いわく、
「歯の模型に前回やったフェイスボウ(?だったか、正式名称は失念してしまいましたが、そのフェイスボウ?という機械を歯でかんで、立ち上がり、水平かどうか聞かれました)をとりつけて、傾きをみて、下顎と上顎がどの程度の割合で歪んでいるのか、次回診察時に伝えます」
と言われました。
>上顎の咬合平面を変えるというのは難しいもので、そのため矯正科の先生としては手術をしてほしいという希望なのでしょう。
>手術なしでこれを行うことを考えれば、インプラントを用いて高いほうを圧下させるということが考えられますが、顎関節症状がどうなるかという心配はあります。
とてもわかりやすいご説明有り難うございます。
上顎の歪みは歯列だけで治すのが難しいことが、よくわかりました。
矯正の先生は、歪みが、下顎の割合が7上顎が3だったら上顎の手術は勧めない、と仰っていました。
ふと考えてみると、私は顎が左にずれているのですが、下顎のみを右にもっていこうとした場合、下顎の歯列をいったん左に顕著にずらし、手術で一気に右にもっていくのだと推察しますが、いくら上顎が3の割合しかずれていなくても、それで上下の歯はきちんと噛み合うものなのでしょうか?
下だけずらしたのに噛み合うのか、が疑問です。
それとも、その3を矯正で調節するのかと思ったのですが、矯正の先生の言い方では、上顎の非対称の分歪みは残る、ただ、それが割合で3程しかないのなら上顎手術は勧めない、という言い方でした。
やはり歪みを矯正で調節することはないと思うので、ふと、今、歯は上下噛み合っているのに、下顎だけ右にずらしてきちんと噛み合うのか疑問が浮かびました。
またまた長々と申し訳ございませんが、ご回答いただければ幸いです。
>左右差があるため、矯正の先生は上顎も切りたいけれども患者さんがそれを避けたいと考えているということですね。
仰る通りです。
>咬合平面に左右差がある場合の分析は、ラテラルセファロより、PAセファロでも見るところでしょうね。今頃は、そのトレースをしているのかもしれません。
そのような方法があるのですね。
矯正の先生いわく、
「歯の模型に前回やったフェイスボウ(?だったか、正式名称は失念してしまいましたが、そのフェイスボウ?という機械を歯でかんで、立ち上がり、水平かどうか聞かれました)をとりつけて、傾きをみて、下顎と上顎がどの程度の割合で歪んでいるのか、次回診察時に伝えます」
と言われました。
>上顎の咬合平面を変えるというのは難しいもので、そのため矯正科の先生としては手術をしてほしいという希望なのでしょう。
>手術なしでこれを行うことを考えれば、インプラントを用いて高いほうを圧下させるということが考えられますが、顎関節症状がどうなるかという心配はあります。
とてもわかりやすいご説明有り難うございます。
上顎の歪みは歯列だけで治すのが難しいことが、よくわかりました。
矯正の先生は、歪みが、下顎の割合が7上顎が3だったら上顎の手術は勧めない、と仰っていました。
ふと考えてみると、私は顎が左にずれているのですが、下顎のみを右にもっていこうとした場合、下顎の歯列をいったん左に顕著にずらし、手術で一気に右にもっていくのだと推察しますが、いくら上顎が3の割合しかずれていなくても、それで上下の歯はきちんと噛み合うものなのでしょうか?
下だけずらしたのに噛み合うのか、が疑問です。
それとも、その3を矯正で調節するのかと思ったのですが、矯正の先生の言い方では、上顎の非対称の分歪みは残る、ただ、それが割合で3程しかないのなら上顎手術は勧めない、という言い方でした。
やはり歪みを矯正で調節することはないと思うので、ふと、今、歯は上下噛み合っているのに、下顎だけ右にずらしてきちんと噛み合うのか疑問が浮かびました。
またまた長々と申し訳ございませんが、ご回答いただければ幸いです。
回答5
月島矯正歯科(中央区月島)の今村です。
回答日時:2018-08-24 11:51:26
>フェイスボウ?という機械を歯でかんで、立ち上がり、水平かどうか聞かれました)をとりつけて、傾きをみて、下顎と上顎がどの程度の割合で歪んでいるのか
もっと単純に行えば、デンタルミラーを左右の臼歯で噛んでいただくという方法でも大きな傾きを見ることができます。
お使いになったものは、左右と前後の両方を見ることができるもので、一般的に入れ歯を作るときに用います。
何を使うにしろ、基準は左右の眼ということになるでしょう。
>いくら上顎が3の割合しかずれていなくても、それで上下の歯はきちんと噛み合うものなのでしょうか?
ある程度であれば、歯の方で補償することができるという考え方です。
それができないほどであれば手術が必要ということで、おそらく現在の状態は、歯だけの補償ではうまくいかないということなのだろうと思います。
>歯は上下噛み合っているのに、下顎だけ右にずらしてきちんと噛み合うのか
そこのところは、いったん術前矯正で変えるという必要があります。
つまり、術前矯正では、わざわざ噛んでいるものを噛まなくする治療ということになります。左にずれているのであれば、おそらく左側の臼歯部が舌側に傾斜していたりすると思います。
それは、現在の顎の状態に対する歯の補償作用だからです。
もっと単純に行えば、デンタルミラーを左右の臼歯で噛んでいただくという方法でも大きな傾きを見ることができます。
お使いになったものは、左右と前後の両方を見ることができるもので、一般的に入れ歯を作るときに用います。
何を使うにしろ、基準は左右の眼ということになるでしょう。
>いくら上顎が3の割合しかずれていなくても、それで上下の歯はきちんと噛み合うものなのでしょうか?
ある程度であれば、歯の方で補償することができるという考え方です。
それができないほどであれば手術が必要ということで、おそらく現在の状態は、歯だけの補償ではうまくいかないということなのだろうと思います。
>歯は上下噛み合っているのに、下顎だけ右にずらしてきちんと噛み合うのか
そこのところは、いったん術前矯正で変えるという必要があります。
つまり、術前矯正では、わざわざ噛んでいるものを噛まなくする治療ということになります。左にずれているのであれば、おそらく左側の臼歯部が舌側に傾斜していたりすると思います。
それは、現在の顎の状態に対する歯の補償作用だからです。
タイトル | [写真あり] 下顎前突。不正咬合の診断と手術について |
---|---|
質問者 | マンボウ12345さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 29歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
噛み合わせ(咬合)その他 矯正関連 その他(写真あり) 外科矯正 下顎前突(受け口) |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。