仮歯で長期間過ごすことについて(海外)

相談者: yumenishikiさん (40歳:女性)
投稿日時:2018-12-04 06:03:21
仮歯で長期間過ごすことについて相談させてください。

欧州在住です。

数年前にこちらで受けた奥歯の治療での補綴が高さ・形状ともに合わず当初から常に痛みがある状態でした。
日本で何度か受診し相談しましたが、一時帰国の短い期間では手をつけることが出来ずにおりました。


数年我慢しましたが常に痛むため滞在国で受診相談したところ、あまりにも補綴の適合が悪いために補綴の下に齲歯がある可能性が高く、噛み合わせはともかく直ぐに補綴を外した方が良いとのことで現在治療中です。

現在は奥歯の補綴を一旦外し、仮歯で過ごしています。

定期的に通院し、高さを調整しながら数カ月目ですが 噛み合わせ以前に仮歯が頻繁に外れることに悩んでいます。
そこで、日本の歯科に相談したところ、次回の一時帰国の際に日本で仮歯を作り直し、そこから半年後に予定している本帰国まで仮着ではなく合着するご提案を頂きました。

現在の仮歯は該当の歯列のみの印象で作ったものですが、日本での仮歯は上下印象の上で模型からつくるプロビジョナルとなる為、私が現在抱えている諸々の問題(適合の悪さからのトラブル、高さ調整だけではなかなか合わない不具合)の改善に繋がる可能性があります。

反面、「仮歯を合着」などの単語でネット検索しても事例が全く出てこず、どう考えて良いか分からなくなっております。
今のところの調整でなかなか問題が解決せず、このままこちらで補綴まで完了させることはベストでは無いように思えます。

そこで、最終的な補綴を日本で受けたい場合、適合の悪い現在の仮歯をメンテナンス(外れる度につける)しながら半年過ごすよりも、適合の良い仮歯を合着してしまう選択はありでしょうか。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2018-12-04 07:58:30
>当初から常に痛みがある状態

補綴が高さ・形状ともに合わず」でも「あまりにも補綴の適合が悪いために補綴の下に齲歯がある可能性」でもなく、別の可能性も想定されますね。


>日本での仮歯は上下印象の上で模型からつくるプロビジョナルとなる

お掛かりの施設では、そうなのかもしれませんね。


>仮着ではなく合着する

言葉のアヤかもしれませんが、どのようなセメント(接着剤)を用いても、仮歯は仮着ですよ。


>仮歯が頻繁に外れることに悩んでいます。

いくら接着力を上げたとしても、根本的な改善が図られなければ、また直ぐに外れてしまう、または、支台歯 or 他の歯に無理がかかるかもしれませんね。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2018-12-04 08:38:59
ご相談ありがとうございます。

一度、基本的な知識を持っておかれるといいと思います。
まず歯についても、体格同様にコケイジャンとモンゴロイドとの民族的な違いは小さくありません。

歯の治療について説明いたします。


>適合の良い仮歯を合着してしまう選択はありでしょうか。

ありえます。

ただし、適合の内容には外れる原因を解決していること、そして、仮歯中も歯を虫歯歯周病から守れるようになっていることが条件です。

外れる原因とは、適合性以外に、材質の強度、そして最も重要な噛み合わせ咬合)です。

もし咬合が安定していないと、場合によっては合着しても、仮歯の材質によっては壊れて外れますし、壊れない場合はよく噛めないくらいはその程度の短期間ならばいいとして、痛みがひどく出ることもありえます。


なお適合性とは、見た目の被せ物などの境目がフィットしていることではなくて、歯の削り方と型取りと製作と装着との精度のことを言います。


仮歯とは、

ちなみに世界的な学術としての仮歯とは4段階があります。
それぞれ材質にも段階がありえます。

1 暫定的な仮歯(interim restoration)
2 治療用仮歯(treatment restoration)
3 準備用仮歯(provisional restoration)
4 暫間用仮歯(temporary restoration)


1 補綴治療において、今までの補綴(補綴装置)を外して、取り残しの虫歯を徹底的に除去しただけの状態では、咬合は改善しておらず、臨時の単なるカバーにすぎませんから1番となります。

2 次に、虫歯予防と歯周病対策の補綴設計をした上で、大事な咬合の問題点を解決するために、咬合治療の目的と評価には、2番を使い安定させます。

この段階であれば、外れにくいため仮止めでも半年くらいは耐えられることもありえます。
もし条件が厳しければ、強度を高い材質に変えることも可能です。

もちろん合着も可能です。


もし合着したら

いずれ仮歯を壊さなければいけませんが、その仮歯の成功のデータを記録しておけばすぐに再現できるので、壊す予定で合着することも可能だからです。

データがあればワンステップ戻るだけで済みます。
しかし情報を保存しておかないと、初めからやり直しになってしまい、精神的に肉体的にも大変だからです。


3 いくつかのtreatment R. で成功の見込めるデータが集積できたら、その確定された検査・診断の情報を、最終的に設計が決まった補綴装置(definitive restoration)に取り込める準備ができたステップが3番となり、だいぶ治療回数が進んだ段階になります。

この段階であれば、外れにくいため仮止めでも半年くらいは耐えられることもありえます。

よく相談しましょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: yumenishikiさん
返信日時:2018-12-05 06:07:45
>小林先生
早速のご回答ありがとうございます。
これまでの経過が長すぎて、質問内容に掛からない部分を随分端折ってしまいました…。
文章に説明や言葉が足らない箇所が多くてすみません。

仮歯の接着について、根本的なことを教えて下さってありがとうございます。
それならば「仮歯を合着」で検索しても出てこないはずですよね。


>さがら先生
詳しく解説して頂きありがとうございます。
海外から一時帰国の際に短期勝負での受診となるため、じっくり事前に受診相談した上で実行することが難しく、せめてしっかり一般的な知識を身につけた上で受診に臨みたいと思います。

現在受診している欧州の歯科では、仮歯を新しく作り直すことはしないとのことなので 一つの仮歯を大きめに作って高さを落としていく方針のようです。
今のところ上手くいっておらずこのまま補綴に進むことはベストで無いように感じています。

一時帰国で日本での治療に切り替える際は、さがら先生にご説明頂いた2か3の仮歯で滞在国に戻ることになりそうです。

現在は不具合ではあるものの通院でメンテナンスを継続的に受けていますが、日本での治療に切り替えることにより仮歯を合着(小林先生に教えて頂いた通り、強力な接着剤を使った仮着…ということですね)して帰国までの期間を過ごすことが一番の不安です。

これに関しては実際に受診して現状を見ていただいた上でよくよく相談・判断するしかありませんね。

仮歯の種類や素材のこと、詳しく教えて頂き本当にありがとうございます。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2018-12-05 08:15:28
仮歯で長期間過ごすことはあります。

先日も、全顎治療を行なった患者さんが終わりましたが、 全部で9年かかりました。
その間は仮歯を使っておりましたが、強度の問題があるので、金属製の仮歯を使いながら全体的な治療を行いました。

流石に9年は特別のケースですが、そうでない場合でも2〜3年ほどかかる場合もあり、そのようなケースにおいては強度の高いプラスチックを用いた仮歯を仮着して治療します。

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回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2018-12-05 08:22:20
ご返信ありがとうございます。

>一般的な知識

>欧州の歯科では、

身に染みたこととおもいますが、補綴治療はとても難しく、良くなるどころか悪化の泥沼になることが少なくありません。
そのため欧州には別に補綴の専門医がおり、良心ある一般の歯科医師は補綴治療には手を出しません。


仮歯を新しく作り直すことはしない

補綴の専門医は必ず新しい仮歯に取り替えます。

口の中でいきなり調整することは危険と知っているからです。
つまり本当に治す科学的プロセスを知っていて、それ以外のリスクもよく知っているからです。


> 一つの仮歯を大きめに作って高さを落としていく方針

この方法では落とし足りない、と何度もあてどなく削るくりかえしか、逆に、落としすぎてその場は良いと思えても後でとんでもない落とし穴に苦しむか、必ずどちらかになります。

これで全ての人にうまくいくことは決してありません。
すでに20世紀に判明していることです。

現代の補綴治療の定説です。


>メンテナンスを継続的に受けて

本当のメンテナンスの意味は、やっと健康を取り戻した後に、再発を効果的に予防したり、健康をさらに維持増進することです。

日本でも誤解されていますが、病的な状態のままで通院を継続しても、実態は、良くしていないままに悪くなるのをハラハラしながら待っているのですから、遅かれ早かれ必ず悪化するだけ、どんどん削られるだけです。


仮に虫歯で歯が無くなることを考えてみると、虫歯の病気で穴が何年何十年とかけて大きくなる速度と、歯科医師がピューンと削るあっという間に歯が無くなる速度を比べると、いたずらに繰り返し歯科医師によって削られる方が歯はそれこそあっという間に早く失われるリスクが高いということです。

真実を知りましょう。

補綴治療の目的は、総合的でかつ究極の予防医療です。
これは誰でも読むことができる、日本補綴歯科学会のガイドラインです。


ちなみに、欧州ではハンガリーにとても評判の良い補綴専門の大型歯科医院があり、欧州各国から国境を越えて治療に殺到しています。

通院は大変ですが、それほど補綴治療とは一般歯科医師には無理と言えるほど難しい治療であり、理論通り成功すると素晴らしい結果を得られることが欧米では知られています。
いかに歯科医院の選択が重要かということです。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2018-12-05 14:26:50
こんにちは。

>数年前にこちらで受けた奥歯の治療での補綴が高さ・形状ともに合わず当初から常に痛みがある状態でした。
 
高さと形状が問題でしょうか、感染根管も疑われます。

感染根管治療 http://www.yamadashika.jp/infection.html

>日本で何度か受診し相談しましたが、一時帰国の短い期間では手をつけることが出来ずにおりました。

高さと形だけなら修正は容易なように思います。

>数年我慢しましたが常に痛むため滞在国で受診相談したところ、あまりにも補綴の適合が悪いために補綴の下に齲歯がある可能性が高く、噛み合わせはともかく直ぐに補綴を外した方が良いとのことで現在治療中です。

有髄歯でしょうか。

>現在は奥歯の補綴を一旦外し、仮歯で過ごしています。

仮歯の種類によります。

>定期的に通院し、高さを調整しながら数カ月目ですが 噛み合わせ以前に仮歯が頻繁に外れることに悩んでいます。

作り直したほうがいいと思います。

>そこで、日本の歯科に相談したところ、次回の一時帰国の際に日本で仮歯を作り直し、そこから半年後に予定している本帰国まで仮着ではなく合着するご提案を頂きました。

痛みさえなければそれでいいと思います。

>現在の仮歯は該当の歯列のみの印象で作ったものですが、日本での仮歯は上下印象の上で模型からつくるプロビジョナルとなる為、私が現在抱えている諸々の問題(適合の悪さからのトラブル、高さ調整だけではなかなか合わない不具合)の改善に繋がる可能性があります。

対合歯なしで冠を作るなんて信じられません。

>反面、「仮歯を合着」などの単語でネット検索しても事例が全く出てこず、どう考えて良いか分からなくなっております。
>今のところの調整でなかなか問題が解決せず、このままこちらで補綴まで完了させることはベストでは無いように思えます。

合着とは仮止めでないという意味だと思います。

>そこで、最終的な補綴を日本で受けたい場合、適合の悪い現在の仮歯をメンテナンス(外れる度につける)しながら半年過ごすよりも、適合の良い仮歯を合着してしまう選択はありでしょうか。

ありですが痛みはどうなりましたか、そちらの方が気にかかります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: yumenishikiさん
返信日時:2018-12-06 05:28:37
>タカタ先生
漠然とした質問にも関わらずご回答ありがとうございます。
個々のケースによるとは分かっているものの、プラスチックの強度にも種類があることや長い期間の仮歯のケースについて伺えてとても参考になりました。



>さがら先生
はい、身に染みました(苦笑)。
分かりやすく私の置かれている現状に沿った解説をして頂き大変ありがたく思います。
具体的な治療ステップに関しても、歯科に対する概念に関しても、とても腑に落ちて今後を考える参考になりました。

ハンガリーは、物価の面からも欧州中から患者さんが集まりますね。高度な治療が受けられると聞いています。
私は残念ながらハンガリーではなく、しかも比較的医療水準の高いとされる国なのですが…仰る通りいかに歯科医院の選択が重要かということ…これにつきますね。

国ではなく、日本に帰っても保険自費という種類だけでも千差万別ですものね。

漠然と今の仮歯のまま最終の補綴を受けるべきでないと悩んでいましたが、お陰様で一先ず目先の事だけは決断出来そうです。
まずはこちらで最終補綴を受けることを回避して、帰国後によく検討して先に進もうと思います。



>山田先生
ご回答ありがとうございます。
経過をずいぶん省略して書いてしまい紛らわしくて申し訳ありません。

私の経過と質問中に3つの歯科と時系列が出てくる為順番に説明させてください。

@まず滞在国で、数年前に高さ・形状の合わない補綴治療を受けました。

>数年前にこちらで受けた奥歯の治療での補綴が高さ・形状ともに合わず当初から常に痛みがある状態でした。

高さと形状が問題でしょうか、感染根管も疑われます。
→これに関しては、今現在も歯髄は無事です。
信じられない話かと思いますが、補綴を合着直後に麻酔の状態で既に高さと形状が合わないと自分で分かるほど度を越した不適合…とだけ。
広角を引いて笑えないレベルで補綴が高かったのです。

>日本で何度か受診し相談しましたが、一時帰国の短い期間では手をつけることが出来ずにおりました。

高さと形だけなら修正は容易なように思います。
→残念ですが、私が受診した数カ所(大学病院から自由診療まで含)では短期的に解決には繋がりませんでした。
説明不足ですが、補綴が一歯だけでなかったことや私の元々の歯並びなども要因だと思います。

Aここで、滞在国の2つ目の歯科医院の内容に移ります。
>数年我慢しましたが常に痛むため滞在国で受診相談したところ、あまりにも補綴の適合が悪いために補綴の下に齲歯がある可能性が高く、噛み合わせはともかく直ぐに補綴を外した方が良いとのことで現在治療中です。

有髄歯でしょうか。
→はい。
生活歯ですので、外れやすい仮歯で過ごすことが心配になり後の日本の歯科への相談に繋がりました。

>定期的に通院し、高さを調整しながら数カ月目ですが 噛み合わせ以前に仮歯が頻繁に外れることに悩んでいます。

作り直したほうがいいと思います。
→やはり、このままだとよろしくないですね。
歯科の先生からのご意見とても心強いです。

>そこで、最終的な補綴を日本で受けたい場合、適合の悪い現在の仮歯をメンテナンス(外れる度につける)しながら半年過ごすよりも、適合の良い仮歯を合着してしまう選択はありでしょうか。

ありですが痛みはどうなりましたか、そちらの方が気にかかります。
→Aの歯科で仮歯になった後、仮歯が取れやすく間に物が入り込むなどが続き 新たな痛みに気を取られてきました。
(一応、現在も歯髄は無事との診断です。)

そこで、B三つ目の歯科(日本)への相談となりました。
滞在国から相談のみの段階なので 仮歯を作り直し合着した場合の今後がどうなるかはまだ分かりません。

不安も大きいですが沢山の先生方からお話を伺う事が出来 、一先ずは現在の治療(仮歯)から下りる選択をしてみようと思います。
心強いアドバイス、本当にありがとうございます。



タイトル 仮歯で長期間過ごすことについて(海外)
質問者 yumenishikiさん
地域 海外
年齢 40歳
性別 女性
職業 主婦
カテゴリ 海外その他
仮歯に関する質問・トラブル
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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