石灰化で神経が開かない7番。このまま被せるか分割抜歯か
相談者:
にんじんぱんさん (61歳:女性)
投稿日時:2019-01-18 13:02:36
こんにちは、お世話になります。
昨年11月、以前治療した左上7番に痛みが出て根管治療をしています。
一部亀裂があり、そのため痛みが出たようです。
根管治療は初めての歯です。
通院7回で2本の神経は治療できましたが、1本は石灰化で開けることができないとの事です。
この場合の選択肢として2案提案されました。
@このまま被せてしまう。
いずれは痛みが出る可能性がある。
A開かなかった1本を分割抜歯する。
医師はAの方が良いのでは…との事です。
ただ調べてみると、分割抜歯の予後はあまり良くないようですが。
ネットの情報では、開かない神経に月1回6ヶ月カルビタールを貼薬して根管が消毒される事もあるというデータがありましたが、
実際はどうなのでしょうか。
不確定要素が大きいと思いますが、どうすれば長く使えるのか悩んでいます。
よろしくお願いいたします。
昨年11月、以前治療した左上7番に痛みが出て根管治療をしています。
一部亀裂があり、そのため痛みが出たようです。
根管治療は初めての歯です。
通院7回で2本の神経は治療できましたが、1本は石灰化で開けることができないとの事です。
この場合の選択肢として2案提案されました。
@このまま被せてしまう。
いずれは痛みが出る可能性がある。
A開かなかった1本を分割抜歯する。
医師はAの方が良いのでは…との事です。
ただ調べてみると、分割抜歯の予後はあまり良くないようですが。
ネットの情報では、開かない神経に月1回6ヶ月カルビタールを貼薬して根管が消毒される事もあるというデータがありましたが、
実際はどうなのでしょうか。
不確定要素が大きいと思いますが、どうすれば長く使えるのか悩んでいます。
よろしくお願いいたします。
[過去のご相談]
回答1
東京国際歯科六本木(港区六本木)の宮下です。
回答日時:2019-01-18 13:36:40
にんじんぱん さん
こんにちは
現在の日本の歯科事情を考えると悩ましいですね。
痛みが出て神経を取ろうとしている状況だと思います。
もちろんベストは全ての根管を見つけて、神経を取っておくことになります。
普通、4つ根管があります。
ただし、一般的な歯科医院では石灰化した根管を探して治療するというのは不可能です。
非常に細い管を目視で見つけ出すのは、難しいと思います。
1・ もしも保険診療でなく、できるだけ良い治療を受けたいと思われているようでしたら、マイクロスコープを用いて治療しているクリニックを探すことです。
2・このレベルの治療は、今治療してくださっている先生が、ラバーダムを用いて感染させないように治療してくださっているかどうかです。
もしも、そうであれば、神経が見つからなくても、そのまま治療を進めても問題は起こりにくいと思います。
3・ その次のレベルは一般的な歯科医院で、ほとんどの歯科医院が含まれると思いますがラバーダムなしで根管を治療している状態です。
(7回も治療されていて、非常に良心的な先生なのですが)
おそらく、感染のリスクは高いと思います。
今現在痛みもないのだと思いますので、このまま進めていかれて、将来大きな問題が出てきたら、1 の先生をお探しになることです。
上の7番の歯は根が3本あるかもしれませんが、分割すると、とってもブラッシングが行いにくくなり、結果的に歯周病や根の部分の虫歯が起こりやすく、歯を失いやすくなります。
カルビタールを置いたところで、奥深い部分の感染は取れません。
こんにちは
現在の日本の歯科事情を考えると悩ましいですね。
痛みが出て神経を取ろうとしている状況だと思います。
もちろんベストは全ての根管を見つけて、神経を取っておくことになります。
普通、4つ根管があります。
ただし、一般的な歯科医院では石灰化した根管を探して治療するというのは不可能です。
非常に細い管を目視で見つけ出すのは、難しいと思います。
1・ もしも保険診療でなく、できるだけ良い治療を受けたいと思われているようでしたら、マイクロスコープを用いて治療しているクリニックを探すことです。
2・このレベルの治療は、今治療してくださっている先生が、ラバーダムを用いて感染させないように治療してくださっているかどうかです。
もしも、そうであれば、神経が見つからなくても、そのまま治療を進めても問題は起こりにくいと思います。
3・ その次のレベルは一般的な歯科医院で、ほとんどの歯科医院が含まれると思いますがラバーダムなしで根管を治療している状態です。
(7回も治療されていて、非常に良心的な先生なのですが)
おそらく、感染のリスクは高いと思います。
今現在痛みもないのだと思いますので、このまま進めていかれて、将来大きな問題が出てきたら、1 の先生をお探しになることです。
上の7番の歯は根が3本あるかもしれませんが、分割すると、とってもブラッシングが行いにくくなり、結果的に歯周病や根の部分の虫歯が起こりやすく、歯を失いやすくなります。
カルビタールを置いたところで、奥深い部分の感染は取れません。
回答2
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2019-01-18 16:19:01
回答3
坂寄歯科医院(茨城県取手市藤代)の三木です。
回答日時:2019-01-18 17:09:36
にんじんぱんさん、こんにちは。
>不確定要素が大きいと思いますが、どうすれば長く使えるのか悩んでいます。
私の場合、本当にどうしても開かない場合は、そのまま被せてしまう事がほとんどです。
というのも、実際問題、神経の治療とは「根管内の感染源の除去」が主目的ですが、根尖(根の先)に感染源があることは稀です。正確な数値は忘れましたが9割近くは歯冠部(歯茎から出ている部分)に感染源があります。
そのため、どうしても根尖まで行けなかったとしても、可能な範囲で根管内を綺麗にして、しっかりと洗浄を行えば問題ないと考えております。
(実際に問題なく治ってくれることが殆どですので・・・。)
ただ、根尖まで到達していた方が根管治療の成功率は高いというデータもありますので、可能であれば根尖まで到達した方が良いのは間違いありません。
治療の成功率や予後に拘りがおありなのであれば、歯内療法専門医の先生に治療を依頼するというもの一つの手かと思います。
ちなみに、薬剤を交換し、長期間消毒することで根管内を改善しようとしていたのは少し前の考え方かと思います。
ご参考程度にしていただければと思います。
>不確定要素が大きいと思いますが、どうすれば長く使えるのか悩んでいます。
私の場合、本当にどうしても開かない場合は、そのまま被せてしまう事がほとんどです。
というのも、実際問題、神経の治療とは「根管内の感染源の除去」が主目的ですが、根尖(根の先)に感染源があることは稀です。正確な数値は忘れましたが9割近くは歯冠部(歯茎から出ている部分)に感染源があります。
そのため、どうしても根尖まで行けなかったとしても、可能な範囲で根管内を綺麗にして、しっかりと洗浄を行えば問題ないと考えております。
(実際に問題なく治ってくれることが殆どですので・・・。)
ただ、根尖まで到達していた方が根管治療の成功率は高いというデータもありますので、可能であれば根尖まで到達した方が良いのは間違いありません。
治療の成功率や予後に拘りがおありなのであれば、歯内療法専門医の先生に治療を依頼するというもの一つの手かと思います。
ちなみに、薬剤を交換し、長期間消毒することで根管内を改善しようとしていたのは少し前の考え方かと思います。
ご参考程度にしていただければと思います。
相談者からの返信
相談者:
にんじんぱんさん
返信日時:2019-01-19 11:33:46
宮下先生
早速のお返事ありがとうございます。
一般的な歯科医院でラバーダムなしですが、注意深く治療していただいていると感じています。
分割抜歯はリスクが高いようなので、よく考えようと思います。
いろいろとありがとうございました。
藤森先生
石灰化ではない場合もあるのですか。
参考にさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
三木先生
わかりやすい説明ありがとうございます。
感染源は主に歯冠部との事、初めて知りました。
また、分割抜歯についてですが三木先生はどのようにお考えでしょうか。
現在症状は無いので、どうかな…と思っています。
「自分だったら分割抜歯をする」と治療している先生が言われたので、少し迷っています。
よろしくお願いいたします。
早速のお返事ありがとうございます。
一般的な歯科医院でラバーダムなしですが、注意深く治療していただいていると感じています。
分割抜歯はリスクが高いようなので、よく考えようと思います。
いろいろとありがとうございました。
藤森先生
石灰化ではない場合もあるのですか。
参考にさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
三木先生
わかりやすい説明ありがとうございます。
感染源は主に歯冠部との事、初めて知りました。
また、分割抜歯についてですが三木先生はどのようにお考えでしょうか。
現在症状は無いので、どうかな…と思っています。
「自分だったら分割抜歯をする」と治療している先生が言われたので、少し迷っています。
よろしくお願いいたします。
回答4
坂寄歯科医院(茨城県取手市藤代)の三木です。
回答日時:2019-01-19 14:51:43
>分割抜歯についてですが三木先生はどのようにお考えでしょうか。
上の奥歯で3本の根のうち1本を取ることをトライセクションと言います。
私は大学時代に「治療法として存在しているが、咬合力に対する抵抗力・ブラッシングの困難さから、結局長期安定が出来ないため、実際に行う事はほとんどない。」
と習いました。
実際卒業してからトライセクションを見かけたことは1度だけですし、その1度の症例においても、「1年前にやったばかりだけど歯が揺れだして痛くて噛めない」と訴えられて来院されました。
もちろん積極的に行っている先生であれば長期安定させる手技手法を持っているのかもしれませんが、そういった手法を有している先生は非常に少ないと思います。
回答3で書いている通り、根尖まで到達していなくてもそれ以外の根管治療がしっかりと出来ていれば問題はないと考えておりますので、患者さんにトライセクションを勧めたことはありませんし、今後も恐らく勧めることはないと思います。
上の奥歯で3本の根のうち1本を取ることをトライセクションと言います。
私は大学時代に「治療法として存在しているが、咬合力に対する抵抗力・ブラッシングの困難さから、結局長期安定が出来ないため、実際に行う事はほとんどない。」
と習いました。
実際卒業してからトライセクションを見かけたことは1度だけですし、その1度の症例においても、「1年前にやったばかりだけど歯が揺れだして痛くて噛めない」と訴えられて来院されました。
もちろん積極的に行っている先生であれば長期安定させる手技手法を持っているのかもしれませんが、そういった手法を有している先生は非常に少ないと思います。
回答3で書いている通り、根尖まで到達していなくてもそれ以外の根管治療がしっかりと出来ていれば問題はないと考えておりますので、患者さんにトライセクションを勧めたことはありませんし、今後も恐らく勧めることはないと思います。
回答5
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2019-01-19 15:30:09
たしかに、(少なくとも日本人の)上顎7番の1根抜去は難しいケースが多いように思いますね。
相談者からの返信
相談者:
にんじんぱんさん
返信日時:2019-01-22 11:24:42
三木先生、藤森先生、宮下先生お忙しいところ、お返事ありがとうございます。
昨日ですが、歯磨きの際治療中の歯の歯茎上部を押したとき違和感を感じました。
石灰化で治療できていない根管1本の慢性炎症なのでしょうか。
ほかにも治療済みのこのような歯が何本かあり、疲れたりすると時々疼きます。
医師は今回も同様になってしまうので、1本だけでも…ということで分割抜歯を薦めているようです。
今痛みはないので、いずれ痛みが出た時に分割などの治療をするというのは、どうなのでしょうか。
可能なのでしょうか。
どちらにしても延命措置だと思いますが、なるべく長く使えたらと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
昨日ですが、歯磨きの際治療中の歯の歯茎上部を押したとき違和感を感じました。
石灰化で治療できていない根管1本の慢性炎症なのでしょうか。
ほかにも治療済みのこのような歯が何本かあり、疲れたりすると時々疼きます。
医師は今回も同様になってしまうので、1本だけでも…ということで分割抜歯を薦めているようです。
今痛みはないので、いずれ痛みが出た時に分割などの治療をするというのは、どうなのでしょうか。
可能なのでしょうか。
どちらにしても延命措置だと思いますが、なるべく長く使えたらと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
回答6
歯科医師の松山です。
回答日時:2019-01-22 12:50:31
>石灰化で治療できていない根管1本の慢性炎症なのでしょうか。
そこが問題で、今までのやり取りで推察するしかありません。
石灰化は、見方によっては不完全かもしれないが、生体により根管充填されているともいえます。
事実、複根歯で石灰化している根には根尖病巣がみあたらないことがあります。
勿論、単根歯でもあります。
石灰化している根管に、サホライドという市販名の銀イオン製剤があり、根尖病巣が認められるときに根尖部寄りに、浸み込ませて、極微量作用というものに期待する殺菌法はあり、うまくいくことがあります。
CTでも複根歯のどの歯根が原因になっているかの判定は難しく、治療によってわかってくることもあります。
「一部亀裂があり、」とあわせて診断していくしかなくて法的なこともありネット相談の限界だと思います。
部分抜歯は上7番では難しいというのは、わたしも同意見です。舌側根は、内側の(口蓋側)歯根なのですが、この歯根の抜去はほとんど意味がないというのが、私の持論です。
これ以上コメントは無理ということではありませんから、疑問があったら書き込んでください。
そこが問題で、今までのやり取りで推察するしかありません。
石灰化は、見方によっては不完全かもしれないが、生体により根管充填されているともいえます。
事実、複根歯で石灰化している根には根尖病巣がみあたらないことがあります。
勿論、単根歯でもあります。
石灰化している根管に、サホライドという市販名の銀イオン製剤があり、根尖病巣が認められるときに根尖部寄りに、浸み込ませて、極微量作用というものに期待する殺菌法はあり、うまくいくことがあります。
CTでも複根歯のどの歯根が原因になっているかの判定は難しく、治療によってわかってくることもあります。
「一部亀裂があり、」とあわせて診断していくしかなくて法的なこともありネット相談の限界だと思います。
部分抜歯は上7番では難しいというのは、わたしも同意見です。舌側根は、内側の(口蓋側)歯根なのですが、この歯根の抜去はほとんど意味がないというのが、私の持論です。
これ以上コメントは無理ということではありませんから、疑問があったら書き込んでください。
相談者からの返信
相談者:
にんじんぱんさん
返信日時:2019-01-22 17:56:41
回答7
歯科医師の松山です。
回答日時:2019-01-22 18:10:48
>@「サホライドを使っての殺菌法」というのは一般の歯科でも
受けられるのでしょうか。
どこでも、サホライドさえあれば出来るのですが知らない先生がいます。確実に効くというわけでもありません。
黒化する欠点もあります。
>A上7番の部分抜歯は難しいのはどうしてでしょうか。
歯根分岐が大きく開いていればよいのですが、接近している場合が多く、場所的にも難しいのです。
>B(石灰化の根の位置はわかりませんが)舌側根の抜去は、意味がないとのお話ですが、なぜでしょうか。
残りの根では弱すぎる、加重方向も悪いからです。
受けられるのでしょうか。
どこでも、サホライドさえあれば出来るのですが知らない先生がいます。確実に効くというわけでもありません。
黒化する欠点もあります。
>A上7番の部分抜歯は難しいのはどうしてでしょうか。
歯根分岐が大きく開いていればよいのですが、接近している場合が多く、場所的にも難しいのです。
>B(石灰化の根の位置はわかりませんが)舌側根の抜去は、意味がないとのお話ですが、なぜでしょうか。
残りの根では弱すぎる、加重方向も悪いからです。
相談者からの返信
相談者:
にんじんぱんさん
返信日時:2019-01-28 15:23:01
松山先生
御返信ありがとうございます。
教えていただいた情報も含めて、次回主治医に相談して決めたいと思います。
お忙しいところ本当にありがとうございました。
御返信ありがとうございます。
教えていただいた情報も含めて、次回主治医に相談して決めたいと思います。
お忙しいところ本当にありがとうございました。
回答8
歯科医師の松山です。
回答日時:2019-01-28 16:34:35
経過を見ることも必要でしょう。
そのうえでの、再質問も考慮してください。
そのうえでの、再質問も考慮してください。
タイトル | 石灰化で神経が開かない7番。このまま被せるか分割抜歯か |
---|---|
質問者 | にんじんぱんさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 61歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
根管治療その他 クラウン(差し歯・被せ)その他 根管治療関連 ヘミセクション(トライセクション) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。