痛み出した破折のある歯の処置に関してお教えください

相談者: トモヤンさん (63歳:男性)
投稿日時:2019-04-17 18:27:58
私の左下顎第2大臼歯は、もう20年以上前に虫歯で治療していただき、神経を残しクラウンを嵌めております。
8年程前の再治療の時、割れ目が見えるのでやがて抜歯になるだろうと言われてしまいました。

その後は、何事もなく経過したのですが、2カ月ほど前から、冷たいものや熱いものがしみたり、硬いものを噛んだ時軽い痛みが出るようになりました。
受診した先生からは、神経を抜いて破折の状態が悪くなければ抜歯せずに様子を見ていこうという方針を提示されました。


そこで、お教えいただきたいのは、

@破折を接着剤で修復する方法があると聞きました。重度の破折は歯を取り出して接着後戻し、軽度のものはそのままの状態で接着剤で固めるという事の様です。

そういう方法で長持ちを期待できるものでしょうか。
また、治療のデメリットはないのでしょうか。



A神経を抜いた後の処置をグラスファイバーのコアをボンディング接着するというやり方が破折の予防にいいという説を知りましたが、既に折れている場合もそのようにいしていただいた方がいいものでしょうか。



Bクラウンはかなり高額なものなので、外さずに穴をあけて処置を行う方法もあるという事でしたが、相当にやりにくくなるものでしょうか。顕微鏡は使われるようです。


以上お教えいただければ幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2019-04-18 07:16:12
トモヤンさんこんにちは。

左下顎第2大臼歯が、8年程前の再治療の時、割れ目が見えるのでやがて抜歯になるだろうと言われ、2カ月ほど前から調子が悪く今後の方針を相談したいのですね。

@破折をスーパーボンド等で接着剤修復する方法ですが、まずは。綺麗に左下の歯を綺麗に抜歯できるかどうかです。

ボロボロで抜歯になると接着修復が出来ない事もあります。
接着剤に依存するので、また割れることもあります。



A神経を抜いた後、最近ではメタルでなくファイバーコアを選択することが多いと思います。

既に折れている場合、コアが外れている場合はファイバーコアにすることは難しくないと思いますが、破折の仕方によってはファイバーコアに変更するのは困難かもしれません。
担当医と相談してみて下さいね。



Bクラウンを外せずに根の治療をすることはありますが、破折した場合は、破折線を接着するので、接着線が出ない外さずに穴をあけて処置を行う方法は現実的ではないですね。

しかし、クラウンを外さない方法は、クラウンがある状態で一度抜歯し、口腔外で処置をし、再度戻す再植であれば可能なこともあります。


参考までに。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: トモヤンさん
返信日時:2019-04-18 11:27:15
ご回答をいただき誠にありがとうございます。

もし、お時間をいただけるようでしたら、もう一度お聞きしたいのですが。


まだ、神経もある歯でレントゲンでは歯槽骨に異常はないように見えるようです。

そういう事も考えると、素人の印象ではありますが、クラウンを外して神経を抜き、接着剤で割れ目を補強して、ファイバーコアを入れてボンドで固定する・・・というような方法がいいような気がしてきました。


そういう風に、歯は抜かずに接着剤で割れ目の補強をするというような事は、多くの先生方に行われているのでしょうか。
お願いすれば可能なものでしょうか。

デメリットはどんなことがあるでしょうか。
回答 回答2
  • 回答者
クレア歯科クリニック(杉並区阿佐谷北)の平岡です。
回答日時:2019-04-18 14:02:35
トモヤンさん、こんにちは。

「完全に分離していない」歯のヒビ抜歯しないで接着剤で補強する方法ですが、私の臨床経験では試してみる価値のある方法かと思います。

根の半分が割れていてフィステルができているケースや、外傷で半分割れたというようなケースなど、その後クラウンをかぶせて問題なく経過しているケースが結構あります。

そういう意味では、やってよかったなと思いますし、患者さんにも喜ばれています。


デメリットとしては、自費治療になる(それなりにお金がかかる)こととあくまでチャレンジしてみて、予後が悪ければ抜歯(お金が無駄になるかもしれない)になる可能性があるということと、その兆候をいち早く察知して必要があれば抜歯を行わないと、周囲の骨が吸収されてからの抜歯になると後々の治療にデメリットになる可能性があるので、定期健診は必須ということくらいでしょうか?

長期的な予後という意味では、破折の歯を残すより、インプラントなどの方が術者としてはよほど安心です。


しかしながら、人の価値観は様々なので、なるべく自分の歯を残したいということで、まあうまくいかなかったり将来破折が広がって抜歯になるリスクも受け入れられるという人も少なからず存在しますので、こういう治療があってもいいかと思っています。

ですので、トモヤンさんがそういう覚悟で臨まれるのであれば、やってみて損はないと思います。


また、破折歯の接着保存という治療は知っていても自分ではやったことのないような先生が非常に多いと思います。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2019-04-18 16:06:53
トモヤンさん、こんにちは

すでに破折という前提でのお話ですが、もしかすると破折以外の原因も考えられます。

まずは丹念な診査を行い、場合によってはクラウンを外して、正確な診断を受ける必要があると思います。
その上で破折であった場合でも、ヒビの深さや広がりの程度によって治療方針が変わってくると思います。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: トモヤンさん
返信日時:2019-04-18 23:30:14
平岡先生

丁寧なご回答をありがとうございます。
成程・・・あくまで一時しのぎとして経過をチェックしながらなら、やる価値はあるのではないかという事ですね。

でも、行っておられる先生が多くはない・・・


小牧先生

ご回答をありがとうございます。
8年前に既に指摘されている割れ目ですので、症状が出て来ることはやむを得ないようには思います。
それが原因で出いる症状かどうかは分かりませんが・・・

でも、トン各クラウンを外して観察する必要がありますね。、
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2019-04-19 13:57:21
こんにちは。

>@破折を接着剤で修復する方法があると聞きました。
>重度の破折は歯を取り出して接着後戻し、軽度のものはそのままの状態で接着剤で固めるという事の様です。
>そういう方法で長持ちを期待できるものでしょうか。
>また、治療のデメリットはないのでしょうか。

接着再植と内部接着修復でしょう、長持ちという事では接着再植では私の症例で2010年が最初で100例余り、そのうち8例が結果として抜歯となりました、内部接着では90例余りで2例が抜歯になりました。



>A神経を抜いた後の処置をグラスファイバーのコアをボンディング接着するというやり方が破折の予防にいいという説を知りましたが、既に折れている場合もそのようにいしていただいた方がいいものでしょうか。

破折していれば有効な方法ではありません。


>Bクラウンはかなり高額なものなので、外さずに穴をあけて処置を行う方法もあるという事でしたが、相当にやりにくくなるものでしょうか。
>顕微鏡は使われるようです。

破折歯の修復という事であればそもそも不可能です。

先ずは正確な診断をしてもらってください。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: トモヤンさん
返信日時:2019-04-21 22:14:20
山田先生、ご回答を頂き有難うございます。

お礼が遅くなり申し訳ありません。

先生の経験から判断せていただくと、相当の効果があるようですね。
あまり簡単に抜歯を言う判断をすることもないのかもしれません。

非常に参考になりました。
有難うございました。



タイトル 痛み出した破折のある歯の処置に関してお教えください
質問者 トモヤンさん
地域 非公開
年齢 63歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯の痛み その他
歯根破折
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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