上6番、花粉の時期の抜歯について

相談者: はぴらきさん (38歳:女性)
投稿日時:2020-01-16 21:08:11
1年程前から10年以上前に抜随済みの上顎(6番)の口蓋側の歯ぐきが腫れて膿みが出来たため、歯科を受診しました。

レントゲンと歯科CTでは根の周りに黒い陰が大きく写っており、炎症上顎洞にまで及んでいて骨も溶けておりかなり悪い状態との所見で、抜歯を勧められましたが、踏み切れなかったため再根幹治療をしました。

マイクロスコープで診てもらった結果、やはり3本ある根のうち口蓋根に破折が起きているとの事でした。

治療後も歯茎の腫れと膿がひどくなる一方だったため、結局抜歯する運びとなったのですが、分割抜歯か全抜歯かで悩んでいます。

前述のようにCT上ではかなり炎症が広がっており空洞も大きいため、抜歯窩と鼻の穴?の交通や副鼻腔炎の確率が高いとの所見です。

トライセクションの予後はあまり良くないとの事なので将来的には全抜歯になるだろうから、最初から全抜歯にしておいた方が良いのでは、と周囲には言われ最もだと思ってはいるのですが、頭の片隅にはまだ悪くなっていない残りの2根は残して部分入歯等の補綴は先に延ばしたいという希望もあります。

また、全抜歯にしたらその分抜歯の穴が大きくなり、鼻の穴と完全に交通して塞がらないのでは?と素人考えではありますが懸念しています。

その場合塞ぐ手術をすればいいとは言われていますが、諸事情により手術や入院は出来るだけ避けたく思います。


Q1.
◎部分抜歯より全抜歯の方が、穴が大きくなって上顎洞と交通する確率が高くなるでしょうか?

◎また、部分抜歯だと、全抜歯に比べて穴が小さく病巣が取りきれない事はあるのでしょうか?

◎部分抜歯後は頬側の2根で支える事になりますが、口蓋根の太い根がなくなることにより支えが弱くなる事を告げられたのですが、このような例では残った2根に冠をかぶせて終わり、との事ですが、口蓋側はぽっかり開いたままという事でしょうか?

Q2.
重度の杉と檜の花粉症です。
毎年時期になると鼻炎やかゆみ等アレルギー症状が酷くなります。

抜歯の時期が花粉の時期と重なる事になりそうですが、抜歯後の上顎洞炎や交通する事が予測されるのであれば、抜歯窩の傷口が広がらないようにするため鼻もろくにかめない状態だと思うし、大変な事になるのではないかと危惧しているのですが、時期をずらした方が良いでしょうか?


医師に直接聞けば相談すれば良いのですが、受診後にあれこれ疑問が出てきてしまいました。
脈絡のない質問で恐縮ですがご回答いただければ幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2020-01-17 07:13:33
>分割抜歯か全抜歯かで悩んでいます。

レントゲンもCTも撮っていただいたとのことですが、歯周組織検査なども含めた資料を担当医が総合的に診断し、それを基に患者さんと協議することが、殆ど全てのように思います。

担当医との話し合いの内容に納得できないようでしたら、他の口腔外科を自主的に受診して相談してみる or データを借りるなどしてセカンドオピニオンを求めてみる等を検討してみてはいかがでしょう。


>医師に直接聞けば相談すれば良いのですが、受診後にあれこれ疑問が出てきてしまいました。

資料が整っているのでしたら、それに基づいたディスカッションがなされるべきものであり、インターネット上の歯科相談掲示板よりも、リアルな歯科医師とコミュニケーションをとってください。

「花粉の時期」を鑑みると、時間の猶予がありませんから、一両日中にでも担当医と相談する時間を設けるよう、万障を繰り合わせる努力を勧めます。


トライセクションの予後はあまり良くないとの事

トライセクションは、炎症の範囲が限局されるなど、余程の好条件に恵まれた時にのみ検討される施術です。

「CT上ではかなり炎症が広がっており空洞も大きいため、抜歯窩と鼻の穴?の交通や副鼻腔炎の確率が高いとの所見」という状態なのでしたら、私だったら部分抜歯は勧めません。


>部分抜歯より全抜歯の方が穴が大きくなって、上顎洞と交通する確率が高くなるでしょうか?

上顎洞と交通するかどうかは、部分抜歯か or 全抜歯なのかということよりも、抜歯後に、どこまで or どう掻把するのかということに依るかと思います。


>部分抜歯だと、全抜歯に比べて穴が小さく病巣が取りきれない事はあるのでしょうか?

穴が小さいからではなく、「根の周りに黒い陰が大きく写っており、炎症が上顎洞にまで及んでいて骨も溶けておりかなり悪い状態」ということでしたら、そもそも部分抜歯が不適応かと思います。

姑息的ではなく、確実な治療が望まれます。


>残った2根に冠をかぶせて終わり、との事ですが、口蓋側はぽっかり開いたままという事でしょうか?

一般的に鑑みると、当初は「ぽっかり開いた」粘膜面は、時間をかけて徐々に閉鎖していくものと思われます。


>抜歯の時期が花粉の時期と重なる事になりそうです

歯根破折に伴う炎症は、次第に広がっていきますから、抜歯が相当とされるものを、何カ月も先送りにするのは、如何なものかと思います。

幸いにして、花粉の時期が始まるまで、極僅かながら時間がありますから、他の歯に悪影響が波及する前に、今のうちに、さっさと抜歯していただいてはいかがでしょう。

ちゃんと診査診断に則ったうえでしたら、むやみに抜歯時期を遅らせることは、決して患者さんの為にはなりません。

感情論云々ではなく、予知性の高い施術を冷静に選択すべきでしょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はぴらきさん
返信日時:2020-01-17 21:10:04
小林先生

お忙しい中ご回答ありがとうございました。

>「根の周りに黒い陰が大きく写っており、炎症上顎洞にまで及んでいて骨も溶けておりかなり悪い状態」ということでしたら、そもそも部分抜歯が不適応かと思います。

⇒担当歯科医からは部分抜歯も適応出来るとの事でしたので、どちらにするか決めておくように言われました。

このような状態では一般的には部分抜歯はやめた方が良いのですか?
知識がないもので理由も教えていただけると幸いです。


>抜歯が相当とされるものを、何カ月も先送りにするのは如何なものかと思います。
>今のうちに、さっさと抜歯していただいてはいかがでしょう。

⇒仰るとおりではありますが、花粉の時期と重なり副鼻腔炎の重症化も気にしています。

また、「さっさと抜歯」の表現は如何なものかと思います。

先生はきっと患者の気持ちも考えず合理的に「さっさと抜歯」なさる方なのでしょうが、患者側としては自分の歯は体の一部であって、悪くても出来るだけ残したいと考えます。

勿論歯や他の部分に影響が出る事をお考えの上で善意での発言かとは思うのですが、もっと患者の気持ちや立場になっていただきたいと思います。


=====

先の質問について、他の先生方のご意見もお聞かせ願えれば幸いです。
ご回答のほどをよろしくお願いいたします。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2020-01-22 16:47:36
はぴらき さん、こんにちは


Q1.
◎部分抜歯より、全抜歯の方が穴が大きくなって上顎洞と交通する確率が高くなるでしょうか?

歯根と上顎洞の位置関係によって違ってきますので、データーがないとわかりません。


◎また、部分抜歯だと全抜歯に比べて穴が小さく病巣が取りきれない事はあるのでしょうか?

口蓋根にだけ原因があるのでしたら、病変は取りきれると思います。


◎部分抜歯後は頬側の2根で支える事になりますが、口蓋根の太い根がなくなることにより支えが弱くなる事を告げられたのですが、このような例では残った2根に冠をかぶせて終わり、との事ですが、口蓋側はぽっかり開いたままという事でしょうか?

そうです。



Q2.
そのような状況ですと大変なことになるかもしれません。
ただ、延期した場合、別の大変なことが起こるかもしれません。(例えば、上顎洞炎が悪化する、あるいは歯茎がひどく腫れて痛むなど)

今抜くにしろ、延期するにしろ、リスクゼロはありませんので、はぴらきさんがどちらのリスクを引き受けられるかということで決定することになると思います。


同じ轍を踏まないためにもよく考えて決断されると良いでしょう。
決断できない場合は、個人的なお勧めとしては、信頼できる先生に「先生のお勧めは?」と聞いてその「お勧め」に従うことが良いと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はぴらきさん
返信日時:2020-01-22 21:13:54
小牧先生
ご回答いただきましてありがとうございました。

担当医の説明では口蓋根にだけ原因があり、他の2根は健全だと伺っているので、病巣を取りきれることに賭けて分割抜歯をでの意向を伝えようかと思います。

しかし、小牧先生のおっしゃるように先生のお勧めする方や理由も聞いてみて、分割抜歯するにしても今一度リスクが無いか等確認してみようかと思っております。

また、時期についても事情を説明の上、よく相談して決めたいと思います。


参考にさせて頂きます。
ありがとうございました。



タイトル 上6番、花粉の時期の抜歯について
質問者 はぴらきさん
地域 非公開
年齢 38歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯のひび割れ、破折で抜く予定
抜歯:6番(第一大臼歯)
歯茎(歯ぐき)の腫れ
歯根破折
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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