右上6番の再治療、クラウンに使用する素材で迷っています

相談者: IRIR555さん (38歳:男性)
投稿日時:2020-09-25 22:44:12
20年以上前に治療した右上6番のクラウン銀歯、全体を覆うクラウン)との間の状態が悪く、再治療しようかと思っています。


以前に治療した詳細は不明ですが、現在お世話になっている歯科では、根管治療をしているのではないかとの事でした。

レントゲンにて確認すると、内部にばい菌(膿?)が溜まっている状態。
(この状態は数年程以前から状態に変化無し。)
もしかしたら中の歯も結構ダメになっているかもしれない?



折角なのでセラミック系にしようかと自由診療の相談をしたところ、今年から保険適用によるハイブリッドレジンレジンとセラミック)も使用可能になった旨を説明されました。

また、e-max(二ケイ酸リチウムガラスセラミック)について聞いたところ、

「最近はジルコニアで、硬くて以前の製品より見た目も良くなった」

との説明でした。
(セラミック系の素材を用いる際はジルコニアを使用している、という印象でした。その時はそれ以上詳しく聞かず。)



見た目、耐久性、価格などの事で迷っております。
調べていると、初めは適度な硬さのe-maxが無難の様な気がしていたのですが、ジルコニアが対合歯の摩耗も少ないといった内容も見受けられました。

* https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajps/10/3/10_209/_pdf/-char/en

(これを見る限りでは、総合的に見てもジルコニアが良さそうなイメージ。
他に定量的な情報を見つけられず。)



上の6番という事もあり、それ程見える事も無いのでハイブリッドレジンでも良いのかなと考えております。



質問としては、
@
ハイブリッドレジンの耐久性や色素沈着などはどうでしょうか。

A
6番の大臼歯ですので、セラミック系の方が安心でしょうか。

B
ハイブリッドレジンでとりあえず様子を見る(?)のもありでしょうか。
治療後に破損するなどの問題があった場合、セラミック系での再治療は何らかの懸念材料があるのか。

C
興味本位ですが、近年は何のセラミック系の素材が多く使用されているのでしょうか。


宜しくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
あすとら歯科クリニック相模原(神奈川県相模原市)の滝野です。
回答日時:2020-09-26 00:15:44
IRIR555さん、こんにちは。

>ジルコニア対合歯の摩耗も少ないといった内容も見受けられました。

なるほど、よくお調べになりましたね。
確かに、書かれていることは正しいのかな、と思います。

しかし、実際に口腔内で機能する条件との違いは注意が必要ですね。


まず、鏡面加工されたジルコニア、というところが重要で、鏡面加工ではないジルコニアであれば結果は異なるでしょう。

ジルコニアを技工所で作られる時は鏡面加工のツルツルした状態で出来上がってきますが、調整の際にジルコニアを調整して研磨するのは実はとても時間と技術と道具を要します。
チェアサイドではかなり大変です。


もちろん装着の際には綺麗に調整や研磨を行なってもらえると思いますが、技工所から納品されてきたレベルまでの研磨とはいかない場合が多いというのが個人的な感覚です。

院内ラボがあるか、試適の後に技工所へ研磨のために戻すこともできましょうが、時間は余分にかかるでしょう。

もちろん、調整が必要ないレベルで完成してくれれば良いのですが、現実的には調整が必要なことも多いと思います。

つまり、鏡面加工という理想的状態にハードルがあります。


では、仮に鏡面加工が行われて装置されたとして、経年的な問題があります。

天然歯は少しずつ磨耗していきます。
そうすると、ジルコニアのほうは削れませんから、ジルコニア の部分だけ高くなってしまいます。

ですから、定期的にこれを調整してあげなければなりません。


ただ、ジルコニアを、しかも口腔内で調整するとなると、さらにハードルがあがります。

なるべく滑沢にはしてもらえるかもしれませんが、口腔内で鏡面加工を行うのはこれもかなりハードルが高いでしょう。



こうしたことは、論文には含まれていないようです。
何年、十何年と経過していく中で、たえず調整を責任をもって行ない続けてくれる歯科医院であり、またしっかりと通い続けて定期的に咬合や口腔内のチェックを受け続けるレベルの患者さんというのが大前提での話だと思います。

ですので、論文の内容はその通りかなとは思いますが、実際に口腔内で機能して口腔内の環境の変化も考えた時に、必ずしも同じとは言えないと感じました。



>@
CADCAM冠のことかなと思いますが、確かに汚れの付着しやすい材料ですが、短期間に目に見えて黄ばんで変色してくるということはあまり無いだろうと思います。


>A
見た目は白く、人によっては同じように見えるかもしれませんが、性能は全く違うと思います。
また、歯科医師から見ると、見た目もまるで違います。


>B
歯根が割れなければ可能だと思います。
CADCAMは割れやすいため厚みを余計に必要とすることがありますから、その為に多めに歯を削らなければならないこともあるかもしれません。


>C
クリニックによっても違うと思います。
また、国やお住まいの地域によっても違うようですね。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2020-09-26 06:45:38
ご相談ありがとうございます。


>@ハイブリッドレジンの耐久性や色素沈着などはどうでしょうか。


耐久性は劣ります。


色素沈着は正しく作られている限り目で見てわかるほどではありません。




>A6番の大臼歯ですので、セラミック系の方が安心でしょうか。


安心の目的により違います。

見た目が白くて、一見きれいで人に見られても安心なのか、そこは食事で噛む時に一番大事な歯ですから、正しく噛めてそれが長年の変化に対応し、しかも、一生自分の歯を残す目的にかなっているか、の違いです。


前者なら安心です。

後者なら検査により評価されます。
人によっては向いていない検査結果が出た場合は安心できません。




>Bハイブリッドレジンでとりあえず様子を見る(?)のもありでしょうか。


目先ならばそれもありです。


ただし、もし一生歯を残したいとか、その歯によって心身の健康を目指すのであれば、危険を冒さないことが重要です。

それは、とりあえず、という治療が最悪の結果を招くことを知りましょう。

なぜならば、歯は削ったら戻らないからです。
繰り返し削ることは、抜歯への近道だからです。
歯を抜く段階で後悔する人がとても多いことを知りましょう。


目的、つまり、何のためにその歯の治療をするのか、というゴールを守り切りましょう。




>治療後に破損するなどの問題があった場合、セラミック系での再治療は何らかの懸念材料があるのか。


いろいろあります。



>C興味本位ですが、近年は何のセラミック系の素材が多く使用されているのでしょうか。


日本では、フルジルコニアという素材がだんだん多く使われています。
とても頑丈だからです。



一方、世界の先進国では、全く使われません。
世界の目的は、一生歯を残したいからです。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2020-09-26 07:28:01
IRIR555 さんこんにちは。

20年以上前に治療した右上6番のクラウンをやり直しを考え
質問として

>@ハイブリッドレジンの耐久性や色素沈着などはどうでしょうか。

セラミックジルコニアよりは劣ると思います。



>A6番の大臼歯ですので、セラミック系の方が安心でしょうか。

目的によって変わってくると思います。



>Bハイブリッドレジンでとりあえず様子を見る(?)のもありでしょうか。

治療後に破損するなどの問題があった場合、セラミック系での再治療は何らかの懸念材料があるのか。


他の歯の詰め物被せ物の脱離や破折が多いような力のコントロールが出来ていない方だと再治療のリスクが高いと思います。

参考:TCH、歯列接触癖



>C興味本位ですが、近年は何のセラミック系の素材が多く使用されているのでしょうか。

米国歯科医2,132人のうち1,777人が回答(83%)したものでは、奥歯は、1位ジルコニア32% 2位MBメタルボンド)31%、3位e.max21%のようです。
(Dentist material selection for single-unit crowns: Findings from the National Dental Practice-Based Research Network  J Dent. Dec;55:40-47.2016)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: IRIR555さん
返信日時:2020-09-27 15:28:26
先生方、ご回答ありがとうございます。

なかなか判断が難しいところです…。


後日お世話になっている先生に、治療について詳しく聞いてみたいと思います。



タイトル 右上6番の再治療、クラウンに使用する素材で迷っています
質問者 IRIR555さん
地域 非公開
年齢 38歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ ハイブリッドセラミッククラウン
オールセラミック(陶器の被せ物)
ジルコニアクラウン
お勧めのクラウン(被せ物・差し歯)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

歯磨きをしても虫歯になる原因 デンタルフロスは効果無し? 歯ブラシとデンタルフロスどっちが先? 歯科衛生士が就職前に絶対に知っておきたい

Total total   今日 今日   昨日 昨日  
現在 人が閲覧中