虫歯菌はインレーで覆うと酸欠で死滅しますか?
相談者:
S・バロンさん (58歳:男性)
投稿日時:2021-08-26 16:25:27
こんにちは。
本年4月に、右上8番、同7番の奥歯に違和感があり、15年前に治療した金のインレーを剥がしたところ、歯間から浸食し、インレーの下が虫歯になっていることが判明しました。
本処置として、虫歯部分を少し削り、セラミックのインレーを自費診療で被せることにしました。
この際、医師は、虫歯菌除去を薬剤処理と試験紙?による除去確認をしないでインレーを被せようとしましたので、
「虫歯菌の除去をしてから被せていただきたい」
と申し上げたところ、
「セラミックを被せれば虫歯菌は酸欠で死滅するのでご安心ください」
と言われました。
十分に菌の除去をしないでインレーを被せても、虫歯菌は酸欠で死滅するのでしょうか?
今までかかった歯科医師は、丁寧に薬剤処理と試験紙での確認をしてから被せていましたので、どうにも不安で仕方ありません。
また、被せてから約4か月経過しますが、歯の違和感は改善されず、冷たい飲み物で沁みたりもします。
7月の定期検査時に、歯の違和感や沁みることを当該医師に申し上げたところ、
「半年くらいしたら改善します」
との回答で、心配が募りました。
もう一度被せなおした方がよいでしょうか?
この際、無償でやり直しを要求することは可能でしょうか?
つたない説明で恐縮ですが、アドバイスをお願い致します。
本年4月に、右上8番、同7番の奥歯に違和感があり、15年前に治療した金のインレーを剥がしたところ、歯間から浸食し、インレーの下が虫歯になっていることが判明しました。
本処置として、虫歯部分を少し削り、セラミックのインレーを自費診療で被せることにしました。
この際、医師は、虫歯菌除去を薬剤処理と試験紙?による除去確認をしないでインレーを被せようとしましたので、
「虫歯菌の除去をしてから被せていただきたい」
と申し上げたところ、
「セラミックを被せれば虫歯菌は酸欠で死滅するのでご安心ください」
と言われました。
十分に菌の除去をしないでインレーを被せても、虫歯菌は酸欠で死滅するのでしょうか?
今までかかった歯科医師は、丁寧に薬剤処理と試験紙での確認をしてから被せていましたので、どうにも不安で仕方ありません。
また、被せてから約4か月経過しますが、歯の違和感は改善されず、冷たい飲み物で沁みたりもします。
7月の定期検査時に、歯の違和感や沁みることを当該医師に申し上げたところ、
「半年くらいしたら改善します」
との回答で、心配が募りました。
もう一度被せなおした方がよいでしょうか?
この際、無償でやり直しを要求することは可能でしょうか?
つたない説明で恐縮ですが、アドバイスをお願い致します。
回答1
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2021-08-26 16:49:15
こんにちは。
>十分に菌の除去をしないでインレーを被せても、虫歯菌は酸欠で死滅するのでしょうか?
除菌というのがどこまでを意味するのか?がよくわかりませんが、とりあえず歯科医が考える必要となるステップは踏んだと言っているのでしょう。
通常、虫歯を引き起こす細菌は酸に強くて酸を自分で出したり酸でいっぱいでも大繁殖可能な細菌です。
有名なのがミュータンス菌、少しマイナーなのが乳酸桿菌です。
ミュータンス菌は歯面に自分でヌルヌルを出して強固にくっつく性質があります。
乳酸菌にはそれがないので2次虫歯のような穴があるものにある。
そんな印象でよいと思います。
基本的なことですが、虫歯の型どりの前にこれらの細菌を住処ごと完全に削り取ることが虫歯治療の基本になります。
通常、その判別にはう蝕検知液というものを使用するように教科書的にも指導されています。
で、その後、保険診療でも窩洞を樹脂でコーティングすることができるようになりました。
つまり、ここまでしておけばとりあえずセット時のステップをちゃんとすれば2次虫歯のリスクを低く出来るでしょという事になっています。
>この際、医師は、虫歯菌除去を薬剤処理と試験紙?による除去確認をしないでインレーを被せようとしましたので、
かなりステップを割愛されてお書きになっていると感じました。
虫歯除菌は、最初のう蝕除去の段階で行われると思います。
その後は歯髄保護のために裏層などが行われ、その後セラミック修復のための窩洞形成、その後窩洞のコーティング、セラミックインレーが出来上がるまでの期間汚染防止のための仮封、セット日来院時に術野周辺の清掃、仮封材の除去、窩洞の清掃(グラスアイオノマーセメント系の場合)または薬剤塗布による表面処理(レジン系セメントの場合)・・・・というステージングを踏んでいくように想像します。
試験紙というのは咬合チェックするための咬合紙のことでしょうか??
セラミックインレーの場合、種類によってはセット後に咬合調整する場合もあるかもしれませんね。
>歯の違和感は改善されず、冷たい飲み物で沁みたりもします。
>7月の定期検査時に、歯の違和感や沁みることを当該医師に申し上げたところ、
>「半年くらいしたら改善します」
>との回答で、心配が募りました。
違和感が改善しないとか、しみるなどの不快症状がなくならないならばご心配でしょう。
半年様子見を提案されているならば症状が徐々に軽減していくことを期待したいですね。
>もう一度被せなおした方がよいでしょうか?
おかかりになった歯科医は半年様子を見ると言われていますね。
>この際、無償でやり直しを要求することは可能でしょうか?
その必要は歯科医が判断するのではないかと思います。
やり直しが必要となった場合は無償という契約なのでしょうか??
各医院で契約内容が異なるでしょうから確認しておかれるとよいのかもしれませんね。
>十分に菌の除去をしないでインレーを被せても、虫歯菌は酸欠で死滅するのでしょうか?
除菌というのがどこまでを意味するのか?がよくわかりませんが、とりあえず歯科医が考える必要となるステップは踏んだと言っているのでしょう。
通常、虫歯を引き起こす細菌は酸に強くて酸を自分で出したり酸でいっぱいでも大繁殖可能な細菌です。
有名なのがミュータンス菌、少しマイナーなのが乳酸桿菌です。
ミュータンス菌は歯面に自分でヌルヌルを出して強固にくっつく性質があります。
乳酸菌にはそれがないので2次虫歯のような穴があるものにある。
そんな印象でよいと思います。
基本的なことですが、虫歯の型どりの前にこれらの細菌を住処ごと完全に削り取ることが虫歯治療の基本になります。
通常、その判別にはう蝕検知液というものを使用するように教科書的にも指導されています。
で、その後、保険診療でも窩洞を樹脂でコーティングすることができるようになりました。
つまり、ここまでしておけばとりあえずセット時のステップをちゃんとすれば2次虫歯のリスクを低く出来るでしょという事になっています。
>この際、医師は、虫歯菌除去を薬剤処理と試験紙?による除去確認をしないでインレーを被せようとしましたので、
かなりステップを割愛されてお書きになっていると感じました。
虫歯除菌は、最初のう蝕除去の段階で行われると思います。
その後は歯髄保護のために裏層などが行われ、その後セラミック修復のための窩洞形成、その後窩洞のコーティング、セラミックインレーが出来上がるまでの期間汚染防止のための仮封、セット日来院時に術野周辺の清掃、仮封材の除去、窩洞の清掃(グラスアイオノマーセメント系の場合)または薬剤塗布による表面処理(レジン系セメントの場合)・・・・というステージングを踏んでいくように想像します。
試験紙というのは咬合チェックするための咬合紙のことでしょうか??
セラミックインレーの場合、種類によってはセット後に咬合調整する場合もあるかもしれませんね。
>歯の違和感は改善されず、冷たい飲み物で沁みたりもします。
>7月の定期検査時に、歯の違和感や沁みることを当該医師に申し上げたところ、
>「半年くらいしたら改善します」
>との回答で、心配が募りました。
違和感が改善しないとか、しみるなどの不快症状がなくならないならばご心配でしょう。
半年様子見を提案されているならば症状が徐々に軽減していくことを期待したいですね。
>もう一度被せなおした方がよいでしょうか?
おかかりになった歯科医は半年様子を見ると言われていますね。
>この際、無償でやり直しを要求することは可能でしょうか?
その必要は歯科医が判断するのではないかと思います。
やり直しが必要となった場合は無償という契約なのでしょうか??
各医院で契約内容が異なるでしょうから確認しておかれるとよいのかもしれませんね。
相談者からの返信
相談者:
S・バロンさん
返信日時:2021-08-26 18:21:43
早速のご回答、ありがとうございます。
重ねてのご質問です。
一番心配しているのは、虫歯菌が残留しており、症状悪化が進行するのではないかということです。
それは、Dr.ふなちゃん先生のご回答にありますように
>基本的なことですが、虫歯の型どりの前にこれらの細菌を住処ごと完全に削り取ることが虫歯治療の基本になります。
>通常、その判別にはう蝕検知液というものを使用するように教科書的にも指導されています。
とあります。
しかしながら、当該医師は、
「多少虫歯菌が残っていても、被せてしまえば酸欠で死滅するので、う蝕検知液での除去確認は無駄なのでやりません。
菌が残っていても大丈夫です。」
という趣旨の回答をし、そのまま除去検知をされませんでした。
おそらく、多少菌が残留しているのではないかと思います。
今までかかった多くの医師は、型取りや被せる前に、入念にう蝕検知液で除去確認をしてくれましたが、当該医師は無駄といって確認なさいませんでした。
虫歯菌部位の十分な除去と、う蝕検知液での除去確認以外は、Dr.ふなちゃん先生のご回答どおりの処置をされたように思います。
以上のように、(仮に)虫歯菌が残留している上に、被せ物をしても虫歯菌は酸欠で死滅して、症状の進行はないと安心してよろしいでしょうか?
重ねてのアドバイスをお願い致します。
重ねてのご質問です。
一番心配しているのは、虫歯菌が残留しており、症状悪化が進行するのではないかということです。
それは、Dr.ふなちゃん先生のご回答にありますように
>基本的なことですが、虫歯の型どりの前にこれらの細菌を住処ごと完全に削り取ることが虫歯治療の基本になります。
>通常、その判別にはう蝕検知液というものを使用するように教科書的にも指導されています。
とあります。
しかしながら、当該医師は、
「多少虫歯菌が残っていても、被せてしまえば酸欠で死滅するので、う蝕検知液での除去確認は無駄なのでやりません。
菌が残っていても大丈夫です。」
という趣旨の回答をし、そのまま除去検知をされませんでした。
おそらく、多少菌が残留しているのではないかと思います。
今までかかった多くの医師は、型取りや被せる前に、入念にう蝕検知液で除去確認をしてくれましたが、当該医師は無駄といって確認なさいませんでした。
虫歯菌部位の十分な除去と、う蝕検知液での除去確認以外は、Dr.ふなちゃん先生のご回答どおりの処置をされたように思います。
以上のように、(仮に)虫歯菌が残留している上に、被せ物をしても虫歯菌は酸欠で死滅して、症状の進行はないと安心してよろしいでしょうか?
重ねてのアドバイスをお願い致します。
回答2
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2021-08-26 23:37:41
虫歯菌は酸欠でも死にません。
また、軟化象牙質は可及的に除去しなければその後の処置がうまくいかないでしょう。
ただ、う蝕検知液は日本の教科書では使用するようになっていますが、手指の感覚に頼る方法も一般的です。
ですから、う蝕検知液を使用しなかった事が治療の失敗につながるとまではなりません。
赤色色素はわかりにくいし、染まり過ぎる為青色色素で染めたりします。
細菌が数個僅かに残っていても二次虫歯が進行していなかったという研究もありますから、酸欠で死滅する事はないが、二次虫歯の発生のリスクを十分別の指標を用いて(手指の感覚)取り除いたという事をわかりやすく言ったつもりで説明されたのかもしれません。
ミュータンス菌も乳酸桿菌も通性嫌気性菌です。
酸素がなくても増えます。
また、軟化象牙質は可及的に除去しなければその後の処置がうまくいかないでしょう。
ただ、う蝕検知液は日本の教科書では使用するようになっていますが、手指の感覚に頼る方法も一般的です。
ですから、う蝕検知液を使用しなかった事が治療の失敗につながるとまではなりません。
赤色色素はわかりにくいし、染まり過ぎる為青色色素で染めたりします。
細菌が数個僅かに残っていても二次虫歯が進行していなかったという研究もありますから、酸欠で死滅する事はないが、二次虫歯の発生のリスクを十分別の指標を用いて(手指の感覚)取り除いたという事をわかりやすく言ったつもりで説明されたのかもしれません。
ミュータンス菌も乳酸桿菌も通性嫌気性菌です。
酸素がなくても増えます。
相談者からの返信
相談者:
S・バロンさん
返信日時:2021-08-27 13:06:37
重ねての質問へのご回答、ありがとうございました。
タイトル | 虫歯菌はインレーで覆うと酸欠で死滅しますか? |
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質問者 | S・バロンさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 58歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
虫歯治療 詰め物の下の虫歯(二次カリエス) 二次カリエス(2次的な虫歯) |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。