上3番、深い虫歯のMTAによる覆随について

相談者: タピ岡さん (41歳:男性)
投稿日時:2022-08-31 18:53:20
レントゲンを撮ったところ、深い虫歯(上3番)がみつかり歯髄に達している可能性が高いといわれました。

その日に指摘されるまで自覚症状はなかったのですが、言われてみれば歯磨きの際に染みたり、その後鈍痛がなかなか収まらなかったりという思い当たる節があるという感じです(風を当てても痛くなかったです)。

その歯科医院では削ってみて歯髄が露出してしまえば即根管治療の方針とのことでしたが、他の医院でセカンドオピニオン覆髄を検討するのも良いと言ってくださいました。

今は覆髄について調べているところです。


以下、ご質問させてください。

1,MTAによる覆髄をした場合、根管治療をせずに済む割合はどのくらいなのでしょうか?
適用が難しい、成功し難いレベルはどのような症状ですか?

2,MTAによる覆髄をした場合、本格的な歯冠修復をするまでにどのくらいの期間の経過観察が必要ですか?
その間にどのような症状が出ると根管治療が必要ですか?

3,MTAによる覆髄は自費診療だと思いますが、その処置をした場合、根管治療も自費診療としなければならないのでしょうか?
医院を変えてもダメなのですか?

4,笑うと見える歯なのでなるべく元の形を再現して欲しいのですが、治療前の歯の形をかたどっておいたりするのですが?元通りになりますか?

MTAによる覆髄を行っている医院が遠方なので、歯冠修復を他の近所の医院でやってもらうことを検討していますが、医院を変更すると元の形に戻せないなど技術的な問題はありますか?


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2022-09-01 02:16:52
こんにちは。

上の3番ならば、視認しやすい歯ですから、かなり酷い虫歯になるまで気づいていないようでは、歯のメンテナンスなどは行かれていない方なのかな?大丈夫なのかな?と気になりました。

とりあえず酷い歯髄炎が生じて寝られない状態なる前に、発見してもらえたのは良かったですね。

治療は上手くいけば痛みなく終わるでしょうが、上手くいかない時もあります。

たまらない痛みになれば、抜髄をしてもらわなければ歯髄壊死になり、また痛んだり治療が長引いたりしと更に予後も悪くなります。

治療を行なってみなければわからない場合もありますが、あっさり抜髄しておけば治療が短く予後の不安もなくよかったという場合もあるでしょう。

>1
ケースにより、バリエーション豊富な為統計は取られていないように思います。
それぞれの歯科医の臨床経験により、何割という歯科医はいるかもしれませんが、歯科医毎に実感が違う為割合は意味があまりないように想像します。

とりあえず、受けたい治療をしている歯科医院に行き必要な検査を受けその歯科医に実感を聞いてみる事は可能でしょう。

>2.
虫歯が進んでいても、歯髄を残せたならばCRで終われるケースになるでしょう。
そうすれば即日終了、予後観察になると思います。

抜髄に至れば根管治療の為に歯の真ん中の歯質を取り除く為、虫歯部、治療アプローチ部、根管治療用と失う歯質が増えますから残る歯質が少なくなりファイバーポストで補強したり冠の治療に進む事が多くなるでしょう、ケースバイケースです。

>3
同一歯同一病名では、自費移行から保険に戻れません。
転院先では保険診療から再スタート可能でしょう。

>4.
元の形は虫歯の穴あきの形ではないでしょうか?
再現する意味がどの程度あるのか?
とりあえずご希望はお伝えしてみて良いでしょう。

医院を変更したら、初診からですから連携はないでしょう。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2022-09-01 08:39:32
タピ岡 さんこんにちは。

レントゲンを撮ったところ、深い虫歯(上3番)がみつかり歯髄に達している可能性が高いと言われ、治療を考えているのですね。

痛みなどの症状が現在無いと、神経は温存できる可能性が高いと思いますので、症状が出る前には治療をされることをお勧めします。

覆罩ですが、直接的に覆罩する方法と間接的に覆罩する方法があります。

覆罩ですが、保険でも出来ます。
しかし、保険ではMTAは認められていません。

その歯科医院では削ってみて歯髄が露出してしまえば即根管治療の方針とのことであれば、その医院で治療をしたら、直接覆罩は無く根管治療をするということになります。


神経を温存したいのであれば、直接覆罩も治療方法をして行う歯科医院がよろしいかと存じます。

1.2
症状がでれば、治らなければ、根管治療になります。
今、痛みが無いのであれば、どの治療方法でも差は無いと思います。
しかし、マイクロスコープ拡大鏡などで丁寧に、クリーンな環境(汚水されていない、消毒等しっかり行っているなど)で治療された方がより温存率は高いと思います。

3,MTAは自費ですが、保険で認められた薬剤を使用すれば、その後もも保険で治療可能です。
3MIXなども自費治療になりますが、他院でその後治療であれば保険で可能です。

根の治療を自費専門で行っている歯科医院で、丁寧に治療をしてもらうのも良いかもしれません。

4,治療前の歯の形を写真や模型で残すことも可能ですが、1本の歯の治療であれば、左右対称に技工士さんが作成してくれると思います。
また、虫歯の箇所によっては、被せずに詰めて終えることも出来ます。
それに関しては、虫歯の大きさと先生の腕によって変わってくると思います。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2022-09-01 09:03:42
MTAを頻繁に使っている立場からお答えします。

>1,MTAによる覆髄をした場合、根管治療をせずに済む割合はどのくらいなのでしょうか?
>適用が難しい、成功し難いレベルはどのような症状ですか?

●MTAは魔法の薬ではありません。
MTAを用いる以前の段階での検査や診断が非常に重要です。
また、鍛錬や経験も非常に重要になります。

その上で、ですが、私どもの医院での割合でお話ししますと、2012年からの10年間で神経を保護する治療をおこなった中で、のちに神経を取ることになったケースは3本ほどです。

99パーセント以上は神経の保護に成功していますが、いずれのケースもマイクロスコープラバーダムを用いて、事前の検査も十分おこなって挑んでいます。
それでも、3本の歯の神経を取らなければいけなくなったのは悔しいです。

>2,MTAによる覆髄をした場合、本格的な歯冠修復をするまでにどのくらいの期間の経過観察が必要ですか?
>その間にどのような症状が出ると根管治療が必要ですか?

●通常、2ヶ月程度の間はMTAの内側の歯髄側に第三象牙質が新生してきますので、その間は痛みを伴うことがあります。
それを過ぎれば安定するのでその頃に歯冠修復することが多いですが、最近は、慣れてしまったので、すぐに歯冠修復に移行することが多いです。


>3,MTAによる覆髄は自費診療だと思いますが、その処置をした場合、根管治療も自費診療としなければならないのでしょうか?
>医院を変えてもダメなのですか?

●MTAを用いる治療は自費治療になります。
なので、そこから派生する治療も全て自費治療になります。
医院を変えればその限りではありません。


>4,笑うと見える歯なのでなるべく元の形を再現して欲しいのですが、治療前の歯の形をかたどっておいたりするのですが?
>元通りになりますか?
>MTAによる覆髄を行っている医院が遠方なので、歯冠修復を他の近所の医院でやってもらうことを検討していますが、医院を変更すると元の形に戻せないなど技術的な問題はありますか?

●型をとっておいて、近い形に戻したり、光学印象といって3Dのスキャナで読み込んでおいて元の形を再現したかぶせものを作ったりしますね。
でも、それは各医院ごとで考え方や技術が違うのでなんともいえません。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: タピ岡さん
返信日時:2022-09-04 20:51:08
船橋先生
加藤先生
タカタ先生

ご回答いただきありがとうございました。

ここ数年口腔内のトラブルはなく、最近になって知覚過敏が気になり、歯の根元にレジンを貼ってもらう治療の際に、虫歯を発見していただきました(この一本だけ)。

上3番でしたが、表面から異常は確認できず、裏から鏡を当ててもらったところ確かに黒ずんでおり、レントゲンを撮ってみるとかなり深いとのことでした。

口腔内のトラブルは懲りており、日頃のメンテナンスには気遣っていたつもりでしたが、定期的な検診の必要性を痛感しました。

問題の歯の処置については、保存の希望を伝えて経験豊富な歯科医の判断に委ねようと思います。
ありがとうございました。



タイトル 上3番、深い虫歯のMTAによる覆随について
質問者 タピ岡さん
地域 非公開
年齢 41歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療
MTA
覆髄・覆罩(覆ずい・覆とう)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

歯磨きをしても虫歯になる原因 デンタルフロスは効果無し? 歯ブラシとデンタルフロスどっちが先? 歯科衛生士が就職前に絶対に知っておきたい