隣接面の虫歯治療について

相談者: みおりぬさん (25歳:女性)
投稿日時:2022-10-26 06:37:13
以下の経緯からお聞きしたい内容は3つあります。
何卒よろしくお願いいたします。


●2本の歯の間の隣接面両方に虫歯がある場合、歯を削る量が多くなったとしても、片方の治療を終えてからもう一方の隣接面の治療を行うことは通常なのでしょうか?

露髄をしていない場合、保険適応の水酸化カルシウムMTAセメントでは予後の違いはあるのか?

●ノルマや売上のために小さな虫歯なのに詰め物をする歯科医がいるというのは正直ある程度事実なのでしょうか?
(経緯を知り合いの歯科衛生士に伝えたところ、そういう事例は多いと言われました)



【経緯】
1年前にそれまで通っていたクリニックで左下5番に神経に近い虫歯があり、今後痛みが出たら神経を取ることを考えるようにと言われたものの、

できるのであれば神経を抜きたくないという思いがあったため、その半年後に温存療法をホームページに記載している別のクリニックにセカンドオピニオンで伺いました。


そこで全体のレントゲン撮影を行った後に、

・口内全体で11ヶ所の要治療部分があること(殆どが隣接面)、
・半年前に治療を行った部分に私が想定していなかった虫歯の取り残しがある

ということをカウンセリングで伝えられたため、露髄はしていないもののMTAセメント及びセラミックインレーでの治療を行いました。



しかし、その次の通院で、治療した左下5番の隣である6番の隣接面にも虫歯があるため、インレー治療が必要だと言われました。
(大きな虫歯ではありませんでした)



治療が必要なのであれば、左下5番を削った際に空間ができるため、
同時に治療をすれば5番を上から削る必要がないばかりか、レジン治療で済んだのではないかと思ったのですが、その医院では基本的に隣接面はインレーで治療する治療方針で、同時に治療を行わなかったのは噛み合わせの問題があるからだというような旨を言われました。


その時は歯科医がそう言うのだからそうなのかと思ったのですが、
口内に11箇所治療が必要というのは疑問符がついたため、近所にある別の歯科医院でお聞きしたところ、

「レジンで治療済みの歯もあるが虫歯になっているわけではないから今治療が必要というわけではない」

と言われました。



以上のような現状から、歯科医が売上のために

・虫歯の取り残しがある
・レジンではなくインレーでないと治療ができない
・露髄はしていなくともMTAセメントが必要

と訴え、騙したのではないかと思いました。
第1大臼歯はすごい大事」と聞いていたので、尚の事やるせない気持ちで悲しいです。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2022-10-26 08:49:32
こんにちは。


隣接面虫歯は視認性が悪い為、見逃されることがしばしばあります。

また、虫歯は健康な歯から段階的な脱灰が進んでいるのですから治療介入時期の判断は歯科医により分かれるのが一般的です。

隣接面虫歯のほとんどがコンタクトポイントから始まり内部に進行し、エナメル質象牙質の接合部で構造上横広がりに虫歯が進行する為歯の内部で広く深く細菌が歯を破壊している事がほとんどです。

アクセスの悪い部位の虫歯にアプローチしより完全な治療を試みる際に、2級インレー形態に窩洞形成し長期予後が良くなる治療をしておく方法を効率的戦略として好む歯科医は多いです。
また、教科書的にも古くから隣接面虫歯の治療は2級インレーが推奨されてきました。


定期的に同じ歯科医院に通院いただく事を前提とされるならば経過観察を伴った治療介入時期の決定が可能になりますから、すぐに治療しましょうとならない事は多くなると思われます。

虫歯は一気に進むものと、ゆっくり進むものと、一気に進んだけどその後慢性化し全く進まないもの等色々タイプがありますが、初見ではその判断が出来ませんからある程度進んだ虫歯で、虫歯が沢山放置されていて(前医では経過観察されていた)虫歯リスクが高いと診断されると一気に治療介入される傾向があるでしょう。

かかりつけ歯科医を持つ事が推奨されているのは進行スピードの確認が可能になるからというのもあるでしょう。




〉●2本の歯の間の隣接面両方に虫歯がある場合、歯を削る量が多くなったとしても、片方の治療を終えてからもう一方の隣接面の治療を行うことは通常なのでしょうか?

片方に虫歯があれば接している隣の歯の対側も同じように汚かった時間が長い為、虫歯の好発部位になり虫歯リスクが高いお口では大抵虫歯になっています。

ですから両方一緒に虫歯治療すると効率的でしょう。
ただ、抜髄になる可能性があれば(若い方は軟化が非常に早く深く進行しやすい)同時に治療すると時間オーバーになり妥協的治療になる可能性が生じる為、丁寧に片側づつ進める事もあるでしょう。


通常どうなのか?は、虫歯の程度や治療時間の配分もありますから一概に言えないように思います。

治療予約枠に余裕を持てる歯科医院であれば同時治療してくれる可能性が上がるかもしれません。



〉●露髄をしていない場合、保険適応の水酸化カルシウムMTAセメントでは予後の違いはあるのか?

残念ながら比較実験の有無について知りません。
保険適用の水酸化カルシウムは安価で脆く、MTAセメントは高価で硬く硬化時膨張してシーリングを強化することを期待されていると思います。



〉●ノルマや売上のために小さな虫歯なのに詰め物をする歯科医がいるというのは正直ある程度事実なのでしょうか?

ノルマがあるか?はわかりませんが、国営ではない為何の事業体でも損益分岐点はあるでしょう。

小さな虫歯でも虫歯は虫歯ですから治療対象とするのか?経過観察するのか?は歯科医院との関係性により異なる可能性が高いと思います。

歯科医院との関係性とは定期的メンテナンス通院歴の勘案です(虫歯の進行スピードを確認して治療介入時期を決定できる事と、虫歯リスクのコントロールを歯科医院が行える為です)。



いずれにしてもかなり虫歯が多かったようですね。
同じように生活していると詰めても詰めても二次虫歯になりますから、治療完了後に、虫歯になりにくい食生活や生活習慣の獲得まで面倒を見てくれる予防型歯科医院を選択されたり、大学病院の予防歯科での行動変容指導まで受けられると良いかもしれませんが、今の歯科医院の多くが予防型も取り入れているはずですから、現状を受け止めてきちんと治療され、その後のメンテナンス通院まで進んでください。

隣接面虫歯は力のバランスが悪いことでも生じることが知られるようになりました。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2022-10-26 12:47:18
こんにちは、


>●2本の歯の間の隣接面両方に虫歯がある場合、歯を削る量が多くなったとしても、片方の治療を終えてからもう一方の隣接面の治療を行うことは通常なのでしょうか?

レジンで詰める場合、隣り合う2本の歯に虫歯が隣接していれば同時に治した方が削る量を小さく出来る場合はありますが、治療が難しいのとブラインド操作になるので、虫歯の取り残しが出やすくなります。
 
基本的に上からがっつり削った方が虫歯の取り残しは少なくなります。


>●露髄をしていない場合、保険適応の水酸化カルシウムMTAセメントでは予後の違いはあるのか?
 
成功率に大きな差は出ませんが、MTAの方が質の良い第3象牙質ができます。
後、MTAの中には歯を黒く変色させてしまう材料もあるので、メリットもあればデメリットもあります。



>●ノルマや売上のために小さな虫歯なのに詰め物をする歯科医がいるというのは正直ある程度事実なのでしょうか?
>(経緯を知り合いの歯科衛生士に伝えたところ、そういう事例は多いと言われました)

私はそういう事例が多いということは聞いたことがありません。

大きな法人の歯科医院であればある程度ノルマと自費治療に対するインセンティブはあります。
 

>以上のような現状から、歯科医が売上のために
>・虫歯の取り残しがある
>・レジンではなくインレーでないと治療ができない
>・露髄はしていなくともMTAセメントが必要
>と訴え、騙したのではないかと思いました。
 
わざわざ売り上げの為に虫歯を残すようなことはまずないと思います。
基本的に虫歯は多かれ少なかれ残りますが、きちんと封鎖すれば殆ど問題はでません。

私も虫歯が大きい場合は戦略的に虫歯を残し治療する「シールドレストレーション」をしていますが特に問題は多いとは思いません。

 

>・レジンではなくインレーでないと治療ができない

レジン治療はレジンが得意な先生を探さないと一般的にコンタクトカリエスはインレーになると思います。
 
歯科医師が同じ技量、知識、環境で行うものではないので、治療に差は出て当然です。
 
保険治療でも希望する治療法があるのであればある程度下調べは必要になりますが、日本は歯科医師法の元自分の得意分野などは広告の制限に引っ掛かるので大々的には告知できないようになっています。


 
>・露髄はしていなくともMTAセメントが必要
 
私は顕微鏡下で露髄していなければMTAは使いませんが、裸眼で神経付近まで削り露髄させたかも!?と思われた場合なら使うのもありだとは思います。

ただ、これも覆髄材を入れると接着面積が減るので接着には不利になります。  
 
 
個人的には10本近くの虫歯治療を提案された場合他の歯科医院でも一度話を聞いた方がいいと思います。
 
ただ、歯科治療はボランティアではないので、ある程度売り上げを上げないと経営できないので、その点も知っておかれた方がいいでしょうね。


不信感が一度出てしまうと次々に疑問が出てしまいますが、虫歯治療は先生の得意・不得意や知識と技術力で治療法にも色々な違いが出てくるので、何が正解などはないと思います。
 
強いて言えば、インプラントが得意な先生よりは歯の保存が得意な先生の方が今のニーズには合っていると思います。
 

おだいじに 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: みおりぬさん
返信日時:2022-10-26 19:33:05
船橋様
ご回答誠にありがとうございます。


●そのクリニックでは銀歯を認知症の原因になるとして悪とし、自由診療セラミックインレーを大々的に勧めてした
(自由診療自体のメリットは承知しています)


MTAセメントは一般的に露髄した場合に使うと見たので、露髄していないのであれば使わない選択肢もあったのではないか


●11箇所計72万円の治療が必要だと言われた部分を他のクリニックでは虫歯になっているわけではないから治療は必要ないと言われた


これまでレジンで治療済みの隣接面を、予後やそのクリニックの隣接面=インレーという方針で診断した可能性もあるかもしれませんが、有名人の方で私と同じ状況の話をその後聞いたため、より一層不信感が高まってしまいました…。



>隣接面虫歯は力のバランスが悪いことでも生じることが知られるようになりました。

力のバランスが悪いことによって隣接面虫歯が生じるというのは、食いしばりも原因になるのでしょうか?

(自覚症状として就寝中の食いしばりがあります)
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: みおりぬさん
返信日時:2022-10-26 20:31:13
井野様

ご返信誠にありがとうございます。


>わざわざ売り上げの為に虫歯を残すようなことはまずないと思います。

●私の言葉不足で大変申し訳ございません。
別の歯科クリニックAで神経に近い左下5番をレジン治療で完了し、
6か月後に今回のクリニックBに行ったところ、

「虫歯の再発か取り残しがあるから治療が必要」

と言われた形になります。
(治療をしたAのクリニックではエキスカでも虫歯の除去をしていました)



>レジン治療はレジンが得意な先生を探さないと一般的にコンタクトカリエスインレーになると思います。
 

●とある歯科医のブログで
隣接面をレジン治療出来るかどうかはその歯科医の技術力による。」
と見たことがあったので、腑に落ちました。

 
保険治療でも希望する治療法があるのであればある程度下調べは必要になりますが、日本は歯科医師法の元自分の得意分野などは広告の制限に引っ掛かるので大々的には告知できないようになっています。

●その歯科クリニックで担当の歯科衛生士さんから

「ここの先生は小さな虫歯でも基本的にインレー治療をするから、レジン治療をしてくれる先生を探したらどうか」

と言われたため私なりに探しているのですが、見つけづらいのには理由があったのですね…。



>私は顕微鏡下で露髄していなければMTAは使いません。
覆髄材を入れると接着面積が減るので接着には不利になります。

●「露髄はしなかった」と聞いたので私もそういう認識でいたのですが、MTAを使用したため、必要でなくても売上のためにやっているのかなと不信感を抱いてしまいました。



>個人的には10本近くの虫歯治療を提案された場合他の歯科医院でも一度話を聞いた方がいいと思います。

●これまでレジンで治療済みの隣接面を、予後やそのクリニックの隣接面=インレーという方針で診断した可能性もあるかもしれませんが、11箇所を「虫歯になっている」から計72万円の治療が必要だと言われ、他のクリニックでは虫歯になっているわけではないから治療は必要ないと伝えられたため、そもそも虫歯になっていない歯を虫歯として治療したのではないかと不信感を抱きました…。


●その後、有名人で私と同じ状況の方の話を耳にしたり、歯科医同士がYouTubeで、

「保険診療ではお金にならないから、いかに自由診療をさせるかが重要」

と本音ベースで雑談していたため、一層不信感が高まってしまいました…。


●生活をしている以上ボランティアでやっているわけではないというのは重々承知していますが、スペシャリストとしてプライドを持って皆さんやっているのだと思っていたため驚きました。
回答 回答3
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2022-10-27 17:00:48
〉●そのクリニックでは銀歯を認知症の原因になるとして悪とし、自由診療セラミックインレーを大々的に勧めてした

銀歯が認知症の原因になるのですね?ところでそれはインレーの材料ですか?

銀歯にも色々な種類がありますから、貴方に使われた銀歯は認知症を引き起こすのではなくアレルギーの原因や頭痛や皮膚炎の原因になる方かもしれませんね。

それよりも虫歯細菌が認知症の原因になるという報告もありますから認知症の原因になる虫歯の放置も悪なので、患者さんの健康を追求し見逃せない歯科医なのかもしれませんね。


〉力のバランスが悪いことによって隣接面虫歯が生じるというのは、食いしばりも原因になるのでしょうか?

なりますね。

歯と歯を日中も睡眠中もあまり当てないくらいの方が良いです。




タイトル 隣接面の虫歯治療について
質問者 みおりぬさん
地域 非公開
年齢 25歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療
レジン(白いプラスチック)
歯医者への不信感
二次カリエス(2次的な虫歯)
MTA
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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