歯周病、フルマウスディスインフェクションとブルーラジカルについて
相談者:
ryo ryo ryo ryo ryoさん (51歳:男性)
投稿日時:2025-04-24 22:10:45
歯周病の治療についてご相談です。
奥歯の歯周ポケットが9から12mm程度が数本あり、1年以上、標準的な治療で歯石取りや掃除の為通院していたのですが、改善しない為歯科を変えました。
新しい歯科の診断では、歯周病の範囲が広い為、フルマウスディスインフェクション治療を勧められました。
高額だった為、違う歯科にも意見を聞きたく、別の歯科の診断を受けたのですが、そこではブルーラジカル治療を勧められました。
どの治療を選択すれば良いか分からずご相談です。
ブルーラジカルは新しい治療なので、評価が難しいとは思いますが、フルマウスディスインフェクション治療は以前からあるようですが、やっている歯科が少ない為不安があります。
ご意見お聞きかせいただければと思います。
奥歯の歯周ポケットが9から12mm程度が数本あり、1年以上、標準的な治療で歯石取りや掃除の為通院していたのですが、改善しない為歯科を変えました。
新しい歯科の診断では、歯周病の範囲が広い為、フルマウスディスインフェクション治療を勧められました。
高額だった為、違う歯科にも意見を聞きたく、別の歯科の診断を受けたのですが、そこではブルーラジカル治療を勧められました。
どの治療を選択すれば良いか分からずご相談です。
ブルーラジカルは新しい治療なので、評価が難しいとは思いますが、フルマウスディスインフェクション治療は以前からあるようですが、やっている歯科が少ない為不安があります。
ご意見お聞きかせいただければと思います。

顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2025-04-25 08:46:39
その二つとも経験も知見も、ありません。
>奥歯の歯周ポケットが9から12mm程度が数本あり
この時点で歯周外科(リグロス併用?人工骨使用?)か抜歯、ヘミセクション等の対象にすると思います。
歯周病学会には認定医制度があります。
https://www.perio.jp/roster/certification/
>奥歯の歯周ポケットが9から12mm程度が数本あり
この時点で歯周外科(リグロス併用?人工骨使用?)か抜歯、ヘミセクション等の対象にすると思います。
歯周病学会には認定医制度があります。
https://www.perio.jp/roster/certification/

船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2025-04-25 10:19:39
こんにちは。
不勉強でフルマウスディスインフェクションという名称を知らなかったのですが、あれやこれやと自費治療のメニューとして名称を変えて色々なものが出てくるものだなあと感心してしまいました。
直訳しますとお口全体を対象とした感染除去という意味になると思いますが、ネットから検索し一部引用すると、
フルマウスディスインフェクション(フルマウスSRP)は、1990年代にQuirynenにより提唱された方法ですが、24時間以内に全口腔内の歯周病菌の除去を目的にすべての歯のSRPを行うという方法です。
短期間でSRPを終えることで、処置した部位への細菌の再感染を予防もしくは遅延させ、良好な治癒を得ようとするものです。
現在は、抗菌薬を併用する方法も報告されております。
ということですから、何ら目新しい治療ではありませんね。
抗菌薬を併用する歯周治療は内科的歯周治療と言われ、日本でも行う歯科医院はあると思いますし、かなり以前に一時的に流行りました。
またSRPは全顎スケーリングルートプレーニングということだと思いますが、一気にすると歯茎が急激に下がったりそのため根面が露出したりして重度の知覚過敏に陥ったりしてご苦痛をお感じになることになるかもしれませんし、そもそもですが、そんなに一気にSRPできるほど施術者の気力も体力も持たないでしょうから、中途半端に終わってしまうことになるのではないかと思ったりします。
実際どの程度のことが行われていて、どのように治癒しているのか?詳細は知りません。
やはり直接おこなっている歯科医院にご相談に行かれて、十分な説明をお受けになるのが良いのではないかと思います。
また、ブルーラジカルは東北大学が開発して販売開始されている機器を使う歯周治療法だと思いますが、引用すると、
Blue Radicalは、重度歯周病に対する効果を国が認めた唯一の歯周病治療器です。
と、最初からおかしなことが書いてあると思います。
歯周病学会とか世界の歯周病治療家が聞いたら怒るんじゃないか?と思いますがどうでしょうか。
Blue Radicalは、従来の治療法と比較して、歯周ポケットを優位に減少させることを治験で証明した唯一の治療器です。
このためBlue Radicalは、“歯周炎のステージV・Wの患者に対して、歯周ポケット内の殺菌と同時にスケーリングを行う”という明確な使用目的と、“歯周ポケットの減少”に対してコミットする初めての治療器になります。
歯周病にしか使えない機器というのはこの説明から分かりますね。
世界には歯周治療に有用な多用途レーザーはたくさんあると思いますので、医療従事者でもこのような宣伝を鵜呑みにしてしまうかもしれませんが、殺菌効果は今まで注水でしか行われていないならばそれよりは高いはずですから試して頂いても良いのではないかと期待が高まりそうですね。
歯周ポケットが9mmから12mmにもなっておられますと、何をしてもらっても非常に難しい治療になると思います。
外科で歯茎が大きく下がりますと、その後の日常生活での支障が大きくなられますから日常が大変になるでしょうから、歯周外科と再生療法を組み合わせるなどが行われていると思いますが、それでもその治療自体が非常に大変だったりします。
そういうことで、レーザー治療を人気が高い非外科治療として選択している歯科医院が増えているものと思います。
それでもあまりに状態が酷そうですから、長くは残せない歯ということになる場合も多々あると思います。
歯周病が重度になっていますと、抜歯しても粘膜に歯周病の細菌が長く残ってしまうとも言われていますので、インプラント治療も難しいものになる可能性があると思います。
50代で義歯という選択もし難いという方も多数おられると思いますので、何とか歯周治療と歯冠修復治療や、咬合管理も含めて細菌叢の管理に成功してもらうのが望ましいのだろうとは思います。
長年おかかりになって来られた歯科医院では、管理がうまくできていなかったようですから(とはいえわずか1年程度では保険では歯周初期治療程度で止まってしまうのは致し方なかったのではないかと思いますが)、より専門的な歯周治療を受けられた方が良いのだろうと思えますね。
不勉強でフルマウスディスインフェクションという名称を知らなかったのですが、あれやこれやと自費治療のメニューとして名称を変えて色々なものが出てくるものだなあと感心してしまいました。
直訳しますとお口全体を対象とした感染除去という意味になると思いますが、ネットから検索し一部引用すると、
フルマウスディスインフェクション(フルマウスSRP)は、1990年代にQuirynenにより提唱された方法ですが、24時間以内に全口腔内の歯周病菌の除去を目的にすべての歯のSRPを行うという方法です。
短期間でSRPを終えることで、処置した部位への細菌の再感染を予防もしくは遅延させ、良好な治癒を得ようとするものです。
現在は、抗菌薬を併用する方法も報告されております。
ということですから、何ら目新しい治療ではありませんね。
抗菌薬を併用する歯周治療は内科的歯周治療と言われ、日本でも行う歯科医院はあると思いますし、かなり以前に一時的に流行りました。
またSRPは全顎スケーリングルートプレーニングということだと思いますが、一気にすると歯茎が急激に下がったりそのため根面が露出したりして重度の知覚過敏に陥ったりしてご苦痛をお感じになることになるかもしれませんし、そもそもですが、そんなに一気にSRPできるほど施術者の気力も体力も持たないでしょうから、中途半端に終わってしまうことになるのではないかと思ったりします。
実際どの程度のことが行われていて、どのように治癒しているのか?詳細は知りません。
やはり直接おこなっている歯科医院にご相談に行かれて、十分な説明をお受けになるのが良いのではないかと思います。
また、ブルーラジカルは東北大学が開発して販売開始されている機器を使う歯周治療法だと思いますが、引用すると、
Blue Radicalは、重度歯周病に対する効果を国が認めた唯一の歯周病治療器です。
と、最初からおかしなことが書いてあると思います。
歯周病学会とか世界の歯周病治療家が聞いたら怒るんじゃないか?と思いますがどうでしょうか。
Blue Radicalは、従来の治療法と比較して、歯周ポケットを優位に減少させることを治験で証明した唯一の治療器です。
このためBlue Radicalは、“歯周炎のステージV・Wの患者に対して、歯周ポケット内の殺菌と同時にスケーリングを行う”という明確な使用目的と、“歯周ポケットの減少”に対してコミットする初めての治療器になります。
歯周病にしか使えない機器というのはこの説明から分かりますね。
世界には歯周治療に有用な多用途レーザーはたくさんあると思いますので、医療従事者でもこのような宣伝を鵜呑みにしてしまうかもしれませんが、殺菌効果は今まで注水でしか行われていないならばそれよりは高いはずですから試して頂いても良いのではないかと期待が高まりそうですね。
歯周ポケットが9mmから12mmにもなっておられますと、何をしてもらっても非常に難しい治療になると思います。
外科で歯茎が大きく下がりますと、その後の日常生活での支障が大きくなられますから日常が大変になるでしょうから、歯周外科と再生療法を組み合わせるなどが行われていると思いますが、それでもその治療自体が非常に大変だったりします。
そういうことで、レーザー治療を人気が高い非外科治療として選択している歯科医院が増えているものと思います。
それでもあまりに状態が酷そうですから、長くは残せない歯ということになる場合も多々あると思います。
歯周病が重度になっていますと、抜歯しても粘膜に歯周病の細菌が長く残ってしまうとも言われていますので、インプラント治療も難しいものになる可能性があると思います。
50代で義歯という選択もし難いという方も多数おられると思いますので、何とか歯周治療と歯冠修復治療や、咬合管理も含めて細菌叢の管理に成功してもらうのが望ましいのだろうとは思います。
長年おかかりになって来られた歯科医院では、管理がうまくできていなかったようですから(とはいえわずか1年程度では保険では歯周初期治療程度で止まってしまうのは致し方なかったのではないかと思いますが)、より専門的な歯周治療を受けられた方が良いのだろうと思えますね。

相談者:
ryo ryo ryo ryo ryoさん
返信日時:2025-04-25 14:37:20


船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2025-04-26 10:32:22
歯周病認定医であれば、歯周治療に力を入れている歯科医なのだろうと一般の方にも分かりますから、一般歯科に通院されていて成果がでない場合とりあえずどこが良いかわからなければ、専門医を選ぶというのは賢明だろうと思います。
とはいえ、歯周治療はどの歯科医院でも行えますし、実際行っていると思います(他の専門性を高く打ち出している歯科医院を除いて)し、保険診療でも歯周病学会の認定医でなければできないとかしてはいけない検査や治療というものは一切ありません。(矯正歯科のように外科矯正を保険適用するならば施設基準の届出が必要とかのごく限られた決まりはあります)
この辺は後から専門医制度というものができたので、認定医制度をうまく保険システムに反映出来ていないのだと思います。
そして歯周病学会内でも様々な意見があり、どの機器を使ってどのように治療をしなければ成果が望めないという治療のガイドラインというものを、事細かく作れないのが現状だと思います。
特定の医療機器の優位性を謳うと、論文そのものの価値を疑問視されますし、医療機器は日進月歩でどんどん進化を続けていますから、リアルタイムガイドラインを作る検証が困難なためです。
そのためそれぞれの歯科医がそれぞれの考えで、様々な治療を実際に提供しているのが現状です。
大筋の治療ガイドラインは、柴田先生がリンク先を教えてくれていますからご確認ください。
一般的に成人男性の大臼歯の歯根の長さは12mm前後とされていますので、歯周ポケット検査という真っ直ぐの棒で計測可能な範囲での歯周ポケットが、すでに9m mとか12m mと記載されていますから、相当重症で下手をすれば抜歯対象ではないかと想像されることになっているものと思います。
できるだけベターな選択を望まれましても、かなりの難症例で厳重管理に入らなければ歯を失って行かれるのではないかと想像しています。
どちらでも良いと思いますので、(ブルーラジカルでもご希望され歯科医が承諾されれば時間をきちんととって全顎してもらえるでしょうし、何なら投薬もご希望されてみてください機器をお持ちという点でないよりあったほうが良いのでは?と思います)治療に本腰を入れる覚悟をお持ちください。
とはいえ、歯周治療はどの歯科医院でも行えますし、実際行っていると思います(他の専門性を高く打ち出している歯科医院を除いて)し、保険診療でも歯周病学会の認定医でなければできないとかしてはいけない検査や治療というものは一切ありません。(矯正歯科のように外科矯正を保険適用するならば施設基準の届出が必要とかのごく限られた決まりはあります)
この辺は後から専門医制度というものができたので、認定医制度をうまく保険システムに反映出来ていないのだと思います。
そして歯周病学会内でも様々な意見があり、どの機器を使ってどのように治療をしなければ成果が望めないという治療のガイドラインというものを、事細かく作れないのが現状だと思います。
特定の医療機器の優位性を謳うと、論文そのものの価値を疑問視されますし、医療機器は日進月歩でどんどん進化を続けていますから、リアルタイムガイドラインを作る検証が困難なためです。
そのためそれぞれの歯科医がそれぞれの考えで、様々な治療を実際に提供しているのが現状です。
大筋の治療ガイドラインは、柴田先生がリンク先を教えてくれていますからご確認ください。
一般的に成人男性の大臼歯の歯根の長さは12mm前後とされていますので、歯周ポケット検査という真っ直ぐの棒で計測可能な範囲での歯周ポケットが、すでに9m mとか12m mと記載されていますから、相当重症で下手をすれば抜歯対象ではないかと想像されることになっているものと思います。
できるだけベターな選択を望まれましても、かなりの難症例で厳重管理に入らなければ歯を失って行かれるのではないかと想像しています。
どちらでも良いと思いますので、(ブルーラジカルでもご希望され歯科医が承諾されれば時間をきちんととって全顎してもらえるでしょうし、何なら投薬もご希望されてみてください機器をお持ちという点でないよりあったほうが良いのでは?と思います)治療に本腰を入れる覚悟をお持ちください。
タイトル | 歯周病、フルマウスディスインフェクションとブルーラジカルについて |
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質問者 | ryo ryo ryo ryo ryoさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 51歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯周病(歯槽膿漏)治療 歯周病関連 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。