右下7番の再根管治療が不調、抜歯になった場合は?

相談者: あさおさん (62歳:女性)
投稿日時:2025-05-15 15:08:33
40年以上前に根管治療をした右下7番の奥歯が3か月前から痛み始めました。

その歯医者さんはすでに亡くなっているので別の歯医者さんに診ていただいているのですが,再根管治療でも痛みが取れず,抜歯を勧められています。


お伺いしたいのは以下の3点です。

1.私は親知らずを抜歯済みのためこの7番が一番奥の歯で,それを抜いてしまうと噛み合う歯がない状態になってしまいます。

この位置では入れ歯は現実的ではないそうです。
インプラントはしたくないのですが,もうそれ以外に方法はないのでしょうか?



2.先生は下7番がない状態で生活している人は大勢いるから大丈夫とおっしゃいますが,いずれ上の歯が重力で落ちてくるのは避けられないとも言われました。
その場合は右上7番も抜かなければならなくなるのでしょうか?



3.最初は歯を半分だけ切って抜くという方法を勧められてそのつもりでいたのですが,歯根がくっついているので難しいと翌週言われました。
歯根のタイプによっては半分だけ抜くのは無理なのでしょうか?



ちなみにレントゲンで分かったのですが,痛みが取れないのは最初の根管治療で間違った場所に穴をあけたために実際の患部に届かないからとのことでした(実際の患部に対して20度くらい斜めに掘られています)。

抜きたくないのならと自費診療の根管治療専門医院を紹介されました。
すでにその予約は取りましたが,その前にご意見をいただければと思い,投稿いたしました。

何卒よろしくお願い申し上げます。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2025-05-16 10:28:09
こんにちは。

女性の7番の歯は歯根が良い形に作られていないことも多いので、40年以上前の根管治療の道具だけではステップを作って後の再根管治療を難しくしてしまうケースは多かっただろうと想像しながら拝読しました。



>1
昨今ではインプラントを選ぶ方もおられると思います。
1本義歯を使われる方もおられます。
そのまま放置される方もおられます。



>2
上の歯は噛み合わせる歯がなければいずれ伸びて来る(通常、頬粘膜に押されますから傾斜して挺出する)と思います。

伸びないように就寝時に上顎用ナイトガードを使うというのも一法かもしれませんが、使用が面倒という人もいると思います。

上の奥歯2本を連結して伸びなくしたり、下の6番の遠心に小さなポンティックを作って無理のない範囲の延長ブリッジにして上の歯に当てて挺出防止にする方法や、義歯を作って夜間のみ挺出防止用として使用するなどの方法が考えられると思います。
もちろん、下の義歯を日中使用可能ならばそれが理想ですが。


右上7番が挺出してきたら歯茎カリエスのリスクが上がったり楔状欠損が生じてしみやすくなったり、歯がぐらついてきたりと面倒なことが生じる可能性が上がると思います。

すぐに抜く必要が生じるとまではいかないのが一般的ではないかと思います。



>3
歯根は通常、近心根と遠心根の2根だと思います。
きちんと2根に分かれていれば分割可能ですが、7番になると歯根の離開度が小さくなり癒合していることも多々あると思います。(30%はある)
そういう場合は分割できないです。


根管治療の際、一度間違った方向に根管形成されてしまうと

(昔の方法ではこうなる確率が非常に高くならざるを得なかった。
非常に湾曲しても折れない器具が保険適用に入ったのはごく最近のことです)

それを修正するのは至難の業ですから、そういう難しい治療を専門職としている自費歯内療法専門医を紹介してもらうのは良いと思います。

専門にしていても誰がしても難しいものは難しいので、初見でお断りされる場合もしばしばあると思いますし、リトライしてみた結果思わしい結果が得られなかったという場合もあるかもしれませんが、よくなる可能性が少し上がるのではないかと期待したいものです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: あさおさん
返信日時:2025-05-17 10:25:47
詳しく教えてくださってありがとうございます。
とても助かっています。


根管治療専門の医院にかかっても難しい(らしいです)なら一本義歯を入れたいと思います。

理由は私の仕事が話すことだからです。
抜歯で発音に影響が出たら職を失います。

定年まであと2年余りなのでそれまでの間だけでも義歯を入れたいのです。

今の先生は7番の一本義歯は入れられないとおっしゃいますが,必ずしも不可能ではないと考えてもよろしいでしょうか?
噛む力も大切ですが,こうなったら発音の維持の方に重点を置きたいと考えています。

それで上の歯が落ちてくるのも防げるならありがたいです。


ご助言をいただけますよう,よろしくお願い申し上げます。
 
回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2025-05-17 11:17:07
義歯には義歯の構成要素というものがあり、抜歯により失う歯周組織の連続性を補うための床(通常ピンク色の部分)と失った歯の部分(人工歯を床面に埋めて補う)、それだけでは浮き上がったり動いて使い物になりませんから鈎(バネ)で他の歯を掴んでおくものを設置する必要があります。

ざっくり言っても歯だけの構造体よりも大きな構造体になります。

ですから、発音に有利か?といえば奥歯の場合、発音には不利なことが多いのではないかと想像しますが、保険診療ですからさほど自己負担額が高いわけではないため、とりあえず作ってみて使わないか使えるか?試してみるという方はおられると思います。


これをいきなり自費の義歯を選択されますと使わない(使えない)ものに数十万円とか十数万円、非常に安くても数万円の投資をしたということになる場合も多くありますから、安価な保険医療の提供に馴染んでいる保険医では先に保険義歯を作って使えるようなら自費を作るというステップを踏むことをおすすめすることが多くあると思います。


日中使用されなくても夜間就寝時には使用できるという方もおられますから、作った義歯が噛み合わせの歯が伸びるのを防止するという役目を担う場合もあると思います。



初回の義歯の場合、大きな床面は歯茎に乗せてあるだけの構造にしかならないため、食事の度にソースや食べ物の汁が床面下に滞留して気持ち悪いと感じられる方がとても多いと思います。

そのため毎食後すぐに外して義歯を洗うという手間が必要になると思いますので、それがとても面倒という方も多くおられます。

義歯には真菌が繁殖しやすいためほぼ毎日義歯洗浄剤で殺菌するのも手間で負担と感じられるなどもあります。

汚れたままはめたままでは他の歯にも害を与えるため特別なお手入れが欠かせず、清潔にご使用いただくことがお口全体の健康につながりますから、結構ご負担に感じられて次第に使わなくなるという人もおられたりします。

また当たり前ですが、義歯使用中は定期的に歯科医院での管理も行ってもらうというのが理想とされています。

1本義歯であっても大きな構造体のものがお口に受け入れられるか?は忍耐と慣れが必要になる場合がしばしばあると思います。



ご自身の歯とは全く異なりますからご承知おきください。
手や脚を失っても義手や義足を使用しないで生活される方も多くおられますよね。

それと同じように義歯も使用しないという選択もあるのですが、使用によるメリットもありますから割り切ってご使用されると良いのかもしれないと思いました。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2025-05-17 12:01:50
>一本義歯を入れたいと思います。理由は私の仕事が話すことだからです。
 
下顎7で発音に問題出ることほぼないと思いますけどね。
むしろ入れ歯入れる方がしゃべりにくくなると思います。
 
一度作って、ない方がしゃべりやすければ入れ歯を入れないという方法もありますが。
 
入れ歯の件は根管治療の専門医に意見を聞いてから考えればいいと思いますけどね。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2025-05-17 13:11:23
こんにちは。


難儀なことになりましたね、お気持ちお察しいたします。

どうしても治したいという事なら意図的再植という方法があります、手掛けているDrを探されて相談してみるのも方法だと思います。

意図的再植法 https://yamadashika.jugem.jp/?cid=189



抜歯後の件ですが放置が良いように思います、それで発音に支障をきたすことはありません、むしろ入れ歯を装着して違和感で辛い思いをすることの方が気分的にも良くないと思います、ちなみに私は放置します。

また放置していて上顎7番が挺出してくるのは今から心配するより抜歯したまま様子をみてその時になってから考えるのがいいように思いますす、また通常すぐに抜歯とはならないと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: あさおさん
返信日時:2025-05-17 14:43:53
先生方,ありがとうございます。


今の先生に抜歯の発音への影響を伺ったところ,

「歯を抜くんだからそれは影響はありますよ,息がもれます。
ただ,話すことを職業にしている人でなければ大丈夫でしょう」

と言われ,不安になったのです(先生はご存じありませんが,私はそういう職に就いております)。


義歯を入れたことで却って発音に不自由する場合もあること,まずは保険の義歯を作って様子を見たり,噛み合わせのために就寝時に使う方法もあること,意図的再植法という初めて聞く治療法など,複数の視点からの助言をいただき,狭くなっていた視野が開けた思いです。

お蔭様でだいぶ不安が減りました。
まずは紹介状をいただいた根管治療専門医院に行ってまいります。

見ず知らずの者に親身なご助言を,本当にありがとうございました。



タイトル 右下7番の再根管治療が不調、抜歯になった場合は?
質問者 あさおさん
地域 非公開
年齢 62歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯、根の病気で抜けた・抜く予定
抜歯:7番(第二大臼歯)
根管治療の失敗・再治療
部分入れ歯 その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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