噛み合せで歯周病が悪化する?これからの予防はどうすれば?

相談者: 風さん (39歳:女性)
投稿日時:2009-01-30 21:26:59
お世話になります。


昨年春から左上下の6・7番の歯周病で治療をしていました。
12月に左上7番は上顎洞炎も起こしていて、これ以上保存するのは難しいとのことで抜歯しました。

その後噛み合せがおかしいということで治療を検討しています。
といっても右の高さを調整するかどうかということですが。
(右と比較して左がほとんど噛んでいない状態になっている)


先日右側の骨の状態をレントゲンで確認したところ、昨年6月には骨の吸収(後退?)がなかった右上6・7番に骨吸収が見られました。

左側治療が長引き、ずっと右で噛んでいたことが原因なのでしょうか?


歯磨きも音波ブラシや歯間ブラシフロスコンクールシリーズ・ウォータピック等を使用して、時間をかけてしっかりメンテナンスを行ってきたのですが…。

歯科医院でも「歯茎の状態も良く、よく磨けている」とお褒めの言葉を頂いていました。


ですので、歯科医院では右側は専門的な歯石除去はせず、1回だけ歯のクリーニングをしました。左側はレーザー治療をしていました。

昨年6月と比較して骨吸収がすすんでいたのは、右上6・7番だけです。
現在、右6番が一番噛んでいます。



相談は2つになります。

1.噛み合せ、あるいはへの負担で歯周病が急に悪化することはあるのでしょうか。

2.今後どのようにしてこれ以上骨吸収が起きないように、予防したら良いのでしょうか。


このペースで骨がなくなっていったら、大変なことになるという恐怖はあるのですが、これ以上、何をしたらよいのか分からず困っています。


ご回答、宜しくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2009-01-30 22:02:28
風さん こんにちは。


1.噛み合せ、あるいはへの負担で歯周病が急に悪化することはあるのでしょうか。

ありますね。
特にブラキシズム(食いしばりや歯軋りなど)がある場合には歯周病の悪化要因になります。



2.今後どのようにしてこれ以上骨吸収が起きないように、予防したら良いのでしょうか。

夜間のブラキシズムがある場合にはナイトガードマウスピース)を装着することである程度予防できると思います。

また、昨年6月には骨吸収がなかったとのことですが、約半年で吸収し手しまったということでしょうか?


レントゲンの写りかた(エックス線の入り方)によっても、吸収して見えたりその逆もあります。
もう一度確認してみても良いかもしれませんね。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-01-31 00:05:12
こんにちは。


まず、今回の抜歯歯周病が主な理由でしたか?それとも上顎洞炎でしょうか?

また今まで歯周病が理由で他に抜いたはありましたでしょうか?



今の年齢で、歯周病を理由に初めて抜歯したと仮定すると、「やや早い」ぐらいかも知れませんね。

つまり歯周病の管理について、「ややハイレベル」な内容が必要になるのではないかなぁと感じますよ。

場合によっては、(現在のかかりつけの医院さんについては分かりませんが)専門医の受診も視野に入れられると良いかも知れませんね。



>1.噛み合せ、あるいは歯への負担で歯周病が急に悪化することはあるのでしょうか。

よく誤解されていますが、歯周病と咬み合わせに直接の関連はありません。

歯周病の悪化は細菌感染が理由です。

直接見てみないと分かりませんが、もしもセルフケア(歯磨きの質、回数や食事の取り方など)に本当に問題がなかったと仮定するなら、プロフェッショナルケア(歯石取りや、汚れのたまりにくい環境づくりなど)の内容の方に問題があったかも知れません。

咬み合わせ(咬合)との関連については、かなり専門的な内容ですが、以下の回答もご参照下さい。

参考⇒歯肉から排膿がおこるってことは?



>2.今後どのようにしてこれ以上骨吸収が起きないように、予防したら良いのでしょうか。

先にも書きましたが、一度専門医レベルの精密検査を受けてみた方が良さそうな気がしますよ。

他院を受診されていた患者さんが、

歯石はとったばかり」
歯周ポケット検査では問題がないと言われた」
「歯石は定期的に取っているので歯周病の問題はない」

と言われても、いやいやいや・・・と言うことがしばしばあります。

また、

歯磨きは毎日○○と○○と○○を使って○分間もやっている」

と言われても、いやいやいやいや・・・と言うことも^^;



畑田先生も書かれていますが、レントゲンの診断精度も、先生、撮り方、日によってバラバラですね。
右上の骨の状態が確かに悪かったのなら、左上も同等と考えた方が、確率的には良いかも知れません。



今の年齢から十分な対策をしていけば、決して手遅れではないですよ。
例外の場合もありますが、通常は停められる病気です。

参考⇒侵襲性歯周炎かも?(歯周病治療が得意な歯科医院の見分け方)


また進行も非常にゆっくりですから(※今回も半年で骨がなくなった訳ではないはずですよ)、焦らず怖がらず、じっくりと色々調べてみて下さいね^^


お大事にどうぞ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 風さん
返信日時:2009-01-31 09:11:48
畑田 憲一 先生
渡辺 徹也 先生

ご回答ありがとうございます。


レントゲンは同じ病院で撮影したパノラマレントゲンでした。

見る限りでは6月には骨が映っていたと思いますが、6月以前に骨吸収があったということも考えられるということですね。

メンテナンスも…しているつもり…かも?ですね^_^;

歯周病による抜歯は今回が初めてです。


左下5番は虫歯歯根亀裂により8年前抜歯をして4・5・6のブリッジになっています。
最近気がつきましたが、このブリッジは高さがなく、左7番に負担がかかっていたのでは?と思ったりもしたのですが…


今回の抜歯の理由はについてですが。

5年前より7番がときどき痛み、歯周病と診断され大学病院周科)に通院していました。

痛みはなく落ち着いていました。担当医が退職により変更になるという連絡待ちをしていたら、1年近くたってしまい、5月に7番が痛み出し頬まで腫れてしまいました。
関連痛で下7・6番も痛くなってしまいました。

自己管理&メンテナンスが悪かったと猛省しました(T_T)
(大学病院の先生にも歯磨きは褒められていたのですが(笑))


大学病院(歯周科)へ治療へ行き、歯周病と7番の根が折れているということで分割しました。
歯肉も削りました。

しかし、うずうず感は治まらず夜も眠れず、日中もイライラして仕事も集中できません。
症状を伝え、抜歯も相談したのですが、
先生は

「歯は残しておいた方がいい。
歯周病だから仕方ない。」

という感じで「冠をする」というばかり。

うずうずすると言うと、がりがりと歯石をとるだけで、歯が抜けそうで、痛みが増して夜も眠れない状態でした。

また予約もなかなか取れず心配がつのるばかりでした。


そこで、セカンドオピニオンを求め、現在その歯科医院に通っていますが、歯周病専門医ではありません。
技術的・人格的には信頼できる先生です。

「抜歯はいつでもできるので、治療をしてみましょう。」

ということでレーザー治療を開始して、以前よりは良くなりました。

歯茎のうずうず感がブラッシング等のメンテナンス・毎週のレーザー治療等でも完全には治まらず(6月〜11月)、根幹治療が原因かということで治療していましたら、鼻に交通してしまい、これが決定的な原因で12月初旬に抜歯にいたりました。

つまり、長患いのため慢性的な上顎洞炎になっていたのだと…
(その後の耳鼻科診察では問題ないと言われましたが)

歯自体も大分悪く、抜いた歯の根は丸くなって大分溶けていました。


7番抜歯後は体調によるのか、6番歯茎がうずうずすることもありますが、しない日もあります。
歯茎が敏感になっているような気がします。

現在、夜の歯軋り・食いしばりは薄いマウスピースで調査中です。

しかし、自覚症状はなくどちらかというと最近は仰向けに寝ていると口呼吸になっています。
昨年5月まではうつぶせ寝が中心でしたので、それもよくなかったのでしょうか?


ところで、渡邉先生は「歯周病の悪化は細菌感染」とおっしゃっていましたが、先生はパーフェクトペリオの治療についてはどう思われますか?
(以前虫歯とパーフェクトペリオについての質問は出ていたようですが)

今後の治療方法の候補の一つなのですが、よろしければご意見を伺わせてください。


それから、専門医レベルの精密検査を受けるのは、大学病院でないと無理でしょうか?


話が長くなってしまい、失礼しました。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-02-02 02:12:54
遅くなりました。

まず、歯周病の正確な診断にはパノラマレントゲンは不向きだと思います。
大雑把には把握できると思いますが、正確に・・となれば最低でもデンタル撮影にはなるでしょうね。

でもデンタルも2次元、影絵レベルの話ですから、日によって、人によって、その他諸々の要因によって結果が変わってきます。
まして患者さんが見て正確に理解するのは難しいかも知れませんね。

もしかすると、これからは歯科用CTのデータなんかが歯科医にとっても患者さんにとっても再現性のある、納得のいく記録になるかも知れません。

一昔前には考えられませんでしたが、患者さんのガイコツが立体像で詳細に好きな角度で見られる訳ですから、骨の様子は誰が見てもはっきり分かりますよね。
(賛否両論はあると思います)

ただまだ7万軒弱ある歯科医院中歯科用CTがあるのが1000軒超えたぐらいですし、そういう目的で使う医院は更に少ないはずですけどね。



・・なんですが、

大学病院周科)へ治療へ行き、歯周病と7番の根が折れているということで分割しました。歯肉も削りました。

と言うことなら、骨吸収の原因は純然たる歯周病ではなくて、歯根破折ですよね^^;

であれば数ヶ月で急に骨がなくなることはありますし、反対側は割れさえしなければ心配する必要はありませんよ。


結果論ですが、早いところ抜いてしまった方が良かったっぽいですね^^;
粘りすぎて脳が痛みを記憶してしまっている可能性もなきにしもあらずです。



歯周病と咬み合わせの話なら無関係なのですが、歯根破折と咬み合わせなら関係はありますよね。。。
うつ伏せ寝も、良くはないです。

以下の回答も読んでみて下さい。

参考⇒神経の無い歯が脆くなり折れてしまった原因として考えられることは?



>先生はパー○ェクトぺリオの治療についてはどう思われますか?

今これをネット検索すると以前の私たちの回答や、近所の歯科医院のHPがすぐ出てくるんで、非常に回答しづらいのですが・・・

結論としては、虫歯の話の時と同じです。
月200円ぐらい?なら。。



ところで以前この件で回答した際には、「強酸性水」の一種かと思って書いていたのですが、改めて調べると中性の「塩素水」なんですね。

この辺りの比較は素人考えに近い話になりますけど、

日本の水道水の残留塩素で1ppmぐらい?
一般的な強酸性水で30-60ppm
この水が500ppm前後?

そりゃ使用前使用後の唾液を顕微鏡で観察すれば、細菌の数は減ってて当たり前と言いますか・・。

「飲用」ではないにしても本当に安全なのか、自分の感覚では率直に言って不安を感じる濃度です。

当然安全性の検証は十分にされてることとは思うのですが。。



歯周病原菌に対しての消毒液の効果ですが、原因菌が溜まっているのは歯周ポケットの底の方なので、普通に考えれば洗口だけで効くはずはないですよね。
(唾液中の菌が多いとか少ないは関係ないです)

超音波スケーリングの際に水道水の代わりに使うのなら、ポケット底を直接洗い流すので、いいかも知れませんね。


・・ということで試すのだったら、やはり

・(調べられる範囲で)安全で
・もったいなくないと思える金額

だったら、個人的にはアリだと思います。



実は自分も、今度開業する際に強酸性水なら導入して、器具の消毒、スケーリングや根管洗浄時に水道水の代わりに使用する予定ではいます。
術前の洗口や、ご希望があればご自宅用にも200円程度で(笑)ご提供はするつもりですよ。

強酸性水(機能水のひとつ)でも種類が色々あるそうなのですが、自分の使用する物は大学関係でもよく研究されていてデータも最も多く、安全性にも問題ないですし塩素濃度も10ppm以下ということですから、200円ならものは試しに・・と勧められますね。

洗口に使えば口腔内の細菌数が、一時的に相当数減少すると言うのは間違いありませんので、例えば手術の後の家庭での消毒目的などであれば、市販の物を購入して貰うよりもむしろメリットはあるかと思いますよ。

口内炎とか皮膚疾患にも「良さそう」と言う話もありますし、自分自身も皮膚のかぶれが治った経験があるので、悪い物ではないかなぁとは感じています。


でも虫歯予防歯周病予防にも効果があるかと言われれば、おそらくそれはないと思いますよ。

歯ぐきが引き締まる感じはありますけどね。

なんだか治療が奏功しない様な難治性の場合などに、市販品の代わりに試してみる程度だったらいいと思います・・という感じですね。



強酸性水の話ばかりしてしまいましたが、強酸性水はその特性から、「低濃度高活性塩素水」と言う言い方も出来るそうです。(湯浅先生に教えてもらいました)

ですので、件の高(?)濃度塩素水を使用するぐらいなら、こちらの方がいいかな、と言う一意見です。

(※基本的にデータがまだ少ない分野の話なので、あくまで現段階での個人的見解です)





>専門医レベルの精密検査を受けるのは、大学病院でないと無理でしょうか?

何も検査方法や機械が特別になる訳ではないです。
(歯科用CTなんかは別として)
適当に歯科医院を選ぶよりは、大学病院の方が熱心な先生に当たる可能性は確かに高いとは思いますよ。

参考⇒歯科大学病院での治療は良い?悪い?

参考⇒侵襲性歯周炎かも?(歯周病治療が得意な歯科医院の見分け方)


でも、今の先生ともせっかくうまく行ってる様ですし、何よりも今回の抜歯は歯周病が原因ではなさそうですから、あまり必要性は感じないですね^^;

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-02-03 13:19:23
渡辺先生のご意見

『>専門医レベルの精密検査を受けるのは、大学病院でないと無理でしょうか?

何も検査方法や機械が特別になる訳ではないです。
歯科用CTなんかは別として)

適当に歯科医院を選ぶよりは、大学病院の方が熱心な先生に当たる可能性は確かに高いとは思いますよ。』

にセカンド

大学だと金銭的な問題をドクター側が考えなくても良いので、時間的にしっかりとした診療がしやすい。

その反面、研修医や実習生など学生さんや若いドクターが多いので、ベテランのドクターに当たることは少ないです。


専門的な知識と技術を持った人にキチンと診てもらいたい希望がありましたら、やはり専門医に自費で診察してもらうのが今のところのベストだと思われます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 風さん
返信日時:2009-02-03 14:43:37
渡辺 徹也 先生
佐藤 修一郎 先生

お忙しい中、丁寧にご回答いただきありがとうございます!
恐縮です。

なるほど と納得しました。
やはり何事も奥が深いですね。

レントゲンについては、昨年春に大学病院で細かく分けて撮影したものがありますので、今度借りて見ようと思います。

痛みについても、私も「神経回路がやられたというのもありかな〜」と思っておりました(@_@;)


高濃度塩素水については、症例が少ないといいますか
・「試してよかった!」という声も
・「やらないほうがいい!」という声も
聞こえてきませんので、専門家の先生にお伺いした次第です。



実はうがい薬はもう手に入れたのですが、漂白剤のような匂いがします。

渡辺先生のおっしゃるように、不安を感じざるを得ないのですが、その気持ちに反して

「超音波スケーリングの際に水道水の代わりに使うのなら、ポケット底を直接洗い流すので、いいかも知れませんね。」

というのを今度試してみようと思っています。
報告できる機会がありましたら、ご報告させていただきます!


弱酸性水というのも使用している病院を調べてみます。


大学病院の件では、正直、昨年春担当になった先生があまりにも不器用だったということもセカンドオピニオンを求めた一因ではあるのですが。

今後は現在の歯科医院と専門医と大学病院と合わせてメンテナンスを考えて行こうと思います。
担当の先生を変更することも可能だと思いますので!


…確かに佐藤先生のおっしゃるように、大学病院では経費は二の次というような感じの治療や指導でした。
治療費も低額でした。



今までは病院に丸投げで^_^;治療をお願いしていた状態だったので…
今更ですが、自分のは自分で守らなければいけないということがよ〜く分りました。
…辛い辛い勉強期間でしたが(笑)

歯根も、これ以上折れないように、気を付けたい思います。
「…つもりメンテナンス」も卒業できるよう頑張ります。


たわいもない疑問にここまで懇切丁寧にお答えいただき本当にありがとうございます!
とはいえ、私にとっては一大事の疑問・質問。
色々な事が納得できてホッとしています。
心より感謝いたします。


渡辺先生が開業したら弱酸性水を200円でご提供くださるとのことで、是非通院したいところですが、地域的に無理でした^_^;残念。


先生方、睡眠時間を削ってのご回答かと、いつも頭が下がります。
どうぞ、お体ご自愛くださいませ!


今後とも歯チャンネルで勉強していきますので、宜しくお願いいたします!
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-02-03 19:39:20
あ、すみません、↑の回答の方の説明内容に、少し問題があるかも知れませんので、もう少し調べてからまた書きますね。


しばしお待ちを。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2009-02-15 22:27:48
大変遅くなりましたが、上記回答について補足します。



塩素を含む水について

塩素の働きは酸性の状態で理想的に(人体に害が少なく、殺菌効果大、残留しない=保管性が悪い)

アルカリや高温に行くほど有害(塩素自体はたったの4%しか有効な働きをせず、アンモニアや酸化窒素などとの反応を起こし、人体刺激性、発がん性の問題、殺菌効果は低く、残留する=保管性は良い)

と言う特徴がある様です。

ですので、上記の回答文中で、パーフェクトペリオ水、水道水(共に中性)を較べたまでは良かったのですが、強酸性水は多少違うカテゴリとして考えた方が良さそうです。
(分類上は一応同じ、食品添加 次亜塩素酸水 という言い方にはなるのですが・・)



水道水は、日本の場合は残留塩素(※活性化してるかしてないかを問わない濃度)が他国に比べて高いと言われており、正確な情報ではないものの、ところによってはそれが1ppm前後などとも言われている様です。

例えばビル管理法・施行令では、

『給水栓における遊離残留塩素の含有率は、0.1ppm(結合残留塩素の場合は0.4ppm)以上に保持すること。』

と決められており(供給水が著しく汚染されていることが予測される場合にはその約倍の濃度)、上限の指定はない様です。
(この場合の塩素濃度とは、中性域の話なので、有効でない、有害なものを多く含んでいます)

一応高濃度塩素ガスを溶解した水の毒性については、水中の塩素濃度が100〜200ppmでは毒性がない、という古い報告はある様で(古い論文で、Carl JB and Nichols MS:Effects of Highly Chlorinated Drinking Water on White Mice, J AWWA, 1956, 1503-1506.に書かれてるそうです)、100ppm以上の遊離残留塩素があると、ヒトの表皮の細胞において細胞毒性が認められたとの報告もある様です。


日本の水道水の様なごく低濃度?でも、高温で空気中にまって、人体にも吸い込まれやすい浴室でのシャワーなどは、安全性についての指摘の声もある様ですし、その他アレルギーや皮膚疾患との関連を疑う様なサイトも浄水器メーカーなどを中心に多く見られましたが、正確な情報は今のところつかめませんでした。
(とは言えそれが原因で人が死んだなどの報告もおそらくないですし、世界一安全な水道水と言われているのも事実かと思います。)



それに比べて同じ中性域のパーフェクトペリオ水は、塩素の殺菌効果を発揮するために、塩素が効率良く働く酸性にするのではなく、中性のまま塩素濃度だけを猛烈に稼いで、500ppmと言う、非常に高い濃度を使っている訳です。

消毒力は当然あるのでしょうが、歯周ポケットに使用したり口腔内に入れた場合、周囲の組織の破壊及び死滅も考えられます。
(時間をおけばある程度は再生する範囲なのでしょうけど。)

(参考 ズバリではないですが、)
日本歯科保存学会2008年度秋季学術大会(第129回)の抄録中
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jscd/member/pdf/abstract129/p71-143_re.pdfの、演題 P72(内)

「中性電解機能水(パーフェクトペリオ)のヒト歯髄細胞に対する細胞傷害性およびアルカリフォスファターゼ活性に及ぼす影響」明海大学

や、専門家数人の意見も聞かせて頂いた結果です。



「(パーフェクトペリオ水は)日本食品分析センターの分析で、安全性も確認されています。」

と記載のあるサイトも見つけたのですが、自分ではその事実関係の確認は出来ませんでしたし、現時点の自分の知識では、違和感を覚えてしまいます。



また、スケーリングに使用することがもしも常態化すると、空気中に舞うエアロゾルの量もそれなりに予想されますから、換気等も十分に気を遣わないと、スタッフの労働環境としての不安さえ湧いてきます。



総じて、個人的には、歯科において使用するメリット、あるいは十分な安全性があるとは判断出来ませんでした。


参考⇒パーフェクトペリオ水は虫歯予防に効果があるのでしょうか?

の、湯浅先生のご回答と併せて読んで頂けると、さらにご理解頂けるかと思います。






一方、前述した様に、やや別物と考えた方が良い様なのですが、強酸性水の生体毒性に関する基礎研究(※これは酸性域の話なので、塩素は有効なものばかりの濃度の話と捉えて良さそうです)では、40ppm程度については大丈夫そうだと、動物実験での報告なら見つけられました。

(参考文献)

歯学,vol.84.619-626,1997.
­強酸性電解生成水溶液の生体毒性
−経口投与によるラットの亜急性毒性試験と口腔組織への影響−
森 義雄ら
http://www.ngt.ndu.ac.jp/cb/research/achieve/paper/064-1997.htm




消毒効果に最低限必要な濃度については、様々な条件にもよるのですが、最低0.8ppm以上とか、それぐらいの単位の様です。

特徴として、塩素の効果以外に強い電位差(ORPと表現します)があって、それの働きによって他の薬液には見られない様な優れた即効性と、効果を発揮した後にはただちに無害化するという安全性があります。
(逆の言い方をすれば、不安定、とも言え、長期保管等には向かないです)

例えば口腔内で使用すると、数十秒間、消毒効果を発揮しながら、口腔内のたんぱく質と反応して塩素は効果を失い、最終的に0.9%程度のただの「塩水」に変化する、という事が知られているそうです。

消毒効果については多くの設定条件での文献があり、手洗い、内視鏡の消毒については医療用認可までも降りてますし、排水、環境汚染の面でも優位性は高いと思われます。
(※「医療用認可が降りている=安全」とは必ずしも言えませんし、降りてない方法を医師の裁量において行うこと自体は合法です)

一方「保管性」と言う意味では悪く、遮光瓶に入れて冷蔵庫に入れて1週間程度、とも言われます。



全体的に、強酸性水については日本国内での研究論文ばかりが多く、

【少なくとも危険性はなさそうだが、使用目的によっては(例えば虫歯予防歯周治療の補助など)データが十分蓄積されているとは言えない】

と言った感じの位置づけだと思います。



一応労働安全衛生法なども調べたり、調べるほどにややこしい話で、正直理解しきれてないと思うのですが、一意見として参考とされて下さい。

(まだこれからドサッと関連文献が家に届く様なのですが、上記記載に修正が必要と思われればまた修正したいと思います。)



とりあえず以上です。





タイトル 噛み合せで歯周病が悪化する?これからの予防はどうすれば?
質問者 風さん
地域 非公開
年齢 39歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯周病(歯槽膿漏)治療
歯周病(歯槽膿漏)予防
噛み合わせ(咬合)治療
歯周病関連
予防関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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