月1回の歯石除去で歯周病をコントロールできるか意見が聞きたい

相談者: ゆう太さん (18歳:男性)
投稿日時:2010-01-24 02:51:53
参考:過去のご相談
コンクールFとジェルコートFの成分や歯の着色について知りたい

お世話になっております。
ひとつ疑問に思うことがありまして、専門家のご意見が聞きたいので、投稿させていただきます。

ある歯科医師の方で、月に一回の歯石除去歯周病をコントロールできるという説を唱えている方がいるのですが、どうお考えですか?

歯周病の原因は、プラーク(細菌)ではなく歯石にあると考えていらっしゃるようです。
歯石を異物と認識して排除しようとする結果が、歯槽骨の喪失につながるということらしいです(素人なのでまちがっているかもしれません)。

完璧に除石することはできないのだからやりすぎることはない、とにかく毎月歯石を取るのが重要と仰っています。

数十年の実績もあるようです。
これが本当ならすごいことだと思いました。

ご意見を聞かせてください。
(この方を批判する意図はまったくありません)


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-01-24 06:35:01
ゆう太さま、おはようございます。

月に一度歯石の除去をすれば、歯周病をコントロールできるかとのことですが、はっきり言ってそんなことでは歯周病をコントロールできません。

日本中で歯科医歯科衛生士が、一生懸命スケーリングを毎日カリカリやっていることとは思いますが、おそらく歯周病が治らなくて困っていると思います。

挙句の果てに、歯周病は治らないと仰っている歯科医すら耳にします。

なぜ歯周病が治らないかというと、プラークを落とせていないからです、それこそ毎日歯科医や歯科衛生士にの隅々まで磨いてもらってきれいにしておけば、ほとんどの歯周病は治ってしまうでしょう。

然しそのようなことは現実的ではありません、一人一人が自分で歯ブラシを使ってプラークを落とすことが必要になってきます。

それではなぜ毎日歯を磨いていても歯周病に罹患したり歯周病が治らないかと言うと、磨けていないからです。

歯を磨いていることと、歯が磨けていることとは同じではありません、磨けていなければ磨いたことにはならないのです。

磨けたかどうかは赤染めをすれば一目瞭然です。

付け加えておきますと歯周病が進行している場合はその程度によって一工夫した歯磨き技術が必要になります、したがって歯磨き指導に長けた指導者のサポートが必要なわけです。

歯石を取らずに歯磨きだけで歯周病が治った方の症例を、2症例提示しておきます、参考になさってください。


歯周病を歯磨きで治す? http://yamadashika.jugem.jp/?cid=108

この方は重症の歯周病になっている部位がありましたが、歯石を取った所は右下4番だけです、今も知覚過敏が治っていないので歯石は取っていません、他の所は歯石が付着したまま治っています。

もうひとつの症例です、この方も重症の歯周病です、仕事が忙しくて最後までフォローできませんでしたがほぼいいところまで治癒しました。

ブラッシングの威力? 歯周病を歯磨きで治す http://yamadashika.jugem.jp/?cid=52

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-01-24 10:16:09
オリジナリティーのある説ですね^^;

私も山田先生に同意します。

学術的に言うと、歯周病の原因はプラークです。

歯石やその他もろもろ、例えば喫煙とか糖尿病とか間食や砂糖摂取量、修復物の不適合みたいなものは、強いて言うなら危険因子であって、原因ではありません。

歯石自体細菌の死骸で石灰化までしていますので、害すらないのですが、その周囲に生きている細菌が巣を作ることが問題です。

おそらく、プロフェッショナルクリーニング(※一般的にはPMTCとかPTCなどと言う言葉で代用します)の一環として月1回の歯石とり、と言う意味なのではないでしょうか?

ただし、極端な話ですが、歯石とりだけを毎月して、歯磨き指導やそれに関わる口腔衛生指導全般を全く抜きで続けていたとしたら、歯周病は進行していくことになりますし、は削れて痩せ細っていくことと思います。
(※歯石除去は、どう頑張っても健全歯質も少し犠牲になります)

歯周病のスタート地点である「歯肉炎症」を引き起こすのには、プラークが二日間の熟成期間があれば足りることが昔から知られていますので、プロフェッショナルクリーニングだけで歯周病を止めようとするなら、おそらく1日おきのクリーニングが必要ですね。

原論文は(たぶん)こちら⇒
Toothbrushing frequency as it relates to plaque development and gingival health.
Lang NP, Cumming BR, Löe H.
J Periodontol. 1973 Jul;44(7):396-405.



おそらくですが、1ヶ月おきに歯科を受診して頂くことで、患者さんの日ごろの口腔衛生に関する行動全般が、良くなっているのだと思いますよ。

PMTCなどでもそちらの効果の方が大きいと思います。

こういったことは保険では出来ませんのでその点と、歯の傷つく量にしっかり配慮をされているなら、悪いことではないと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ゆう太さん
返信日時:2010-01-24 15:45:40
山田先生、回答ありがとうございます。

やはり原因はプラークとお考えなのですね。
ですが、歯周病の原因菌はもともと口の中にいるものですよね?

なぜ30歳を過ぎると症状が顕著になってくるのでしょうか?
もちろん全員ではありませんが。



渡辺先生、回答ありがとうございます。

この先生の考えは独特のものですよね。
でも結構納得してしまった自分がいます。
無害といっても、異物が四六時中付着していれば炎症を起こすのかもなーと思ったのですが・・・

もちろんブラッシング指導もしていらっしゃるようですが、最重要とは考えていらっしゃらないようです。
が少し削れるとは仰っていましたが、それをしなければ歯ごとなくなるのだから全く問題ではないとの事。

毎月通ってくると口内の清掃状況が良くなってくるというのは先生も仰っていました。


他の先生のご意見もお聞きしたいです。
宜しくお願いします。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-01-25 00:21:16
こんばんわ。

>やはり原因はプラークとお考えなのですね。

考えているのではなくて、原因はプラークそのものです。


>なぜ30歳を過ぎると症状が顕著になってくるのでしょうか?

なぜだと思いますか。

磨き残しになって、5年目(10歳)と25年目(30歳)とでは、どちらの方が歯周病が進んでいると考えられますか。

プラーク付着実験 http://www.yamadashika.jp/perio03.html

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-01-25 01:03:19
>やはり原因はプラークとお考えなのですね。

科学的には現時点では、そのように証明されていますので、個々の歯科医師がそのように考えているのではなく、それが現時点での事実です。


>ですが、歯周病の原因菌はもともと口の中にいるものですよね?
>なぜ30歳を過ぎると症状が顕著になってくるのでしょうか?

元々住み着いている常在菌によって起こる病気は、そういったものです。

たとえば、ピロリ菌によって起こる胃潰瘍も、元々いるのにすぐに症状が出ずに、40・50代になってから症状が顕著になってくることが多いです。


>30歳を過ぎると

ただ、症状も本人が気が付かないだけで、重度の歯肉の腫脹や発赤を起こしている人は10代でも結構います。


>この先生の考えは独特のものですよね。

科学的には否定されていますね。


>無害といっても、異物が四六時中付着していれば炎症を起こすのかもなーと思ったのですが・・・

確かに、異物があればプラークが付きやすくなるので炎症を起こしやすくなります。

そういった意味で、歯石をきちっと取ることは大切かもしれません。
しかし、プラークが無ければ歯石だけで炎症を起こすことはありません。

最近の研究では、歯石を少々取り残してもプラークコントロールがしっかりしていれば、歯周病が治っていくという報告もあります。


>もちろんブラッシング指導もしていらっしゃるようですが、最重要とは考えていらっしゃらないようです。

ブラッシング指導をちゃんとしているから治っているのであって、スケーリングを毎月しているからではないのではないですか。
もしそうなら、スケーリングの時間と費用は無駄ですね。


が少し削れるとは仰っていましたが、それをしなければ歯ごとなくなるのだから全く問題ではないとの事。

確かにそのとうりだと思います。
しかし、削れないにこしたことは無いですね。


>毎月通ってくると、口内の清掃状況が良くなってくるというのは先生も仰っていました。

これも良く見られる現象で、スケーリングに限らず、毎月通院して何がしかの処置を受けていると、お口の中の関心が高まり口腔衛生状態はよくなります。




タイトル 月1回の歯石除去で歯周病をコントロールできるか意見が聞きたい
質問者 ゆう太さん
地域 非公開
年齢 18歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯周病(歯槽膿漏)予防
歯磨きに関する疑問
スケーリング(歯石取り)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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