マルチループワイヤーという歯列矯正装置で受け口は治りますか?
相談者:
キャリーさん (20歳:女性)
投稿日時:2011-02-25 11:34:29
⇒参考:過去のご相談
「洋和菓子屋でバイト中、ずっと甘いお菓子を食べていたら虫歯が心配」
「しゃくれた顎+切端咬合の治療方法」
他
私は受け口なのですが、根本的な噛みあわせを治すには手術しかないといわれました。
しかし手術がどうしても怖くて嫌だったのでいろいろと調べていたら『マルチループワイヤー』とういう矯正装置で治すことができる可能性があると知りました。
本屋で岸本雅吉先生という方の本を読んで、そのマルチループワイヤーの治療の写真なども拝見しましたが、私よりもかなり酷いであろう受け口(出っ歯、開咬etc)も手術なしで、審美的なだけでなく、機能的なかみ合わせもきちんと治っていました(もちろん成人の方の症例です)。
ちなみにこの岸本先生はマルチループワイヤー+ゴムを使用するみたいです。
そこで専門家の先生方にお聞きしたいのですが、歯科の世界で『マルチループワイヤー』というのは有名なんでしょうか?
また手術なしで治る可能性があるならかなり画期的な気がするのですが、まだ装置として扱うことができる先生が少ないのでしょうか?
回答よろしくお願いします。
「洋和菓子屋でバイト中、ずっと甘いお菓子を食べていたら虫歯が心配」
「しゃくれた顎+切端咬合の治療方法」
他
私は受け口なのですが、根本的な噛みあわせを治すには手術しかないといわれました。
しかし手術がどうしても怖くて嫌だったのでいろいろと調べていたら『マルチループワイヤー』とういう矯正装置で治すことができる可能性があると知りました。
本屋で岸本雅吉先生という方の本を読んで、そのマルチループワイヤーの治療の写真なども拝見しましたが、私よりもかなり酷いであろう受け口(出っ歯、開咬etc)も手術なしで、審美的なだけでなく、機能的なかみ合わせもきちんと治っていました(もちろん成人の方の症例です)。
ちなみにこの岸本先生はマルチループワイヤー+ゴムを使用するみたいです。
そこで専門家の先生方にお聞きしたいのですが、歯科の世界で『マルチループワイヤー』というのは有名なんでしょうか?
また手術なしで治る可能性があるならかなり画期的な気がするのですが、まだ装置として扱うことができる先生が少ないのでしょうか?
回答よろしくお願いします。
回答1
ゆうデンタルオフィス矯正歯科(横浜市保土ヶ谷区)の畠山です。
回答日時:2011-02-25 13:42:39
キャリーさま。
私は矯正治療に際して、マルチループをよく使っていますが、マルチループは装置とういうよりは、ワイヤーの形です。
それを使えばなんでも治るということではなく、矯正治療に使われるワイヤーの形の一つなのです。
マルチループは確かに全ての矯正医が使っているわけではないと思いますが、よく知られていると思います。
どのようなワイヤーを使うかより、どのような方針で歯並びを整えるのかが大切だと思います。
私は矯正治療に際して、マルチループをよく使っていますが、マルチループは装置とういうよりは、ワイヤーの形です。
それを使えばなんでも治るということではなく、矯正治療に使われるワイヤーの形の一つなのです。
マルチループは確かに全ての矯正医が使っているわけではないと思いますが、よく知られていると思います。
どのようなワイヤーを使うかより、どのような方針で歯並びを整えるのかが大切だと思います。
回答2
回答日時:2011-02-25 17:53:12
マルチループワイヤー(MEAW)で何をしようとするのかです。
受け口が治るかといえば治るという言い方になると思いますが、骨格は変わりません。
特に顔が長いとか、下顎骨体自体が大きいとか、上顎骨が小さいというのは治せません。
岸本先生の本をお読みのようですが、おそらく顔の写真は非常に数少ないはずです。
口の中が噛んでいても顔の変化は作れないことも数多くあります。
要は、治療ゴールの問題です。
わたしも1975年頃よりMEAW開発者のキム先生の講演を何度もお聞きし、1984年には4日間コースにも参加して一時はかなり使っていました。
ただその後、超弾性ワイヤーやプログラムドブラケットが一般化されるにしたがって、今ではほとんど使いません。
なお岸本先生はMEAWで治療を進める際に8番抜歯は必須ですし、まれにそれに加えて7番も抜歯することがあります。
これでも非抜歯矯正と謳っています。
念のためですがMEAWでの治療時には顎間ゴムの使用は必須になります。
これを怠ると反作用のほうが強く出てくることがあります。
もうひとつの情報としては、最近売り出されたガムメタルワイヤーはループなしでMEAWと同じような効果が期待できるとのことです。
受け口が治るかといえば治るという言い方になると思いますが、骨格は変わりません。
特に顔が長いとか、下顎骨体自体が大きいとか、上顎骨が小さいというのは治せません。
岸本先生の本をお読みのようですが、おそらく顔の写真は非常に数少ないはずです。
口の中が噛んでいても顔の変化は作れないことも数多くあります。
要は、治療ゴールの問題です。
わたしも1975年頃よりMEAW開発者のキム先生の講演を何度もお聞きし、1984年には4日間コースにも参加して一時はかなり使っていました。
ただその後、超弾性ワイヤーやプログラムドブラケットが一般化されるにしたがって、今ではほとんど使いません。
なお岸本先生はMEAWで治療を進める際に8番抜歯は必須ですし、まれにそれに加えて7番も抜歯することがあります。
これでも非抜歯矯正と謳っています。
念のためですがMEAWでの治療時には顎間ゴムの使用は必須になります。
これを怠ると反作用のほうが強く出てくることがあります。
もうひとつの情報としては、最近売り出されたガムメタルワイヤーはループなしでMEAWと同じような効果が期待できるとのことです。
回答3
ひたちの矯正歯科医院(茨城県牛久市)の秋山です。
回答日時:2011-02-26 12:20:25
(私は小臼歯抜歯もよく行いますので、畠山先生とは治療ゴールが異なりますが)
MEAWを使用して最終仕上げを行いますので、その特性を熟知しております。
MEAWを用いると大臼歯の整直を行い易く、ダイナミックに歯が移動できるので、結果として骨格性不正咬合症例でも手術を回避し治療できる場合が多くなります。
ただ全ての骨格性不正咬合をワイヤーのみで治せませんし、手術を回避する事が自体が手術を併用する治療より全てにおいてベターという訳ではありません。
また最近はインプラントアンカーを使用して従来MEAWでなければ治療が困難であったような症例も治療できるようになっています。
>歯科の世界で『マルチループワイヤー』というのは有名なんでしょうか?
海外では分りませんが日本国内では比較的有名ではないでしょうか。
>また手術なしで治る可能性があるならかなり画期的な気がするのですが、まだ装置とし>て扱うことができる先生が少ないのでしょうか?
キム先生がMEAWを売り出した当初はセンセーショナルな治療法でしたが、今は様々な装置や治療法が開発されていますので凄くすばらしいという訳でもないように思います。
私がMEAWを使用しているのはそれに使い慣れており、その特性を理解して、間違いのない成果をコンスタントに出せる自信があるからです。
どのワイヤーや装置を使用しているという事よりも、どのようなコンセプトのもと治療し、仕上がりをどうしたいかのほうがより大切に思います。
治療を始めるにあたり、矯正専門医の話をよく聞き、納得のいく治療を選択して下さい。
MEAWを使用して最終仕上げを行いますので、その特性を熟知しております。
MEAWを用いると大臼歯の整直を行い易く、ダイナミックに歯が移動できるので、結果として骨格性不正咬合症例でも手術を回避し治療できる場合が多くなります。
ただ全ての骨格性不正咬合をワイヤーのみで治せませんし、手術を回避する事が自体が手術を併用する治療より全てにおいてベターという訳ではありません。
また最近はインプラントアンカーを使用して従来MEAWでなければ治療が困難であったような症例も治療できるようになっています。
>歯科の世界で『マルチループワイヤー』というのは有名なんでしょうか?
海外では分りませんが日本国内では比較的有名ではないでしょうか。
>また手術なしで治る可能性があるならかなり画期的な気がするのですが、まだ装置とし>て扱うことができる先生が少ないのでしょうか?
キム先生がMEAWを売り出した当初はセンセーショナルな治療法でしたが、今は様々な装置や治療法が開発されていますので凄くすばらしいという訳でもないように思います。
私がMEAWを使用しているのはそれに使い慣れており、その特性を理解して、間違いのない成果をコンスタントに出せる自信があるからです。
どのワイヤーや装置を使用しているという事よりも、どのようなコンセプトのもと治療し、仕上がりをどうしたいかのほうがより大切に思います。
治療を始めるにあたり、矯正専門医の話をよく聞き、納得のいく治療を選択して下さい。
相談者からの返信
相談者:
キャリーさん
返信日時:2011-03-03 22:35:10
タイトル | マルチループワイヤーという歯列矯正装置で受け口は治りますか? |
---|---|
質問者 | キャリーさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 20歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯列矯正の治療法 下顎前突(受け口) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。