土台はファイバーコアかゴールドコアか?
相談者:
たかしさん ( : )
投稿日時:2007-06-17 16:00:00
回答1
回答日時:2007-06-17 22:04:00
こんにちは。
歯根破折から守るためには、土台の材質よりも、まずフェルール(≒残存歯質の量)が重要です。
これさえあれば歯根破折はしない。訳ではないのですが、それでも最大に効果のある努力と言えます。
確保できない場合、クラウンレングスニングや、エクストルージョンとの併用でなんとか出来る場合もありますし、逆にこれらが行えない様な歯の場合、本来は抜歯するべきと考えた方が良いのかも知れません。
無理して残しすぎて、後でかえって大変な結果(※歯根破折はその代表)になることも日本の場合は特に多そうです。
「フェルール」について
参考⇒無髄歯の寿命について
ゴールドについては、私の見たことのある研究論文では(※詳しい分野ではないのですが)、ファイバーコアと比べて特に歯根破折の予防につながる、という報告はなさそうです。
ゴールドといっても硬さが色々ありますから、軟らかめの金合金(もしくは純金)でしたら、理論上は、一般的なメタルコア(※これも硬さは様々ですが・・)と比べれば歯根に優しそうな感じはします。
一方でファイバーコア(※ファイバーの芯に、レジンを巻き付けて盛り上げたもの)については、概ね良さそうな結果が出ています。
歯根が破折に至る仕組みとしては、クラウンに力がかかった時に、残存歯質が力を受け止めきれず(=フェルールがない状態。コアに頼ってクラウンがくっついてる状態)、ポスト部分(根管に飛び出た細い部分)に力がかかった場合に起きる、という理解で良いと思います。
ですから先ずはフェルールや、残っている歯の厚みの確保が何よりも先決となります。
止む無くしてポストに力がかかった時、最初に歯と土台の境目にあるセメントが破壊され、その後ポストが歯よりも硬ければ歯を割りますし、歯よりも軟らかければ土台が壊れる・・というのが大雑把な理屈だと思います。
ファイバーコアの利点は、必ず接着性セメントと言って強固に歯とくっつく材料を使用することと、歯と同じ様なしなりかたをする為に、歯と土台の境目がまず壊れにくいという点にあると思います。(※硬さの異なるものをくっつけていると、境目は一瞬で壊れます)
その後も、最悪壊れてきたとしても、運が良ければ歯を割らずに土台が壊れてくれるかも・・というところが大変魅力と言えます。
その場合は歯根が残りますので、再度差し歯を作るチャンスが生まれますが、メタルコアなどの硬い材質の場合は、ほとんどが歯根を縦に割ってしまうので、抜歯せざるを得なくなってしまいます。
一般的でないものも含めると、実は他にも非常に様々な種類があるのですが、患者さんの立場で考えるなら、破折の予防、術者の技量による差、利便性、信頼性、(審美性)などを総合的に考えると、今のところはファイバーコアが一番良いのではないかなと、個人的には思いますよ。(・・と言いながら、私は滅多に使わないですが。)
歯根破折から守るためには、土台の材質よりも、まずフェルール(≒残存歯質の量)が重要です。
これさえあれば歯根破折はしない。訳ではないのですが、それでも最大に効果のある努力と言えます。
確保できない場合、クラウンレングスニングや、エクストルージョンとの併用でなんとか出来る場合もありますし、逆にこれらが行えない様な歯の場合、本来は抜歯するべきと考えた方が良いのかも知れません。
無理して残しすぎて、後でかえって大変な結果(※歯根破折はその代表)になることも日本の場合は特に多そうです。
「フェルール」について
参考⇒無髄歯の寿命について
ゴールドについては、私の見たことのある研究論文では(※詳しい分野ではないのですが)、ファイバーコアと比べて特に歯根破折の予防につながる、という報告はなさそうです。
ゴールドといっても硬さが色々ありますから、軟らかめの金合金(もしくは純金)でしたら、理論上は、一般的なメタルコア(※これも硬さは様々ですが・・)と比べれば歯根に優しそうな感じはします。
一方でファイバーコア(※ファイバーの芯に、レジンを巻き付けて盛り上げたもの)については、概ね良さそうな結果が出ています。
歯根が破折に至る仕組みとしては、クラウンに力がかかった時に、残存歯質が力を受け止めきれず(=フェルールがない状態。コアに頼ってクラウンがくっついてる状態)、ポスト部分(根管に飛び出た細い部分)に力がかかった場合に起きる、という理解で良いと思います。
ですから先ずはフェルールや、残っている歯の厚みの確保が何よりも先決となります。
止む無くしてポストに力がかかった時、最初に歯と土台の境目にあるセメントが破壊され、その後ポストが歯よりも硬ければ歯を割りますし、歯よりも軟らかければ土台が壊れる・・というのが大雑把な理屈だと思います。
ファイバーコアの利点は、必ず接着性セメントと言って強固に歯とくっつく材料を使用することと、歯と同じ様なしなりかたをする為に、歯と土台の境目がまず壊れにくいという点にあると思います。(※硬さの異なるものをくっつけていると、境目は一瞬で壊れます)
その後も、最悪壊れてきたとしても、運が良ければ歯を割らずに土台が壊れてくれるかも・・というところが大変魅力と言えます。
その場合は歯根が残りますので、再度差し歯を作るチャンスが生まれますが、メタルコアなどの硬い材質の場合は、ほとんどが歯根を縦に割ってしまうので、抜歯せざるを得なくなってしまいます。
一般的でないものも含めると、実は他にも非常に様々な種類があるのですが、患者さんの立場で考えるなら、破折の予防、術者の技量による差、利便性、信頼性、(審美性)などを総合的に考えると、今のところはファイバーコアが一番良いのではないかなと、個人的には思いますよ。(・・と言いながら、私は滅多に使わないですが。)
タイトル | 土台はファイバーコアかゴールドコアか? |
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質問者 | たかしさん |
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カテゴリ |
メタルコア(金属の土台) ゴールドコア(金の土台) ファイバーコア(プラスチックとファイバーの芯の土台) 材料・機材関連 お勧めの土台(コア) |
回答者 |
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- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。