無髄歯(神経を抜いた歯)の寿命について

相談者: ゆうさん (35歳: )
投稿日時:2007-03-07 15:51:00
無髄歯の寿命についてお伺いしたく、投稿させていただきました。

半年ほど前に、不十分な歯磨きと生活習慣の乱れにより虫歯になり、3本の歯の神経を抜く結果となってしまいました(内、一本はクラウンを被せました)。

その後、反省し歯について勉強しているのですが、無髄歯の寿命は個人差が激しいことを知りました。

また、無髄歯の寿命は、口の中の状態が非常に重要になるとのことですが、平均すると、どのくらい持つものなのでしょうか。

現在、一日3回、出来る限り食後すぐに歯を磨き、間食は避け、夜はデンタルフロスをしております。

このような場合と、朝と夜だけの歯磨きの場合だと、歯の寿命はどの程度違ってくるものでしょうか。

個人差によるものであり、答えにくい質問で申し訳ございません。現在のような歯磨き等を維持していくと、「少なくとも何年は持ってほしい」という表現でもお答えいただけると幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-03-07 16:35:00
ゆうさんはじめまして。

一日3回、出来る限り食後すぐに歯を磨き、間食は避け、夜はデンタルフロスをされているようで問題ないかと思います。

ただ、磨き残しなどがあるといけませんので定期的に歯科医院へ健診行くことをお勧めします。その際にレントゲン写真を撮ってもらい根の状態やむし歯歯周病の状態を確認してもらいましょう。

無髄歯有髄歯の違い

1)
無髄歯は、神経がないためにむし歯になっても痛みやしみを感じない。知らず知らずのうちにむし歯が進行することがよくある。

2)
無髄歯は、有髄歯に比べ割れやすい。割れてしまった歯は多くの場合抜かなければなりません。

ゆうさんはまだ22歳でお若いですので、今後はしっかりとメインテナンスをし1本でも多くの歯を守るようにしていって下さい。

多くの歯を残すポイントは、

1)自分の歯は自分で守る。メインテナンスをしっかりと行う。
2)歯に関する知識をもつ。
3)良い歯科医院を探す。歯科医院を選ぶ。

以上の3つかと思われます。
後どれ位残せるかは、ゆうさんの手入れ次第かと思われます。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-03-07 16:37:00
無髄歯の寿命についての論文ってあるんですか?

僕の勉強不足かもしれませんが、そう言う統計を取った論文って記憶に無いんですけど‥。

個人的な意見を書きますね。

一般的に無髄歯は血が通わなくなるから枯れ木のように脆くなると言われていますが、果たして本当にそうなのかなぁ?と。

だってエナメル質には最初から血が通っていないし、セメント質象牙質には歯根膜からの栄養供給があるわけですから、決して「枯れ木」にはならないような気がするんですよね。

もちろん、脆くはなるんでしょうけど、それが直接の原因でポキっと折れてしまうような所まではいかないでしょ。

では、なぜ「無髄歯には寿命があるか?」と言う事を考えるとこれは「根管治療の回数に限界があるから」だと思うんですよね。

これも統計は無いと思いますが、通常、根管治療を繰り返す限界は3回程度と考えられています。

「じゃあ、根管治療を繰り返さないような根治をすれば良いじゃないか?」と言うのが僕としての結論なんですよ。

根治の精度を上げたいからマイクロスコープを導入したのだし、ラバーダムを使うわけだし‥。

もちろん、根治の成功率が100%になる訳ではないのですが、それに近づけたいな‥と。

100%の根管治療が不可能である以上、「神経を極力取ならない」治療をする努力と、「最初の虫歯を削らない治療」を目指すべきだと思うし、もっと究極を言えば「虫歯にならないように予防しよう」が最も理想的なわけだし。

無髄歯に関しては、患者さんがアフターケアを十分に行ってくれるのであれば、それ以上の責任は歯科医師にあるのかなぁ‥なんて思っています。

マサヤ先生が書かれているように、無髄歯に金属ポストを入れると歯は格段に折れやすく(ヒビが入りやすく)なります。

折れてしまうと抜歯になるケースが多いです。

ですから、金属ポストではなく、ファイバーポストを使う事で、折れるリスクは格段に減らす事ができます。

やっぱり無髄歯の寿命は歯科医師の治療次第じゃないですか?

ですから、患者さんは今ある健康な歯を虫歯にしない努力(このホームページで勉強してください)と、治療に対して信頼のおける歯科医師を探し出し、かかりつけとしてメインテナンスに定期的に通う努力をしてもらう事が一番大切なのではないでしょうか。

それ以上は歯科医師の責任として、「治療そのものの精度を上げる努力を怠らない」としか言いようが無いのではないでしょうか?

何だか本筋とは違ってしまいましたが、僕はこのように考えます。
他の先生方の意見はいかがでしょうか?

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-03-07 19:56:00
僕もまったくタイヨウ先生と同意見です。

根管治療根の治療)に関しても、なるべく健康な部分を削らないように治療を行えば何度かやり直しは可能だと思いますし、逆に必要以上に削りすぎちゃった場合は、治療できる回数も少なくなって歯の寿命が短くなることにもつながると思います。

究極的には本当に「虫歯にならないこと」が理想だと思うのですが、歯に興味のない人が多いことが大問題ですよね・・・。

いくら歯医者が頑張っても、歯に興味がない人に対してはどうしようもないですから・・・。

だからこそ、どんな手を使ってでも少しでも歯科に興味を持ってもらうことが必要だと思いますし、それをするのも歯科医師の役目だと思うわけです。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2007-03-08 13:45:00
はじめまして。

健康はなくして初めてありがたみが分かると言いますよね。
私も歯だけではなくて、色々気をつけないと・・・


無髄歯の寿命について

お察しの通り、個人差は激しく幅は広いです。

例えば、「有髄歯無髄歯の寿命の比較」をしようとすると、人を使って右と左に分けてどちらか片方をわざと無髄歯にしてその予後を有髄歯と比較しながら観察していくことになります。

当然倫理的に大問題なのでそういったデータはありません。

一方で「トラブルの起きた歯の中で無髄歯がどれくらいの割合だったか」ならデータはあるかも知れません。

私もそんなに色々知りませんが、知ってる範囲で・・

例えばレントゲンで根っこの先に膿がたまっている様に写る割合は無髄歯の中で3本に1本ぐらいと言われます。
(外国のデータです。日本だともう少し多いと思います)

これは大体根管治療の平均的な成功率(=60%ぐらい)に一致しますよね。

でもこれも平均ですから、ある人には6本中5本、ある人には10本中0本、なんてこともあります。

担当医の治療の質のせいじゃないかとか、そこまでは分かりませんけど。。
無髄歯特有の、一番起きやすいトラブルには間違いありません。

また根管治療がうまくいって、4年以内にレントゲンに問題が出なければおそらくずっと大丈夫だと言われています。

これは一番重要なのですが、お手入れでどうにかなることではありませんから、まずは良い根管治療を受けられる様”努力”して下さい。(田尾先生>検索システム早くお願いしますよー)

あとは2次カリエスの問題、これは無髄歯に特有ではありませんが、ひいては寿命につながる問題ではあります。

抜歯の理由の約4割?
歯医者が成人の患者さんの歯を削る場合の約7割が2次カリエスと言われます。

これには元々虫歯が多いタイプかそうでないかが一番相関します。

お手入れの問題(間食、歯磨きフッ素、定期検診)、詰め物被せ物の素材、精度、境目の位置(境目が根っこまできている場合、下の奥歯>上の小臼歯>上の前歯の順で特に危険です)が重要だと考えられます。

これはゆうさんにも頑張れるところがありますよ。

あと無髄歯に限りませんが歯周病の問題。これも抜歯理由の約4割ぐらいと言われます。

無髄歯だから進行しやすいとかそういうことはありませんが、被せ物の精度がいい加減だと境目にプラークがたまり、歯石があるのと同じ役割を果たしてしまって悪化しやすいです。

あとは他の先生方もおっしゃる”破折”の問題。

これはほとんどが無髄歯に起きます。
抜歯理由の多分10〜20%ぐらいだと思います。

何度か話題にしていますが、健康な歯が高さ2mm以上、厚み1mm以上ぐるっと一周残っていれば(=フェルールと言います)コアの素材に関係なく、かなり確率は低くなります。

研究によってや、最新の材料を使うことによっては高さが1.5〜1.0mmでもいいかも知れないとは言われており、高さは不揃いよりも均一な方がいい様です。

5年で最大5%程度(歯根破折の可能性)の違いだと思いますが。

これは、以前にもタイヨウ先生が言われている通り、コアの素材を変えることで抜歯になる割れ方(たて割れ)かやり直しのきく割れ方(横割れ)かは選択できるかも知れません。

参考⇒前歯のセラミック治療とファイバーコアについて

昔、無髄歯は歯質の硬さ自体が弱くなると言われていましたが、実際には差はない、というのが今の解釈の様です。

弱くなった歯に、硬いコア(メタルなど)を入れることで”補強”が出来ると盲目的に信じられてきましたが、現在は否定されています。

かえって歯を割る”くさび”になることが指摘されています。 

ですから、フェルールが残せるか否かが今一番重要な分かれ道(=厚いほど良い)になるため、根管治療のやり直しが少ないほど安全だという話につながります。

ただ、物を噛んだ時の感覚が有髄歯の倍ぐらい鈍くなるため、思ってもいない硬いものを噛んでしまう、という可能性があります。

その結果割れることもあると思います。

割れやすい歯はおそらく、上の1,2番、上下の4,5,6番、メタルインレーの入っている歯、割れやすい人は過去に割った歯がある人、エラの張ってる人、男性、歯軋りや食いしばりの自覚のある人、奥歯、もしくは前歯のかみ合わせのなくなっている人、出っ歯の人、上下の前歯があたらない人・・といったところかと思います。

ゆうさんの今回治療した歯はどんなだったでしょうか?


・歯磨きの回数と歯の寿命について

”歯の寿命”は抜歯につながるか否かですから、虫歯(2次カリエス)か歯周病、破折が理由のほとんどになります。

このうち、歯磨きで可能性を低く出来るのは虫歯と歯周病ですね。
(破折も元をただせば虫歯のことがほとんどですが・・)

なくなる歯は大体下奥歯≧上奥歯>上前歯の順です。
(歯磨きの重点ポイントの順とも言えます)

一日2回磨くよりも3回磨いた方が虫歯や歯周病が少なくなるというデータは見たことがありません。多分大差はないと思いますよ。

これは研究データの解釈に注意が必要なのですが、大体、「一日1回かそれ以下」の人と「2回以上」で比較すると3年で20-30%の虫歯発生率の違いはある様です。

また、プラークの成熟(悪さをするのに十分になるまでの成長?)には、虫歯に対しては約2日、歯周病(の、ごく初期)に大しては約1日と言われます。

ですから、もしも”100%綺麗に磨けるのなら”一日一回で十分かも知れないですが、100%綺麗なはずはないのでせめて2回以上、というのが妥当だと思います。

虫歯リスクについても考慮しないといけませんよ。

フロスの使用に関しても、それによって虫歯が減るかはデータを知りません。

おそらく、フロスによってしか汚れの落ちない、歯と歯の接触面の虫歯が出来やすい10代〜20代ぐらいまではやった方が良さそうです。

ただし、フッ素やフッ素入り歯磨き粉を使用した後には使わない様注意して下さい。
(フッ素を取り除いてしまう危険があるため)

歯と歯と歯ぐきの間に隙間がひらいてきたら、虫歯・歯周病予防の為にはフロスよりも歯間ブラシが有効です。

因みに、歯磨きは寝る前にするのが一番有効(唾液量の問題、フッ素濃度の維持のため)なのですが、食事の前がいいか後がいいかは両方説があります。

差がないのなら食後の方が良さそうですが。。

食後もすぐがいいのかあえて少し待ってからがいいのか、それもまた良し悪しだったりします。

あと何分磨けばいいのかという質問もありますが、それも人それぞれです。

何年も検診をしていって、虫歯や歯周病がほとんどなかった人たちを集めると、大体プラークコントロールレコード(赤く染め出して、染まった箇所の割合を出す検査記録方法)が20%以下の場合がほとんどですから、ご自分がそれぐらいプラークを落とせる時間が「最低限必要な時間」ということになります。

歯周病予防には歯磨きしかないぐらいですが。虫歯予防にはフッ素をきちんと利用して下さいね。

参考⇒デンタルリンスや、乳酸菌入り(LS21)タブレットの効果は?
参考⇒虫歯予防に対するフッ素の効果的な使用法とは?

というわけで、何年とはなかなか言えないのですが、上の内容がひいては歯の寿命につながります。

神経を抜いたり詰め物・被せ物をしても一生持つ歯はたくさんあります。

できるだけ良い歯医者、良い治療を選んで、あとはセルフケアと定期検診を、是非とも頑張って下さい。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ゆうさん
返信日時:2007-03-08 14:28:00
先生方、お忙しい中、早急にお返事を下さり本当にありがとうございます。

無髄歯は2・30年後には必ず抜歯になると思い込んでいました。

しっかりと手入れをしていれば、それ以上、もっと言えば、一生残すことも可能なのですね。丁寧な歯磨きと定期健診を怠らずにいこうと思います。

また、無髄歯の強度については、いろいろなHPを見たところ、枯れ木のようになると書いてあるところと、最近は強度には大して差が無いことがわかったと書いてあるところがあり、困惑していました。

無髄歯の強度は、有髄歯とほぼ変わらないということで、もう一点お伺いしたいことがありますので、新しく投稿させて頂きます。

早急かつ丁寧な対応をして下さり、本当にありがとうございました。



タイトル 無髄歯(神経を抜いた歯)の寿命について
質問者 ゆうさん
地域 海外
年齢 35歳
性別  
職業  
カテゴリ 根管治療その他
専門的な質問その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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