アピカルゾーンの破壊と、歯根端切除術の術式について

相談者: あいさん (24歳: )
投稿日時:2007-07-31 22:16:00
週末に、歯根のう胞根幹治療について質問をした者です。

【前回の相談】
歯根嚢胞手術と根管治療について

根管治療を行っていますが、激痛のため違う歯科を受診したところ、歯槽骨炎ということで、膿を排出する処置と抗生物質の投与を受けました。

その際に、アピカルゾーン??の破壊があるが、それが根管治療の影響なのか溶けたものかは分からないがそれも影響しているかもしれないというような話になりました。

そこで質問です。


?
歯槽骨炎は、根管治療で治るのでしょうか。

?
アピカルゾーン?の破壊とはどういうもので、歯槽骨炎や歯根のう胞とどのような関係があるのでしょうか。


今は、激痛からは開放され、にぶい痛みになっていますが、今後自分のがどうなっていくのか不安です。宜しくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-07-31 22:32:00
井野です。
そうですか、歯槽骨炎ということですか。

?抗生剤などの薬で治します。

?アピカルゾーン?の破壊とはどういうもので

アピカルシートでしょうか?

アピカルとは根の先端のことなのでその辺りのことを言っていると思います。
破壊とは、多分根切で根の先端をカットしているからだと思いますよ。


歯槽骨炎や歯根のう胞とどのような関係があるのでしょうか

どういったことでしょうかね?
その辺はここで聞くより担当の先生に聞いてみてください。

ん〜〜、見てみないのでアドバイスがしにくいですが、既に歯内療法どうのこうのと言う問題では無くなってきているような気がします。

今の先生としっかり話し合って治療方針を決めてください。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-07-31 23:07:00
?
歯槽骨炎は井野先生が書かれたように抗生剤を投与するのが普通ですね。
しかもあいさんが受けたように根管を開放してもらったほうが早く治ります。

根管治療を行うのは骨炎を治すと言うより、再発しないようにするためといった考え方もできます。


?
おそらく、根尖(根の先)が大きく開いているのではないでしょうか。

膿を出すためにある程度、故意に根管治療でそうしたのか、それとも、根の先に病巣があるため大きく開いてしまったのか?といったことではないかと想像します。

とりあえず、症状が治まってくれば担当の先生にとっては、予定通りではないかと思います。


ところで、私のいた病院では、根充(根にゴムのような詰め物をする)と歯根のう胞摘出、歯根端切除(根の先を削る処置)を同時に行っていたので、アピカルシートは壊れていても何の問題もないのですが、井野先生はどんな手順で手術をするんですしょうか?

参考までに。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-07-31 23:44:00
私は必ず歯内療法を行い、自分のエンドが駄目だったものについては根切だと割り切っています。

ですから、自分の内療法はその歯の最後のエンドのつもりで行ないます。

症状が引かないものに関しては、

浸麻を十分利かせた後、前歯なら、付着歯肉遊離歯肉側2mmぐらいの所にスキャロップに沿ってエンドツー(マイクロ用メス:ジアーズで購入可能)で切開を行ないます。

縦切開はアプローチが可能なら、目立たない所に1箇所いれます。

根尖が露出しているものに関しては少しラウンドで削り、マイクロミラーが入るぐらい削ります。

*マイクロミラーは海外で買うほうが凄く安いです。

根尖が見えたら、膿胞を摘出して(うまく取れなければ掻爬した後若干骨を削っておきます。:取り残しによる再発が怖いので・・・)

そして根尖から3mmを基準にカットします。

(側枝は根尖3mm以内が非常に多いと言われていますので、3mmはカットします。歯根吸収が激しいものについては3mm削らないこともありますが、自分の中の基準は3mmです。)

カット面をキャナルブルーで染めて破折線の有無をチェックします。
まだ経験してませんが、この段階でカット面に破折線が見られることもあるそうです。

そして、エナックで根充剤を取って3mm以上は取りたいのですがうまくいかないときもあります。(アプローチの問題で・・・)

そしてMTAを詰て5−0でナイロンで縫合します。
上手い先生は6−0、7−0で縫合するらしいですが、私にはまだ無理です。

本当はDF-DBAorバイオス+エムド+吸収性膜を用いて根切+GBRをしたいのですが、いかんせこれをするといくらチャージしてよいものかと・・・

確かに森川先生が言われるように根尖径は根切時には関係ないと思います。
オサダの逆根管形成チップも極太ですから。

しかし、自分では根切に関してはケース数もそんなにこなしていないのでまだまだだと思います。

いっそ、アメリカのように根切屋がいたら仕事を送りたいぐらいです。
いませんかね、根切屋さん?

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2007-08-01 19:53:00
必ず、逆根充するんですか。
そりゃあ、大変ですね。

MTAが出る前はどうしてたんでしょうか?

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2007-08-01 20:28:00
MTAが出る前はどうしてたんでしょうか?

スーパーボンドを使ってました。

アマルガムは使う気にはなりませんでしたが、今考えると接着してないだろうなと思います。

根管充填EBAセメントを使われる専門医の先生もいるようですが、私は使ったことがないので、EBAセメントはちょっと分かりません・・・

根切の面白いHPを見つけましたので見てみてください。

⇒ http://wiki.livedoor.jp/mxe05064/d/%BB%F5%A4%CE%BA%AC%A4%CE%C7%BF%A4%CE%BC%A3%CE%C5

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2007-08-01 21:22:00
もうひとつよろしいでしょうか。

根切の時に、根充材を除去して普通に根充したほうが、逆根充するよりはるかに簡単かと思うのですが、そうしないのには理由があるのでしょうか?

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2007-08-01 22:14:00
私も学生時代に口腔外科根切を6本同時進行で行った症例見学をさせていただきました。荒々しい根充をしていたことを思い出します。


私は、外科処置ありきで考えておらず、エンドで治るものはエンドで治したいので、まず先に殆ど全ての根管をエンドしてしまっているという理由が第一でしょうか。


私の意見で言わせてもらえば、根切後、根尖径がかなり大きくなっているので、ガッタパーチャー(GP)を詰たところで、経時的にGPが痩せてしまい通常の何倍も大きな死腔が必ずできるので、径が大きくなった根尖をしっかりパッキングする為にはセメントを用いる必要があると思います。

エンドをする際に用いるNC、EDTA、GP溶解材をあまり組織につけたくないので。

根を切ってしまうと、きっちりイリゲーションが出来ないので、テーパー6°以上(私は8°以上にしていますが)の根管を作り還流をさせた方が効率的なので。

(また外科処置中のNC洗浄の取り扱いもかなり厳しくなるので)

多分上も下も極太の根管では、NCの動きが入り口から出口へストレートに進んでしまい効果は薄いと思います。

根管内をなるべく無菌的に扱いたいので、外科処置中に上(歯冠側)にコアまで入れておけばそちらからの唾液などの感染は術中考えなくてよいので。

上も下も空いていると両方気を配らないといけないので。

治癒待ちの期間のリゲージが怖いので上には最低コアを入れたまま様子を見たいので。


と言ったところでしょうか。
私の感覚で話をしてしまっていますので、読んだら忘れてください。

確かに先生の言う

>根切の時に、根充材を除去して普通に根充したほうが、逆根充するよりはるかに簡単

その方が数倍楽ですよね。

私が過去見た口腔外科の根切は今では考えられないぐらい骨を削っていましたが、「どうだ、エンドも見えれば簡単だろ!?」とライターの先生が言っていましたが、本当にそう思います。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2007-08-01 23:09:00
>私も学生時代に口腔外科根切を6本同時進行で行った症例見学をさせていただきました。荒々しい根充をしていたことを思い出します。

たしかに、荒っぽいですよね。私も同感です。

逆根充は、以前はウルトラC(今ならウルトラE?)でしたので、考えてもいなかったのですが、今は現実的な選択肢のひとつになっているんですね。でも、まだ難しそう・・・


>確かに先生の言う根切の時に、根充材を除去して普通に根充したほうが、逆根充するよりはるかに簡単。その方が数倍楽ですよね。

医療と言うのは、どこでだれにやってもらってもある程度のレベルの処置が受けられるというのが理想ですから、”楽”、”簡単”というのは、(努力しなくても良いと言う意味ではなくて)コンスタントに成績が残せると言った意味で、非常に大切なことかと思います。

井野先生のような専門医は別として、専門医のいない地区では、予後が多少劣っても、簡単で確実な処置を選択するのは間違いではないと思っています。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2007-08-02 00:13:00
>予後が多少劣っても、簡単で確実な処置を選択するのは間違いではないと思っています

そうですね、私もそう思います。

デンチャーのS先生などは誰がやってもある程度の結果が得られることを本にしたり講演したりしていますが、私のような歯科医には非常にありがたいです。

そう言った意味では、簡易的で誰でも70点が取れる治療が理想ですね。


あいさん>

ごめんなさい。専門的な話をしていまって。
何かまた疑問があったら書き込んでくださいね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: あいさん
返信日時:2007-08-02 00:37:00
井野先生、森川先生

私の質問に分かりやすくお答えいただきありがとうございます☆

先生方のやりとりは素人にはさっぱり分かりませんでしたが、先生方が色々と勉強され、日々技術向上を目指していらっしゃるということが伝わり、感動しております。

どの地域でも先生方が取り組んでいらっしゃるような治療が受けれることを患者としては願うばかりです。

不安の多い病気との付き合いに励まされた気がします。
今後ともよろしくお願いいたします。



タイトル アピカルゾーンの破壊と、歯根端切除術の術式について
質問者 あいさん
地域  
年齢 24歳
性別  
職業  
カテゴリ 根管治療の治療法
歯根端切除術
根管治療関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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