歯の中の着色と、カリオロジーについて

相談者: norikaさん ( : )
投稿日時:2007-08-05 09:22:00
別のスレッドでも話題になっているようですが、実は、私の歯にも、虫歯から再石灰によってのもう虫歯ではない黒茶な部分がいくつかあります。

それを虫歯といって、治療しようとした歯医者もいましたが、大半は虫歯ではないとのことです。

20年ほど前の矯正中の金属の中にできたものですが、その後、歯質は硬く、その歯が痛んだことはありません。

軟化して黒くなっても、また再石灰によって虫歯が治ったという症例なのでしょうか?

もし、その歯の軟化中に歯医者に行っていたら、削られていたのではないかと思ってしまいます。(矯正中と後しばらくは、一般歯科へ行きませんでした。)

先生方が治療されていても、そのような歯をみられることがありますか?

それから、一般的な虫歯の黒っぽい色素は何なのですか?
脱灰中に食品中の色素が入りこんだものなのでしょうか?
それとも、虫歯菌の発酵物なのですか?


渡辺先生

初期虫歯以外の虫歯でも、経過観察したほうがいい場合もある?

>写真はカリオロジー(虫歯学)の専門家の中でも、特にえらい先生方が共同で書かれている教科書に、こういうのは虫歯じゃありませ>んよ、再治療は必要ありませんよと載っていた写真なのです。

>歯牙色の修復物に隣接した非齲蝕性の裂隙は齲蝕と誤診するかもしれない。

アマルガム修復周辺の溝、着色、歯牙色の修復物の周辺の着色は、充填後の進行性齲蝕発生の原因にはならない。

>狭い間隙、裂隙、溝、微小漏洩により、2次カリエスは起きない。しかし、修復物と歯の界面における広い間隙{>0.4mmまたは0.25mm}は、可能性があるので注意すべきである。(注:“齲蝕”⇒虫歯のこと) ...

を拝見して、まったく驚きなのですが。
その理論はどうなっているのか、とても関心があります。
もしお知りであれば、教えて頂きたいのですが...。

それから、そのえらい先生方の御名前、わかりますでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-08-22 15:24:42
初期の脱灰歯質はミクロの世界で見れば、隙間だらけです。

その隙間に食べ物などの色素が入り込んだ可能性が高いですね。
例えば、コーヒー、紅茶、お茶、カレー、タバコなどが考えられます。

進行の遅い虫歯には黒い色素を産生する細菌がいることもあります。

詰め物かぶせ物がしてある境目なら、金属のイオンがしみこんで着色することもあります。


渡辺先生が紹介しているカリオロジーの本はヨーロッパのカリオロジーの専門家20人前後の先生が分担して書いたものだと思います。

著者の名前はアマゾンのHPに出てると思いますので参考にしてください。
アマゾンHP

残念ながら、日本語では出版されていません。

私たちは友人と翻訳して出版社に持ち込んだのですが、日本では売れそうに無いからということで、歯科関係の主な出版社すべて断られました。いい本なんですけどね。

洋書がお読みになれるなら、こちらの本が安くて薄いので読みやすいです。
お勧め本

この本も友人と翻訳していますが、日本の出版社は見向きもしてくれませんでした。

翻訳者に有名な大学教授の名前が無いと売れないみたいです。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-08-22 15:25:06
こんにちは。
また古い回答を見つけられましたね。。

ちょっと著作権の問題で、掲載はどうなのかなと田尾先生にも相談して載せたやつだったのですが、実は今でもマズかったかなと・・と迷ってるヤツなんですよ。

まさか外国に許諾のお願いをメールする英語力もなく、、。
そのうち削除するかも知れない回答です。

でもとてもインパクトのある良い写真だと思います。

norikaさんは英語は問題ないでしょうから、カリオロジーの外国の教科書なんかももしかしたら面白いかも知れないですね。

日本のものはもうなんというか・・。

あの本のことも含めて、実は僕は小牧先生から指導を受けています。

小牧先生は歯科の専門誌で、カリオロジーについての連載も手がけられてる先生ですから、僕よりも、小牧先生を頼りにされて下さいね^^

もう、なんでも、聞いて下さい。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: norikaさん
返信日時:2007-08-22 15:25:57
小牧先生、渡辺先生、どうもご回答有難うございました。

小牧先生、さっそく、本を調べてみました。

アメリカのアマゾンでは中古で約半額であるのですが、約$100、庶民の主婦としてはちょっと...。

さっそく、図書館も検索したのですが、リストになかったので、購入してくれるよう、リクエストしてみます。

アメリカのサイトなどでも、この著作名で情報が得られるか、検索もしてみます。

それにしても、せっかく翻訳までされたのに、出版拒否はひどいですね。
医療専門書なのに...

でも、また何度かトライされてくださいね。
時代や人が変われば受け入れられるでしょうから。


渡辺先生、

あの回答と写真はぜひ残してください!
とてもショッキングです。

お願いメールも、ぜひ頑張ってください!!

いくつかの参考例文を応用して、熱意を示して書けば、きっと大丈夫です。
必要でしたら、私も御手伝いしますから!

渡辺先生の日本カリオロジーの教科書についての表現では、「とにかく削れ〜!」という感じなのでしょうか?

アメリカのカリオロジーの教科書、時間のある時、近くの大学の図書館などで探してみます。

(もちろん私も英語の専門書を読むときは、辞書必要です。)


ここで、渡辺先生の御言葉に甘えまして、小牧先生に、たくさん質問があります。


まず、最初に、

>進行の遅い虫歯には黒い色素を産生する細菌がいることもあ>ります。

これは、虫歯の原因菌とされているミュータンス菌ラクトバチルス菌とはまた別の菌なのでしょうか?黒い色素をつくる菌の名前はなんですか?

「黒色=進行がおそい」虫歯なのでしょうか?
進行の遅い虫歯と、そうでない虫歯を見分ける判断は何ですか?

虫歯治療では当たり前の削る行為は、そもそも、どんな理論で削るのでしょうか?

渡辺先生の過去の回答にありました、

>歯牙色の修復物に隣接した非齲蝕性の裂隙は齲蝕と誤診する>かもしれない。

アマルガム修復周辺の溝、着色、歯牙色の修復物の周辺の着>色は、充填後の進行性齲蝕発生の原因にはならない。

>狭い間隙、裂隙、溝、微小漏洩により、2次カリエスは起き>ない。しかし、修復物と歯の界面における広い間隙

>{>0.4mmまたは0.25mm}は、可能性があるので注意すべき>である。(注:“齲蝕”⇒虫歯のこと) ...

のところ、なぜなのか。
特に、小さな隙間があれば2次カリエスができるのが常識と思っていました。

お時間のある時でかまいませんので、ご説明して頂けませんか?
よろしくお願いします。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-08-22 15:26:16
埋もれているご質問を今発見しました(^^;)
回答が遅れてしまいましたが、一応…

>小さな隙間があれば2次カリエスができるのが常識と思っていました。

虫歯が出来るかどうかのポイントは「隙間があるかどうか」ではなく、「プラークコントロールができるかできないか」です。

隙間があっても、ブラシが届いてプラークコントロールが出来ていれば、虫歯は出来ません。

例えば、

初期虫歯以外の虫歯でも、経過観察したほうがいい場合もある?

の下の写真はすごい隙間(というよりヘコミ?)ですが、何となく清掃性は高そうですよね?

こういうものは痛みさえなければ、僕も大体放置しています。
(上の写真はさすがに外してしまいたくなりますが…)

小さい隙間をわざわざ大きな隙間にして清掃性を高める「トンネリング」という治療法もあるくらいですから、要はそういうことです。

ごく小さな隙間に関しては、隙間が小さければそこに存在できる細菌も少ないですから、その程度であれば唾液の緩衝能のほうが勝るということですかね?

詳しくは分からないのですが、確かにマイクロクラックでも虫歯になっているものはあまり見かけないですね。

まあ、実際には非常に判断が難しい微妙な隙間もあるので、そのような場合は定期的に受診してもらって進行性かどうか見せてもらうと、お互いに安心できます。

たぶん、一度の診察で虫歯の削る・削らないを正確に判断することは、まず不可能だと思います。

(日本の場合は削らないとお金にならないので、さっさと削ってしまうケースが多い気が…)


>黒い色素をつくる菌の名前はなんですか?

これは考えたことも無かったですね…。

歯を削る際には「色」ではなく「硬さ」を基準にしますので、色はあまり気にしていないというか…。

真っ黒でもカチカチの象牙質は削らずに残しますけど、あの黒いのは一体ナゼ??
新たな疑問発生です^^;


(写真掲載は著作権の問題で本当に悩んだんですけど、すごく良い写真なのでついつい載せちゃいました…。正直、僕も今でもちょっと悩んでます…。日本の先生ならコンタクトも取りやすいんですけど、日本とアメリカでは著作権の基準も違うみたいですし、かなりハードル高いです…)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: norikaさん
返信日時:2007-08-22 15:27:01
田尾先生、質問の発掘、有難うございました。m(_)m
(最近、小牧先生をお見掛けしませんね。)

別のレジンインレーに関するスレッドで隙間をなくして2次カリエスを防止するってありますし、いつ視ても問題の写真!には調子抜けです。

ますます、歯の奥深い神秘性を感じらずにはおけません。

プラークコントロールの重要性とのことですが、なんか唾液もかなり一躍かっていそうで、これからは、ヨダレをダラダラ流している一見汚そうな小さな子供たちの口元を、熱いまなざしで視てしまいそうです。(笑)


>確かにマイクロクラックでも虫歯になっているものはあまり見かけないですね。

私もマイクロクラックがあるので、心配だったのですが、安心しました。

黒い色素を作る菌…検索してみましたが、嫌気性菌の一種のプレボテラ インターメディア菌というものらしいです。(間違っていたらご指摘くてください。)

また時間のある時にその菌の性質などについて調べてみます。


>写真掲載は…とりあえず、万が一撤去命令がきたらすぐ撤去>しようかと思ってます

しばらく残して頂けそうでうれしいです。

そしていつか撤去命令が来る前に、よりたくさんの歯医者さんや患者さんに見て頂きたいですね。

それから、田尾先生、遅くなりましたが、御誕生日おめでとうございました!
タイヨウ先生も赤ちゃん生まれたそうで、おめでた続きですね!

これからもお体に気をつけて頑張ってください!!



タイトル 歯の中の着色と、カリオロジーについて
質問者 norikaさん
地域  
年齢  
性別  
職業  
カテゴリ う蝕関連
専門的な質問その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
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