丁寧な根管治療を受けるためには、どうすれば良い?
相談者:
tosiyaさん ( : )
投稿日時:2007-09-19 03:06:00
先日質問させていただいたものです。
頻繁に質問してしまい申し訳ありません。
『保険の根の治療で、どうして自費の被せを勧められるのでしょう?』
に記載されていた内容を踏まえて質問させてください。
1:
僕は月末までに右下5番の痛みが引かない場合、抜髄することを先生と話した結論として決めています。
その際、気持ちとしては「根から自費」が希望ですが、学生の身分であるため、経済的に不可能なのが実情です。
そこで、上記質問の回答で田尾先生が触れられていた『被せ物を自費にすることによって、丁寧な保険治療の採算を取る』という考えを方を患者側から提案することは可能でしょうか?
加えて、保険内で可能なお勧めの材料・技術等あれば教えていただきたいです。
2:
現状では患者がセカンドオピニオンを取ることすら不快に感じられる先生もいらっしゃると聞きます。
またラバーダム不使用等の薄利多売の方針でも、「保険でも採算を気にせず最大限努力するのがウチの方針です」と主張される歯医者さんが多いと思います。
このサイトの回答にあたられている先生がたのように、顔も身分も明かしながら「保険では採算が取れないので、ある程度のリスクはやむなし」と断言されている先生(僕は逆にここに専門家としての度量と熱意を感じます)を町の歯医者で見つけるのはツチノコを見つけるより難しいのが実情です。
そんな現状で、患者側から「保険内でも採算より丁寧な治療」を主張している先生に「利幅を増やすから丁寧にお願いします」と切り出すのは気が引けるのですが、担当の先生との信頼関係を壊すほどのメリットはあるでしょうか?
先生がたを不快にさせない切り出し方などあれば教えてください。
頻繁に質問してしまい申し訳ありません。
『保険の根の治療で、どうして自費の被せを勧められるのでしょう?』
に記載されていた内容を踏まえて質問させてください。
1:
僕は月末までに右下5番の痛みが引かない場合、抜髄することを先生と話した結論として決めています。
その際、気持ちとしては「根から自費」が希望ですが、学生の身分であるため、経済的に不可能なのが実情です。
そこで、上記質問の回答で田尾先生が触れられていた『被せ物を自費にすることによって、丁寧な保険治療の採算を取る』という考えを方を患者側から提案することは可能でしょうか?
加えて、保険内で可能なお勧めの材料・技術等あれば教えていただきたいです。
2:
現状では患者がセカンドオピニオンを取ることすら不快に感じられる先生もいらっしゃると聞きます。
またラバーダム不使用等の薄利多売の方針でも、「保険でも採算を気にせず最大限努力するのがウチの方針です」と主張される歯医者さんが多いと思います。
このサイトの回答にあたられている先生がたのように、顔も身分も明かしながら「保険では採算が取れないので、ある程度のリスクはやむなし」と断言されている先生(僕は逆にここに専門家としての度量と熱意を感じます)を町の歯医者で見つけるのはツチノコを見つけるより難しいのが実情です。
そんな現状で、患者側から「保険内でも採算より丁寧な治療」を主張している先生に「利幅を増やすから丁寧にお願いします」と切り出すのは気が引けるのですが、担当の先生との信頼関係を壊すほどのメリットはあるでしょうか?
先生がたを不快にさせない切り出し方などあれば教えてください。
回答1
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2007-09-19 09:00:00
それぞれの歯医者さんは、それぞれが「妥当」と思われる範囲内で治療を行っていると思います。
しかし、その「妥当」のレベルが、歯医者さんによって大きく差があるというのが現状だと思います。
ある歯医者さんにとっては妥当なレベルでも、他の歯医者さんから見ればとんでもない治療だったり・・・ということもあります。
ですから、結局は患者さん本人が納得できるレベルの治療を提供できる歯医者さんを見つけるということが、一番大切なのかな・・・と思います。
今回、tosiyaさんは抜髄をされるということですので、僕の基準では最低限「ラバーダム」は必要です。
実際にはラバーダムを使っていなくてもきっちりとした抜髄をされる歯医者さんもおられるとは思いますが、患者さんが客観的に見て分かる範囲では、おそらくラバーダムくらいしか無いと思います。
特に根管治療は初回治療である抜髄が最も大切ですので、僕だったら何が何でも普段からラバーダムを使っている歯医者さんを見つけて治療してもらいます。
⇒参考:根管治療(歯の神経・根の治療)
ただ、保険で普段からラバーダムを使っている歯医者さんを見つけるのは、非常に難しいと思いますが…。
かといって、普段からラバーダムを使っていない歯医者さんにラバーダムを使ってもらったとしても、おそらく良い治療はなかなか受けられないと思います。
現実的には、保険で一般的な根管治療を受けるか、保険外も覚悟して普段からラバーダムを使っている歯科医院を頑張って探して、成功率の高い根管治療を受けられるように努力するかだと思います。
先日発行したメルマガの最新号も非常に参考になると思いますので、ぜひお読みになってみてください。
http://www.ha-channel-88.com/melmaga-form.html
しかし、その「妥当」のレベルが、歯医者さんによって大きく差があるというのが現状だと思います。
ある歯医者さんにとっては妥当なレベルでも、他の歯医者さんから見ればとんでもない治療だったり・・・ということもあります。
ですから、結局は患者さん本人が納得できるレベルの治療を提供できる歯医者さんを見つけるということが、一番大切なのかな・・・と思います。
今回、tosiyaさんは抜髄をされるということですので、僕の基準では最低限「ラバーダム」は必要です。
実際にはラバーダムを使っていなくてもきっちりとした抜髄をされる歯医者さんもおられるとは思いますが、患者さんが客観的に見て分かる範囲では、おそらくラバーダムくらいしか無いと思います。
特に根管治療は初回治療である抜髄が最も大切ですので、僕だったら何が何でも普段からラバーダムを使っている歯医者さんを見つけて治療してもらいます。
⇒参考:根管治療(歯の神経・根の治療)
ただ、保険で普段からラバーダムを使っている歯医者さんを見つけるのは、非常に難しいと思いますが…。
かといって、普段からラバーダムを使っていない歯医者さんにラバーダムを使ってもらったとしても、おそらく良い治療はなかなか受けられないと思います。
現実的には、保険で一般的な根管治療を受けるか、保険外も覚悟して普段からラバーダムを使っている歯科医院を頑張って探して、成功率の高い根管治療を受けられるように努力するかだと思います。
先日発行したメルマガの最新号も非常に参考になると思いますので、ぜひお読みになってみてください。
http://www.ha-channel-88.com/melmaga-form.html
相談者からの返信
相談者:
tosiyaさん
返信日時:2007-09-19 12:32:00
お返事ありがとうございます。
>普段からラバーダムを使っていない歯医者さんにラバーダムを使ってもらったとしても、おそらく良い治療はなかなか受けられないと思います
『ラバーダム大激論』も読ませていただきました。
なるほど、確かに、ラバーダム以外の諸条件も大事な要素ってことですよね。
自費補綴でペイできるなら、使ってもらって成功率アップなんて単純な話ではないということですね。
>先日発行したメルマガの最新号も…
すいません。もう読ませていただいてます。
この質問の土台の一部だったりします。
最新号風にいうと、利幅をふやすことで「ハイレベルな親子丼」をオーダーすることの是非についての先生の考えを聞かせていただきたいです。
確認ですが、田尾先生は
1:
交渉は可能だが、特に推奨する技術や方法はない。
交渉しても根管の治療が保険内であるならば、保険内でスタンダードな治療と比べて、リスクを下げる要因は特段見当たらない。
2:
「1、」から、言い出しにくい交渉の仕方を考えるよりも、保険でも常にラバーダムを使っているような先生を探す、もしくはお金をなんとか用意して根管も自費にする努力をするほうがよい。
ということでしょうか?
今自分の質問読み返しました。
何を聞いているのかわかりにくいですね。すいませんでした。
>普段からラバーダムを使っていない歯医者さんにラバーダムを使ってもらったとしても、おそらく良い治療はなかなか受けられないと思います
『ラバーダム大激論』も読ませていただきました。
なるほど、確かに、ラバーダム以外の諸条件も大事な要素ってことですよね。
自費補綴でペイできるなら、使ってもらって成功率アップなんて単純な話ではないということですね。
>先日発行したメルマガの最新号も…
すいません。もう読ませていただいてます。
この質問の土台の一部だったりします。
最新号風にいうと、利幅をふやすことで「ハイレベルな親子丼」をオーダーすることの是非についての先生の考えを聞かせていただきたいです。
確認ですが、田尾先生は
1:
交渉は可能だが、特に推奨する技術や方法はない。
交渉しても根管の治療が保険内であるならば、保険内でスタンダードな治療と比べて、リスクを下げる要因は特段見当たらない。
2:
「1、」から、言い出しにくい交渉の仕方を考えるよりも、保険でも常にラバーダムを使っているような先生を探す、もしくはお金をなんとか用意して根管も自費にする努力をするほうがよい。
ということでしょうか?
今自分の質問読み返しました。
何を聞いているのかわかりにくいですね。すいませんでした。
回答2
回答日時:2007-09-19 12:59:00
こんにちは。
私も田尾先生と同じ意見です。
現実的で合理的な方法は
1:
多少遠くても根管治療の専門を謳う先生のところで「根管治療だけ」お願いする。(専門医ではよくある話です)
2:
かかりつけの先生のところで、土台、被せ物を保険でしてもらう。
(これは事前に話しておいても、気分を害されることはないと思います)
だと思いますよ。
色々複雑な問題が絡み合っているのですが、理由は・・・もうお分かりですよね?
私もお金(手間)をかけるなら、根管治療が一番大事だと思いますよ。
私も田尾先生と同じ意見です。
現実的で合理的な方法は
1:
多少遠くても根管治療の専門を謳う先生のところで「根管治療だけ」お願いする。(専門医ではよくある話です)
2:
かかりつけの先生のところで、土台、被せ物を保険でしてもらう。
(これは事前に話しておいても、気分を害されることはないと思います)
だと思いますよ。
色々複雑な問題が絡み合っているのですが、理由は・・・もうお分かりですよね?
私もお金(手間)をかけるなら、根管治療が一番大事だと思いますよ。
相談者からの返信
相談者:
tosiyaさん
返信日時:2007-09-19 13:43:00
>渡辺先生
このサイトで紹介されている「根管治療」と「被せ物」が混合治療になるケースは…
Aパターン:昭和51年通達で、補綴部分のみ自費に移行
Bパターン:自費と保険が別々の歯科で行われている
だと理解しています。
このうち、今僕が質問しているのはAのほうですよね。
先生がおっしゃっているのはBの方ですよね。
今回の抜髄を何とか成功させたいと考えている間、確かにBの方法も考えました。
ただ、僕が最初にBの話を見かけたのは井野先生の「根管治療を自分が行い、被せ物を父に頼む」といった発言だったと思います。
歯に衣着せぬこのサイトの先生が親族に被せ物を頼んでいるという発言を見て、街中ではあまり実現できない特殊(←親族関係にある先生など、先生同士に信頼関係が必要であると言う意味で)な方法と思い込んでいました。
専門医の先生を見つけることさえできれば、Bパターンの実現性はかなりあるということですか?
このサイトで紹介されている「根管治療」と「被せ物」が混合治療になるケースは…
Aパターン:昭和51年通達で、補綴部分のみ自費に移行
Bパターン:自費と保険が別々の歯科で行われている
だと理解しています。
このうち、今僕が質問しているのはAのほうですよね。
先生がおっしゃっているのはBの方ですよね。
今回の抜髄を何とか成功させたいと考えている間、確かにBの方法も考えました。
ただ、僕が最初にBの話を見かけたのは井野先生の「根管治療を自分が行い、被せ物を父に頼む」といった発言だったと思います。
歯に衣着せぬこのサイトの先生が親族に被せ物を頼んでいるという発言を見て、街中ではあまり実現できない特殊(←親族関係にある先生など、先生同士に信頼関係が必要であると言う意味で)な方法と思い込んでいました。
専門医の先生を見つけることさえできれば、Bパターンの実現性はかなりあるということですか?
回答3
回答日時:2007-09-19 14:20:00
その通りですね。
現段階ではまだちょっと裏技的な方法とも言えますが、専門医制が浸透している欧米では(保険制度が全然違いますけど)一般的な方法です。
現在のかかりつけの先生がそういう方法に理解を示されるかどうかは多少微妙なところかも知れませんが、うまく行けばまさにwin-win(?)の関係です。
(一般開業医にとっては)
点数の少ない、面倒な根管治療をよそでしてもらって、割のいい土台、被せは自院でできる。
また根管治療の予後についても非常に安心できる。
(専門医にとっては)
良い根管治療を提供したくて専門医をしており、それに対して対価を得る、言わば望みどおりの仕事内容。
また今後も紹介患者さんが増えるかも?
日本でも今後こういうスタイルは徐々に増えていくとは思いますよ。
もちろん通える範囲で専門医の先生を見つけることが前提ですので、それがもしも無理なら、もう少し頭をひねる必要が出てきます・・。
現段階ではまだちょっと裏技的な方法とも言えますが、専門医制が浸透している欧米では(保険制度が全然違いますけど)一般的な方法です。
現在のかかりつけの先生がそういう方法に理解を示されるかどうかは多少微妙なところかも知れませんが、うまく行けばまさにwin-win(?)の関係です。
(一般開業医にとっては)
点数の少ない、面倒な根管治療をよそでしてもらって、割のいい土台、被せは自院でできる。
また根管治療の予後についても非常に安心できる。
(専門医にとっては)
良い根管治療を提供したくて専門医をしており、それに対して対価を得る、言わば望みどおりの仕事内容。
また今後も紹介患者さんが増えるかも?
日本でも今後こういうスタイルは徐々に増えていくとは思いますよ。
もちろん通える範囲で専門医の先生を見つけることが前提ですので、それがもしも無理なら、もう少し頭をひねる必要が出てきます・・。
回答4
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2007-09-29 01:53:47
>混合治療になるケースは…
Aのパターンは混合診療になります。
ただし51年通達で国もOKをしています。
Bのパターンは混合診療にはなりません。
厳密には、混合診療とは1つの歯科医院で自費と保険を平行して行ったりすることを言います。
自費で歯内療法をする場合、平行して保険の虫歯治療などをするとはいけないそうです。(自費のレジン修復ならOK)
1つの歯科医院で、
根管治療(自費)+コア(自費)+さし歯(保険):×
根管治療(自費)+コア(保険)+さし歯(保険):×
根管治療(保険)+コア(自費)+さし歯(保険):×
根管治療(自費)+コア(自費)+さし歯(自費):○
根管治療(保険)+コア(自費)+さし歯(自費):○
2つの歯科医院で
根管治療(自費)+コア(自費)⇒ 転院:さし歯(保険):○
根管治療(自費)+コア(自費)⇒ 転院:さし歯(自費):○
根管治療(自費)+コア(保険)⇒ 転院:さし歯(保険):×
根管治療(自費)⇒ 転院:コア(保険)+さし歯(保険):○
根管治療(自費)⇒ 転院:コア(自費)+さし歯(自費):○
根管治療(自費)⇒ 転院:コア(保険)+さし歯(自費):×
根管治療(自費)⇒ 転院:コア(自費)+さし歯(保険):×
こんな感じですね。
ただこれは今の解釈です。
いつ変更になるかは分からず、責任取れませんので参考程度に。
Aのパターンは混合診療になります。
ただし51年通達で国もOKをしています。
Bのパターンは混合診療にはなりません。
厳密には、混合診療とは1つの歯科医院で自費と保険を平行して行ったりすることを言います。
自費で歯内療法をする場合、平行して保険の虫歯治療などをするとはいけないそうです。(自費のレジン修復ならOK)
1つの歯科医院で、
根管治療(自費)+コア(自費)+さし歯(保険):×
根管治療(自費)+コア(保険)+さし歯(保険):×
根管治療(保険)+コア(自費)+さし歯(保険):×
根管治療(自費)+コア(自費)+さし歯(自費):○
根管治療(保険)+コア(自費)+さし歯(自費):○
2つの歯科医院で
根管治療(自費)+コア(自費)⇒ 転院:さし歯(保険):○
根管治療(自費)+コア(自費)⇒ 転院:さし歯(自費):○
根管治療(自費)+コア(保険)⇒ 転院:さし歯(保険):×
根管治療(自費)⇒ 転院:コア(保険)+さし歯(保険):○
根管治療(自費)⇒ 転院:コア(自費)+さし歯(自費):○
根管治療(自費)⇒ 転院:コア(保険)+さし歯(自費):×
根管治療(自費)⇒ 転院:コア(自費)+さし歯(保険):×
こんな感じですね。
ただこれは今の解釈です。
いつ変更になるかは分からず、責任取れませんので参考程度に。
相談者からの返信
相談者:
tosiyaさん
返信日時:2007-09-29 01:55:02
タイトル | 丁寧な根管治療を受けるためには、どうすれば良い? |
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質問者 | tosiyaさん |
地域 | |
年齢 | |
性別 | |
職業 | |
カテゴリ |
根管治療の治療法 根管治療その他 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。