[写真あり] ラバーダムの必要性と、インレー(銀歯)の下の虫歯
相談者:
Qさん ( : )
投稿日時:2007-10-10 18:02:00
以前に何度か質問させて頂いている者です。
先日、クラウン(セラミック)の治療をしたのですが、ラバーダムの使用について尋ねてみたところ根管治療をする時以外は使用していない、とのことでした。
質問した内容が意外だったようで驚かれてしまい、私の方が慌ててしまいました。
こちらのサイトによるとラバーダムの使用は必須と感じますが、先生の考え方や方針によって使用の必要性に違いが出るものなのでしょうか?
また今回治療した歯も2次カエリスが原因なのですが、今度2次カエリスを防ぐために自分自信でケアできることはありますか?
なぜ治療したはずのインレー(銀歯)の中に虫歯ができてしまうのでしょうか?
ぜひ教えて下さい。
よろしくお願いします。
先日、クラウン(セラミック)の治療をしたのですが、ラバーダムの使用について尋ねてみたところ根管治療をする時以外は使用していない、とのことでした。
質問した内容が意外だったようで驚かれてしまい、私の方が慌ててしまいました。
こちらのサイトによるとラバーダムの使用は必須と感じますが、先生の考え方や方針によって使用の必要性に違いが出るものなのでしょうか?
また今回治療した歯も2次カエリスが原因なのですが、今度2次カエリスを防ぐために自分自信でケアできることはありますか?
なぜ治療したはずのインレー(銀歯)の中に虫歯ができてしまうのでしょうか?
ぜひ教えて下さい。
よろしくお願いします。
回答1
回答日時:2007-10-10 22:56:00
え?何故に指名を??
(一応当店は指名制はとっておりませんが。。)
ラバーダムは使おうと思えば意外と多くの場面で使用出来るのですが、最も予後に影響するのはやはり根管治療だと思います。
唾液中の細菌を混入させないことが主な目的です。
次に接着性の材料を使う様な虫歯の治療やフィッシャーシーラントの時ですね。
こちらは、唾液中のタンパクや水分、呼気中の水分を混ぜないことが主な目的となります。
これらが混ざると、接着力が低下してしまいますので。
ただしこちらに関しては、最新の材料を、注意を払いながら正しく使用することで、接着力の低下は「臨床的許容範囲内」には抑えられると個人的には解釈しています。
ですから私も使ったり使わなかったりですね。
具体的には、直接充填用のコンポジットレジンの接着力(カタログスペック)が、モノさえ選べば現在は20MPa以上あるのですが、10MPaちょっとの製品もあります。
ですから、20MPaの製品を使用する際に少々エラーがあっても・・
という理屈です。
たぶんそんなに単純な話ではないと思いますが。
他には・・ほとんど使わないでしょうね。
a)根管治療
b)接着
とすると、ラバーの使用率をいい加減な推測で書きますと、
日本 a) 2%ぐらい b) 1%以下
海外 a) 90%ぐらい b) 70%ぐらい
・・何の根拠もありませんが、そんなイメージです。
担当の先生が驚かれたのも無理もないと思いますよ。
考え方や方針、それとその先生の持っている知識によっても使用の必要性に違いは出ると思います。
>なぜ治療したはずのインレー(銀歯)の中に虫歯ができてしまうのでしょうか?
保険のインレー自体、適合精度が甘いです。
理由は色々あるのですが、なかなかぴったりとは行きません。
そこに、「接着」ではなくて「合着」でひっかけて固定します。
「合着」すると、合着用セメントの厚みが、歯質とインレーの隙間にある程度出来るのですが、時間と共に水分にも溶けますし、元々十分な強度もないですから、余計に溶出して隙間が出来やすいです。
もちろん必ずそうなる訳ではありませんが、確率はかなり高いと思います。
そうするとその隙間にプラークが溜まって虫歯になるのは想像がつきますよね?
他にも、インレー修復の場合、かなりの面積を削らなくてはいけない割りに、後で作った金属をはめ込むために、形態の制約が多いです。
(虫歯は内開きで広がっているのに対して、インレーは外開きに削らなくてはいけません。レジンやアマルガムは内開きで削っても可)
そういったことも起因して、虫歯自体を取り残す可能性も高いと思われます。
金属自体が唾液と馴染みが悪く、プラークをこびりつかせやすい、という問題もあります。
ですからご自身でどうにか出来ることって、正直少ない気がします。
もちろんフッ素や歯間ブラシの使用、間食の取り方の注意はされた方がいいとは思いますよ。
(一応当店は指名制はとっておりませんが。。)
ラバーダムは使おうと思えば意外と多くの場面で使用出来るのですが、最も予後に影響するのはやはり根管治療だと思います。
唾液中の細菌を混入させないことが主な目的です。
次に接着性の材料を使う様な虫歯の治療やフィッシャーシーラントの時ですね。
こちらは、唾液中のタンパクや水分、呼気中の水分を混ぜないことが主な目的となります。
これらが混ざると、接着力が低下してしまいますので。
ただしこちらに関しては、最新の材料を、注意を払いながら正しく使用することで、接着力の低下は「臨床的許容範囲内」には抑えられると個人的には解釈しています。
ですから私も使ったり使わなかったりですね。
具体的には、直接充填用のコンポジットレジンの接着力(カタログスペック)が、モノさえ選べば現在は20MPa以上あるのですが、10MPaちょっとの製品もあります。
ですから、20MPaの製品を使用する際に少々エラーがあっても・・
という理屈です。
たぶんそんなに単純な話ではないと思いますが。
他には・・ほとんど使わないでしょうね。
a)根管治療
b)接着
とすると、ラバーの使用率をいい加減な推測で書きますと、
日本 a) 2%ぐらい b) 1%以下
海外 a) 90%ぐらい b) 70%ぐらい
・・何の根拠もありませんが、そんなイメージです。
担当の先生が驚かれたのも無理もないと思いますよ。
考え方や方針、それとその先生の持っている知識によっても使用の必要性に違いは出ると思います。
>なぜ治療したはずのインレー(銀歯)の中に虫歯ができてしまうのでしょうか?
保険のインレー自体、適合精度が甘いです。
理由は色々あるのですが、なかなかぴったりとは行きません。
そこに、「接着」ではなくて「合着」でひっかけて固定します。
「合着」すると、合着用セメントの厚みが、歯質とインレーの隙間にある程度出来るのですが、時間と共に水分にも溶けますし、元々十分な強度もないですから、余計に溶出して隙間が出来やすいです。
もちろん必ずそうなる訳ではありませんが、確率はかなり高いと思います。
そうするとその隙間にプラークが溜まって虫歯になるのは想像がつきますよね?
他にも、インレー修復の場合、かなりの面積を削らなくてはいけない割りに、後で作った金属をはめ込むために、形態の制約が多いです。
(虫歯は内開きで広がっているのに対して、インレーは外開きに削らなくてはいけません。レジンやアマルガムは内開きで削っても可)
そういったことも起因して、虫歯自体を取り残す可能性も高いと思われます。
金属自体が唾液と馴染みが悪く、プラークをこびりつかせやすい、という問題もあります。
ですからご自身でどうにか出来ることって、正直少ない気がします。
もちろんフッ素や歯間ブラシの使用、間食の取り方の注意はされた方がいいとは思いますよ。
相談者からの返信
相談者:
Qさん
返信日時:2007-10-11 10:06:00
丁寧なご回答ありがとうございました。
渡辺先生、言葉足らずで申し訳ありません。
以前No.11526(クラウンとフィリングの違いについて)にてご回答頂いた時に以下(抜粋)の様なご質問があったので、渡辺先生を指名してしまいました。
>ラバーダムについてはどういう返事だったかなど、出来ればまた詳しく教えて下さいね。
>なかなか海外でどの様な治療がされているのか、正確に知る機会は少ないですので。
アメリカではラバーダムの使用が当然という意味だと思ってしまっていましたが、そうではないんですね。
またインレー(銀歯)に2次カエリスが出来てしまう理由がよくわかりました。
ありがとうございます!
ほとんどのインレー(銀歯)が10年以上前に治療したものなので、寿命だったのかもしれません。
そして自分自身のケアの甘さも問題だったような気がします・・・
ところで今回クラウン装着前に仮歯をはずした際に思わず気になって舌でその歯を触ってしまったのですが、大丈夫だったのでしょうか・・・?
>次に接着性の材料を使う様な虫歯の治療やフィッシャーシーラントの時ですね。
>こちらは、唾液中のタンパクや水分、呼気中の水分を混ぜないことが主な目的となります。
>これらが混ざると、接着力が低下してしまいますので。
クラウン(セラミック)装着前には特殊なスプレーのようなもの(掃除?)吹きかけてもらった気はするのですが、先生からの回答を読んでかなり心配になってしまいました。
(と言っても既に装着してしまっているのですが・・・)
よろしくお願いします。
渡辺先生、言葉足らずで申し訳ありません。
以前No.11526(クラウンとフィリングの違いについて)にてご回答頂いた時に以下(抜粋)の様なご質問があったので、渡辺先生を指名してしまいました。
>ラバーダムについてはどういう返事だったかなど、出来ればまた詳しく教えて下さいね。
>なかなか海外でどの様な治療がされているのか、正確に知る機会は少ないですので。
アメリカではラバーダムの使用が当然という意味だと思ってしまっていましたが、そうではないんですね。
またインレー(銀歯)に2次カエリスが出来てしまう理由がよくわかりました。
ありがとうございます!
ほとんどのインレー(銀歯)が10年以上前に治療したものなので、寿命だったのかもしれません。
そして自分自身のケアの甘さも問題だったような気がします・・・
ところで今回クラウン装着前に仮歯をはずした際に思わず気になって舌でその歯を触ってしまったのですが、大丈夫だったのでしょうか・・・?
>次に接着性の材料を使う様な虫歯の治療やフィッシャーシーラントの時ですね。
>こちらは、唾液中のタンパクや水分、呼気中の水分を混ぜないことが主な目的となります。
>これらが混ざると、接着力が低下してしまいますので。
クラウン(セラミック)装着前には特殊なスプレーのようなもの(掃除?)吹きかけてもらった気はするのですが、先生からの回答を読んでかなり心配になってしまいました。
(と言っても既に装着してしまっているのですが・・・)
よろしくお願いします。
回答2
回答日時:2007-10-11 18:24:00
あー、やっと理解出来ました。
結局フィリングは止めてクラウンにされたのですね。
ご報告ありがとうございました。
クラウンの装着の件は問題ないですよ。
接着の直前に、担当の先生がきれいにしてくれてるはずですから。
銀のインレーは自分はかなり嫌いな方なので、ちょっと偏った説明にはなっていると思います。ひとつの意見として聞いておいて下さい。
後で、インレーの下の写真をアップしますね。
視診でもレントゲンでも全く問題のない歯です。
結局フィリングは止めてクラウンにされたのですね。
ご報告ありがとうございました。
クラウンの装着の件は問題ないですよ。
接着の直前に、担当の先生がきれいにしてくれてるはずですから。
銀のインレーは自分はかなり嫌いな方なので、ちょっと偏った説明にはなっていると思います。ひとつの意見として聞いておいて下さい。
後で、インレーの下の写真をアップしますね。
視診でもレントゲンでも全く問題のない歯です。
回答3
回答4
相談者からの返信
相談者:
Qさん
返信日時:2007-10-17 12:27:00
>渡辺先生
お礼を申し上げるのが遅くなってしまい申し訳ありません。
「後で」という言葉を数日後と勘違いしてしまい、気づくのが遅くなってしまいました。
大変わかりやすい写真を掲載して下さってどうもありがとうございます。
改めて銀のインレーの下にできる2次カエリスが恐ろしくなりました。。。
これからもこちらのサイトを通じて色々勉強していきたいと思います。
本当にご丁寧な回答をどうもありがとうございました!
お礼を申し上げるのが遅くなってしまい申し訳ありません。
「後で」という言葉を数日後と勘違いしてしまい、気づくのが遅くなってしまいました。
大変わかりやすい写真を掲載して下さってどうもありがとうございます。
改めて銀のインレーの下にできる2次カエリスが恐ろしくなりました。。。
これからもこちらのサイトを通じて色々勉強していきたいと思います。
本当にご丁寧な回答をどうもありがとうございました!
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質問者 | Qさん |
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回答者 |
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- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。